忍法ラッキースケベの術
●エッチなトラブル起き放題!
「「――と見せかけて俺だよ!」」
白人と黒人のマッスルメンズがビキニパンツ一丁でポージングしていた。
二人は大胸筋を小刻みに振るわせながら『おっぱい』と筆で書かれた胸部をアピール。
二人の中央には忍び装束に身を包んだ男が巻物を手に立っていた。
「ダークマスターTENGU様から頂いたこの巻物によって拙者はラッキースケベをいつでも起こすことが可能になった――つまり、神の力を手に入れたのでござる! ハァッ!」
気合い一発。
忍者がセクシーポーズと共にウィンクすると、道行くおっさんが急にバナナの皮で滑って転んで白マッスルのケツに顔を埋めたかと思うと上から降ってきた黒マッスルのケツに押しつぶされた。
「スケベ神に、拙者はなる!」
●今度こそ……今度こそはなぁ!
久方 相馬(nCL2000004)は手をわきわきさせて言った。
「廊下で女子とぶつかった時、相手を押し倒した上に手が偶然相手のおっぱいを掴みなおかつ二回ほどもんでいるのに最低限必要な前提条件を答えよ。ただし自分はハーレムラノベの主人公ではないものとする……か。このテスト問題、難しいな」
誰だこんな問題作ったやつは。
さておき。
彼の話によれば町中で所構わずラッキースケベを起こしては本人が絶対望んでいないであろうシチュエーションに持って行くという悪魔みたいな隔者がいるらしい。
この隔者犯罪を止めるべく、今F.i.V.E覚者は集められているのだ。
「まず相手と向き合ってる必要があって、尚且つ持っているものを放り出さなきゃいけないから……」
どうやらその隔者はダークマスターTENGUとかいう古妖から自分だけが使える術を授かったらしく、ラッキースケベはそれによって発動しているらしい。らしいばっかりなのは詳しいところがよくわかんないからだ。わかりたくないからだ。
「いや待てよ。後ろから抱きつく形なら押し倒しつつ揉める! ってことはリュックサックなどの排除不能な障害物さえなければ……」
出現場所は特定できている。現地に向かい、彼と彼をサポートする隔者たちを倒すのだ!
「しまった、俺はとんだ思い違いをしていたぞ。手を伸ばせばいつだっておっぱいに届くんだ! だからこの答えは……『おっぱいに伸ばせる手が僕にある』だ! やったあ!」
たのんだぞ、F.i.V.E覚者たちよ!
「「――と見せかけて俺だよ!」」
白人と黒人のマッスルメンズがビキニパンツ一丁でポージングしていた。
二人は大胸筋を小刻みに振るわせながら『おっぱい』と筆で書かれた胸部をアピール。
二人の中央には忍び装束に身を包んだ男が巻物を手に立っていた。
「ダークマスターTENGU様から頂いたこの巻物によって拙者はラッキースケベをいつでも起こすことが可能になった――つまり、神の力を手に入れたのでござる! ハァッ!」
気合い一発。
忍者がセクシーポーズと共にウィンクすると、道行くおっさんが急にバナナの皮で滑って転んで白マッスルのケツに顔を埋めたかと思うと上から降ってきた黒マッスルのケツに押しつぶされた。
「スケベ神に、拙者はなる!」
●今度こそ……今度こそはなぁ!
久方 相馬(nCL2000004)は手をわきわきさせて言った。
「廊下で女子とぶつかった時、相手を押し倒した上に手が偶然相手のおっぱいを掴みなおかつ二回ほどもんでいるのに最低限必要な前提条件を答えよ。ただし自分はハーレムラノベの主人公ではないものとする……か。このテスト問題、難しいな」
誰だこんな問題作ったやつは。
さておき。
彼の話によれば町中で所構わずラッキースケベを起こしては本人が絶対望んでいないであろうシチュエーションに持って行くという悪魔みたいな隔者がいるらしい。
この隔者犯罪を止めるべく、今F.i.V.E覚者は集められているのだ。
「まず相手と向き合ってる必要があって、尚且つ持っているものを放り出さなきゃいけないから……」
どうやらその隔者はダークマスターTENGUとかいう古妖から自分だけが使える術を授かったらしく、ラッキースケベはそれによって発動しているらしい。らしいばっかりなのは詳しいところがよくわかんないからだ。わかりたくないからだ。
「いや待てよ。後ろから抱きつく形なら押し倒しつつ揉める! ってことはリュックサックなどの排除不能な障害物さえなければ……」
出現場所は特定できている。現地に向かい、彼と彼をサポートする隔者たちを倒すのだ!
「しまった、俺はとんだ思い違いをしていたぞ。手を伸ばせばいつだっておっぱいに届くんだ! だからこの答えは……『おっぱいに伸ばせる手が僕にある』だ! やったあ!」
たのんだぞ、F.i.V.E覚者たちよ!

■シナリオ詳細
■成功条件
1.忍者たちをやっつける
2.なし
3.なし
2.なし
3.なし
今度こそ本領を発揮するんだ。
忍者たちをやっつけるのが今回の任務でございます。
忍者は一応天行×現の因子ですがンなことはどうでもいいよ。マッスル二人組は土行×現の因子だけどそれもどうでもいいことだ。重要なことじゃない。
彼らはダークマスターTENGUから授かった巻物を使用しています。この巻物は授かった当人にしか使えない秘術が込められており彼はこれを使って任意のタイミングでラッキースケベを起こします。
しかし内容までは指定できないのでそばにいるマッスルたちをええカンジに配置することで調整をかけています。
ちなみに巻物は忍者が倒されると同時に消滅します。あと忍者はマッスルたちが守っているので順序的にはマッスル→忍者になると思います。
状態
完了
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
相談日数
7日
7日
参加費
100LP[+予約50LP]
100LP[+予約50LP]
参加人数
8/8
8/8
公開日
2015年11月28日
2015年11月28日
■メイン参加者 8人■

●絶対にダークマスターTENGUの名前を言い間違えるなよ絶対だぞ
「マスターなんとかのTENG○? やらしー名前ね」
熊守・小梅(CL2000512)の口元にモザイクがかかった。
「どうせ赤と白のカラーリングなんでしょ? でもって長くそりたったアレに……」
「ストップ! ストップ! やめろ! それ以上禁止ワードを出しちゃダメ! この依頼が公開停止になったらどうするんだよ!」
工藤・奏空(CL2000955)が小梅に被る形でばたばた手を振った。
にっこり笑って首を傾げる魂行 輪廻(CL2000534)。
「あぁらぁ、『その手のワード』って例えばナニかしらねん。ちょっと教えて貰えるかしらぁ」
「そそしょしょれはだにゃ!」
「落ち着け。人語を忘れかけているぞ」
奏空の肩を掴んで、赤坂・仁(CL2000426)がきりりと顔を引き締めた。
「忘れるな。どんな状況、どんな相手、どんな任務であろうとも与えられそして引き受けたからには全うするのみだ」
「お、おう……」
深呼吸する奏空。
「オホン! オッホゴホ! ゴホン!」
天明 両慈(CL2000603)は咳払いしてからニヒルに笑った。
「そうだな。これは任務(依頼)……ん? 既視感があるな、この状況」
「そうかな? 大丈夫だよー、きっと」
『裏切者』鳴神 零(CL2000669)がほがらかに笑った。
ちょーほがらかに笑った。
「イヤなことと言えば気持ち悪い見た目の人たちを相手にしなきゃいけないことくらいでしょ? 大丈夫! がんばるからね!」
零はガッツポーズした。
ちょー純朴にガッツポーズした。
その両肩を、二人のビキニパンツマンが叩いた。
「ヨーウ?」
「メーン?」
「みぎゃああああああああああああああん!」
ころすーころすーこのよのためにころすーと言って刀をぶんぶん振り回す零とそれをチューチューなトレイン動作で回避しまくるビキニパンツマンたち。
『罪なき人々の盾』明石 ミュエル(CL2000172)と菊坂 結鹿(CL2000432)はぎゅっと手を握りあい、硬く何かを誓い合った。
「……がんばろうね」
「……はい」
●誰かに怒られても明日の自分がきっと全力で謝ってくれる。だからもう――迷わない!
「い、いきます!」
刀を大上段に振り上げた瞬間。
結鹿のスカートがめくれ上がった(1カメ)。
結鹿のスカートがめくれあがった(2カメ)。
結鹿のスカートがめくれあがった(3カメ)。
奏空はつんのめって顔から倒れ、両慈は目を瞑り、仁はサングラスを光らせた。
「や、やだっ……!」
刀を取り落とし、両手でスカートの前後を押さえる結鹿。
急に変なことを言うけど、スカートってめくれた時よりその後の反応にこそ意義があるよね。
「み、みましたか……?」
「みたにゃい!」
「みえてない」
「みていない」
同時に応える男性陣。
さておき。
「フフフ、フフフフ、フフフーフ。どうやら覚者たちが拙者を止めに来たようだがもう遅いぞ」
巻物を加えてメヒョウのポーズをとった忍者が現われた。
「我は忍者隔者。古妖ダークマスターTENGU様に頂いたこの巻物によって貴様らはラッキースケベの餌食となるのだ!」
「こいつ自分の素性を全部喋ったぞ」
「求められても居ないというのに」
軽く引いてる奏空たちの一方で、小梅と輪廻はずずいと前へ出た。
肩やうなじ、胸の谷間がちゃんとカメラに映るようにやや斜めに構えて並ぶ姿勢である。カメラってなんだろう。
「あらあら、私は一行に構わないわよん」
「一回や二回くらい大目に見てあげるわ」
指でオーケーサインを出す小梅。
で、その指を翻した。
「一回一万ね」
「金取るのかよ!」
「うにゃー! せんてひっしょー!」
零は日頃のキャラはどこにいったんだろうってくらいバタバタしながら忍者たちへと襲いかかった。
身体は三頭身になっていたし足だけが沢山に増えて見えたし刀は無駄に大上段に掲げてぐるぐる回していた。
ほんとうに誰なんだこいつ。
「気持ち悪いことしてないで大人しくお縄につきなさいよね! 私は十天がひと――」
「え、10TENG○?」
「鳴神れいまなっていったこらぁ!」
頭身を戻して斬りかかる零。
忍者はすかさず両手で乳首をこりこりするポーズをとった。
「隙あり! ハァ!」
「にゃあん!?」
零はなぜか足下にあったバナナの皮で滑って転んで近くのミュエルを押し倒した。
いつもの格好だからつって体操服を着ていたミュエルである。その服の裾から頭を突っ込んで零はひたすらじたばたした。
「わああああああいおっぱいだああああああああ!」
「ええっ!? なんで!? なんでそんな反応なの……!?」
おちついてーと言って零の顔にファブ○ーズを吹きかけ続けるミュエル。信じられないかも知れないけど清廉香の使用シーンである。あと別にBSじゃないから意味は無い。
顔(っていうか仮面)をファブまみれにした零がのっそりと起き上がった。
「だってミュエルちゃんは翼人と間違われるくらい天使だから……」
「誰かのいいわけを代わりにさせられている……」
こめかみを押さえる両慈。
その一方で、仁は冷静に銃を抜いた。
「だが見ろ、この行動で相手に隙が出来ている」
「なに!?」
振り返る両慈。
忍者を守るビキニパンツマッスルの白い方……の頭に零の刀がぶっすり刺さっていた。
ついでにミュエルの槍もぶっすり刺さっていた。
親指を立ててニヒルに笑う白マッスル。
「イエース」
「何がイエスだ!」
「こいつら、らきすけで防御するのかと思ったら割と無防備だぞ!」
「好都合だ」
仁は白マッスルに向けて銃撃を開始。
それを阻害しようとした黒マッスルのパンチをひらりと飛びかわし、ブロック塀の上へと着地。仁はそのまま狭いブロックから高所銃撃へ移行。黒マッスルがブロック塀を破壊するも既に仁は彼らの頭上を飛び、もう一丁の銃を抜いて全力射撃!
「か・ら・の――ハァイ!」
股間を強く持ち上げるポーズで気合いを入れる忍者。
空中の仁にどこからともなく飛んできたコウノトリが激突。
バランスを崩した仁はすぐ下にいた相手を押し倒し胸をわしづかみにした。
相手は両慈だった。
「……」
「……」
顔を背ける両慈。
「大丈夫だ。続けてくれ」
誤解を招くようなことを平気で言う両慈(尊い! 尊いよおおおおおう!)である。
「ふ、ふたりとも! ここは俺の出番だ! あんな忍者、術を使われる前に倒せばいいんだろ!」
つい最近まで人の腕が合体ロボみたくぽんぽん飛んでく依頼をこなしていたとは思えないテンションで、奏空は白マッスルに飛びかかった。
「隙だらけだ――アァイッ!」
尻を強調するアメリカのAVみたいなポーズをとって気合いを入れる忍者。
さっきのコウノトリがなぜか運んでいたキャベツを取り落とし、奏空へ激突。
バランスを崩した奏空はちょうどさっきのポーズのままだった小梅と輪廻へとダイブした。
いつかそういう挿絵ピンが作られることを期待して言うが、小梅と輪廻が向かい合ってお互いの乳をやんわりつぶし合っているその中心へ頭からいった。
「うわー!」
「ふふ、大丈夫よ奏空くん。一回や二回」
「それ一万取るんだろ!?」
「慌てちゃって可愛いわねん工藤ちゃんったら。サービスしちゃおうかしらん?」
「それも一万とるんだろ!?」
「あらん」
輪廻は気だるそうに息を漏らすと、奏空の後頭部を撫でた。
「お金なんてとらないわよん」
「ひゅー。大人の階段のぼるのね。君はまだシンデレラなのね」
「おとこわりしまっひゅ!」
再び人語を忘れた奏空はばたばたしながら逃げた。
あと彼のクナイは白マッスルの両乳首にジャストヒットしていた。親指を立ててマッスルスマイルを浮かべていたが魂がもう口から出ていた。
●明日クビになってもいいという覚悟
「もう、やだぁ……」
自分の身体を抱いてぷるぷるする結鹿。
とはいえこのままでは大変だ。刀を構え直し、黒マッスルへと構える。
「奏空さん、あの……」
「大丈夫だよ。なんかあったら絶対俺が守るから!」
イケメン度五割増しの顔で親指を立てる奏空。
結鹿は頷き、黒マッスルへ斬りかか――ろうとした所で忍者が道路標識でポールダンスのポーズをとった。
「そこだ――ヴェーイ!」
「ひゃあ!?」
何でか知らんけど急に結鹿のスカートのホックが外れてすとんと落ちた。
うわーと言って両手で顔を覆う奏空。
この前まで自分の操作能力に納得できなくてモヤモヤしていた少年とは思えない姿だった。指の間からちょっと見てたし。
「や、やだ……もう、最悪です……ぅ」
涙ぐんだ結鹿はその場にうずくまってぷるぷる震え始めた。
急に変なことを言うけど、スカートって落ちた時よりその後の反応にこそ意義があるよね。……ハッ、デジャビュー!?
「で、でも白マッスルの時みたいに刀が刺さってるかも! 今がチャンスだ!」
そう言って仁へ振り返った奏空……の頭に結鹿の刀がぶっささっていた。自分のクナイもぶっささっていた。
新手の噴水みたいに血がぴゅーぴゅーしていた。
「う~ん」
目をぐるぐるして倒れる奏空。
「あらあら」
「仕方ないわねえ」
奏空の両手と両足を持って回収していく小梅と輪廻。
余談だが、この二人をあえて一緒に描写しているのはそうすることで微妙な差が浮き彫りになるからである。決してキャラが被っているからではない。行動と動機は似てるけど目的がまるで違うからねこの二人。
不敵に笑う忍者。
「フフフ、どうやらラッキースケベの術に戸惑っているようだな」
「その余波でお前の仲間の魂が抜けてるがな」
「この調子でもう一発イクぞぉ! 次は仮面の女、お前だ!」
「えっちょっとやめて鳴神へのお触りは有料となっておりますうううう!」
両手をばたばた振り回す零だがそんなもんで回避できるものではない。
「さっきのようにパチンと外れてしまえ! オォン!」
M字開脚で忍者が気合いを入れた。
零の仮面がぱちーんといって外れて飛んでいった。
「いやああああああん!」
「なんでだ!?」
顔を両手で覆ってイヤイヤする零。
「ふええはじゅかしいよおー! みちゃいやあー!」
「基準がよく分からんが……そういうことなら」
両慈は自分のコートを零の頭にかぶせると、軽々と彼女を抱え上げた。
こう、背中と膝を持ち上げる形である。
俗に言うお姫様抱っこである。
「んにゃ!?」
「大丈夫か鳴神」
「ふええ、お姫様抱っこなんでふええ!」
「おかしいか? だが恥じることはない。お前は顔を見られて恥ずかしがっているが、俺は綺麗な女だと思うぞ」
「そんなぁ」
「変か?」
うるんだ瞳で見つめる零。
澄んだ瞳で見つめかえす両慈(リョージ……そのヒト、誰デス……?)。
小梅は目を細めて両慈の背中をガン見していた。
「どうしたのん?」
「なんかあの人、変な生き霊がついてる気がする。三つくらい」
「へえ、どんなかしらん」
「男と女と腐女子」
「うん?」
ちなみに、刀は黒マッスルの尻に刺さっていた。魂が尻から出ていた。
驚愕の目をする忍者。
「白黒マッスルメン! おのれ貴様らなんということを……!」
「ほぼ自爆だがな」
「ええいこうなったら一か八かだ!」
「その前にカタをつけるまで」
仁は銃のリロードを終えると、忍者へとまっすぐに駆け出す。
股間のファスナーを全開にして気合いを入れる忍者。
「最終奥義――アァァァァンッ!」
その瞬間。
仁が全裸になった(1カメ)。
仁が全裸になった(2カメ)。
仁が全裸になった(3カメ)。
けれどサングラスと革靴とあと腕時計だけは外れなかった。
きゃーきゃーと言って両手で目を覆う結鹿とミュエル。
顎に手を当てて『ほほう』とか言う小梅と輪廻。
その二人に挟まれて『えへ、えへへえへ……やわらかぁい』とか寝言をいう奏空。
それを世にも冷たい目で見つめる結鹿とミュエル。
あと未だに見つめ合っている零と両慈。それを上からガン見している三つの生き霊。
そして仁は(靴から上へ螺旋状に舐め撮り)。
全裸の仁は(尻筋と乳首とサングラスのトリプルカットイン)。
「終わりだ」
なんのリアクションもなく忍者の脳天を銃撃。
それで弾切れを起こしたらしく、マガジンを排出してキャッチした。
「任務終了」
後日談じゃないけどその後のハナシ。
仁(全裸)は忍者と白黒マッスルメンをお縄につけ、近くの交番を指さした。
「自分は彼らを監視し、然るべき機関に引き渡す。皆は温泉にでも行って疲れを癒やしてくれ」
「…………」
ミュエルがなんかぶつぶつ言いながら忍者にニセアカシアの枝をインアウトインアウトしていた。
「ニセアカシアの枝には、とっても鋭いトゲがついてるんだよ……。とっても、痛いよね……当たり前、だよね……アタシの心は、もっと痛かったんだよ……ごめんね、痛いよね、ごめんね……」
触れちゃ行けない目ェしていたから仁は彼女を放置した。
「うへへえ、今度はなでなでがいいのー。えっへへぇー」
零が両慈の腕の中でごろにゃんごろにゃんした。『仕方ない奴だな』みたいに微笑して頭を撫でてやる両慈(お前、俺のことを忘れたのか? あの夜のことを……)。
そんな彼に、仁が何かを投げてきた。
「そうだ。これは預けておく。公安に摂取されてもかなわないからな」
「うん? ああ……」
手に取ってみると、『忍法ラッキースケベの術』と書かれた巻物だった。
それを、あろうことか七兎(アテンド)がちゅるんって吸い取った。
吸い取るっていうかすするっていうか、『もうこれはご主人の神具ってことでいいんですよね?』みたいな対応だった。
「………………」
「………………」
高速後ろ歩きで距離をとる結鹿とミュエル。
両慈は手を翳して待ったをかけた。
「落ち着け。この巻物はあの忍者にペアリングされている。だから、ただのエネルギーをもった巻物だ。俺にラッキースケベは起きない」
「し、信じられないです……」
結鹿が完全におびえていた。
性的なセクハラを生まれて初めて受けたOLみたいな顔をしていた。
十三歳でする顔ではない。
「あらあら、大変ねぇん」
にこにこしながら奏空の頭を抱きかかえる輪廻。
奏空が『うーんにくまん』みたいなことを言って目を覚まし、新手の噴水みたく鼻血を吹いて気絶した。
セクハラを相談した同僚からもセクハラを受けたOLみたいな顔をする結鹿。
十三歳がしていい顔では無い。
「あらあら幸せそうねえ」
小梅は領収書にゼロを五つくらい書いて奏空のポケットにねじ込んだ。
「さあ、馬車馬のごとく働く覚悟はあるかしら?」
ウィンクする小梅。
奏空は何も知らずにへらへら笑って眠っていた。
あと仁は補導された。
「マスターなんとかのTENG○? やらしー名前ね」
熊守・小梅(CL2000512)の口元にモザイクがかかった。
「どうせ赤と白のカラーリングなんでしょ? でもって長くそりたったアレに……」
「ストップ! ストップ! やめろ! それ以上禁止ワードを出しちゃダメ! この依頼が公開停止になったらどうするんだよ!」
工藤・奏空(CL2000955)が小梅に被る形でばたばた手を振った。
にっこり笑って首を傾げる魂行 輪廻(CL2000534)。
「あぁらぁ、『その手のワード』って例えばナニかしらねん。ちょっと教えて貰えるかしらぁ」
「そそしょしょれはだにゃ!」
「落ち着け。人語を忘れかけているぞ」
奏空の肩を掴んで、赤坂・仁(CL2000426)がきりりと顔を引き締めた。
「忘れるな。どんな状況、どんな相手、どんな任務であろうとも与えられそして引き受けたからには全うするのみだ」
「お、おう……」
深呼吸する奏空。
「オホン! オッホゴホ! ゴホン!」
天明 両慈(CL2000603)は咳払いしてからニヒルに笑った。
「そうだな。これは任務(依頼)……ん? 既視感があるな、この状況」
「そうかな? 大丈夫だよー、きっと」
『裏切者』鳴神 零(CL2000669)がほがらかに笑った。
ちょーほがらかに笑った。
「イヤなことと言えば気持ち悪い見た目の人たちを相手にしなきゃいけないことくらいでしょ? 大丈夫! がんばるからね!」
零はガッツポーズした。
ちょー純朴にガッツポーズした。
その両肩を、二人のビキニパンツマンが叩いた。
「ヨーウ?」
「メーン?」
「みぎゃああああああああああああああん!」
ころすーころすーこのよのためにころすーと言って刀をぶんぶん振り回す零とそれをチューチューなトレイン動作で回避しまくるビキニパンツマンたち。
『罪なき人々の盾』明石 ミュエル(CL2000172)と菊坂 結鹿(CL2000432)はぎゅっと手を握りあい、硬く何かを誓い合った。
「……がんばろうね」
「……はい」
●誰かに怒られても明日の自分がきっと全力で謝ってくれる。だからもう――迷わない!
「い、いきます!」
刀を大上段に振り上げた瞬間。
結鹿のスカートがめくれ上がった(1カメ)。
結鹿のスカートがめくれあがった(2カメ)。
結鹿のスカートがめくれあがった(3カメ)。
奏空はつんのめって顔から倒れ、両慈は目を瞑り、仁はサングラスを光らせた。
「や、やだっ……!」
刀を取り落とし、両手でスカートの前後を押さえる結鹿。
急に変なことを言うけど、スカートってめくれた時よりその後の反応にこそ意義があるよね。
「み、みましたか……?」
「みたにゃい!」
「みえてない」
「みていない」
同時に応える男性陣。
さておき。
「フフフ、フフフフ、フフフーフ。どうやら覚者たちが拙者を止めに来たようだがもう遅いぞ」
巻物を加えてメヒョウのポーズをとった忍者が現われた。
「我は忍者隔者。古妖ダークマスターTENGU様に頂いたこの巻物によって貴様らはラッキースケベの餌食となるのだ!」
「こいつ自分の素性を全部喋ったぞ」
「求められても居ないというのに」
軽く引いてる奏空たちの一方で、小梅と輪廻はずずいと前へ出た。
肩やうなじ、胸の谷間がちゃんとカメラに映るようにやや斜めに構えて並ぶ姿勢である。カメラってなんだろう。
「あらあら、私は一行に構わないわよん」
「一回や二回くらい大目に見てあげるわ」
指でオーケーサインを出す小梅。
で、その指を翻した。
「一回一万ね」
「金取るのかよ!」
「うにゃー! せんてひっしょー!」
零は日頃のキャラはどこにいったんだろうってくらいバタバタしながら忍者たちへと襲いかかった。
身体は三頭身になっていたし足だけが沢山に増えて見えたし刀は無駄に大上段に掲げてぐるぐる回していた。
ほんとうに誰なんだこいつ。
「気持ち悪いことしてないで大人しくお縄につきなさいよね! 私は十天がひと――」
「え、10TENG○?」
「鳴神れいまなっていったこらぁ!」
頭身を戻して斬りかかる零。
忍者はすかさず両手で乳首をこりこりするポーズをとった。
「隙あり! ハァ!」
「にゃあん!?」
零はなぜか足下にあったバナナの皮で滑って転んで近くのミュエルを押し倒した。
いつもの格好だからつって体操服を着ていたミュエルである。その服の裾から頭を突っ込んで零はひたすらじたばたした。
「わああああああいおっぱいだああああああああ!」
「ええっ!? なんで!? なんでそんな反応なの……!?」
おちついてーと言って零の顔にファブ○ーズを吹きかけ続けるミュエル。信じられないかも知れないけど清廉香の使用シーンである。あと別にBSじゃないから意味は無い。
顔(っていうか仮面)をファブまみれにした零がのっそりと起き上がった。
「だってミュエルちゃんは翼人と間違われるくらい天使だから……」
「誰かのいいわけを代わりにさせられている……」
こめかみを押さえる両慈。
その一方で、仁は冷静に銃を抜いた。
「だが見ろ、この行動で相手に隙が出来ている」
「なに!?」
振り返る両慈。
忍者を守るビキニパンツマッスルの白い方……の頭に零の刀がぶっすり刺さっていた。
ついでにミュエルの槍もぶっすり刺さっていた。
親指を立ててニヒルに笑う白マッスル。
「イエース」
「何がイエスだ!」
「こいつら、らきすけで防御するのかと思ったら割と無防備だぞ!」
「好都合だ」
仁は白マッスルに向けて銃撃を開始。
それを阻害しようとした黒マッスルのパンチをひらりと飛びかわし、ブロック塀の上へと着地。仁はそのまま狭いブロックから高所銃撃へ移行。黒マッスルがブロック塀を破壊するも既に仁は彼らの頭上を飛び、もう一丁の銃を抜いて全力射撃!
「か・ら・の――ハァイ!」
股間を強く持ち上げるポーズで気合いを入れる忍者。
空中の仁にどこからともなく飛んできたコウノトリが激突。
バランスを崩した仁はすぐ下にいた相手を押し倒し胸をわしづかみにした。
相手は両慈だった。
「……」
「……」
顔を背ける両慈。
「大丈夫だ。続けてくれ」
誤解を招くようなことを平気で言う両慈(尊い! 尊いよおおおおおう!)である。
「ふ、ふたりとも! ここは俺の出番だ! あんな忍者、術を使われる前に倒せばいいんだろ!」
つい最近まで人の腕が合体ロボみたくぽんぽん飛んでく依頼をこなしていたとは思えないテンションで、奏空は白マッスルに飛びかかった。
「隙だらけだ――アァイッ!」
尻を強調するアメリカのAVみたいなポーズをとって気合いを入れる忍者。
さっきのコウノトリがなぜか運んでいたキャベツを取り落とし、奏空へ激突。
バランスを崩した奏空はちょうどさっきのポーズのままだった小梅と輪廻へとダイブした。
いつかそういう挿絵ピンが作られることを期待して言うが、小梅と輪廻が向かい合ってお互いの乳をやんわりつぶし合っているその中心へ頭からいった。
「うわー!」
「ふふ、大丈夫よ奏空くん。一回や二回」
「それ一万取るんだろ!?」
「慌てちゃって可愛いわねん工藤ちゃんったら。サービスしちゃおうかしらん?」
「それも一万とるんだろ!?」
「あらん」
輪廻は気だるそうに息を漏らすと、奏空の後頭部を撫でた。
「お金なんてとらないわよん」
「ひゅー。大人の階段のぼるのね。君はまだシンデレラなのね」
「おとこわりしまっひゅ!」
再び人語を忘れた奏空はばたばたしながら逃げた。
あと彼のクナイは白マッスルの両乳首にジャストヒットしていた。親指を立ててマッスルスマイルを浮かべていたが魂がもう口から出ていた。
●明日クビになってもいいという覚悟
「もう、やだぁ……」
自分の身体を抱いてぷるぷるする結鹿。
とはいえこのままでは大変だ。刀を構え直し、黒マッスルへと構える。
「奏空さん、あの……」
「大丈夫だよ。なんかあったら絶対俺が守るから!」
イケメン度五割増しの顔で親指を立てる奏空。
結鹿は頷き、黒マッスルへ斬りかか――ろうとした所で忍者が道路標識でポールダンスのポーズをとった。
「そこだ――ヴェーイ!」
「ひゃあ!?」
何でか知らんけど急に結鹿のスカートのホックが外れてすとんと落ちた。
うわーと言って両手で顔を覆う奏空。
この前まで自分の操作能力に納得できなくてモヤモヤしていた少年とは思えない姿だった。指の間からちょっと見てたし。
「や、やだ……もう、最悪です……ぅ」
涙ぐんだ結鹿はその場にうずくまってぷるぷる震え始めた。
急に変なことを言うけど、スカートって落ちた時よりその後の反応にこそ意義があるよね。……ハッ、デジャビュー!?
「で、でも白マッスルの時みたいに刀が刺さってるかも! 今がチャンスだ!」
そう言って仁へ振り返った奏空……の頭に結鹿の刀がぶっささっていた。自分のクナイもぶっささっていた。
新手の噴水みたいに血がぴゅーぴゅーしていた。
「う~ん」
目をぐるぐるして倒れる奏空。
「あらあら」
「仕方ないわねえ」
奏空の両手と両足を持って回収していく小梅と輪廻。
余談だが、この二人をあえて一緒に描写しているのはそうすることで微妙な差が浮き彫りになるからである。決してキャラが被っているからではない。行動と動機は似てるけど目的がまるで違うからねこの二人。
不敵に笑う忍者。
「フフフ、どうやらラッキースケベの術に戸惑っているようだな」
「その余波でお前の仲間の魂が抜けてるがな」
「この調子でもう一発イクぞぉ! 次は仮面の女、お前だ!」
「えっちょっとやめて鳴神へのお触りは有料となっておりますうううう!」
両手をばたばた振り回す零だがそんなもんで回避できるものではない。
「さっきのようにパチンと外れてしまえ! オォン!」
M字開脚で忍者が気合いを入れた。
零の仮面がぱちーんといって外れて飛んでいった。
「いやああああああん!」
「なんでだ!?」
顔を両手で覆ってイヤイヤする零。
「ふええはじゅかしいよおー! みちゃいやあー!」
「基準がよく分からんが……そういうことなら」
両慈は自分のコートを零の頭にかぶせると、軽々と彼女を抱え上げた。
こう、背中と膝を持ち上げる形である。
俗に言うお姫様抱っこである。
「んにゃ!?」
「大丈夫か鳴神」
「ふええ、お姫様抱っこなんでふええ!」
「おかしいか? だが恥じることはない。お前は顔を見られて恥ずかしがっているが、俺は綺麗な女だと思うぞ」
「そんなぁ」
「変か?」
うるんだ瞳で見つめる零。
澄んだ瞳で見つめかえす両慈(リョージ……そのヒト、誰デス……?)。
小梅は目を細めて両慈の背中をガン見していた。
「どうしたのん?」
「なんかあの人、変な生き霊がついてる気がする。三つくらい」
「へえ、どんなかしらん」
「男と女と腐女子」
「うん?」
ちなみに、刀は黒マッスルの尻に刺さっていた。魂が尻から出ていた。
驚愕の目をする忍者。
「白黒マッスルメン! おのれ貴様らなんということを……!」
「ほぼ自爆だがな」
「ええいこうなったら一か八かだ!」
「その前にカタをつけるまで」
仁は銃のリロードを終えると、忍者へとまっすぐに駆け出す。
股間のファスナーを全開にして気合いを入れる忍者。
「最終奥義――アァァァァンッ!」
その瞬間。
仁が全裸になった(1カメ)。
仁が全裸になった(2カメ)。
仁が全裸になった(3カメ)。
けれどサングラスと革靴とあと腕時計だけは外れなかった。
きゃーきゃーと言って両手で目を覆う結鹿とミュエル。
顎に手を当てて『ほほう』とか言う小梅と輪廻。
その二人に挟まれて『えへ、えへへえへ……やわらかぁい』とか寝言をいう奏空。
それを世にも冷たい目で見つめる結鹿とミュエル。
あと未だに見つめ合っている零と両慈。それを上からガン見している三つの生き霊。
そして仁は(靴から上へ螺旋状に舐め撮り)。
全裸の仁は(尻筋と乳首とサングラスのトリプルカットイン)。
「終わりだ」
なんのリアクションもなく忍者の脳天を銃撃。
それで弾切れを起こしたらしく、マガジンを排出してキャッチした。
「任務終了」
後日談じゃないけどその後のハナシ。
仁(全裸)は忍者と白黒マッスルメンをお縄につけ、近くの交番を指さした。
「自分は彼らを監視し、然るべき機関に引き渡す。皆は温泉にでも行って疲れを癒やしてくれ」
「…………」
ミュエルがなんかぶつぶつ言いながら忍者にニセアカシアの枝をインアウトインアウトしていた。
「ニセアカシアの枝には、とっても鋭いトゲがついてるんだよ……。とっても、痛いよね……当たり前、だよね……アタシの心は、もっと痛かったんだよ……ごめんね、痛いよね、ごめんね……」
触れちゃ行けない目ェしていたから仁は彼女を放置した。
「うへへえ、今度はなでなでがいいのー。えっへへぇー」
零が両慈の腕の中でごろにゃんごろにゃんした。『仕方ない奴だな』みたいに微笑して頭を撫でてやる両慈(お前、俺のことを忘れたのか? あの夜のことを……)。
そんな彼に、仁が何かを投げてきた。
「そうだ。これは預けておく。公安に摂取されてもかなわないからな」
「うん? ああ……」
手に取ってみると、『忍法ラッキースケベの術』と書かれた巻物だった。
それを、あろうことか七兎(アテンド)がちゅるんって吸い取った。
吸い取るっていうかすするっていうか、『もうこれはご主人の神具ってことでいいんですよね?』みたいな対応だった。
「………………」
「………………」
高速後ろ歩きで距離をとる結鹿とミュエル。
両慈は手を翳して待ったをかけた。
「落ち着け。この巻物はあの忍者にペアリングされている。だから、ただのエネルギーをもった巻物だ。俺にラッキースケベは起きない」
「し、信じられないです……」
結鹿が完全におびえていた。
性的なセクハラを生まれて初めて受けたOLみたいな顔をしていた。
十三歳でする顔ではない。
「あらあら、大変ねぇん」
にこにこしながら奏空の頭を抱きかかえる輪廻。
奏空が『うーんにくまん』みたいなことを言って目を覚まし、新手の噴水みたく鼻血を吹いて気絶した。
セクハラを相談した同僚からもセクハラを受けたOLみたいな顔をする結鹿。
十三歳がしていい顔では無い。
「あらあら幸せそうねえ」
小梅は領収書にゼロを五つくらい書いて奏空のポケットにねじ込んだ。
「さあ、馬車馬のごとく働く覚悟はあるかしら?」
ウィンクする小梅。
奏空は何も知らずにへらへら笑って眠っていた。
あと仁は補導された。
■シナリオ結果■
成功
■詳細■
MVP
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
『忍法ラッキースケベの術』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:天明 両慈(CL2000603)
カテゴリ:アクセサリ
取得者:天明 両慈(CL2000603)
