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●過去編あらすじ●

 星辰の揃う夜――
 異界の邪神ラトニャ・ル・テップという最大の難関を退け、晦 烏(ID:BNE002858)の提案により『ネクロノミコン』の残滓を利用する事で『渇望の書』より新たな力を得たアークの前に又新たなる問題が持ち上がる。
 三高平市という日本最高の神秘防備力を誇るその街に、次元の穴が開いたのだ。
 アークの調査によれば、この次元の穴は特別な性質を示していた。元来から『ボトム・チャンネル』と呼ばれるこの世界は階層世界の最下位であると認識されていたが、接続先の世界は少々事情が異なるという。
 ボトム・チャンネルからは干渉出来るが、その接続先からは不可能。行き来も同じく。

「この穴の接続された経路の先は――『多分』日本だ」

 不思議にも沙織の言葉を本能的に認識していたリベリスタ達はその世界が過去の世界である事を予測する。
 時は七月。舞台は一ヶ月先に『あの』ナイトメア・ダウンが待つ――世紀末の日本。
 タイム・パラドクスへの危惧等からアークは難しい舵取りを迫られるが、その設立の経緯からナイトメア・ダウンだけは見過ごせない時村沙織は己の強権でこの世界への干渉を選択する。過去世界で失われる英霊の命を助け、ナイトメア・ダウンによる破滅を少しでも軽減しようという試みであった。
 果たして懐かしい世界でリベリスタ達は活躍する。
 本当に正しい事かどうかを己に問いながら、それでもアークの目論みは上手くいっているようにも見えた。
 だが、遠いロシアの地では新たなる魔人がその動きを開始しようとしていた……
 一方、三高平市を取り巻く事態は進展を迎えていた。手探り状態で過去へ臨むアークは斜堂・影継(BNE000955)等の確認により、干渉する世界が現在と繋がる過去である確証を得るに到ったのだ。
 迫るナイトメア・ダウンとの全面対決の意志を固めたアークは、影継等リベリスタにアークの有する最大の秘密兵器を公開する。『神威』の名を冠した巨大兵器は驚くべきか、荷電粒子砲のアーティファクトであるという。三高平市が建造された当時からアークに眠っていたこの超兵器は『万華鏡』と同じく、かのR-typeの残滓を利用して建造されたこの世界のオーパーツであった。
 国内フィクサード等の動きは危惧されたが、邪魔はない。
 彼等にとってもナイトメア・ダウンは痛みなのだ
 八月十三日。そして、世界が真紅に包まれる。次元の穴より這い出ようとするR-typeに対して、アークとアークから警告を受けた過去のリベリスタ達は総力を結集して立ち向かう
 アークのプランは総攻撃でR-typeを釘付け、これを『神威』で撃破せしめるというもの。
 過去世界でかのクェーサー夫妻、梅子桃子の父親であるラルフが奮闘する。
 ソラ・ヴァイスハイト(BNE000329)ウラジミール・ヴォロシロフ(BNE000680)セレスティア・ナウシズ(BNE004651)、中山 真咲(BNE004687)リベリスタの活躍、真白智親の妻、ロゼットと邂逅し、彼女の協力を確認した結城 ”Dragon” 竜一(BNE000210)ユーヌ・プロメース(BNE001086)、そして多くのリベリスタと、自ら過去世界に赴き座標計算を完成させた智親の活躍もあり、遂にアークは『神威』の一撃を発射する。

 青く。
 青く。
 青く。

 彼方より――神の雷が飛来する。
 強烈な一撃はしかし、すんでてR-typeの迎撃に阻まれ、直撃には至らず。これを倒すには届かない。
 頭を抱える沙織に通信をかけてきたのは、ロゼットその人だった。
『神威』の全力を出せと言う彼女にリベリスタを巻き込めない沙織は反論する。
 だが、彼女は言う。

「色々な人に話を聞いたわ。特にこづかさんは多くの話を集めていたから。
 貴方達は不思議で、貴方達は強くて――貴方達は、余りいい役者じゃなかったみたい。
 私だけじゃない。皆、何となく気付いてる。まるで、家族のような――大切な人に似た空気を持った貴方達に。だから、つまりは……そういう事なんでしょう?」

 ……過去の英霊達は過去世界に干渉するリベリスタ達の正体に気付いていたのだ。
 自分達の時代を守る為、彼等愛する人達に世界を紡ぐ為に彼女は自分達ごと撃て、と言う。
 つまる所、最初以外にパラドクスは存在しなかったのだ。アークが過去に干渉し、R-typeを退けるのは正史。ロゼットを含むリベリスタ達が青い光に消えるのも……恐らくは正史だった。
 大粒の涙を湛えるイヴ。穏やかなるは母の強さか。

「泣かないで。愛してる」

 かくて、アークは最も辛く、最も重い引き金(トリガー)を『神威』射手たるレイチェル・ガーネット(BNE002439)に託した。
 強靭なる精神力を見せた彼女は、未来に向けて咆哮する。

「これがアークの――リベリスタの、意地です!
 その想いを、強さを存分に味わえ、R-type(バケモノ)――ッ!」

 智親の慟哭が空と突き上げ、レイチェルの絶叫が青く運命を浚う。
 赤の失せた空は何事も無かったかのような晴天だけを残していた。
 とても暑い日の出来事は、後世に一言も真実を残す事無く、静かにその幕を下ろす。
 過去のリベリスタも、アークのリベリスタも彼等の生き様はまるでムービースターのようだった……





★登場人物・重要事項Check!


『三高平市の次元の穴』

 三高平市に出現した過去へと続く次元の穴。
 同じ世界であるからか、例外的に現在のボトムが上位世界として扱われる。
 干渉は現代から過去への一方通行に留まっている。

『ナイトメア・ダウン』

 日本神秘史最悪の大事件。
 突如として起こったフォール・ダウン現象により生じた次元の裂け目から、ミラーミス『R-type』が出現した一連の事件を指す。
 日本のリベリスタと静岡県東部を壊滅させたが、撃退方法の真相が分からないまま『R-type』は撃退された。
 長くこれは神秘界隈のミステリーとされていたが……


『R-type』

 憤怒の巨人と呼ばれるミラーミス。
 全身は赤く、その全長は少なくとも一キロ以上。
 ラ・ル・カーナで世界樹エクスィスを狂わせ、ナイトメア・ダウンを引き起こした元凶。
 破壊に特化したその存在は総ゆるミラーミスの中でも上位に位置されると推測される。
 アークはこれに対抗する為に設立された。
 彼はそこに存在するだけでその世界を狂わせてしまうのだ。
『神威』の直撃を受け、次元の穴に後退した様子だが、滅びてはいない。
 それ自体は後のラ・ル・カーナ事変でも証明されている。
 ……と、言うより記録の上ではミラーミスが滅びた事例は一件も確認されていないと言った方が正解である。


『神威』

 荷電粒子砲のアーティファクト。R-typeの残滓から建造されたもの。『万華鏡』の兄弟機。
 非常に強大かつ不完全な兵器であり、その発動には都市をまかなう以上の電力が要求される。
 リベリスタ複数が搭乗して操作するシステムを有しており、個人で扱うのは難しい代物。
 R-typeの残滓から生まれた『神威』がR-typeを撃退する鍵だった事それそのものが最大のパラドクスである。


『ローゼンフレーム』ロゼット・真白

 デュランダル。
 ナイトメア・ダウンで落命した日本の有力リベリスタ。死亡時二十四歳。
 イヴの母親で彼女とそっくりの容姿を持つが、此方はかなり戦闘的なギガントフレームである。
 リベリスタ達の間ではかなりのアイドル的存在だったようだが、一般人の真白智親と年の差婚。
 ワインレッドのドレスを翻し、巨大な砲塔を自在に操る様は『ローゼンフレーム』の異名を取った。


『デイライト』ラルフ・ウォルター・エインズワース

 プロアデプト。ナイトメア・ダウンで落命。
 イギリスの魔術名門であるエインズワース家の次男坊だが、戦い方は邪道である。
 飄々とした態度、丁寧な物腰とは裏腹に虚無的な人物であったが、桜子との大恋愛で救われる。
 桜子と結婚した後は家から解放されるに至り、日本の神秘治安の為に尽力した。梅子と桃子の父親である。
 

『ハウンドドッグ』ハインツ・クェーサー

 レイザータクト。ナイトメア・ダウンで落命。
 最凶のリベリスタ家系とも称されるクェーサー家の先代。
 クェーサー家はレイザータクトを創始した家であるとされる大名門だが、命を賭しても敵を仕留めるというその極端な精神性が災いして、現在存命なのは娘である深春・クェーサー唯一人である。
 若い頃、妻・深雪とのコンビで『塔の魔女』アシュレイを地の果てまで追い詰めた事がある。
 彼女曰く「厄介極まる、もう二度と相手にしたくない絶対強者」。


『ハンタークイーン』深雪・クェーサー


 ナイトクリーク。ナイトメア・ダウンで落命。
 最凶のリベリスタ家系とも称されるクェーサー家の嫁。血縁は無いが極めてクェーサー。
 ハインツとのコンビネーションは完璧を極めていたとされ、数多くの敵を抵抗さえ許さずに屠ったという。
 ついた仇名は『ハンタークイーン』。
 若い頃、夫・ハインツとのコンビで『塔の魔女』アシュレイを地の果てまで追い詰めた事がある。
 彼女曰く「手数が異常で滅茶苦茶怖いです」。



■14/08/13



→『過去編』の動き