可愛い見た目にご用心
●展望台前にて
秋になり、肌寒さが世界にゆっくりと浸透してきた頃。
一台の車が夜の駐車場に停車した。
降り出したのは一組の男女。寄り添いながら歩いていく。
お目当ての場所は山頂付近の展望台。期待と、握る手の温かさを頼りに歩みを進めていく。
今日は雲一つない空の日。絶好のデート日和。
踏みしめる階段は、幸せへ上り詰める舞台装置だった。
「ねえ、あれ。何かしら?」
女が指を差す。空ではなく、道すがらにある植木の隙間を。
「ん? なんだろう。犬かな?」
男は見えた物の正体を確かめる為、手を離し隙間に近づいていく。
薄暗がりの中、彼らはその正体を見誤った。
「毛むくじゃらだ。ほら、おいでおいで」
男に声を掛けられ、茶色い毛玉が振り向いた。全身もふもふで丸っこい、愛らしい容姿だった。
「怖くないよ、おいでおいで」
にこやかに男が差し出した手にゆっくりと近づいて、
「わっ! 突っ込んできた。ははは、こいつめ」
「いいなー! 私も私も!」
飛び込んできた毛玉を受け止め、男が笑う。それを見た女も大はしゃぎ。
幸せなデートに現れた愛らしい闖入者に、二人の心からの笑顔が溢れ――
「うぐっ!」
破壊される。
「え? どうしたの?」
急に仰向けに倒れる男に、女が戸惑う。ふと視界に入った毛玉は、全身を鋭く毛立たせていた。
その毛は抱きかかえた男の前面を容赦なく刺し貫き、血を吹き立たせる。刺された男は倒れたまま、ビクンビクンと体を震わせる。
「ひっ」
女が驚きに顔を青く染める間に、毛玉はゆっくりと傷口を覆い……それからぴちゃり、ぴちゃりと音が鳴り始めた。
「ッッ!!」
それが血を啜っているのだと分かった瞬間、女はなりふり構わず逃げようとする。が、
「ひ、ぁ……!」
彼女の逃げる先にも、まったく同じモノがある。
もふもふで丸っこい、愛らしい容姿の茶色い毛玉。それも、複数。
「誰か――」
女の言葉は続かず、何かが貫かれる音と、じゅるじゅると啜る生々しい音が夜に溶けていった。
●依頼
「……良くないふわもこが、いる」
集まった覚者を前にして、夢見の少女『紫水晶』神塚・蛍(nCL2000140)は真剣な顔をして口を開いた。
「獣、妖……小さいけれど、危険、なの」
口下手な彼女なりに説明をしながら、サポートの職員に纏めて貰った資料を覚者達に配る。
生物系の妖、その強さの格付けは1で数は5体。
都市部にほど近い山の上の展望台、所謂完全な人間のテリトリー内で事件は発生してしまう。
「夜空を楽しみにしてる人が、このままだと、いなくなってしまう、から」
犠牲者を出さない為には、何としても事前にそれを打ち倒す必要がある。夜空を眺めるのが好きな彼女にとって、この脅威は他人事ではない。
そうでなくても、人の命を失われる事を彼女は望まない。
「体当たり、とっても痛そうだった。針、神秘の力、使ってる。群れると、危ない」
渡した資料の内容に彼女の語彙を加えながら、状況の説明は続く。
「夜。外灯、あんまりない。階段、気を付けて……少し登れば、広い所がある」
一通り説明し終えた所で、蛍は胸元で手を握り顔をあげた。
「夜を、守って」
口数少なに、けれどハッキリと瞳で覚者達へと訴える。
幼い少女の紫の瞳は、自分が信じる者達ををまっすぐに見つめていた。
秋になり、肌寒さが世界にゆっくりと浸透してきた頃。
一台の車が夜の駐車場に停車した。
降り出したのは一組の男女。寄り添いながら歩いていく。
お目当ての場所は山頂付近の展望台。期待と、握る手の温かさを頼りに歩みを進めていく。
今日は雲一つない空の日。絶好のデート日和。
踏みしめる階段は、幸せへ上り詰める舞台装置だった。
「ねえ、あれ。何かしら?」
女が指を差す。空ではなく、道すがらにある植木の隙間を。
「ん? なんだろう。犬かな?」
男は見えた物の正体を確かめる為、手を離し隙間に近づいていく。
薄暗がりの中、彼らはその正体を見誤った。
「毛むくじゃらだ。ほら、おいでおいで」
男に声を掛けられ、茶色い毛玉が振り向いた。全身もふもふで丸っこい、愛らしい容姿だった。
「怖くないよ、おいでおいで」
にこやかに男が差し出した手にゆっくりと近づいて、
「わっ! 突っ込んできた。ははは、こいつめ」
「いいなー! 私も私も!」
飛び込んできた毛玉を受け止め、男が笑う。それを見た女も大はしゃぎ。
幸せなデートに現れた愛らしい闖入者に、二人の心からの笑顔が溢れ――
「うぐっ!」
破壊される。
「え? どうしたの?」
急に仰向けに倒れる男に、女が戸惑う。ふと視界に入った毛玉は、全身を鋭く毛立たせていた。
その毛は抱きかかえた男の前面を容赦なく刺し貫き、血を吹き立たせる。刺された男は倒れたまま、ビクンビクンと体を震わせる。
「ひっ」
女が驚きに顔を青く染める間に、毛玉はゆっくりと傷口を覆い……それからぴちゃり、ぴちゃりと音が鳴り始めた。
「ッッ!!」
それが血を啜っているのだと分かった瞬間、女はなりふり構わず逃げようとする。が、
「ひ、ぁ……!」
彼女の逃げる先にも、まったく同じモノがある。
もふもふで丸っこい、愛らしい容姿の茶色い毛玉。それも、複数。
「誰か――」
女の言葉は続かず、何かが貫かれる音と、じゅるじゅると啜る生々しい音が夜に溶けていった。
●依頼
「……良くないふわもこが、いる」
集まった覚者を前にして、夢見の少女『紫水晶』神塚・蛍(nCL2000140)は真剣な顔をして口を開いた。
「獣、妖……小さいけれど、危険、なの」
口下手な彼女なりに説明をしながら、サポートの職員に纏めて貰った資料を覚者達に配る。
生物系の妖、その強さの格付けは1で数は5体。
都市部にほど近い山の上の展望台、所謂完全な人間のテリトリー内で事件は発生してしまう。
「夜空を楽しみにしてる人が、このままだと、いなくなってしまう、から」
犠牲者を出さない為には、何としても事前にそれを打ち倒す必要がある。夜空を眺めるのが好きな彼女にとって、この脅威は他人事ではない。
そうでなくても、人の命を失われる事を彼女は望まない。
「体当たり、とっても痛そうだった。針、神秘の力、使ってる。群れると、危ない」
渡した資料の内容に彼女の語彙を加えながら、状況の説明は続く。
「夜。外灯、あんまりない。階段、気を付けて……少し登れば、広い所がある」
一通り説明し終えた所で、蛍は胸元で手を握り顔をあげた。
「夜を、守って」
口数少なに、けれどハッキリと瞳で覚者達へと訴える。
幼い少女の紫の瞳は、自分が信じる者達ををまっすぐに見つめていた。

■シナリオ詳細
■成功条件
1.妖の殲滅
2.なし
3.なし
2.なし
3.なし
みちびきいなりと申します。
今回は夜の展望台近くに現れた危険な妖の討伐依頼です。
夜を恐れる世にあって、数少ない夜を楽しいと思える場所をどうか皆様の手で護って下さい。
●舞台
都市部にほど近い山の山頂付近にある展望台とその周辺。山間部の駐車場から展望台へ至る階段の途中で事件は起ころうとしています。
階段の先には広場があり、そこに展望施設が建設されています。
外灯の数は建造物の理由上、空間を照らしきるには心もとない程度しかありません。
時刻は夜、天候は晴れです。
●敵について
ランク1の生物型に属する妖――『毛犬』。その数5体。子犬の兄弟が、妖に成り果てた姿です。
愛らしい見た目に反して獰猛で貪欲、さらに素体の幼さゆえか恐れを知りません。
5体には連携する意識があり、狙った獲物を集中攻撃する場合があります。
以下はその能力です。
『毛犬』
・体当たり
[攻撃]A:物近単・対象に勢いよく跳ねてぶつかり、中ダメージを与えます。
・針毛玉
[攻撃]A:特近単・対象に毛を尖らせ針のように刺し、小ダメージを与えます。【痺れ】
●一般人について
一組のカップルが現場に存在し、覚者が到着した時点ではまだ駐車場に居ます。
彼らはデートの締めはここと決め、この場にやって来ているようです。
●戦闘後について
現場はデートスポットにもなる展望台です。当日は晴れており、望めば秋の夜空を満喫するのもありかもしれません。
人の領域を侵す妖との戦いです。放置は出来るはずもありません。
如何にして勝つか。覚者の皆様、よろしくお願いします。
状態
完了
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
相談日数
6日
6日
参加費
100LP[+予約50LP]
100LP[+予約50LP]
参加人数
6/6
6/6
公開日
2016年11月06日
2016年11月06日
■メイン参加者 6人■

●三日月の下で
山の上にある展望台を望んで、一組のカップルが希望を確かめ合いながら行く。
その日一日続けたデートの最後の締めとして、最高の終わりを得るために。
「おーい」
前に進むことしか見えていなかった二人に不意の声が掛かる。見れば遠くに六人からなる一団の姿があった。
「悪いが今からここは通行止めだ。こっちに来るなよ!」
そう声を張る男と、その仲間達の足は即座に彼らの向かわんとしていた展望台への道、階段へと進んでいく。
突然の理不尽にカップルは困惑し男は怒りを露わにしたが、その声はすぐに引っ込んだ。
「なっ……!」
集団の一人、パーカーを羽織った幼げな少女が、徐にナイフを取り出してみせたのだ。
さらには隣の年頃を同じくする少女が、ナイフの少女に続くように己の体躯の二倍ほどもある斧を取り出す。
その物々しさと常識外れな光景を見れば、流石に彼らでも状況を理解する。
今目の前にいるのは超常の者達、カクシャであると。
「これから荒事がある。楽しいデートは日を改めるか他所で続きをやってくれ」
ダメ押しのように続く男の言葉は、ここが終わりと決めていたカップルの首を縦に振らせた。
それが人生の終わりからの救いだと知らぬまま、そそくさと車に乗り立ち去っていく。
「思った以上に上手くいったな」
遠ざかるエンジン音を聞きながら、『花守人』三島 柾(CL2001148)はホッと胸を撫でおろした。
「あ……行っちゃった」
去る車を残念そうに見送る『アンシーリーコートスレイヤー』神々楽 黄泉(CL2001332)は、手に持つ半月斧の柄を力なく握る。
誰かの楽しみを邪魔してしまった事実に、少し心が沈む。
「後顧の憂いが無いというのは、素晴らしいことだと思うぞ!」
落ち込む黄泉を慰めるように声をあげた『意識の高いドM覚者』佐戸・悟(CL2001371)が、なあと隣に立つ少年に同意を求め、
「あ、ごめんなさい。聞いてませんでした」
「ぐふぅ」
ぞんざいな扱いを返され身悶える。
「それより、目標と思われる動体を見つけました」
そんな悟を華麗にスルーして、少年――『Overdrive』片桐・美久(CL2001026)は山を登る階段の、上部を指す。
「私の方でも確認しました。数も五匹。夢見の通りですね」
自らの肩に降り立つ守護使役を撫でながら『サイレントファイア』松原・華怜(CL2000441)も力強く頷く。
美久と華怜はどちらも鳥系である己の守護使役の力を借りて、目を凝らしたのだ。
「なら、話は早いのですよ」
何かを確かめるように地面を踏みしめていたナイフの少女こと『偽弱者(はすらー)』橡・槐(CL2000732)の声に、誰ともなく進むべき道を皆見上げる。
「妖ハントのお時間なのです」
夜に潜む妖狩りの時間が始まろうとしていた。
●魔獣狩り
覚者達は事前の動きにより先手を取ることに成功した。
槐が仲間を補助するべく治癒力を高める香を振り撒き、時を同じくして悟が蒼鋼壁で自らの機械化された手足を強化。守りをより盤石なものとする。
「動き出しました!」
美久の声が響くと同時に、階段の脇に植えられていた背の低い茂みの中から次々と茶色の毛玉達が飛び出してくる。が、
「……ん!」
空気を切り裂く音と共に、豪快に振り上げられた黄泉の半月斧が妖達を迎え撃つ。
「少し大人しくしていてくださいね?」
弾き返され地に転がった毛玉達の数匹を、美久の展開した捕縛蔓が絡め取っていく。
「ギイイイイイッ!」
元は子犬から成った怪物のはずだが、その鳴き声は甲高く異形のそれに変わり果てていた。動きを鈍化された獣達は怨嗟を込めた吠え声を響かせていく。
「失礼……しますっ!」
炎を纏った華怜のストンプが毛玉の一体を捉える。妖の体毛はそれを柔らかく受け止めようとしたが、守り切れず踏み抜かれ弾かれるように坂を転がった。
戦場は階段を主とした山道の途中であったが、華怜は優れたバランス感覚を発揮しその不利をものともしていない。蹴り抜いた脚で華麗に着地を決めれば、戦場をすぐさま見回す。
「思ったより、すばしっこいな!」
柾の元へ、三体の毛犬達が集中攻撃を仕掛けている。飛び掛かってくる一体の一撃をガントレットの素早い二連撃で迎撃するも、残る二体が柾の腹と膝に強烈な一撃を加えた。
踏みとどまる足が階段に敷き詰められた砂利を鳴らす。
「…ぐっ!」
体勢は崩さない。柾はこの程度では折れはしない。
「可愛い子犬には棘がある、か」
「……ふむ、素晴らしい言葉だ! どM的に!」
柾の声に呼応して悟が完全な盾と化した腕を振り抜き乱入する。牽制で放った一撃は空を切ったが、振り抜いた腕に土が鎧の如く纏わりついて更なる守りの力になった。
「準備完了だ! さあ、来いよ! 全部受け止めてやるよ!」
戦場の真ん中で殴れと叫ぶ。悟の表情は生き生きとしていた。
戦局を計る天秤は覚者達へと傾いた。
機先を制した一行はその勢いの力も借り、不利な地面の上でも縦横無尽に駆け回る。
回復に乏しい戦力を踏まえた電撃作戦は、見事にその成果を上げていた。
「そこです!」
「そこ……!」
敵がひと塊になる瞬間があれば美久と黄泉がすかさず地を這う連撃で穿ち崩しに掛かり、
「逃がしません」
「まずは一匹、確実に」
相手の動きから弱っている者を探りながら、華怜と柾は確実な一撃を決めていく。
対して、足並みの乱れた妖達はそれぞればらばらに動いて散発的な攻撃を打ち込んでいくが、それすらも上手く決まらない。
「“全ての女子がもふもふに心惹かれると思うなよ”なのです」
容赦のない一言と共に槐が舞う。心の奥底から崩す混乱の舞踏を、タイミングを計った的確な瞬間に決めていく。
乱れに乱れた妖達の統率は、隣にいる毛犬同士が頭突きをし合う事態すら巻き起こし、それらを目の当たりにする槐の口元には、人知れず愉悦に浸る邪悪な笑みが浮かんでいた。
対してこちら、悟の前には二体の毛犬が相対していた。
「どうした、来ないのか?」
余裕の笑みを浮かべる悟は、しかしいくらかダメージを蓄積し体勢を崩している。
「さあさあ、もっと俺に攻撃しふぐぅっ!」
言い終える前に毛犬の一体が体当たりをしかけ悟のガードを抜けて腹部を撃ち抜く。よろめき膝を降りそうになりつつも、悟はしかし表情を明るくしていた。
「俺が、全部受け止めてやる!」
妖の本能がそれを危険だと訴える。だから余計に警戒する。注目する。
そしてその隙を覚者は逃さない。
「一匹目、だ」
悟の体を壁にして、すり抜けるように現れた柾が毛犬を一気に穿ち抜く。
死角からの正確な二連撃。それは深く毛犬を捉え、拳に確かな手応えを与えた。
ゴム毬のように跳ねたそれは強かに階段の手すりに体をぶつけ、消失した。
●決着
六対四という状況になり、毛犬達は自らが窮地に立ったことを知る。
眼前に現れた者達は獲物ではなく、自分達を狩り得る存在だと認識する。敵だと確信する。
「……」
こちらを警戒し密集し始めた相手を美久は複雑な表情で見つめていた。
(この子達がこんな姿でこんなことをしているのは、多分……)
推察する。子犬達に足りない物。それはすぐに思い至り、彼に憐憫の感情を生ませた。
「でも」
密集した相手へ再び地を這う一撃を放つ。
目の前にいるのはもはや条理を外れた存在、妖と成り果ててしまった者達だから。
人を害し人を侵し人を滅ぼす存在を認めるわけにはいかない。
「黄泉さん!」
「ん……!」
薙ぎ払った所で声をあげる。同じ技術で戦う仲間へ呼びかける。動きを合わせ黄泉が来る。
(私がやるのは、できるのは……)
敵前へ躍り出る黄泉は半月斧を振りかざす。
弾け飛ぶように攻撃を回避しようとする毛犬達の、その全てを逃がさぬよう……――跳ぶ。
着地については考えない。自分にできること、たった一つのことだけに集中して。
「これで……ただ薙いで、叩き斬る、だけ」
腕を振るう。小さな体躯に似合わぬ剛力で振り抜いたそれは、鋭角に毛犬達を薙ぎ払った。
撃ち抜く轟音、弾ける空気。その一撃の強大さは武器が十二分に扱われている証だった。
度重なる攻防でボロボロになり怪我だらけになる毛犬の姿は、悲哀に満ち、強く同情を引く見た目をしていた。
だが、覚者達はその見た目だけの可憐さには惑わされない。
「おっ」
瞬間、槐はいち早く隊列を下げる。
「何をごふ、げふっ、がぼ、げはぁっ!!」
その次の瞬間、毛犬達の連携のとれた体当たりの、その全てが悟へと打ち込まれていく。
「ギャルルル……!」
それは攻め手も緩く、小柄で、華奢な見た目の槐を確実に仕留めようと動いた統率のとれた動きだった。
弱っていても彼らは闘争心を失わない。狩るのはこちらだとその力を示してみせる。
それがこの妖の、本性。
「がふっ……!」
結果的に、槐を庇う形で体力の限界を迎え悟は膝を折る、だがしかし、それでも意識は保った。
仲間を守った。その事実に己を奮起し、与えられた痛みに歓喜し、再び立ち上がる力に変える。
「一匹として逃がしたりはしないぞ、毛犬君!」
高らかに叫びをあげるこの生き物は、もはや妖にとって何か別種の怪物のように見えたかもしれない。
「ナイス肉壁なのです、佐戸さん」
そんな叫びの裏、難を逃れた槐は自らに岩の鎧を纏わせ次に備える。
もはや妖側につけ込む隙はどこにも存在しなかった。
「仕掛けます!」
「押し込め!」
「まだ、終われません!」
覚者達の攻撃が一斉に放たれる。最大の連携を力技でねじ伏せられた怪物達に、それから逃れる術はもはやない。
「これで、最後です!」
「ん……!」
階段の手すりを足場にして華怜が跳ぶ。対角線から坂を上がり黄泉が駆ける。
鍛え抜かれた華怜の足は、振り抜く黄泉の半月斧は、弧を描き残る毛犬をそれぞれ捉え、針を展開するより先に振り抜かれる。
天上の三日月もかくやといった軌道は、炎に彩られるまま、空を切る風音を伴って、それぞれに毛犬を仕留めた。
「お仕置き、終了。ちょっとは、私、強くなれた?」
この顛末をもって、妖に堕ちた獣達は覚者によって斃されたのである。その業を深めるよりも、早く。
●夜空を見上げて
「わあ……!」
その声は誰が上げたものだったろうか。
勝利を収めた覚者達は、逃げ去ってしまったカップルの代わりに展望台へと登っていた。
見下ろせば街並みの明かりが輝き、見上げれば地上より柔らかく細やかな輝きに満ちている。
カップルがデートの締めに選ぶのも納得の風景がそこには広がっていた。
「デートの邪魔はしてしまいましたが……命あっての、ということで」
「だな」
去ってしまったカップルを思う美久の隣で、ズタボロになったがピンピンした様子の悟が頷く。
結果的に独占してしまうことになったこの状況を、せめて楽しもうと心に決める。
「見た目は可愛いが、可愛くなかったな」
「あの手のカワイイは正義、なんてのはぶっ飛ばしてなんぼなのです」
「あはは……」
身に気怠く覆い被さるような戦いの疲労感を覚えながらの会話はどこかふわりとしていて。
空を見上げる覚者達にそれぞれ沈黙が降りていく。
美しい星空に何を思っているのかは様々で、それは一言では語り尽くせぬ色を持っているようだった。
思い出を、未来を、星を、ただ映る景色を。彼らはその瞳に色々な物を映しているようだった。
「神が動物を天へあげ、星座にする……なんて、話もあるそうです」
不意に美久の口から零れた言葉には、どんな気持ちがこもっていたか。
そんな美久の服の裾を不意に黄泉が引っ張って、
「ねえ」
美久が視線を彼女に向けると、金の瞳は真っ直ぐに彼を見つめていた。
ロマンチックな雰囲気の中、しかし少女の口から出た言葉は――
「デートって、結局なに?」
「へ?」
頭に疑問符を浮かべながら、黄泉は問う。
「デート、聞いただけで、本当のデート。見たことない」
黄泉の視線はこの場の覚者達それぞれへと向けられていく。問いに答えて欲しいと。
「デートの終わり、夜景の綺麗な場所で、キスをするのが王道って、聞いた」
それは本当なのか。
知りたい。
「え、いや。ちょっと……!」
慌てふためく美久もまた、救いを求めて視線を奔らせる。が、
槐はすでにこの場にいなかった。
華怜は状況を冷静に判断し、自分が対処するべきではないとスッと距離をとっていた。
「恋人との……」
「デート、か……あ、流れ星」
悟と柾の二人は何か心の深い場所に触れてしまったのか、物思いに耽り遠く夜空を見上げている。
「ちょっと!」
「ヒントでもいい」
純粋な好奇心を振りかざし、一番答えてくれそうな美久へと黄泉は詰め寄る。
「あ、あー……」
何事にも冷静沈着を旨とする美久にして、しかしこの問いへの回答は責任重大に過ぎた。
「月が、綺麗だなぁー」
「?」
逃げられないと悟った美久はそっと目の前の問題から目を逸らし、美しい夜空を見上げる。
納得のいく答えを得られなかった黄泉は、ずっと首を傾げていた。
その様子を誰かが笑っていた。
三日月も、夜空の星々も、地上の明かりも。そのどれもが明るく、楽しげに輝いているようだった。
山の上にある展望台を望んで、一組のカップルが希望を確かめ合いながら行く。
その日一日続けたデートの最後の締めとして、最高の終わりを得るために。
「おーい」
前に進むことしか見えていなかった二人に不意の声が掛かる。見れば遠くに六人からなる一団の姿があった。
「悪いが今からここは通行止めだ。こっちに来るなよ!」
そう声を張る男と、その仲間達の足は即座に彼らの向かわんとしていた展望台への道、階段へと進んでいく。
突然の理不尽にカップルは困惑し男は怒りを露わにしたが、その声はすぐに引っ込んだ。
「なっ……!」
集団の一人、パーカーを羽織った幼げな少女が、徐にナイフを取り出してみせたのだ。
さらには隣の年頃を同じくする少女が、ナイフの少女に続くように己の体躯の二倍ほどもある斧を取り出す。
その物々しさと常識外れな光景を見れば、流石に彼らでも状況を理解する。
今目の前にいるのは超常の者達、カクシャであると。
「これから荒事がある。楽しいデートは日を改めるか他所で続きをやってくれ」
ダメ押しのように続く男の言葉は、ここが終わりと決めていたカップルの首を縦に振らせた。
それが人生の終わりからの救いだと知らぬまま、そそくさと車に乗り立ち去っていく。
「思った以上に上手くいったな」
遠ざかるエンジン音を聞きながら、『花守人』三島 柾(CL2001148)はホッと胸を撫でおろした。
「あ……行っちゃった」
去る車を残念そうに見送る『アンシーリーコートスレイヤー』神々楽 黄泉(CL2001332)は、手に持つ半月斧の柄を力なく握る。
誰かの楽しみを邪魔してしまった事実に、少し心が沈む。
「後顧の憂いが無いというのは、素晴らしいことだと思うぞ!」
落ち込む黄泉を慰めるように声をあげた『意識の高いドM覚者』佐戸・悟(CL2001371)が、なあと隣に立つ少年に同意を求め、
「あ、ごめんなさい。聞いてませんでした」
「ぐふぅ」
ぞんざいな扱いを返され身悶える。
「それより、目標と思われる動体を見つけました」
そんな悟を華麗にスルーして、少年――『Overdrive』片桐・美久(CL2001026)は山を登る階段の、上部を指す。
「私の方でも確認しました。数も五匹。夢見の通りですね」
自らの肩に降り立つ守護使役を撫でながら『サイレントファイア』松原・華怜(CL2000441)も力強く頷く。
美久と華怜はどちらも鳥系である己の守護使役の力を借りて、目を凝らしたのだ。
「なら、話は早いのですよ」
何かを確かめるように地面を踏みしめていたナイフの少女こと『偽弱者(はすらー)』橡・槐(CL2000732)の声に、誰ともなく進むべき道を皆見上げる。
「妖ハントのお時間なのです」
夜に潜む妖狩りの時間が始まろうとしていた。
●魔獣狩り
覚者達は事前の動きにより先手を取ることに成功した。
槐が仲間を補助するべく治癒力を高める香を振り撒き、時を同じくして悟が蒼鋼壁で自らの機械化された手足を強化。守りをより盤石なものとする。
「動き出しました!」
美久の声が響くと同時に、階段の脇に植えられていた背の低い茂みの中から次々と茶色の毛玉達が飛び出してくる。が、
「……ん!」
空気を切り裂く音と共に、豪快に振り上げられた黄泉の半月斧が妖達を迎え撃つ。
「少し大人しくしていてくださいね?」
弾き返され地に転がった毛玉達の数匹を、美久の展開した捕縛蔓が絡め取っていく。
「ギイイイイイッ!」
元は子犬から成った怪物のはずだが、その鳴き声は甲高く異形のそれに変わり果てていた。動きを鈍化された獣達は怨嗟を込めた吠え声を響かせていく。
「失礼……しますっ!」
炎を纏った華怜のストンプが毛玉の一体を捉える。妖の体毛はそれを柔らかく受け止めようとしたが、守り切れず踏み抜かれ弾かれるように坂を転がった。
戦場は階段を主とした山道の途中であったが、華怜は優れたバランス感覚を発揮しその不利をものともしていない。蹴り抜いた脚で華麗に着地を決めれば、戦場をすぐさま見回す。
「思ったより、すばしっこいな!」
柾の元へ、三体の毛犬達が集中攻撃を仕掛けている。飛び掛かってくる一体の一撃をガントレットの素早い二連撃で迎撃するも、残る二体が柾の腹と膝に強烈な一撃を加えた。
踏みとどまる足が階段に敷き詰められた砂利を鳴らす。
「…ぐっ!」
体勢は崩さない。柾はこの程度では折れはしない。
「可愛い子犬には棘がある、か」
「……ふむ、素晴らしい言葉だ! どM的に!」
柾の声に呼応して悟が完全な盾と化した腕を振り抜き乱入する。牽制で放った一撃は空を切ったが、振り抜いた腕に土が鎧の如く纏わりついて更なる守りの力になった。
「準備完了だ! さあ、来いよ! 全部受け止めてやるよ!」
戦場の真ん中で殴れと叫ぶ。悟の表情は生き生きとしていた。
戦局を計る天秤は覚者達へと傾いた。
機先を制した一行はその勢いの力も借り、不利な地面の上でも縦横無尽に駆け回る。
回復に乏しい戦力を踏まえた電撃作戦は、見事にその成果を上げていた。
「そこです!」
「そこ……!」
敵がひと塊になる瞬間があれば美久と黄泉がすかさず地を這う連撃で穿ち崩しに掛かり、
「逃がしません」
「まずは一匹、確実に」
相手の動きから弱っている者を探りながら、華怜と柾は確実な一撃を決めていく。
対して、足並みの乱れた妖達はそれぞればらばらに動いて散発的な攻撃を打ち込んでいくが、それすらも上手く決まらない。
「“全ての女子がもふもふに心惹かれると思うなよ”なのです」
容赦のない一言と共に槐が舞う。心の奥底から崩す混乱の舞踏を、タイミングを計った的確な瞬間に決めていく。
乱れに乱れた妖達の統率は、隣にいる毛犬同士が頭突きをし合う事態すら巻き起こし、それらを目の当たりにする槐の口元には、人知れず愉悦に浸る邪悪な笑みが浮かんでいた。
対してこちら、悟の前には二体の毛犬が相対していた。
「どうした、来ないのか?」
余裕の笑みを浮かべる悟は、しかしいくらかダメージを蓄積し体勢を崩している。
「さあさあ、もっと俺に攻撃しふぐぅっ!」
言い終える前に毛犬の一体が体当たりをしかけ悟のガードを抜けて腹部を撃ち抜く。よろめき膝を降りそうになりつつも、悟はしかし表情を明るくしていた。
「俺が、全部受け止めてやる!」
妖の本能がそれを危険だと訴える。だから余計に警戒する。注目する。
そしてその隙を覚者は逃さない。
「一匹目、だ」
悟の体を壁にして、すり抜けるように現れた柾が毛犬を一気に穿ち抜く。
死角からの正確な二連撃。それは深く毛犬を捉え、拳に確かな手応えを与えた。
ゴム毬のように跳ねたそれは強かに階段の手すりに体をぶつけ、消失した。
●決着
六対四という状況になり、毛犬達は自らが窮地に立ったことを知る。
眼前に現れた者達は獲物ではなく、自分達を狩り得る存在だと認識する。敵だと確信する。
「……」
こちらを警戒し密集し始めた相手を美久は複雑な表情で見つめていた。
(この子達がこんな姿でこんなことをしているのは、多分……)
推察する。子犬達に足りない物。それはすぐに思い至り、彼に憐憫の感情を生ませた。
「でも」
密集した相手へ再び地を這う一撃を放つ。
目の前にいるのはもはや条理を外れた存在、妖と成り果ててしまった者達だから。
人を害し人を侵し人を滅ぼす存在を認めるわけにはいかない。
「黄泉さん!」
「ん……!」
薙ぎ払った所で声をあげる。同じ技術で戦う仲間へ呼びかける。動きを合わせ黄泉が来る。
(私がやるのは、できるのは……)
敵前へ躍り出る黄泉は半月斧を振りかざす。
弾け飛ぶように攻撃を回避しようとする毛犬達の、その全てを逃がさぬよう……――跳ぶ。
着地については考えない。自分にできること、たった一つのことだけに集中して。
「これで……ただ薙いで、叩き斬る、だけ」
腕を振るう。小さな体躯に似合わぬ剛力で振り抜いたそれは、鋭角に毛犬達を薙ぎ払った。
撃ち抜く轟音、弾ける空気。その一撃の強大さは武器が十二分に扱われている証だった。
度重なる攻防でボロボロになり怪我だらけになる毛犬の姿は、悲哀に満ち、強く同情を引く見た目をしていた。
だが、覚者達はその見た目だけの可憐さには惑わされない。
「おっ」
瞬間、槐はいち早く隊列を下げる。
「何をごふ、げふっ、がぼ、げはぁっ!!」
その次の瞬間、毛犬達の連携のとれた体当たりの、その全てが悟へと打ち込まれていく。
「ギャルルル……!」
それは攻め手も緩く、小柄で、華奢な見た目の槐を確実に仕留めようと動いた統率のとれた動きだった。
弱っていても彼らは闘争心を失わない。狩るのはこちらだとその力を示してみせる。
それがこの妖の、本性。
「がふっ……!」
結果的に、槐を庇う形で体力の限界を迎え悟は膝を折る、だがしかし、それでも意識は保った。
仲間を守った。その事実に己を奮起し、与えられた痛みに歓喜し、再び立ち上がる力に変える。
「一匹として逃がしたりはしないぞ、毛犬君!」
高らかに叫びをあげるこの生き物は、もはや妖にとって何か別種の怪物のように見えたかもしれない。
「ナイス肉壁なのです、佐戸さん」
そんな叫びの裏、難を逃れた槐は自らに岩の鎧を纏わせ次に備える。
もはや妖側につけ込む隙はどこにも存在しなかった。
「仕掛けます!」
「押し込め!」
「まだ、終われません!」
覚者達の攻撃が一斉に放たれる。最大の連携を力技でねじ伏せられた怪物達に、それから逃れる術はもはやない。
「これで、最後です!」
「ん……!」
階段の手すりを足場にして華怜が跳ぶ。対角線から坂を上がり黄泉が駆ける。
鍛え抜かれた華怜の足は、振り抜く黄泉の半月斧は、弧を描き残る毛犬をそれぞれ捉え、針を展開するより先に振り抜かれる。
天上の三日月もかくやといった軌道は、炎に彩られるまま、空を切る風音を伴って、それぞれに毛犬を仕留めた。
「お仕置き、終了。ちょっとは、私、強くなれた?」
この顛末をもって、妖に堕ちた獣達は覚者によって斃されたのである。その業を深めるよりも、早く。
●夜空を見上げて
「わあ……!」
その声は誰が上げたものだったろうか。
勝利を収めた覚者達は、逃げ去ってしまったカップルの代わりに展望台へと登っていた。
見下ろせば街並みの明かりが輝き、見上げれば地上より柔らかく細やかな輝きに満ちている。
カップルがデートの締めに選ぶのも納得の風景がそこには広がっていた。
「デートの邪魔はしてしまいましたが……命あっての、ということで」
「だな」
去ってしまったカップルを思う美久の隣で、ズタボロになったがピンピンした様子の悟が頷く。
結果的に独占してしまうことになったこの状況を、せめて楽しもうと心に決める。
「見た目は可愛いが、可愛くなかったな」
「あの手のカワイイは正義、なんてのはぶっ飛ばしてなんぼなのです」
「あはは……」
身に気怠く覆い被さるような戦いの疲労感を覚えながらの会話はどこかふわりとしていて。
空を見上げる覚者達にそれぞれ沈黙が降りていく。
美しい星空に何を思っているのかは様々で、それは一言では語り尽くせぬ色を持っているようだった。
思い出を、未来を、星を、ただ映る景色を。彼らはその瞳に色々な物を映しているようだった。
「神が動物を天へあげ、星座にする……なんて、話もあるそうです」
不意に美久の口から零れた言葉には、どんな気持ちがこもっていたか。
そんな美久の服の裾を不意に黄泉が引っ張って、
「ねえ」
美久が視線を彼女に向けると、金の瞳は真っ直ぐに彼を見つめていた。
ロマンチックな雰囲気の中、しかし少女の口から出た言葉は――
「デートって、結局なに?」
「へ?」
頭に疑問符を浮かべながら、黄泉は問う。
「デート、聞いただけで、本当のデート。見たことない」
黄泉の視線はこの場の覚者達それぞれへと向けられていく。問いに答えて欲しいと。
「デートの終わり、夜景の綺麗な場所で、キスをするのが王道って、聞いた」
それは本当なのか。
知りたい。
「え、いや。ちょっと……!」
慌てふためく美久もまた、救いを求めて視線を奔らせる。が、
槐はすでにこの場にいなかった。
華怜は状況を冷静に判断し、自分が対処するべきではないとスッと距離をとっていた。
「恋人との……」
「デート、か……あ、流れ星」
悟と柾の二人は何か心の深い場所に触れてしまったのか、物思いに耽り遠く夜空を見上げている。
「ちょっと!」
「ヒントでもいい」
純粋な好奇心を振りかざし、一番答えてくれそうな美久へと黄泉は詰め寄る。
「あ、あー……」
何事にも冷静沈着を旨とする美久にして、しかしこの問いへの回答は責任重大に過ぎた。
「月が、綺麗だなぁー」
「?」
逃げられないと悟った美久はそっと目の前の問題から目を逸らし、美しい夜空を見上げる。
納得のいく答えを得られなかった黄泉は、ずっと首を傾げていた。
その様子を誰かが笑っていた。
三日月も、夜空の星々も、地上の明かりも。そのどれもが明るく、楽しげに輝いているようだった。
■シナリオ結果■
成功
■詳細■
MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし

■あとがき■
依頼完了。覚者の皆様はお疲れ様でした。
一般人の被害もなく、用意された作戦も有効的でした。
カップルも今回こそデートに水を差されてしまいましたが、その位じゃ負けません。
彼らには次があります。それは、間違いなく皆様の活躍あってのことです。
星空を守る物語、楽しんでいただけましたら何よりです。
次の機会も、またよろしくお願いします。
一般人の被害もなく、用意された作戦も有効的でした。
カップルも今回こそデートに水を差されてしまいましたが、その位じゃ負けません。
彼らには次があります。それは、間違いなく皆様の活躍あってのことです。
星空を守る物語、楽しんでいただけましたら何よりです。
次の機会も、またよろしくお願いします。
