≪教化作戦≫撃鉄を起こせ
≪教化作戦≫撃鉄を起こせ


●戦場はすぐ
 薄暗い倉庫、ツナギを着て作業をしていた10人ばかりの男女がいた。
 その誰もが、黙々と、荷物を確認している。
「おい、まだ時間がかかるのか?」
「あー、多分。道が混んでいるんでしょう。あと2、3分もすればきっと来ますって。それまでもうちょっと待ちましょうよ」
 ブルーワーカー特有の、荒っぽい会話が進められている。怒鳴る初老の男。それを見て困ったように笑う若い女性。それだけならば、まだ普通の光景だった。
 しかし、彼らは実際の体格よりも大きく見えた。もっと正確に言えば、ツナギの下に、何か別の、それも厚いなにかを着込んでいるかのようだった。そう、例えば――ケブラーのベストや、ちょっとしたプロテクターといった類の。
 加えて、彼らの体のラインには、違和感があった。お尻や腰、くるぶし、脇と言った場所が不自然に膨れ上がっているのだ。何か固い、十数センチほどあるような金属で押し上げられているかのように。
「ったく、これからデカいヤマだってのに。センセイは緊張感が無いと来たもんだ」
「そう言わないでくださいよ。きっと、センセイだってうずうずしているはずです」
 作業を進める男女がそれを聞いて、ニヤリと笑う。そこには、真っ当な人間が到底浮かべないような、どこか危険なものを孕んでいた。彼らの目は、一様に昆虫のような眼をしていた。それも、獲物を狙う狩猟者のそれだった。
「ああ。心苦しいなぁ。とはいえ、仕方のないことだ」
 男の一人が、近くに置かれている箱のふたを開けた。そこにはいくつものサブマシンガンやその弾薬、分厚い肉を切り裂けるようなサバイバルナイフといった武装がいくつも並んでいた。銃器や戦いに関する心構えのある、人を傷つけようとする意志のある者が使えば、ちょっとした戦争を起こすことが出来る。
 そして、彼らは、彼らの言うセンセイはそういう人間だった。

●ブリーフィング
 『ネストリング』吉上・光(nCL2000120)は、ほんの少しだけ悲し気に覚者を見渡した。
「新人類教会に陰謀あり。協力求む。そんな告発がつい最近あったの」
 新人類教会。覚者に友好的な教義を持つ、比較的最近興った新興宗教の類だ。思想の若干の過激さ故に、時に覚者に否定的な者と諍いを起こすことも少なくはないようだったが、その動きがどうも怪しくなってきている。
「いわゆる憤怒者との小競り合い、それどころか、同じ教義を持つ信者にも攻撃を加えるようになってきたんだって」
 曰く、教会に反発する者。それ自体が悪であり、排除されなければならない。
 あってはならないことだった。少なくとも、何を思うかは自由である。けれども、それが他人の命や自由を奪う理由になってはいけない。
「場所は分かっているの。情報もあったし、私も、視たから」
 光は手にした資料を見せる。地図には不格好な丸が書かれていた。
「ここにある倉庫。重武装の人が十人ほど。他には、センセイって呼ばれている人もいるみたい。もしかしたら、教会に賛同する、みんなと同じ種類の人かも」
 覚者、もしくは隔者。教会の危険な者たちは教化と称して洗脳を行うとも言う。自らの意志でそうなったかどうかは見えないが、止めなければいけない。
「お願いできるかな。こんなこと、絶対に、あっちゃいけないって思うんだ」
 光は覚者たちを見つめる。どこまでも真っすぐに。


■シナリオ詳細
種別:通常
難易度:普通
担当ST:文月遼、
■成功条件
1.武装した信者の撃退
2.センセイの撃破
3.なし
お久しぶりです、文月遼、です。「、」までが名前です。


●ロケーション
 時刻は夕方。少しくらいですが、戦闘に支障はありません。郊外にある倉庫。戦闘に問題ない広さがあります。いくらか遮蔽物が見えます。

●エネミー
 武装した信者が十人です。

・コンバットナイフ 物近単 [出血]
・ハンドガン 遠物単
・サブマシンガン 遠物列
・遮蔽を取る 物隠れて体勢を立て直します。回避が若干上昇するほか一部の技能スキルを持たない覚者に対して次に行う「コンバットナイフ」の命中を大幅に上昇させ、BSの出血を[流血]に強化します 

●センセイ
教会の過激派によって洗脳された覚者です。彼が来る前に戦闘を始めた場合、2分程度で後衛として戦闘に参加します。水行で以下のスキルを使用します。
・B.O.T
・癒しの雫
・薄氷 
状態
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
(0モルげっと♪)
相談日数
6日
参加費
100LP[+予約50LP]
参加人数
8/8
公開日
2016年05月06日

■メイン参加者 8人■

『ハルモニアの幻想旗衛』
守衛野 鈴鳴(CL2000222)
『たぶん探偵』
三上・千常(CL2000688)
『影を断つ刃』
御影・きせき(CL2001110)
『調停者』
九段 笹雪(CL2000517)
『追跡の羽音』
風祭・誘輔(CL2001092)

●暴風の如く
「全く。一から十まで情報通り。嫌になるな」
「きなくせー連中だとは思ってたが、ついにやらかしたがったか」
 薄暗い倉庫。コンテナの影に隠れるようにして『たぶん探偵』三上・千常(CL2000688)と『ゴシップ記者』風祭・誘輔(CL2001092)は悪態をついた。視線の先には、どこか高揚感に包まれて作業を進める男女。点検している荷物に何が入っているかは、彼らの服装に見える不自然な膨らみを見ればすぐに分かる。新しいおもちゃを貰ってはしゃいでいる子供のようだと二人は思う。だから、尚更タチが悪い。
「あまり、長話をするわけにもいかねぇ。オイタをする前に灸をすえてやる」
「ええ。こんなことで差別をするような人たちには、反省してもらわなきゃ」
 牙を剥く肉食獣のように獰猛に笑い、腕と一体化した機関銃に乱暴に弾丸を装填する誘輔を見て、『ハルモニアの幻想旗衛』守衛野 鈴鳴(CL2000222)も頷いた。荒事を覚悟し、同時に敵味方問わず、一線を超えることも許さない決意。それを聞いて、『白い人』由比 久永(CL2000540)も、静かに笑みを浮かべる。
「余達の力は無闇やたらに傷つける為のものではないのでな……準備は良いな? それでは、あやつらには少し眠ってもらうとしようか」
「ええ。お願いします。彼らのなさっている事は止めないと……! ですね。」
 賀茂 たまき(CL2000994)が頷いた。覚者達が全身に、力を漲らせ、そして仲間へと加護を与える。時間にすればほんの数秒。けれども、勘付かれるのは時間の問題。絶妙のタイミングを見計らって、久永が羽扇を振るう。そよりとした風が吹き、武装した信者たちが一瞬立ちくらむ。
「そんなに人を傷つけたいなら、その逆も、覚悟してよね!」
 その隙を見逃さず、煌々と燃える炎の如く、『罪なき人々の盾』鐡之蔵 禊(CL2000029)が飛び出した。すくい上げるような蹴りから倒立。腕を軸にして身体を捻り、蹴りを浴びせる、近くにいた不幸な男たちを巻き込んで吹き飛ばす。
「敵襲だ! 体勢を立て直せ!」
「させると思う?」
 蹴りのダメージから立ち直った者、それを見ていた者。信者たちが散り散りになって物陰に隠れようとする。『調停者』九段 笹雪(CL2000517)は人形代を宙に放る。工場の天井付近まで飛んだと思えば、それは光の粒になって砕け、そのまま小さな礫となった。数人がそのまま物陰に隠れてやり過ごすが、降り注ぐ礫が信者たちの足を止める。
「よくわかんないけど、悪い事しちゃ、ダメだよね!」
 『鬼籍あるいは奇跡』御影・きせき(CL2001110)が、その様子を見てコンテナの影から飛び出した。両手に構えた一対の刀。そのまま体勢を立て直しつつある信者たちの懐に飛び込んで、そのまますくい上げるように斬撃を繰り出す。刃を使って殺すのではなく、極力峰を使って意識を刈り取るように殴りつける。禊の蹴りを受けていたこともあって、瞬く間に二人が昏倒する。信者たちの高揚が、別の物に変わる。バカげた義務や使命感ではなく、単純に銃を撃ち、ナイフを握り、暴力の最中にいれることに、喜びを見出しているようでもあった。

●疾風
「怯むな、撃て、撃て!」
 反撃とばかりに、無数の銃弾が飛ぶ。それは拳銃による単発のものであったり、サブマシンガンによる掃射であったりする。覚者達もそれを遮蔽に隠れることでかわし、もしくはそのまま受け止める。千常は撃たれた痛みに僅かに眉をひそめる。身体を強化しているものの、受けた弾丸を完全には消してくれない。狙いが甘い事もあって致命的なダメージこそないが、白いシャツにいくつか、赤いしみが生まれていた。
「っ……全く。誘輔、派手なのは良いがこっちまで撃ってくれるなよ?」
「分かってる、ガキにみっともねーとこ見せんじゃねえぞ、三上!」
 千常の言葉に応じて、三上が工場を駆ける。コンテナからコンテナへとびうつり、手ごろなものがあればそれを放り投げ、機関銃を掃射して攪乱に回る。銃弾の嵐と降り注ぐ巨大なコンテナに翻弄される一人を狙い、長刀の石突で地面を強く叩く。それに応えるように隆起した地面が男を撥ね飛ばした。一瞬、銃撃の雨が止む。
「武器を捨てて下さい……これ以上、痛い思いをして欲しくありません」
 無数の弾丸を受けた千常の傷を癒しながら、鈴鳴は叫ぶ。音の止んだ工場に、凛とした少女の声が響き渡った。
「お前たちは、覚者なのだろう。我々はお前たちを思って――」
「ありがたいことだが、その答えが銃と言うのは短絡的過ぎはしないか」
「そういうのって優生学って言うんだっけ。こういう人たちってガワが変わっただけで、根っこは同じ。自分に都合のいい存在しか許さない所とか」
 呆れたように、久永が言う。それに続くようにして、笹雪が声を張り上げる。憤懣やるかたないといった様子で、勝手な理屈に対して怒りを隠そうともしない。以前にも似たような相手と渡り合った経験があるだけに、尚更。
「そうか。ならば仕方ない……」
 ガチャリと薄い金属を潰したような音が響く。マシンガンに弾丸を装填した音だった。それに混じって、コンバットブーツが注意深く地面を叩く音が、数少ない覚者達の耳に届いた。
「右後ろに二人」
「だと、思ったよ!」
「こすっからい手じゃねえか。惜しかったな」
 久永の声に、禊は振り返る勢いで後ろ回し蹴りを繰り出した。側頭部を打つ、ぱんっという軽い音共に、面白いように信者が吹き飛び、コンテナにぶち当たる。誘輔が機関銃を盾にしてナイフを受け止めた。そのまま力強く振り払って吹き飛ばし、倒れたところで腕ごとマシンガンを撃ち抜いて戦意を奪う。
「あなたたちの思想全てが悪とは言いません。けれど、こんなことをしても!」
 たまきが力強く足を踏む。その言葉と共に発されるプレッシャーが、信者たちの気を削いだ。数人が力なく銃を落とし、立っている人数の方が少なくなった。覚者としての力が無くとも、彼らの勢いは既に奪われていただろう。動きが止まったところに、すぐさまきせきが飛び込んで、彼らの意識を刈り取って行く。
 足音が響いた。今度は、一つ。全員に聞えるような、堂々とした足音だった。

●敵は覚者?
「シケた親爺かと思ったが、随分と若いな」
 寂れた倉庫に不釣り合いな、伊達男がいた。カソックのような丈の長いコートに身を包んだ、伊達男だった、人工のものであると明らかに分かるような金色の髪をなでつけ、サングラスをかけている。ここまで勘違いした男がいるものかと、千常は呆れたようにぼやいた。
「騒がしいと思って来て見れば、これはどうしたことだ」
「センセイ……!」
 センセイ。そう呼ばれた男は壊滅状態に近い信者たちと覚者を交互に見比べほうと息を漏らす。
「ほう。お前が「せんせい」か……何の先生かは知らないが」
「用心棒とかじゃないの? よくあるじゃん。センセイ、お願いしますとかさ!」
 久永がじりと入り口をふさぐように動きながら、ぽつりと呟いた。それを聞いて、きせきが、テレビかゲームかで見たような、仰々しい口調を真似て答える。ほんの一瞬ではあるけれど、戦闘中とは思えない気の抜けた会話が広がる。
「それで概ね間違いは無いと言っておこう。今日はどのような用件だ」
「見て分からない?」
 腰を落とし、全身に力を込めながら禊が問い返す。
「私たちの活動が気に食わないようだ」
「聞いた話によると、洗脳されてるって話だけど」
 笹雪の言葉に、センセイと呼ばれた男は一度考え込んで、悪びれも無く、センセイは笑って答えた。
「ああ。洗脳と言えばそうだろうが。元から俺はこういうのが好きなんだ。好き放題暴れられるんだろう。それなりに筋の通った理由で、自由に」
「だからって、色んな人を傷つけていい理由にはなりません!」
「なるさ。ルールは強い奴が作るって決まってるんだ」
 鈴鳴の声も、センセイには届かない。一瞬、鈴鳴が悲しげに目を伏せた。
「宗教そのものとなら、もしかしたら、上手く付き合っていけるかもって思ったけど……」
「ええ。止めましょう。全力で」
 笹雪がやれやれと息をついた。たまきが強く唇を噛みしめる。洗脳にも程度があるのだと覚者達は理解した。そして、目の前の男は多分、その程度が低い者だと。むしろ、勝手気ままに力を操る隔者に近い人間だ。だからこそ、センセイなどという仰々しい名前を与えられているのだ。
「話は十分か。逃がしては貰え無さそうだからな」
 センセイが、腰のホルスターから拳銃を引き抜いた。引き金を引くとともに、無数の氷の弾丸が前に立つ覚者達を襲う。無数の氷の刃が全身を引き裂く。少なくとも、覚者としての力は数段上だろうことは分かった。けれども、それで怯む者はどこにもいなかった。
「好き勝手やって、世間様に迷惑をかけるもんじゃないぜ、ボウズ」
「ああ。一回痛い目見なきゃ分からねぇな! 行くぜ、センセイ!」
 氷で頬を割かれた千常が再度地面を隆起させる。それを回避したところに、誘輔が執拗な銃撃を浴びせかける。一度は静かになった倉庫。そこは再び戦場と化した。

●予感
「無理はなさらないでください!」
 鈴鳴が前衛に立つ覚者達に癒しの霧を振りまいた。裂けた傷までは追い付かないものの、再び戦うには十分な力を、覚者達に与える。
「でも、逃がすなでしょ。分かってるよ!」
 笹雪が人形代をかざす。宙に舞ったそれは今度は光の粒ではなく、強力な雷となってセンセイに降り注ぐ。落雷を受け、センセイが怯む。バチバチと音がして、全身が痙攣する。痺れるままに、センセイが銃を自分の頭に突きつける。
「させないよ!」
 きせきが鋭く刀を振るう。空を切ったのではなく、それによって飛ばした種子がカソックに付着し、衣服ごと裂くようにセンセイを蝕んだ。
「この……ガキっ!」
 センセイが今度はきせきにめがけて引き金を引く。今度は不可視の弾丸だ。衝撃波がきせきの上体を大きく揺らし、そして背後にいた久永にもダメージを与える。
「洗脳を解けば多少は落ち着いてくれるだろうが……取りあえずは、眼を覚ましてもらおうか」
 久永がたたらを踏んで、そして羽扇を振るう。再度生まれた光が落雷となって再度先生に注ぐ。何度も受けるわけにも行かず、センセイも銃を撃って牽制しながら、地面を縫うように走ってその攻撃をかわす。
「逃がしはしません!」
 たまきが滑り込むようにして、センセイの前に躍り出る。そのまま拳を握り締め、全身を硬化させる。振り抜くように、小さな拳を突き出す。センセイが拳銃両手で握り締め、即席の盾にしようとするが、金属とプラスチックで形成された精密機械は、その拳に対してあまりに脆かった。真っ二つに拳銃が砕け、そのまま鳩尾に拳が沈む。
「クソッ……負けるはずがねぇだろ。俺は……」
「こちとら修羅場を潜り抜けてんだ。鍛え方が違う」
 ふらつきながらも、殺意を向けるセンセイを見て、誘輔が薄く笑った。決して少なくないダメージを受けてはいるものの、その立ち方に消耗は見えない。それがタフネスなのか、やせ我慢なのかは彼だけが知るところだ。
 その背後で、禊は静かに力を貯めていた。受けた傷にも構わず、全身に気力を巡らせる。急激に活性化した肉体が、その傷を少しずつ癒してゆく。燃え上がるような力が、漲って来る。
「十天がひとり、鐡之蔵禊。最高温度で蹴っ飛ばすよ!」
 十メートル近くあった、センセイとの距離。それがほんの瞬きする間に目前になっていた。センセイも辛うじて反応し、腕をクロスしてガードする。そのガードごと薙ぎ払う、刃のような蹴りがセンセイを吹き飛ばした。
 ぐったりと倒れた男に、もはや立ち上がる気力は残されていなかった。無数に受けた攻撃で、へしゃげたサングラスが地面に転がった。
「これから、聞くべきことがたくさんあります……」
 静かになった倉庫に、鈴鳴声が反響する。時間にすればほんの十分とない出来事だったのに、それ以上に感じられた。
「洗脳も解いて上げられたらいいかも」
「どちらにせよ、反省してもらわなきゃね」
 きせきがお腹を押さえながら、笹雪がほんの少し怒りながら、彼女の言葉に同意する。
「けれど、これからF.i.V.Eはどうなっていくのでしょう」
 たまきの小さな言葉に覚者達は一瞬だけ思考を巡らせる。
「ひとまずは、彼らを回収しよう」
「そうだね。今は目の前のことで精いっぱいなんだから」
 たまきは、久永や禊のように割り切ることもできず、かといってそれを否定することもできなかった。かわりに小さく頷いた。少なくとも、起きる筈だった惨劇を止められたことは確かだからだ。
 彼女達から少し離れた所で、千常と誘輔は静かに紫煙をくゆらせていた。肺をヤニで汚せるのは、大人の特権だ。
「なあ三上 テメエはどう思う? 覚者と非覚者どっちが偉ェとか強ェとかくだらねーとしか思えねー」
「あー? まぁそうだなぁ……俺達は力に目がくらんじまう生き物だからなぁ。どっちにせよ人間なんだからな」
「どっちにだって腐ったヤツはいるし、同程度にいいヤツもいる。くだらねーフィルターを通してちゃ、見えねぇだろ」
 そこまで言って、誘輔は黙り込んで、ちいさくぼやいた。
「語っちまったな。らしくねぇ」
「全くだ。若いのにほだされたか?」
「バカ言え、そこまで歳は食ってねぇよ」
 二人は苦笑を浮かべ、短くなった煙草の始末をつけて後始末へと戻って行った。

■シナリオ結果■

成功

■詳細■

MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし




 
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