<ヒノマル戦争>ファイヴ村防衛作戦
●
ファイヴ、会議室――ではなくファイヴ村事務局。
「ククク、ヒノマル陸軍よ、ついにこの村の存在に気づいたか」
「ナゼ、ココガ、ワカタ!」
「いえ、その、かなりテレビに取り上げられていましたし……今更かと」
新生ぬりかべ団やアマゾネス、レンさんなどが事務局に集まって手紙を読んでいた。
『背景、ファイヴ村の皆さん。
赤い落ち葉を踏んで歩く今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
私などは赤いテ○ガを握りしめ秋の夜長を楽しんでおります。特に楽しみなのはN社で発売のエロゲ(ピー)なのですがこの次回作にあたる(ピー)はタイアップラジオでもそのエロさを遺憾なく――』
「ええいっ!」
レンさんが手紙を引き裂いた。
「なんですかこれは! セクハラですか!」
「いえ、秋の季語を入れろって言われたんで……11月発売予定だったエロゲを……」
テーブルを挟んだ目の前。
ヒノマル陸軍所属『第六覚醒隊隊長』大黒トモカズはのっぺりとした顔で言った。
立ち振る舞いは丁寧なのに目が死んでいるという、なんとも奇妙な男である。
『そんなワケで我々は、ファイヴにとってもはや小さくはない存在、ファイヴ村の制圧に乗り出したわけで――』
「読み上げないでいいですから。破片を拾って読み直さなくていいですから」
「暫く、ご迷惑おかけします」
大黒は(その立場にしては珍しく)深々と頭を下げ、事務所を出て行った。
●
「えー、みんな知っていると思うが、ヒノマル陸軍との戦争状態は今も続いている。FH協定によって民間人に被害を出すこと無く、限定戦争を行なうというものだ」
今回ヒノマル陸軍が制圧しようとしているのは『ファイヴ村』。
別名王子マッチョマックス村あらためマックス村&サザナミ村。もう村と呼ぶには大きすぎる規模になってきたこの土地をかけて、今回の戦闘が行なわれる。
「戦闘に敗北すれば、ヒノマル陸軍に村を制圧され、決戦時にこの拠点を使用できないことになる。
それでどうなるかというと……どうなるのか、ちょっとわからないが、決戦時には村から物資による支援が行なわれるらしいので、それが止められることになるだろう。
みんな、この拠点を守るため、戦ってくれ!」
ファイヴ、会議室――ではなくファイヴ村事務局。
「ククク、ヒノマル陸軍よ、ついにこの村の存在に気づいたか」
「ナゼ、ココガ、ワカタ!」
「いえ、その、かなりテレビに取り上げられていましたし……今更かと」
新生ぬりかべ団やアマゾネス、レンさんなどが事務局に集まって手紙を読んでいた。
『背景、ファイヴ村の皆さん。
赤い落ち葉を踏んで歩く今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
私などは赤いテ○ガを握りしめ秋の夜長を楽しんでおります。特に楽しみなのはN社で発売のエロゲ(ピー)なのですがこの次回作にあたる(ピー)はタイアップラジオでもそのエロさを遺憾なく――』
「ええいっ!」
レンさんが手紙を引き裂いた。
「なんですかこれは! セクハラですか!」
「いえ、秋の季語を入れろって言われたんで……11月発売予定だったエロゲを……」
テーブルを挟んだ目の前。
ヒノマル陸軍所属『第六覚醒隊隊長』大黒トモカズはのっぺりとした顔で言った。
立ち振る舞いは丁寧なのに目が死んでいるという、なんとも奇妙な男である。
『そんなワケで我々は、ファイヴにとってもはや小さくはない存在、ファイヴ村の制圧に乗り出したわけで――』
「読み上げないでいいですから。破片を拾って読み直さなくていいですから」
「暫く、ご迷惑おかけします」
大黒は(その立場にしては珍しく)深々と頭を下げ、事務所を出て行った。
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「えー、みんな知っていると思うが、ヒノマル陸軍との戦争状態は今も続いている。FH協定によって民間人に被害を出すこと無く、限定戦争を行なうというものだ」
今回ヒノマル陸軍が制圧しようとしているのは『ファイヴ村』。
別名王子マッチョマックス村あらためマックス村&サザナミ村。もう村と呼ぶには大きすぎる規模になってきたこの土地をかけて、今回の戦闘が行なわれる。
「戦闘に敗北すれば、ヒノマル陸軍に村を制圧され、決戦時にこの拠点を使用できないことになる。
それでどうなるかというと……どうなるのか、ちょっとわからないが、決戦時には村から物資による支援が行なわれるらしいので、それが止められることになるだろう。
みんな、この拠点を守るため、戦ってくれ!」

■シナリオ詳細
■成功条件
1.戦闘に勝利する
2.なし
3.なし
2.なし
3.なし
継続シナリオといったりシーズンシナリオといったり定まっていないのは、前例がないせいで名前がつけられないからです。そのうち定まるでしょう。
この戦闘の勝敗によって、拠点『ファイブ村』の制圧是非が決まります。
●シチュエーションデータ
ファイヴ村の芸能活動を目的として新設されたライブステージで戦闘が行なわれます。
周りにめっちゃ観客が集まるというなんだか戦争とかけ離れたシチュエーションになりますが、負けるとガチで制圧されるので気を引き締めていきましょう。
ちなみに、ファイヴ村は今回から協力団体にエントリーされますが、追加戦力はありません。大体の人(古妖含む)は戦闘力が一般人クラスなので。
●エネミーデータ
まだ戦闘力のハッキリしていないチームです。
どんな技を使うのか全く分からない上、なんだか全員異様な空気感を持っています。ついでに全員謎のコードネームで呼ばれています。
全員変態にして童貞。前科もない。
・『第六覚醒隊長』大黒トモカズ:覚者、詳細不明
→死んだ目をしている変態。
・『第六覚醒隊』マフィア:覚者、詳細不明
→スキンヘッドにサングラスの変態。
・『第六覚醒隊』シャドウ:覚者、詳細不明
→鬼畜でロリコンの変態。
・『第六覚醒隊』ブッチャー:覚者、詳細不明
→常時ナチュラルハイの変態。
・『第六覚醒隊』ドラク:覚者、詳細不明
→ガスマスクとデスクローを装備したドMの変態。
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・補足ルール1
EXプレイングにてこちらからの攻撃アクションを投票できます。
ヒノマル陸軍のもっている施設や侵攻に必要なルートの中で、『攻撃したい場所を一つだけ』EXプレイングに書いて送ってください。
対象は『現在判明しているが制圧できていない拠点』か『まだ見つけていない捜索中の拠点』となります。捜索中の拠点を指定した場合、発見し次第攻撃可能となります。
『3票以上』ある対象を票が多い順に中恭介が採用していきます。
票が固まらなかった場合全て無効扱いとなり、中恭介が適当に選びます。
投票は本戦争期間中ずっと有効です。
また、対象拠点はシナリオの成果に応じて発見できることがあります。
・補足ルール2
ヒノマル陸軍に所属する主要覚者の能力は殆どが未解明です。
しかし戦闘の中で能力を探り出すことで今後の依頼にその情報を反映することができます。
・補足ルール3
性質上『FH協定』をこちらから一方的に破棄することが可能です。
ただしそのためには『依頼参加者全員』の承認を必要とします。
協定を破棄した場合、互いに無秩序状態になり、捕虜の獲得や兵器の鹵獲、リンチによる完全殺害が可能になる反面、民間人や協力団体にも多大な被害が出ます。
※エネミースキャンについての追加ルール(当依頼限定)
ターンを消費してスキャンに集中したり、敵の能力を深く推察したり、調査する部分を限定したり、数人で分担したりといったプレイングがあるとスキャンの判定にボーナスをかけます。
・FH協定
ファイヴとヒノマル陸軍の間に交わされた戦争上の協定です。
戦闘に関係の無い民間人に被害を出したくないファイヴ。
兵器製造など戦争の準備を邪魔されたくないヒノマル陸軍。
双方の条件を満たすものとして、戦争におけるルール、つまり協定を結んでいます。
双方『ほぼ同格』の総合戦闘力を持ったチームを編成し、民間人に直接的被害の出ない場所で戦闘を行なうこと。
またファイヴが所属覚者を長期拘束できないため、ヒノマル側・ファイヴ側双方どちらが敗北した場合でも捕虜獲得や兵器鹵獲をせず、撤退を許すこと。
こうしたチーム戦で互いに要所を制圧・もしくは奪還し、来たるべき決戦の日に両者同時に拠点を襲撃・及び防衛し合うものである。
互いにルールの曲解や、逆手に取った悪用はしないことで合意しています。
==============================
状態
完了
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
相談日数
7日
7日
参加費
100LP[+予約50LP]
100LP[+予約50LP]
参加人数
6/6
6/6
公開日
2016年11月25日
2016年11月25日
■メイン参加者 6人■

●
突然だが、プリンス・オブ・グレイブル(CL2000942)を下から一週しつつナメ撮りしてほしい。あと横ピースして欲しい。
「民のみんなー、健康ー!?」
「「ヘールシー!」」
「ファイヴ村に、戦争が来たよー!」
「「イエーッ!」」
完全によそと違うノリで始まったヒノマル戦争ファイヴ村ステージ。
三角すり鉢状に形成されたライブステージにファイヴとヒノマル両陣営のチームが向かい合っている。
格ゲーのキャラ選択画面みたく全員それっぽいポーズをとっているが、まだ誰も覚醒状態に入っていないというおかしな図である。
胸に拳を当てる『天使の卵』栗落花 渚(CL2001360)。
「ついにこの時が来ちゃったんだね。でも、いいよ、受けて立ってあげる。絶対渡さないからね!」
クワを杖のように突き立てる『女帝』エメレンツィア・フォン・フラウベルク(CL2000496)。
「村の皆を巻き込むわけにはいかないわ。ここは私たちだけでなんとかするしかないわね」
「その通りなんダモ」
「姉さんオレらマジフェイバリってんで鬼ヨロっす!」
「りもこんかくそ? ね? かくそ?」
「私メリーさん。いまアリーナ席にいるの」
「アキウコンデス」
「ナツウコンデス」
「あなたたちはちょっと下がっててね」
急に自己主張を始めた村人たちをそっと観客席に押し戻すエメレンツィア。
「っていうか……」
『正義のヒーロー』天楼院・聖華(CL2000348)がアップになって、ぐいっとカメラをねじった。
KOFの韓国チームみたいなポーズの第六覚醒隊が映る。
「なんで五華モールには常識人よこしてこっちには変態チーム送りつけてんだ! まるでファイヴに変態がいるみたいじゃねーか!」
「いないんですか」
「えっ……」
聖華はプリンスをチラ見して、盛大に咳払いした。
「おまえたちにこのむらはわたさねーぜ!」
「ねえなんで今余を見たの」
「大体オマエらなー!」
マイクを掴んで指を突きつける『五麟マラソン優勝者』奥州 一悟(CL2000076)。
なんでマイクがあんのかっつたら、今がお披露目パートだからである。村はこの戦争を軽くショーとして楽しみつつあった。
「世の中のヘンタイと比べたらオマエら全員フツウだ、フツウ!」
「変態は高さや深さを競うものではありませんよ。性癖なんですから」
「急に常識的なこと言うな!」
「眼鏡少女が平手打ちを食らったところに興奮するんですけど、金槌で殴られた所を見せられたらどん引きするじゃあないですか。わかります?」
「わかんねーよ! オレの手に負えねえ! なんとかしてくれ!」
「えっゆかりがですか!?」
マイクをパスされて、ノリで不知火ポーズしていた『ファイヴ村管理人芸能担当』ゆかり・シャイニング(CL2001288)がマイクをお手玉した。
「ええっと、ゆかりは戦い得意じゃないですけど、村の危機とあらばがんばって戦います! それが管理者の、つとめですから!」
「「イエーッ!」」
「3――2――1――GO!」
喋る黒電話妖怪がDJブースの上でラップのリズムでレコードを回し始めた。
さあ、戦争の始まりだ!
●
「先手必勝、いくぜ!」
一悟は手の中で炎の玉を膨らませると、カメハメのフォームで発射した。
「カカロッツォ!?」
直撃を食らって燃え上がる大黒。
炎を割って飛び出してくるブッチャーが、名前通りのブッチャーナイフ(食肉加工法のナイフ。骨を絶ったり皮をはいだりできる万能型)を振りかざして突撃してくる。ナイフは真っ赤に放熱していた。
「ブッチャーだ!」
「こいつ、火行のアタッカーか!」
トンファーで受ける一悟。強烈な勢いに押されそうになるが、彼の背中をエメレンツィアがトンと押した。
「この場所に攻め入ったことを後悔させてあげるわ。女帝の前に跪きなさい!」
腕を振り上げるやいなや、水流がうずを描いて空へと舞い上がり、垂直落下によってマフィアたちを直撃していく。
「あ゛~! 女王様~!」
「イグウウウウウウウ!」
「女王様じゃないわよ! 女帝よ、女帝!」
ドラクが大きくのけぞり、両手からアイアンクローをじゃきーんと展開。
「もっとスゴイのくれよぉおおおおおおおお!」
激しく跳躍すると、高速宙返りをかけながら突撃してくる。
間に割り込み、メタルケースで殴りつける渚。
「コヨプロが活動するために作ったこのステージ、私がここで負けるわけにはいかない! そうだよね!?」
「「イエス!」」
ギターやサックの演奏をする不定形の妖怪たちがサムズアップ。人面タコが大量のスティックを操って高速ドラムを叩きはじめ、下駄がコーラスを始める。
「ウヒョヒョヒョ、なかなかやるようですねェ!」
「正直メチャシコですわー」
大きな裁ち切りバサミをしゃきしゃきいわせ、身体にゲル状の何かを纏っていくシャドウ。
一方でマフィアは指ぬきグローブを嵌めて全身を岩のように硬くし始めた。
「水行と土行。使うスキルでも相手の能力にアタリがつけられるね。エメさんスキャンは――」
「えっ?」
「んっ?」
「あっ……」
顔を見合わせ、全てを察して笑顔で頷きあうエメレンツィアたち。
さておき。
「ここで悪い民に最新情報を公開しよう。これが勝利の鍵だ!」
プリンスがプラ板を翳した。『客席にFカップが六人います。うち2人はノーブラです』と書いてあった。
「えっ、どこどこ!?」
マフィアが客席を振り向いた。
セクシーポーズの高女と寝太り(身長20mくらいのブス妖怪と激太り妖怪)がセクシーポーズをとっていた。あとアキウコンとナツウコンも。
「よくも騙したアアアアアアア! あべし!?」
王子フルスイングハンマーを食らってふきとぶマフィア。
「スイートホームで泣いたことの無いマフィアさんを一撃で葬るとはやりますね」
「いや、俺まだ葬られてないんすけど」
「ウヒョヒョヒョヒョ! 次は僕の番ですよォ!」
シャドウがにじり寄ってくる。
ゆかりと聖華は本能的に何かを感じて応戦した。
「こ、こうなったら……くらえっ! 祝公式・ふとももビーム!」
説明しよう!
『ゆかりシャイニング略してユカシャイはスカートを自らめくることでアニメでいう修正の光がさし敵に攻撃ができるのだ!』
「嘘のナレーションいれないでください! 破眼光ですから! 健全ですからァ!」
「すとぱんっ!?」
ビームを食らってマイクを取り落とす大黒。
「ああっ、女性声優のグラビア写真集と朗読CDとテ○ガをまとめて店舗購入したせいで確実に誤解された大黒さんが!」
「おまえもだー!」
「がるぱんっ!?」
ビームをくらってのけぞるシャドウ。
「いまだ、必殺!」
聖華がてやーと言いながら大ジャンプした。
「百万円サヨナラ斬り!」
説明しよう!
『聖華ちゃんが百万円では電柱一本も立てられないことを知ってインフラ業界の高さとひゃくまんえんが大金でないことを知ってしまった怒りと悲しみの鎮魂歌! 相手は死ぬ!』
「このすばっ!?」
切り裂かれたシャドウががっくりと膝を突いた。
「ロリに斬られるなら、本望……ガクッ」
「シャドウさーん! 親戚に仕事を聞かれて作家と応えたら『芥川賞とるの?』と必ず質問されて軽くトラウマになってるシャドウさーん!」
「あっ、よく考えたらまだHPありました」
「まぎらわしい!」
●
エレキギターをかき鳴らす琵琶牧々。井戸から這い出た幽霊が皿の代わりにレコードをきゅっきゅ回して番町皿屋敷のテーマを軽やかにリミックスしたかと思えば、顔から足が生えてるだけの妖怪(二本ノ足という)がブレイクダンスを踊り始める。
「民のみんなー! 大技いくよー! メガ粒子レクイエムしゅーと!」
「なうろーでぃん!?」
プリンスのハンマーアタックをくらって派手に吹き飛ぶ大黒たち。
「大黒さん。このままやられ続けてたら視聴者が納得しないっすよ!」
「敵が馬鹿だから勝ったなんてヒーローモノは、視聴者を馬鹿にしてますよ!」
「ブッチャーだ!」
「アーイグイグゥー!」
「そうだな皆! 俺たちの力をみせてやろう!」
大黒はグッと拳を握っていい顔をした。
「えっあの、後半日本語喋ってませんでしたけど」
「うおおおおおおおお! いくぞおおおおおおおおお!」
大黒な性なる経典を開いて赤白ストライブ模様でひょうたん型の物体を腰で上下に振りつつ白目を剥いた。
「丹○桜さんの髪の毛を煮て喰いたいいいいいいいい!」
「なんか言ってる!」
「あとなんかもわもわ出てる!」
大黒の腰から青紫色のモヤモヤが吹き出てきた。
「臭っ! なんか臭っ!」
「これが仇華浸香だ」
「そういうスキルだっけこれ!」
「……」
渚は観客席を見た。
自分が村で一般公開する最初の戦闘がこれって、とか思った。
「ううん、かっこいいとこ見せないと!」
渚はプリンスの後頭部にお注射ざっくり刺すと、ちゅーっと中身をねじ込んだ。
ほっこりした顔になるプリンス。
「あー、いやされる……」
「ウヒョヒョヒョ! まだまだ行きますよォ!」
シャドウはハサミを手に不思議な踊りを踊ると、どこからともなく水の激流を発生させた。
「みんな、私の後ろに――!」
エメレンツィアが両手を翳し、水のバリアを発生。カウンターヒールによって味方のダメージを打ち消していく。
激流がはじけた中を駆け抜ける聖華。
「俺をロリ扱いすんな! 俺は中学生なんだぞ!」
「あーいいっすわー」
「大人になりたいロリとか最高ですぅー」
「うるせー!」
「「かみちゅ!?」」
聖華スラッシュ(今考えた必殺技)で蹴散らされるシャドウ。
「これ以上はやらせん!」
「いいぞマフィア、『かたくなる』だ!」
「うおおおおおおおおおお! 俺も女子高生と入れ替わっておっぱい揉みてええええええええ!」
マフィアは妄言を吐くと、全身をあらゆる意味で硬くしてトモカズの前に立ち塞がった。
「大黒さんを倒すなら、この俺を倒していけ!」
「では遠慮なくっ!」
ゆかりはマフィアの足下にそそっと寄っていくと、ライターと殺虫スプレーでもってぶおーっと炎を吹いた。
「あづあー! あっ、でも……気持ちいいかも……」
「変態だー!」
「すんません、今の台詞眼鏡かけてからもう一度言って貰っても」
「うるせー!」
一悟の駆け込み圧撃ラリアット。
「うえきっ!?」
マフィアはきりもみ回転して吹き飛んでいった。
「女の子に変態的なからみかたしてんじゃねー!」
「でも視聴者はそういうの求めてるでしょー!?」
「しらねーよ!」
「くっ、しかし……いいパンチ、だったぜ……」
がくりとうつ伏せに倒れるマフィア。
ラリアットなんだけどなあと思ったけど突っ込まないことにした一悟。
大黒はシャドウとマフィアの戦闘不能を確認すると、ニヤリと笑った。
独特の緊張が走る。身構える渚たち。
そして大黒は、両手をパッを天に掲げた。
「僕たち、降参します!」
一見おかしな話に思えるかもしれないが、次がある戦いにおいて無駄に命を削るのは賢い戦い方ではない。
急に真面目なこといって申し訳ないが、戦力差が開いた時点で撤退しておくのは、意地になってポカスカ殴り合うよりずっと良い選択なのだ。
と、いうことで。
「さっきはちょっと言い過ぎたよな。変態でも実行に移さない限りは害が無いしな……。ほら、村でとれた野菜やるよ」
「イエスロリータノータッチですからね。ありがとうございますゥ」
完全に戦いのムードは消え、聖華の差し出した野菜をシャドウが受け取っていた。
「そうだ。ポーズとるとか、写真とか、リクエストあるなら聞いてやるよ。その代わり情報よこせよな!」
「はいぜひィ!」
連れだって歩いて行く聖華とシャドウ。
「いいんですか、あれ」
「シャドウさん個人で結んだ約束なら、シャドウさん個人で責任とれる情報しか渡さないと思うよ。今度発売するゲームの裏技とか」
「私聖華ちゃん止めてくる!」
ダッシュで追いかけていく渚たちを見送っていると、一悟がやってきた。
「悪いな皆、遅くなっちゃって。木の子に挨拶してたんだ」
「そっか、管理STの都合で描写できなくてごめんね」
「なんのハナシ?」
「それより……」
エメレンツィアはすねこすりキャラバンで販売しているグッズを大黒たちにプレゼントしてやった。
「今度は普通に遊びに来なさい。その時は歓迎するわ」
「いや、今から歓迎してもよくない? カラオケしない? 今日は王家がゴチっちゃうよ」
プリンスがサムズアップした。
かまぼこにリボンを結んで掲げるゆかり。
「敵にも贈りたくなる美味しいサザナミかまぼこ! さ、お城に行きましょう!」
●
「えーでは、神魂合体ゴー○ンナーの替え歌で、新婚だってどうなんだ」
「「ヒューッ!」」
宴会場でカラオケして盛り上がるヒノマル陸軍第六覚醒隊とファイヴ村管理者組合フューチャリング一悟。
「なんか、敵なのに普通に宴会とかしちゃんだな……」
「いやー別に珍しいことじゃないっすよ。幻想○滸伝でも合戦の後は敵味方で宴会してたじゃないですか」
「あれ、史実でもよくあった話なんですよねェ」
意外と博識なマフィアとシャドウがちびちびと酒をやりながら雑談を交わしている。
歌が終わって、ブッチャーとドラクが謎のテンションで特撮ソングを歌い始める中……。
「ねえ貴公ー、戦争とエロゲどっちがしたいの?」
戻ってきた大黒にプリンスが肝心なことを聞き始めた。のっかるゆかり。
「確かに。戦争中ってそういうメディアが規制されたりしないんですかね。全部なくなっちゃいそうなイメージあるんですが」
「あー、確かにあるでしょうね。アメリカと戦ってたらアメリカに関するアニメとか排除しちゃうでしょうし」
「嫌じゃ無いんですか?」
焼酎のグラスを手でかこう大黒。
「それより、ただでさえ過酷なクリエイターがいつ妖に襲われるかわからない環境にいることのほうが重大ですね。海外に国土を持って、安全な場所でそういう人たちが暮らせる状態を作るのが、僕はいいのかなって。勿論それまでに十年二十年かかりますけど、妖が二十年後に消えて無くなってるかっていうと、ちょっと考えられないじゃないですか」
「そ、そうなんだ……」
馬鹿みたいなことしてる割に真面目に考えてるなこの人、とお茶を飲みながら思う渚。
全員朝まで呑んだくれてアニソン尽くしで歌いまくり、日の出と共に帰って行った。
そんな去り際のこと。
「あっ、そうでした。自分たち負けたんで、拠点の場所を一つお教えしておこうかと思います。こちらつまらないものですが……」
大黒が取り出したのは、石川県は金沢市にある湯涌温泉の温泉まんじゅうである。
「……湯涌温泉?」
「はい、お待ちしてます。では」
――拠点『ファイヴ村』の防衛に成功しました!
――成功により敵拠点『兼六園六覚隊基地』を発見しました!
突然だが、プリンス・オブ・グレイブル(CL2000942)を下から一週しつつナメ撮りしてほしい。あと横ピースして欲しい。
「民のみんなー、健康ー!?」
「「ヘールシー!」」
「ファイヴ村に、戦争が来たよー!」
「「イエーッ!」」
完全によそと違うノリで始まったヒノマル戦争ファイヴ村ステージ。
三角すり鉢状に形成されたライブステージにファイヴとヒノマル両陣営のチームが向かい合っている。
格ゲーのキャラ選択画面みたく全員それっぽいポーズをとっているが、まだ誰も覚醒状態に入っていないというおかしな図である。
胸に拳を当てる『天使の卵』栗落花 渚(CL2001360)。
「ついにこの時が来ちゃったんだね。でも、いいよ、受けて立ってあげる。絶対渡さないからね!」
クワを杖のように突き立てる『女帝』エメレンツィア・フォン・フラウベルク(CL2000496)。
「村の皆を巻き込むわけにはいかないわ。ここは私たちだけでなんとかするしかないわね」
「その通りなんダモ」
「姉さんオレらマジフェイバリってんで鬼ヨロっす!」
「りもこんかくそ? ね? かくそ?」
「私メリーさん。いまアリーナ席にいるの」
「アキウコンデス」
「ナツウコンデス」
「あなたたちはちょっと下がっててね」
急に自己主張を始めた村人たちをそっと観客席に押し戻すエメレンツィア。
「っていうか……」
『正義のヒーロー』天楼院・聖華(CL2000348)がアップになって、ぐいっとカメラをねじった。
KOFの韓国チームみたいなポーズの第六覚醒隊が映る。
「なんで五華モールには常識人よこしてこっちには変態チーム送りつけてんだ! まるでファイヴに変態がいるみたいじゃねーか!」
「いないんですか」
「えっ……」
聖華はプリンスをチラ見して、盛大に咳払いした。
「おまえたちにこのむらはわたさねーぜ!」
「ねえなんで今余を見たの」
「大体オマエらなー!」
マイクを掴んで指を突きつける『五麟マラソン優勝者』奥州 一悟(CL2000076)。
なんでマイクがあんのかっつたら、今がお披露目パートだからである。村はこの戦争を軽くショーとして楽しみつつあった。
「世の中のヘンタイと比べたらオマエら全員フツウだ、フツウ!」
「変態は高さや深さを競うものではありませんよ。性癖なんですから」
「急に常識的なこと言うな!」
「眼鏡少女が平手打ちを食らったところに興奮するんですけど、金槌で殴られた所を見せられたらどん引きするじゃあないですか。わかります?」
「わかんねーよ! オレの手に負えねえ! なんとかしてくれ!」
「えっゆかりがですか!?」
マイクをパスされて、ノリで不知火ポーズしていた『ファイヴ村管理人芸能担当』ゆかり・シャイニング(CL2001288)がマイクをお手玉した。
「ええっと、ゆかりは戦い得意じゃないですけど、村の危機とあらばがんばって戦います! それが管理者の、つとめですから!」
「「イエーッ!」」
「3――2――1――GO!」
喋る黒電話妖怪がDJブースの上でラップのリズムでレコードを回し始めた。
さあ、戦争の始まりだ!
●
「先手必勝、いくぜ!」
一悟は手の中で炎の玉を膨らませると、カメハメのフォームで発射した。
「カカロッツォ!?」
直撃を食らって燃え上がる大黒。
炎を割って飛び出してくるブッチャーが、名前通りのブッチャーナイフ(食肉加工法のナイフ。骨を絶ったり皮をはいだりできる万能型)を振りかざして突撃してくる。ナイフは真っ赤に放熱していた。
「ブッチャーだ!」
「こいつ、火行のアタッカーか!」
トンファーで受ける一悟。強烈な勢いに押されそうになるが、彼の背中をエメレンツィアがトンと押した。
「この場所に攻め入ったことを後悔させてあげるわ。女帝の前に跪きなさい!」
腕を振り上げるやいなや、水流がうずを描いて空へと舞い上がり、垂直落下によってマフィアたちを直撃していく。
「あ゛~! 女王様~!」
「イグウウウウウウウ!」
「女王様じゃないわよ! 女帝よ、女帝!」
ドラクが大きくのけぞり、両手からアイアンクローをじゃきーんと展開。
「もっとスゴイのくれよぉおおおおおおおお!」
激しく跳躍すると、高速宙返りをかけながら突撃してくる。
間に割り込み、メタルケースで殴りつける渚。
「コヨプロが活動するために作ったこのステージ、私がここで負けるわけにはいかない! そうだよね!?」
「「イエス!」」
ギターやサックの演奏をする不定形の妖怪たちがサムズアップ。人面タコが大量のスティックを操って高速ドラムを叩きはじめ、下駄がコーラスを始める。
「ウヒョヒョヒョ、なかなかやるようですねェ!」
「正直メチャシコですわー」
大きな裁ち切りバサミをしゃきしゃきいわせ、身体にゲル状の何かを纏っていくシャドウ。
一方でマフィアは指ぬきグローブを嵌めて全身を岩のように硬くし始めた。
「水行と土行。使うスキルでも相手の能力にアタリがつけられるね。エメさんスキャンは――」
「えっ?」
「んっ?」
「あっ……」
顔を見合わせ、全てを察して笑顔で頷きあうエメレンツィアたち。
さておき。
「ここで悪い民に最新情報を公開しよう。これが勝利の鍵だ!」
プリンスがプラ板を翳した。『客席にFカップが六人います。うち2人はノーブラです』と書いてあった。
「えっ、どこどこ!?」
マフィアが客席を振り向いた。
セクシーポーズの高女と寝太り(身長20mくらいのブス妖怪と激太り妖怪)がセクシーポーズをとっていた。あとアキウコンとナツウコンも。
「よくも騙したアアアアアアア! あべし!?」
王子フルスイングハンマーを食らってふきとぶマフィア。
「スイートホームで泣いたことの無いマフィアさんを一撃で葬るとはやりますね」
「いや、俺まだ葬られてないんすけど」
「ウヒョヒョヒョヒョ! 次は僕の番ですよォ!」
シャドウがにじり寄ってくる。
ゆかりと聖華は本能的に何かを感じて応戦した。
「こ、こうなったら……くらえっ! 祝公式・ふとももビーム!」
説明しよう!
『ゆかりシャイニング略してユカシャイはスカートを自らめくることでアニメでいう修正の光がさし敵に攻撃ができるのだ!』
「嘘のナレーションいれないでください! 破眼光ですから! 健全ですからァ!」
「すとぱんっ!?」
ビームを食らってマイクを取り落とす大黒。
「ああっ、女性声優のグラビア写真集と朗読CDとテ○ガをまとめて店舗購入したせいで確実に誤解された大黒さんが!」
「おまえもだー!」
「がるぱんっ!?」
ビームをくらってのけぞるシャドウ。
「いまだ、必殺!」
聖華がてやーと言いながら大ジャンプした。
「百万円サヨナラ斬り!」
説明しよう!
『聖華ちゃんが百万円では電柱一本も立てられないことを知ってインフラ業界の高さとひゃくまんえんが大金でないことを知ってしまった怒りと悲しみの鎮魂歌! 相手は死ぬ!』
「このすばっ!?」
切り裂かれたシャドウががっくりと膝を突いた。
「ロリに斬られるなら、本望……ガクッ」
「シャドウさーん! 親戚に仕事を聞かれて作家と応えたら『芥川賞とるの?』と必ず質問されて軽くトラウマになってるシャドウさーん!」
「あっ、よく考えたらまだHPありました」
「まぎらわしい!」
●
エレキギターをかき鳴らす琵琶牧々。井戸から這い出た幽霊が皿の代わりにレコードをきゅっきゅ回して番町皿屋敷のテーマを軽やかにリミックスしたかと思えば、顔から足が生えてるだけの妖怪(二本ノ足という)がブレイクダンスを踊り始める。
「民のみんなー! 大技いくよー! メガ粒子レクイエムしゅーと!」
「なうろーでぃん!?」
プリンスのハンマーアタックをくらって派手に吹き飛ぶ大黒たち。
「大黒さん。このままやられ続けてたら視聴者が納得しないっすよ!」
「敵が馬鹿だから勝ったなんてヒーローモノは、視聴者を馬鹿にしてますよ!」
「ブッチャーだ!」
「アーイグイグゥー!」
「そうだな皆! 俺たちの力をみせてやろう!」
大黒はグッと拳を握っていい顔をした。
「えっあの、後半日本語喋ってませんでしたけど」
「うおおおおおおおお! いくぞおおおおおおおおお!」
大黒な性なる経典を開いて赤白ストライブ模様でひょうたん型の物体を腰で上下に振りつつ白目を剥いた。
「丹○桜さんの髪の毛を煮て喰いたいいいいいいいい!」
「なんか言ってる!」
「あとなんかもわもわ出てる!」
大黒の腰から青紫色のモヤモヤが吹き出てきた。
「臭っ! なんか臭っ!」
「これが仇華浸香だ」
「そういうスキルだっけこれ!」
「……」
渚は観客席を見た。
自分が村で一般公開する最初の戦闘がこれって、とか思った。
「ううん、かっこいいとこ見せないと!」
渚はプリンスの後頭部にお注射ざっくり刺すと、ちゅーっと中身をねじ込んだ。
ほっこりした顔になるプリンス。
「あー、いやされる……」
「ウヒョヒョヒョ! まだまだ行きますよォ!」
シャドウはハサミを手に不思議な踊りを踊ると、どこからともなく水の激流を発生させた。
「みんな、私の後ろに――!」
エメレンツィアが両手を翳し、水のバリアを発生。カウンターヒールによって味方のダメージを打ち消していく。
激流がはじけた中を駆け抜ける聖華。
「俺をロリ扱いすんな! 俺は中学生なんだぞ!」
「あーいいっすわー」
「大人になりたいロリとか最高ですぅー」
「うるせー!」
「「かみちゅ!?」」
聖華スラッシュ(今考えた必殺技)で蹴散らされるシャドウ。
「これ以上はやらせん!」
「いいぞマフィア、『かたくなる』だ!」
「うおおおおおおおおおお! 俺も女子高生と入れ替わっておっぱい揉みてええええええええ!」
マフィアは妄言を吐くと、全身をあらゆる意味で硬くしてトモカズの前に立ち塞がった。
「大黒さんを倒すなら、この俺を倒していけ!」
「では遠慮なくっ!」
ゆかりはマフィアの足下にそそっと寄っていくと、ライターと殺虫スプレーでもってぶおーっと炎を吹いた。
「あづあー! あっ、でも……気持ちいいかも……」
「変態だー!」
「すんません、今の台詞眼鏡かけてからもう一度言って貰っても」
「うるせー!」
一悟の駆け込み圧撃ラリアット。
「うえきっ!?」
マフィアはきりもみ回転して吹き飛んでいった。
「女の子に変態的なからみかたしてんじゃねー!」
「でも視聴者はそういうの求めてるでしょー!?」
「しらねーよ!」
「くっ、しかし……いいパンチ、だったぜ……」
がくりとうつ伏せに倒れるマフィア。
ラリアットなんだけどなあと思ったけど突っ込まないことにした一悟。
大黒はシャドウとマフィアの戦闘不能を確認すると、ニヤリと笑った。
独特の緊張が走る。身構える渚たち。
そして大黒は、両手をパッを天に掲げた。
「僕たち、降参します!」
一見おかしな話に思えるかもしれないが、次がある戦いにおいて無駄に命を削るのは賢い戦い方ではない。
急に真面目なこといって申し訳ないが、戦力差が開いた時点で撤退しておくのは、意地になってポカスカ殴り合うよりずっと良い選択なのだ。
と、いうことで。
「さっきはちょっと言い過ぎたよな。変態でも実行に移さない限りは害が無いしな……。ほら、村でとれた野菜やるよ」
「イエスロリータノータッチですからね。ありがとうございますゥ」
完全に戦いのムードは消え、聖華の差し出した野菜をシャドウが受け取っていた。
「そうだ。ポーズとるとか、写真とか、リクエストあるなら聞いてやるよ。その代わり情報よこせよな!」
「はいぜひィ!」
連れだって歩いて行く聖華とシャドウ。
「いいんですか、あれ」
「シャドウさん個人で結んだ約束なら、シャドウさん個人で責任とれる情報しか渡さないと思うよ。今度発売するゲームの裏技とか」
「私聖華ちゃん止めてくる!」
ダッシュで追いかけていく渚たちを見送っていると、一悟がやってきた。
「悪いな皆、遅くなっちゃって。木の子に挨拶してたんだ」
「そっか、管理STの都合で描写できなくてごめんね」
「なんのハナシ?」
「それより……」
エメレンツィアはすねこすりキャラバンで販売しているグッズを大黒たちにプレゼントしてやった。
「今度は普通に遊びに来なさい。その時は歓迎するわ」
「いや、今から歓迎してもよくない? カラオケしない? 今日は王家がゴチっちゃうよ」
プリンスがサムズアップした。
かまぼこにリボンを結んで掲げるゆかり。
「敵にも贈りたくなる美味しいサザナミかまぼこ! さ、お城に行きましょう!」
●
「えーでは、神魂合体ゴー○ンナーの替え歌で、新婚だってどうなんだ」
「「ヒューッ!」」
宴会場でカラオケして盛り上がるヒノマル陸軍第六覚醒隊とファイヴ村管理者組合フューチャリング一悟。
「なんか、敵なのに普通に宴会とかしちゃんだな……」
「いやー別に珍しいことじゃないっすよ。幻想○滸伝でも合戦の後は敵味方で宴会してたじゃないですか」
「あれ、史実でもよくあった話なんですよねェ」
意外と博識なマフィアとシャドウがちびちびと酒をやりながら雑談を交わしている。
歌が終わって、ブッチャーとドラクが謎のテンションで特撮ソングを歌い始める中……。
「ねえ貴公ー、戦争とエロゲどっちがしたいの?」
戻ってきた大黒にプリンスが肝心なことを聞き始めた。のっかるゆかり。
「確かに。戦争中ってそういうメディアが規制されたりしないんですかね。全部なくなっちゃいそうなイメージあるんですが」
「あー、確かにあるでしょうね。アメリカと戦ってたらアメリカに関するアニメとか排除しちゃうでしょうし」
「嫌じゃ無いんですか?」
焼酎のグラスを手でかこう大黒。
「それより、ただでさえ過酷なクリエイターがいつ妖に襲われるかわからない環境にいることのほうが重大ですね。海外に国土を持って、安全な場所でそういう人たちが暮らせる状態を作るのが、僕はいいのかなって。勿論それまでに十年二十年かかりますけど、妖が二十年後に消えて無くなってるかっていうと、ちょっと考えられないじゃないですか」
「そ、そうなんだ……」
馬鹿みたいなことしてる割に真面目に考えてるなこの人、とお茶を飲みながら思う渚。
全員朝まで呑んだくれてアニソン尽くしで歌いまくり、日の出と共に帰って行った。
そんな去り際のこと。
「あっ、そうでした。自分たち負けたんで、拠点の場所を一つお教えしておこうかと思います。こちらつまらないものですが……」
大黒が取り出したのは、石川県は金沢市にある湯涌温泉の温泉まんじゅうである。
「……湯涌温泉?」
「はい、お待ちしてます。では」
――拠点『ファイヴ村』の防衛に成功しました!
――成功により敵拠点『兼六園六覚隊基地』を発見しました!
