<五麟祭>五麟祭の夜に
<五麟祭>五麟祭の夜に



 今年も五麟祭の季節がやってきた。
 五麟祭。
 それは五麟学園の文化祭、学園すべてが会場となる一大イベントだ。
 小中高大全ての生徒と校舎を使ったお祭りは、毎年大勢の訪問者がやってくるイベントとなる。
 展示を出すのは学生だけではない。手続きを取って検査に合格すれば、外部の人間も店を出すことができるのだ。
 数多くの催し。
 多くの者が、さまざまな思い出で彩る祭。
 そんな五麟祭の最後の夜であるひとときは、打ち上げと言う形で幕を閉じる。
 
 後夜祭だ。

「花火、上がったね」
「うん。後夜祭の始まりだ」
 
 学園の空に、大輪の花火が打ち上がる。
 次々と、炎の花が咲き誇る。
 過ぎ去った時間はまた新しく、確かな熱を刻む。誰も彼もが余韻に包まれた。あれもこれもが、つい今し方の出来事のように蘇ってくる。
 地上のグランドではキャンプファイアーが燃え盛っていた。 
 周りには露店が並び、食欲誘う匂いが鼻腔をくすぐる。
 飲んで食べる者もいれば。
 踊って騒ぐ者もいて。
 静かに花火を眺める者がいて。
 自ら花火に火を灯す者だっている。
 
 後夜祭をどう楽しむも、自由だ。
 学園全体が、打ち上げの夜に包まれる。
 さて、あなたはどうしよう?


■シナリオ詳細
種別:イベント
難易度:楽
担当ST:睦月師走
■成功条件
1.五麟祭の後夜祭を楽しんでください
2.なし
3.なし
 睦月師走です。今回は、五麟祭のシナリオとなります。

●舞台は学園全体
 学園全体で打ち上げが行われています。学園上空では、打ち上げ花火が上がっています。
 グラウンドではキャンプファイアーを行っています。
 教室内などで打ち上げをしたり、室内からでも窓から花火を見物することができます。
 食べ物などの露店も数多く出ています。そういった露店で食べ物を売る側になっても良いです。
 また、手持ち花火の類も用意されています。
 
 持ち込みも可能。楽しみ方は、自由です。
 
●イベントシナリオのルール
・参加料金は50LPです。
・予約期間はありません。参加ボタンを押した時点で参加が確定します。
・獲得リソースは通常依頼難易度普通の33%です。
・特定の誰かと行動をしたい場合は『御崎 衣緒(nCL2000001)』といった風にIDと名前を全て表記するようにして下さい。又、グループでの参加の場合、参加者全員が【グループ名】というタグをプレイングに記載する事で個別のフルネームをIDつきで書く必要がなくなります。
・NPCの場合も同様となりますがIDとフルネームは必要なく、名前のみでOKです。
・イベントシナリオでは参加キャラクター全員の描写が行なわれない可能性があります。
・内容を絞ったほうが良い描写が行われる可能性が高くなります。

 それでは、五麟祭の後夜祭をお楽しみください。
状態
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:0枚 銅:1枚
(0モルげっと♪)
相談日数
7日
参加費
50LP
参加人数
10/∞
公開日
2016年10月29日

■メイン参加者 10人■



「楽しかったお祭りも後少しで終わりなの……ふぅ、少しセンチな気分なの。だからこういう時は……うん、パンツハンターするに限るの!」 
 祭の花火が上がる。
 その時、瀬織津・鈴鹿(CL2001285)に電流が走る……!
「そぉーれー!!」
 宮里 聖(CL2001509)が、鈴鹿の後ろから手を動かす。
「ハハハ! 折角の五麟祭をこのまま静かになんか閉めさせるものか!」
 初めて自らの意思やラキスケでないスカートを捲られた感触……その自分と同い年くらいの少年の存在。
 ちなみに、鈴鹿は……ノーパンだった。
「なるほど……運命があるならこの出会いに感謝なの……私の名は瀬織津鈴鹿……同志、貴方の名は?」
「え……宮里 聖、だけど」
「そう、聖……見た所私の方がお姉ちゃんだから姉と敬いつつ……一緒に行くの! パンツハンター道を! という訳でパンツ寄越せなの―!」
「いや、俺お前みたいなガキは守備範囲外で……お前のパンツとか見ても全然……はぁ!?」
 これが運命の義兄妹の出会いだったり。
 でもなかったり。ともかくも厄介なコンビの誕生だった。


「うーん、五麟祭、素敵な娘達は確かに居ましたが手応えは微妙でしたね。僕もまだまだ……おや?」
 坂月 空(CL2001511) は、ふと目を留める先。
「カカッ! 祭りの後の酒というのは格別さね。特に空に浮かぶ花を見ながらなんて乙なもんさ」
 一人酒を楽しんでいたところに矢萩・秋(CL2001344)は良からぬ気配を察知した。
「……三人かい。やれやれ、今日は気分がいいからあまり血生臭い事は勘弁だが……」 
「これはこれは、まさか五麟祭の最後にこんな素敵な人と出会えるなんて思いませんでした。どうです? 楽しんでらっしゃいますか?」
 空は迷わずに初対面で早速笑顔で、秋の胸を触りつつ。
「あはは、すみません、僕の癖の様なものでして、良い女性を見ると体が勝手に動いちゃうんです。それで良ければ、この五麟祭の最後を僕と過ごしてくれませんか?」
 さらに触り続けた。
「早速得物を発見なの……鬼退治の劇で共演したお姉さんのパンツを頂くの!」
「お、次のターゲット発見ー! そぉれー!!」
 鈴鹿と聖は秋のスカート捲りを風のように試みる。
「おや? 実は中々可愛いのを穿いてるんですね、あはは」
「ハハ、怒らない気にしない。折角の祭りなんだから、もっと楽しんで行こうぜ!」
 笑顔でにこやかに流すスタイルの空。
 聖も悪びれた様子は一切ない。
「ところで兄ちゃんと姉ちゃん何やってんの? もしかして恋人同士とか? それだったら邪魔しちゃって悪いなーって流石に俺も思っちゃってさ、付き合ってないなら、今後、俺が狙っちゃっても平気?」
 色々有り得ない。
 着物を捲られて物を脱がされた秋は、そんな連中を。
「あまりの出来事にフリーズしちまったよ……青年は何だか完璧セクハラなナンパしてくるし……クハッ! 全く面白い連中さね! カカッ! 久々に馬鹿らしくて笑ったさね」
 豊満な胸で抱きしめ黙らせた。
「あんた等好ましい連中だからね。折角の出会いさ……近くの店でもう少しおしゃべりしようか」
 それから、そっと空に小声で。
「餓鬼共帰した後に……今夜どうだい?」


「ふふふー、椿ちゃーん。もーそんな心配しなくて大丈夫ですよぉ、ちょっとお酒飲んだだけですからぁ」
 三峯・由愛(CL2000629)は、三島 椿(CL2000061)に擦り寄り離さない。膝をぽんぽん、と叩く。
(大丈夫かしら)
 椿は酔っぱらった由愛が心配になっていた。普段からじゃ想像ができないくらい姿だ。
「今日は膝枕してあげたいです。どーぞどーぞぉ」
「えっ!? そ、そんな悪いわ。大丈夫よ」
 押せ押せの由愛に負けて、結局膝枕に頭を乗せて横になる椿である。
「や、やわらかい……って、私ったら」
 赤くなって、このままだとよくないわと思い水を持ってこようとするも。
「ふふふー、動いちゃだめだよー、椿ちゃーん」
「お酒の力ってすごいのね……」
 由愛の酔いが醒めるまでには、その場から動けそうにない。
 ビール缶片手に、三島 柾(CL2001148)と瑛月・秋葉(CL2000181)は乾杯した。
「三島サンとは盆祭り以来やね。鼠小僧の姿、記念に写真撮っとけばよかったで」
「俺もまたこうして話せて嬉しいよ」
 柾は思わず笑う。
 冗談ぽく秋葉は話を切り出す。
「実は聞きたかった事があってな。前に三島サン宅で飲んだ時に写真……見ちゃったんやけど女の人の。あれは奥サンとか?」
「あー」
「あ、無理に言わんでもええですよ」
「あれな、俺の元婚約者。もういないんだけどな、どこにも。未だに、写真を捨てられないんだ。我ながら女々しいと思うけどな」
「心底愛した女ならそう簡単に忘れるなんてできへんよ、男やから……話してくれておおきに」
 秋葉は暗い表情になり。
 いいんだよと柾は頭を軽く叩く。にぎやかだなと学生たちをみて目を細めた。
「俺は高校の頃は弓道部だったけど、そういえば瑛月はどんな学生だったんだ?」
「三島サン弓道部やったんやね! モテそう」
 真顔で返す秋葉。
「一応演劇部やっとったよ! あと歌舞伎好きやから、足しげく通っとったね。僕が学生ん時は丁度覚醒しとった時期やわぁ~懐かしい」
「へぇ。それは一度講演とか見たかったな。瑛月は主役とか、華がある役が似合いそうだ。歌舞伎は何度か足を運んだが、楽しいもんだよな」
 二人の頭上に花火が、また上がる。
 しっとりとした時間だった。


「ああ、もうさっきにーさまが誰かと歩いてるのみた!」
 探す矢先に酒々井 数多(CL2000149)は手をひかれた。
 切裂 ジャック(CL2001403)が、人混みを泳ぐようにかき分けて彼女の手首を掴んでいた。
「なあ、おい!」  
「なに? 今忙しいの! 私にーさまを追いかけな……」
「……あ、ごめん!!」
 ジャックはすぐに手を離して真っ赤になった顔を隠すようにフードを伸ばす。
「またニーサマニーサマって……なあ、どうせもう帰るだけやろ?なら、もう少しくらい、俺のそばにいろよ」
 ……好きだってまだ気づけない気づかない。
「何よ、そんな泣きそうな顔しなくていいじゃない……まあ、そうね。見失ったしもう、家に帰って待つくらいしかないけれども」
 ……ジャックはおとうとみたいなかんじ。
「で、どうだった? 五麟祭。ゴリのわりにはゴリラいなかったわよね」
「五燐? 楽しかったよ、友達といれたし。そりゃゴリラはいねえだろ」
 ジャックの顔は真っ赤。
 まあ概ね楽しかったかなと数多は思う。
「そりゃあ、祭りはいつかはおわるものね。どんどん人もいなくなって寂しいけど。なに? おねーさんになぐさめてほしい? だっこしてあげまちょうか? ぼく?」
「だっこはいらねえよ!! 馬鹿にすんな、俺だって男だ……」
 抱きしめたい衝動に駆られながらチキンでできない。
 だから小指だけ伸ばして数多の小指に絡めてみるので精いっぱい。
「帰路は、送るから……」
 絡められた指先がちょっとだけ暖かくて
「しょうがないにゃあ」
 祭りも、もう終わり。
 ……一緒に帰ろ。
  
● 
「うーん……またお酒飲んでからよからぬことをやったような。三島さん、私なにか変なことしませんでしたか? 迷惑だったら言ってくださいねっ」
「大丈夫よ」
「……は、花火しましょっ! ねっ?」
 お友達とこうして遊ぶのは楽しくて……これからも仲良くしたい。
 手持ち花火の炎を見つめながら、由愛と椿は笑顔で頷き合った。
「今日はご迷惑おかけしちゃいましたけど……こ、これからもお友達でいてくださいね?」
「勿論よ」

■シナリオ結果■

成功

■詳細■

軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし



■あとがき■

 面白い、後夜祭になったと思います。
 ご参加ありがとうございました。




 
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