<五麟祭>本格的なお化け屋敷だゾ!
●おどかすイベントといったら……
五麟市にまた秋が訪れた。
この時期、行われるイベントといったら。
「そんなわけで、今年も五麟祭なんだよー!」
久方 万里(nCL2000005)が集まる覚者達へと呼びかける。
いわゆる、文化祭のような催しが五麟学園で行われるわけだが、小中高大、学園全ての生徒や近隣住人が参加できる秋の大きな行事である。
今年も様々な企画が行われているが、そんな中、とある校舎には怪しげな場所がある。
『びっくりどっきりホラーハウス』
ネーミングセンスが微妙な気がするが、気にしてはいけない。小学生が一生懸命考えたのだと考えれば、なんとも可愛らしいではないか。なお、本当に小学生が考えたとは言っていない。
だが、現実はそんな生易しいものではない。
「お化け屋敷などとは生ぬるい。本当の地獄を見せてやろう……」
中から響く声は誰のものだろうか。……ってか、地獄て。
「ゾゾゾ、ゾゾゾ…………」
何か聞こえる笑い声。FiVE村で豆腐を作っている一つ目小僧と思われるが、姿を見せない。彼はここぞと客を脅かして日ごろの鬱憤を晴らそうと言うのだろう。
客として参加するのはもちろんだが。よくよく見れば、脇にはしっかりと『学園関係者はもちろん、外部の方含めてスタッフ募集中』の張り紙もある。どうやら、人数は足りていないらしい。
折角だから、知人を招いて脅かすのもいいかもしれない……と考える覚者の姿もちらほら。
「あー残念だなー、万里ちゃんも都合があえば、皆を恐怖のどん底に陥れるのにー、それこそ、一生もののトラウマが残ってしまうほどに。残念だなー」
……覚者達は思う。彼女が参加しなくて本当によかったと。
五麟市にまた秋が訪れた。
この時期、行われるイベントといったら。
「そんなわけで、今年も五麟祭なんだよー!」
久方 万里(nCL2000005)が集まる覚者達へと呼びかける。
いわゆる、文化祭のような催しが五麟学園で行われるわけだが、小中高大、学園全ての生徒や近隣住人が参加できる秋の大きな行事である。
今年も様々な企画が行われているが、そんな中、とある校舎には怪しげな場所がある。
『びっくりどっきりホラーハウス』
ネーミングセンスが微妙な気がするが、気にしてはいけない。小学生が一生懸命考えたのだと考えれば、なんとも可愛らしいではないか。なお、本当に小学生が考えたとは言っていない。
だが、現実はそんな生易しいものではない。
「お化け屋敷などとは生ぬるい。本当の地獄を見せてやろう……」
中から響く声は誰のものだろうか。……ってか、地獄て。
「ゾゾゾ、ゾゾゾ…………」
何か聞こえる笑い声。FiVE村で豆腐を作っている一つ目小僧と思われるが、姿を見せない。彼はここぞと客を脅かして日ごろの鬱憤を晴らそうと言うのだろう。
客として参加するのはもちろんだが。よくよく見れば、脇にはしっかりと『学園関係者はもちろん、外部の方含めてスタッフ募集中』の張り紙もある。どうやら、人数は足りていないらしい。
折角だから、知人を招いて脅かすのもいいかもしれない……と考える覚者の姿もちらほら。
「あー残念だなー、万里ちゃんも都合があえば、皆を恐怖のどん底に陥れるのにー、それこそ、一生もののトラウマが残ってしまうほどに。残念だなー」
……覚者達は思う。彼女が参加しなくて本当によかったと。

■シナリオ詳細
■成功条件
1.お化け屋敷を楽しむ。
2.なし
3.なし
2.なし
3.なし
どこかでお会いしたことのある方もこんにちは。なちゅいです。
ホラーハウス……お化け屋敷が企画されております。
奮ってご参加いただけると嬉しいです。
●参加方法
どちらか1つに絞って
プレイングを手がけていただくよう願います。
1.客側(驚く役)
何も考えずに楽しみたい方はこちら。
運営側の参加の方か、一つ目から脅かされる形となります。
突然、妖怪やらゾンビやらの衣装に身を包んだ誰かが出てきて、
叫ぶ、わめく、失神するなどなど。
事後、震えながら、泣きながらアトラクションを後にする
……などといった想像しながらどうぞ。
後述の運営側と合わせてプレイヤー同士、
脅かし、脅かされる展開もOKです。
その場合、フルネームとID、呼び方などを併記くださいませ。
2.運営側(脅かす役)
如何にして、客を脅かすか趣向を凝らしたい方はこちら。
入り口付近、中間、ラストなど、
大まかな場所が分かりやすいと助かります。
プレイングが良い方は脅かす登場機会が多いかもしれません。
客側のプレイヤーさんと連携の上、
脅かし、脅かさせる展開もOKです。
同じく、相手のフルネームとID、呼び方などを併記願います。
●NPC
○一つ目小僧……FiVE村の住人。
小学生くらいの容姿で坊主頭、
白い上衣に黒い袴といった出で立ちが普通です。
基本、怖くありませんが、
今回は彼なりにマジになって脅かしてきます。
客側多数の場合は、本領発揮するかもしれません。
逆に、運営側多数の場合は、悲しいかなオチ要因です。
それでは、よろしくお願いいたします。
状態
完了
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:0枚 銅:1枚
金:0枚 銀:0枚 銅:1枚
相談日数
7日
7日
参加費
50LP
50LP
参加人数
16/50
16/50
公開日
2016年10月28日
2016年10月28日
■メイン参加者 16人■

●通路前半~中間点
五麟祭の一角で催されているお化け屋敷。
なかなか人手も集まらず、スタッフ募集をしていたのだが、どうにかこうにか人が集まり、無事、開催にこぎつけたようだ。
「作り物……とは言い切れないお化け屋敷なんですよね」
時任・千陽(CL2000014) はこういうものには乗っておくべきかもと、お化け屋敷に入っていた。しかし……。
「……閉所怖い。暗所怖い。幽霊怖い」
後ろにいた切裂 ジャック(CL2001403)は硬直してしまっている。
「そ、そんなに怖いですか? 前に進んでいませんよ?」
「いや怖くない。進んでるし、分速1mやし」
体勢を低めにして前屈みのジャックは実際、ほとんど進んではいない。後からくる客にあっさり抜かされてしまう。
「むしろ、俺は君の叫び声に驚く羽目になっていますが」
「ちゃうねん、ときちか、怖くはないし。俺はお前の驚く顔が見たいだけ」
ジャックはそこで、自身の手前に何かが浮かんでいるのに気づいて……。
「――ぎゃあ、人魂!」
「それは君の人魂じゃないですか!」
慌てて千陽に飛びつくジャックは、なぜかまた驚く。
「ぎぉええ!」
「というか、俺です!」
千陽にびっくりしたジャックは転げて、顔面から転んでしまう。そんな彼にさすがの千陽も呆れ顔である。
「とりあえず、外までなんとか引っ張って連れ出しましょう」
千陽は強引にジャックを引きずり、先へと進んでいく。
「……まさか、五麟祭でもこういうイベントがあるなんて……。でも、前回の肝試しでは醜態を晒してしまったから、リベンジ戦だ!」
飛騨・沙織(CL2001262)は友ヶ島にて行われた肝試しのリベンジをと、獅子神・玲(CL2001261)と一緒にお化け屋敷の前に立つ。
「……沙織がリベンジ戦だって言うから付き合うけど……。沙織、無理してない?」
「臆病者じゃないから……。玲もそこ勘違いしないでね!」
「別に僕は沙織の事、臆病者とか思ってないよ?」
しかし、涙を浮かべる沙織はむんずと玲の手を離さない。
「……後、絶対手離さないでね! 絶対だからね!」
「……本当に変な所で頑固で見栄張るね……、沙織」
やれやれと玲は嘆息して、沙織の手をしっかりと握り返す。
「まあ、親友がそういう見栄張るなら、付き合うのもやぶさかでないさ」
2人はそうして、屋敷の中へと入っていった。
「私お化け屋敷って、ちょっと苦手で……でも、たまきちゃんと一緒なら、勇気を出せるかなって思ったんです」
小さく震える鈴鳴に、たまきはふふと微笑む。
(鈴鳴ちゃんからのお誘いでしたが、鈴鳴ちゃんの方が、怖がっていそうですね)
そう考え、たまきは鈴鳴に手を差し出す。
「鈴鳴ちゃん、手を握って行きましょうか」
それに頷いて手を繋ぐ鈴鳴は、その温かさにちょっとだけホッとするものの、ただ、たまきも小さく震えていたようだ。
「あの……。だ、大丈夫ですよ。私がついてますからねっ」
鈴鳴は少しでも安心して欲しいと頑張って笑いかけるが、風に吹かれて手前にゆらりと動く柳の枝にびっくりしてしまう。
「きゃあっ!? ……すごい、本格的ですね」
驚く鈴鳴とたまきの利き腕と逆側の手首には、心拍数を図る機器が装着されている。さりげにどちらが驚いていたか、この数値で判定しようとしているらしい。
怖がりながらも、彼女達はゆっくりと屋敷内に足を踏み出す。
さて、入り口にからしばらく和風の通路が続く。柳の下には、転がる死体に見せかけた人形。紅くこびりつく染料が見た目にも恐ろしく見えてしまう。
その途中に何気なくテレビが置かれてある。その画面は黒い布に覆われていた。
(ふっふっふ……。いつも驚かされてばかりいた俺だけど、たまには驚かす役もやってみたいよね!)
スタッフとして参加する工藤・奏空(CL2000955) は、にんまりと笑う。彼は通路を通る者を驚かす為に、テレビから出てくるアレのマネをしようとしていたのだ。
先ほど控え室にて、自作したダンボール製のテレビ枠を脇に置き、奏空は薄汚れた白のワンピースに黒く長い髪のかつらを装着する。その長い髪で顔を隠し、片目だけがちらりと見えるようにして。メイクも施した奏空はそっと鏡を見てみる……。
「こえぇぇ!!? ……こ、これならイケる!! 待ってろ! 皆をびびらせまくる!!」
奏空は意気揚々と現場に入っていく。
一方で、成瀬 翔(CL2000063) 、麻弓 紡(CL2000623)が入り口から歩いてくる。
「企画コンの休憩中で、執事服だけど……、まぁ、いいか。あ、看板持ってくればよかった」
真顔でやってきた紡が少しだけ、翔よりも先行する。
「オレ、お化けとかあんま怖いと思った事ねーんだけど、奏空がいるって聞いたからな」
素直に驚くことも考えていた翔だったが、逆に脅かそうと考えていたらしく、物質透過と透視を駆使して怪しげなテレビの後方へと回る。
いかにもなテレビ枠を発見した紡がジェスチャーで翔に位置を教えつつ、てくてくと近づいていく。
どきどき。奏空は足音が近づくのを察して……テレビを潜って出ようとする。
「ア”ァ~~」
「ぎゃー、おばけー」
奏空の出現に、両手を上げた紡は棒読みで叫ぶ。
「お疲れちゃん」
そして、紡は彼へと飴を差し出した……のだが。
「って、待って、……テレビが引っかかった! 抜けない!!」
テレビ枠につっかえてしまった奏空の背後から現れた翔が、奏空を背中から脅かす。
「わっ」
「ぎゃあああああああっ」
驚かされて叫ぶ奏空の姿に、翔と紡は「いえーい」とハイタッチしていた。
「あら、可愛いお化けさんですね♪」
テレビにはまったままの奏空に藤 壱縷(CL2001386)が声をかけ、くすりと笑う。
「がんばってくださいね!」
折角気合を入れてメイクをしたのに。思惑とは違ったこの状況に、奏空はその場へとへたり込んでしまうのだった。
●中間地点周辺
沙織は第六感を活性させており、不意打ちは効かないのだが、場の空気に呑まれた彼女は可愛らしく驚き、わめき、全力で玲へと抱きつく。
玲も自身の中で一番怖いのは空腹という考えがある為、怖さをあまり感じてはいない。
(というか、自身が驚く前に沙織が芸人張りの反応をするから)
そのおかげもあり、玲は冷静になって沙織の手を握り、もう片手に中華まんを手にして食べつつ進む。
「まさか、お化け屋敷に入る事になるなんて、思わなかったわねぇ♪」
輪廻はくすりと笑う。彼女は客としてではなく、脅かす側としてスタンバイしている。場所は中間点やや手前、気が引き締まりやすい地点だと輪廻は考える。
「ここで気を緩めてあげるから、終盤驚かす子達は頑張るのよん♪」
彼女が狙うは男の子。その為、沙織と玲のペアを一旦スルーし、狙うは千陽とジャック……特にジャックだ。
(反応がとても面白いから、是非驚かしたいわねん♪)
輪廻はホラー系というよりも、セクシーに攻めていく。
ジャックの耳元にフッと息を吹きかけて登場した輪廻。露出度高めの衣装で素肌をちらりと見せてジャックの腕を抱きしめ、さらに胸を押し当てて気を緩ませる。
そこで逆側から抱きついてきたのは、なんの変哲もない白い布を被った藤 零士(CL2001445)。
「ぐぎゃあああ!!」
それに、ジャックの悲鳴がこだまする。
少しだけ先を行っていた玲と沙織が、その様子に顔を赤らめた。
(魂行さん、本当に自由人だな……)
唖然とする玲を掴んだままの沙織は、自分に来なくて良かったとほっとしていたようだ。
「僕はこのシーツを使う感じ……でしょうか」
零士は中間辺りでうろうろしながら、お化けになりきって訪れる人を驚かそうとしていた。
「驚かせるのは慣れていませんが……。たまには、悪戯もやってみたいのです!」
そうして、やってきたのは、姉の壱縷。零士が突然現れて抱きついてきたのにも、彼女は微笑を全く崩そうとはしない。
「わっ! ……あら、零士様じゃないですか! お化け役だったんですね。とても可愛らしいですよ、ふふ」
いい子いい子と頭を撫でられてしまうのに、零士は複雑そうな表情を浮かべていた。
ここにも通りがかるジャック。彼はゆらりと現れる零士にもまた、ものすごい叫び声を上げる。
「ああああああ!!」
「うわあ!?」
だが、そこで逆に失神してしまったのは、零士の方だった。
「……おい、零士が気絶しちまったじゃねぇか!」
「ぎゃあああああああ!!」
だが、零士が起き上がったのに、ジャックはまた驚く。千陽が首を傾げて、零士へと事情を聞く。
「どういうことですか?」
「こいつは二重人格持ってんだ。んで、俺はゼロ。姉さん……藤 壱縷には言わないでくれ」
先を行くはずの姉を、零士、いや、ゼロは気遣う。
「姉さんの悲しい顔を見るのは……俺も勘弁だからな」
そんな彼の姿に、千陽はわかりましたと頷くのである。
神野 美咲(CL2001379)と姫神 桃(CL2001376)は仲良く手を繋いで、通路を行く。
年長者らしく、高校生らしく、中学生の桃をエスコートしようと美咲は意気込む。
一方、手を引いて先に行く背の小さい美咲を、桃は微笑ましく見下ろす。
(こうして並ぶと、ほんと小さくて、妹みたいね)
美咲が思った以上に頑張っているのに、桃も余裕を見せつけようとする。テレビにはまっていた、さなんとやらもどきなぞあっさり通過した2人。
「これで、桃も年上だと認めざるを得まい! 我輩ながら、完璧な作戦だな!」
そんな2人が訪れた場所は、墓場エリアだった。
「怪の因子だし、脅かす役だよな」
東雲 梛(CL2001410)は比較的、客の気が緩みかける中間より後を狙って墓場エリアに潜む。
この一体だけ冷房を入れてもらい、薄暗くてどろどろとした音響で、梛は墓場のおどろおどろしさをリアルに演出してみせる。
その上で、梛は用意した井戸の模型の付近で待機していた。
対して、井戸近づく美咲、桃ペアは、そんな雰囲気にやや顔を青くしてしまう。梛にとって格好の餌食。自らの因子の人魂を彼女達へと近づかせる。
(なんで!? 学園祭のお化け屋敷とか、もっとチープだと思ったのに!)
(……意外と頑張ってるわね)
口には出さぬが、2人ともこのムードに及び腰になっている様子。
2人がそっと井戸に近づくと……。大きな音がして不気味な光のライトと共に梛が登場する。彼が施していた仮装は、古い腐りかけの死体だ。
「……お前の手をよこせ、……足をよこせ、目をよこせ魂をよこせ」
ゆっくりと手を動かし、恨めしいとポーズをとり、彼は近づく。
「ひっ!」
「わ、わわ……!」
2人は一目散に逃げ出す。
「まいどあり」
梛は満足気に手を振った。
墓場エリアを抜け出したところで、先に桃が口を開く。
「……って、こ、怖くないわよ。ちょっと驚いただけよ」
その桃の声は、小さく震えていた。
「わわ、我輩が居るから、も、桃も安心して良いのだぞ!?」
あからさまに自分より怖がっている美咲を見て、桃は少しだけ落ち着く。
「大丈夫? 怖かったらリタイヤしてもいいのよ」
「べ、別に怯えてなど居らんし! も、桃こそ、手をぎゅって……!」
「美咲は強い子だものね。だから、手を離しても平気よね」
ちょっとだけ余裕が出た桃。だが、美咲が目で離すのは止めよと、一瞬訴える。
「別に怖くないし!」
だが、美咲は強がってみせ、言葉を捲くし立てる。
「怖くないけど……手を離して、うっかり逸れたりしたら……。あ、あまり離れたら、桃を見失うかもしれないからな!」
2人は互いに近づき、離れぬように歩いていくのである。
●通路終盤
元々、阿久津 亮平(CL2000328)はお化け屋敷が苦手ではあった。去年のお化け屋敷では、こんにゃくに引っかかって悲鳴を上げたこともある。
ただ、友人とも言える古妖の一つ目小僧がスタッフで参加していると聞き、亮平は恐る恐る参加している。
「この……いつ出るか分からない感覚……怖いなぁ」
事前に亮平は、一つ目小僧と少し会話していた。そのとき、一つ目は今までになく張り切っていた。だからこそ、亮平は怖がってしまう。
「依頼で霊と戦ったりする時もあるけど……。何だろう……。こういうのはまた違った怖さというかなんというか……」
恐怖を意識してしまう亮平。何が出てくるのか分からず、余計に心臓がバクバクしてしまう。
(……驚いたら、変な声上げちゃいそうだな……)
そこで、通り過ぎたはずの場所からかさり。
亮平は体を硬直してゆっくりと振り返ると。真上から突然、一つ目が降ってきた。
「………………!!」
ものすごい形相をした一つ目に、亮平は変な声を出しそうになってすぐに口を押さえる。そして、彼は隅っこを辿って進んでいく。
楽しみながら進んでいた翔と同行する紡。2人は帽子を深く被り、震えながら進む亮平を見つけて声をかける。
「亮平さん、大丈夫かー?」
「大丈夫……っ、泣いてないよ」
精一杯強がってみせる亮平の姿に、翔は紡と顔を見合わせて笑いを浮かべる。
「大人でも、お化け怖いんだなー」
こっそり鷹の目を使う紡もまた、笑いを堪えていたようだ。
そこへ差し掛かるのは、しばし通路で立ち往生しつつなんとか進んでいた千陽とジャックだ。
なんとかジャックをなだめすかしながら進む千陽。ジャックはというと、ここまで来るのに叫びすぎて、ストレスが吹き飛び、すっきり賢者タイムである。
「なあ、ときちか。ここ、古妖が居――」
何かの気配を感じたジャックが千陽に呼びかけたタイミングで、一つ目小僧が天井から降ってくる。
「……っ!」
いつもの愛嬌ある表情でなく、ものすごいメイクをしていた一つ目小僧。それに、千陽も心臓が飛び出しそうになってしまうが、せめて悲鳴は押し殺そうと口元を押さえる。
「本物が出るのはなんというか、気配はもっと早く感じてください!」
そこで、入ってすぐのタイミングで震えていたのが嘘かのようにジャックがにたにたと笑う。しかも、彼は驚く千陽の顔を瞬間記憶するほどの余裕を見せた。
「ぶはっ、お前それ、軍人失格じゃん! ゴールまで抱っこしてやろうか? ん?」
「いえ、君のお守りで気を抜いていただけで、普段でしたら驚きませんでしたからっ! あと忘れてください!!」
今の自分の顔をジャックが瞬間記憶したのを察し、千陽が彼へと訴えるも。
「つか、お守り言うな!」
漫才のようなやり取りをしつつ、彼らは出口を目指す。
次にその場へ差し掛かったのは、鈴鳴とたまき。
彼女達はちょっとだけ手をきつく握りながらも歩いていたのだが……。
「きゃあああっ!」
飛び出す一つ目に、鈴鳴は悲鳴を上げてしまう。
ところが、たまきはあまりに驚いてしまった為か、思わず覚醒してしまい、一つ目へと正拳突きしてしまう。
「あ、あんまり、なんだ、ゾ……」
顔面に拳の後をくっきりと残した一つ目は、地面へと落下してしまったのだった。
●出口にて
「いっぱい驚いたし、すごく怖かった」
「こっちもすごく楽しかったゾ!」
出口付近で、参加者の通路での各参加者の様子を撮影した写真を、一つ目は配布していた。その一つ目と話していた亮平の元に、壱縷がやってくる。
「いらっしゃったのですね! こちらでもお会い出来るとは……嬉しいです!」
壱縷もお化け屋敷を満喫していたようだ。
「あー、楽しかった! もっかい入ろうかなっ!」
翔などは、紡の手を引いてもう一度入ろうとしていたようだ。
しかしながら、女性メンバーを中心に、精神をすり減らしていた者も多く。美咲は涙目になりながらも、桃と一緒になんとか最後まで到達できていた。
「あはは……怖かったぁ」
鈴鳴も出口横でへたり込んでいた。ちなみにたまきとの心拍数の勝負は……、たまきの方が上だったらしい。一つ目の登場によほど驚いたのだろう。
「うう……」
沙織は涙を流して出口に到着。リベンジとはならなかったらしい。
「……だから、無理するなって言ったのに……。はいはい、帰ろうか、沙織」
玲はそんな沙織の頭を撫でつつ、帰路へとついていくのだった。
五麟祭の一角で催されているお化け屋敷。
なかなか人手も集まらず、スタッフ募集をしていたのだが、どうにかこうにか人が集まり、無事、開催にこぎつけたようだ。
「作り物……とは言い切れないお化け屋敷なんですよね」
時任・千陽(CL2000014) はこういうものには乗っておくべきかもと、お化け屋敷に入っていた。しかし……。
「……閉所怖い。暗所怖い。幽霊怖い」
後ろにいた切裂 ジャック(CL2001403)は硬直してしまっている。
「そ、そんなに怖いですか? 前に進んでいませんよ?」
「いや怖くない。進んでるし、分速1mやし」
体勢を低めにして前屈みのジャックは実際、ほとんど進んではいない。後からくる客にあっさり抜かされてしまう。
「むしろ、俺は君の叫び声に驚く羽目になっていますが」
「ちゃうねん、ときちか、怖くはないし。俺はお前の驚く顔が見たいだけ」
ジャックはそこで、自身の手前に何かが浮かんでいるのに気づいて……。
「――ぎゃあ、人魂!」
「それは君の人魂じゃないですか!」
慌てて千陽に飛びつくジャックは、なぜかまた驚く。
「ぎぉええ!」
「というか、俺です!」
千陽にびっくりしたジャックは転げて、顔面から転んでしまう。そんな彼にさすがの千陽も呆れ顔である。
「とりあえず、外までなんとか引っ張って連れ出しましょう」
千陽は強引にジャックを引きずり、先へと進んでいく。
「……まさか、五麟祭でもこういうイベントがあるなんて……。でも、前回の肝試しでは醜態を晒してしまったから、リベンジ戦だ!」
飛騨・沙織(CL2001262)は友ヶ島にて行われた肝試しのリベンジをと、獅子神・玲(CL2001261)と一緒にお化け屋敷の前に立つ。
「……沙織がリベンジ戦だって言うから付き合うけど……。沙織、無理してない?」
「臆病者じゃないから……。玲もそこ勘違いしないでね!」
「別に僕は沙織の事、臆病者とか思ってないよ?」
しかし、涙を浮かべる沙織はむんずと玲の手を離さない。
「……後、絶対手離さないでね! 絶対だからね!」
「……本当に変な所で頑固で見栄張るね……、沙織」
やれやれと玲は嘆息して、沙織の手をしっかりと握り返す。
「まあ、親友がそういう見栄張るなら、付き合うのもやぶさかでないさ」
2人はそうして、屋敷の中へと入っていった。
「私お化け屋敷って、ちょっと苦手で……でも、たまきちゃんと一緒なら、勇気を出せるかなって思ったんです」
小さく震える鈴鳴に、たまきはふふと微笑む。
(鈴鳴ちゃんからのお誘いでしたが、鈴鳴ちゃんの方が、怖がっていそうですね)
そう考え、たまきは鈴鳴に手を差し出す。
「鈴鳴ちゃん、手を握って行きましょうか」
それに頷いて手を繋ぐ鈴鳴は、その温かさにちょっとだけホッとするものの、ただ、たまきも小さく震えていたようだ。
「あの……。だ、大丈夫ですよ。私がついてますからねっ」
鈴鳴は少しでも安心して欲しいと頑張って笑いかけるが、風に吹かれて手前にゆらりと動く柳の枝にびっくりしてしまう。
「きゃあっ!? ……すごい、本格的ですね」
驚く鈴鳴とたまきの利き腕と逆側の手首には、心拍数を図る機器が装着されている。さりげにどちらが驚いていたか、この数値で判定しようとしているらしい。
怖がりながらも、彼女達はゆっくりと屋敷内に足を踏み出す。
さて、入り口にからしばらく和風の通路が続く。柳の下には、転がる死体に見せかけた人形。紅くこびりつく染料が見た目にも恐ろしく見えてしまう。
その途中に何気なくテレビが置かれてある。その画面は黒い布に覆われていた。
(ふっふっふ……。いつも驚かされてばかりいた俺だけど、たまには驚かす役もやってみたいよね!)
スタッフとして参加する工藤・奏空(CL2000955) は、にんまりと笑う。彼は通路を通る者を驚かす為に、テレビから出てくるアレのマネをしようとしていたのだ。
先ほど控え室にて、自作したダンボール製のテレビ枠を脇に置き、奏空は薄汚れた白のワンピースに黒く長い髪のかつらを装着する。その長い髪で顔を隠し、片目だけがちらりと見えるようにして。メイクも施した奏空はそっと鏡を見てみる……。
「こえぇぇ!!? ……こ、これならイケる!! 待ってろ! 皆をびびらせまくる!!」
奏空は意気揚々と現場に入っていく。
一方で、成瀬 翔(CL2000063) 、麻弓 紡(CL2000623)が入り口から歩いてくる。
「企画コンの休憩中で、執事服だけど……、まぁ、いいか。あ、看板持ってくればよかった」
真顔でやってきた紡が少しだけ、翔よりも先行する。
「オレ、お化けとかあんま怖いと思った事ねーんだけど、奏空がいるって聞いたからな」
素直に驚くことも考えていた翔だったが、逆に脅かそうと考えていたらしく、物質透過と透視を駆使して怪しげなテレビの後方へと回る。
いかにもなテレビ枠を発見した紡がジェスチャーで翔に位置を教えつつ、てくてくと近づいていく。
どきどき。奏空は足音が近づくのを察して……テレビを潜って出ようとする。
「ア”ァ~~」
「ぎゃー、おばけー」
奏空の出現に、両手を上げた紡は棒読みで叫ぶ。
「お疲れちゃん」
そして、紡は彼へと飴を差し出した……のだが。
「って、待って、……テレビが引っかかった! 抜けない!!」
テレビ枠につっかえてしまった奏空の背後から現れた翔が、奏空を背中から脅かす。
「わっ」
「ぎゃあああああああっ」
驚かされて叫ぶ奏空の姿に、翔と紡は「いえーい」とハイタッチしていた。
「あら、可愛いお化けさんですね♪」
テレビにはまったままの奏空に藤 壱縷(CL2001386)が声をかけ、くすりと笑う。
「がんばってくださいね!」
折角気合を入れてメイクをしたのに。思惑とは違ったこの状況に、奏空はその場へとへたり込んでしまうのだった。
●中間地点周辺
沙織は第六感を活性させており、不意打ちは効かないのだが、場の空気に呑まれた彼女は可愛らしく驚き、わめき、全力で玲へと抱きつく。
玲も自身の中で一番怖いのは空腹という考えがある為、怖さをあまり感じてはいない。
(というか、自身が驚く前に沙織が芸人張りの反応をするから)
そのおかげもあり、玲は冷静になって沙織の手を握り、もう片手に中華まんを手にして食べつつ進む。
「まさか、お化け屋敷に入る事になるなんて、思わなかったわねぇ♪」
輪廻はくすりと笑う。彼女は客としてではなく、脅かす側としてスタンバイしている。場所は中間点やや手前、気が引き締まりやすい地点だと輪廻は考える。
「ここで気を緩めてあげるから、終盤驚かす子達は頑張るのよん♪」
彼女が狙うは男の子。その為、沙織と玲のペアを一旦スルーし、狙うは千陽とジャック……特にジャックだ。
(反応がとても面白いから、是非驚かしたいわねん♪)
輪廻はホラー系というよりも、セクシーに攻めていく。
ジャックの耳元にフッと息を吹きかけて登場した輪廻。露出度高めの衣装で素肌をちらりと見せてジャックの腕を抱きしめ、さらに胸を押し当てて気を緩ませる。
そこで逆側から抱きついてきたのは、なんの変哲もない白い布を被った藤 零士(CL2001445)。
「ぐぎゃあああ!!」
それに、ジャックの悲鳴がこだまする。
少しだけ先を行っていた玲と沙織が、その様子に顔を赤らめた。
(魂行さん、本当に自由人だな……)
唖然とする玲を掴んだままの沙織は、自分に来なくて良かったとほっとしていたようだ。
「僕はこのシーツを使う感じ……でしょうか」
零士は中間辺りでうろうろしながら、お化けになりきって訪れる人を驚かそうとしていた。
「驚かせるのは慣れていませんが……。たまには、悪戯もやってみたいのです!」
そうして、やってきたのは、姉の壱縷。零士が突然現れて抱きついてきたのにも、彼女は微笑を全く崩そうとはしない。
「わっ! ……あら、零士様じゃないですか! お化け役だったんですね。とても可愛らしいですよ、ふふ」
いい子いい子と頭を撫でられてしまうのに、零士は複雑そうな表情を浮かべていた。
ここにも通りがかるジャック。彼はゆらりと現れる零士にもまた、ものすごい叫び声を上げる。
「ああああああ!!」
「うわあ!?」
だが、そこで逆に失神してしまったのは、零士の方だった。
「……おい、零士が気絶しちまったじゃねぇか!」
「ぎゃあああああああ!!」
だが、零士が起き上がったのに、ジャックはまた驚く。千陽が首を傾げて、零士へと事情を聞く。
「どういうことですか?」
「こいつは二重人格持ってんだ。んで、俺はゼロ。姉さん……藤 壱縷には言わないでくれ」
先を行くはずの姉を、零士、いや、ゼロは気遣う。
「姉さんの悲しい顔を見るのは……俺も勘弁だからな」
そんな彼の姿に、千陽はわかりましたと頷くのである。
神野 美咲(CL2001379)と姫神 桃(CL2001376)は仲良く手を繋いで、通路を行く。
年長者らしく、高校生らしく、中学生の桃をエスコートしようと美咲は意気込む。
一方、手を引いて先に行く背の小さい美咲を、桃は微笑ましく見下ろす。
(こうして並ぶと、ほんと小さくて、妹みたいね)
美咲が思った以上に頑張っているのに、桃も余裕を見せつけようとする。テレビにはまっていた、さなんとやらもどきなぞあっさり通過した2人。
「これで、桃も年上だと認めざるを得まい! 我輩ながら、完璧な作戦だな!」
そんな2人が訪れた場所は、墓場エリアだった。
「怪の因子だし、脅かす役だよな」
東雲 梛(CL2001410)は比較的、客の気が緩みかける中間より後を狙って墓場エリアに潜む。
この一体だけ冷房を入れてもらい、薄暗くてどろどろとした音響で、梛は墓場のおどろおどろしさをリアルに演出してみせる。
その上で、梛は用意した井戸の模型の付近で待機していた。
対して、井戸近づく美咲、桃ペアは、そんな雰囲気にやや顔を青くしてしまう。梛にとって格好の餌食。自らの因子の人魂を彼女達へと近づかせる。
(なんで!? 学園祭のお化け屋敷とか、もっとチープだと思ったのに!)
(……意外と頑張ってるわね)
口には出さぬが、2人ともこのムードに及び腰になっている様子。
2人がそっと井戸に近づくと……。大きな音がして不気味な光のライトと共に梛が登場する。彼が施していた仮装は、古い腐りかけの死体だ。
「……お前の手をよこせ、……足をよこせ、目をよこせ魂をよこせ」
ゆっくりと手を動かし、恨めしいとポーズをとり、彼は近づく。
「ひっ!」
「わ、わわ……!」
2人は一目散に逃げ出す。
「まいどあり」
梛は満足気に手を振った。
墓場エリアを抜け出したところで、先に桃が口を開く。
「……って、こ、怖くないわよ。ちょっと驚いただけよ」
その桃の声は、小さく震えていた。
「わわ、我輩が居るから、も、桃も安心して良いのだぞ!?」
あからさまに自分より怖がっている美咲を見て、桃は少しだけ落ち着く。
「大丈夫? 怖かったらリタイヤしてもいいのよ」
「べ、別に怯えてなど居らんし! も、桃こそ、手をぎゅって……!」
「美咲は強い子だものね。だから、手を離しても平気よね」
ちょっとだけ余裕が出た桃。だが、美咲が目で離すのは止めよと、一瞬訴える。
「別に怖くないし!」
だが、美咲は強がってみせ、言葉を捲くし立てる。
「怖くないけど……手を離して、うっかり逸れたりしたら……。あ、あまり離れたら、桃を見失うかもしれないからな!」
2人は互いに近づき、離れぬように歩いていくのである。
●通路終盤
元々、阿久津 亮平(CL2000328)はお化け屋敷が苦手ではあった。去年のお化け屋敷では、こんにゃくに引っかかって悲鳴を上げたこともある。
ただ、友人とも言える古妖の一つ目小僧がスタッフで参加していると聞き、亮平は恐る恐る参加している。
「この……いつ出るか分からない感覚……怖いなぁ」
事前に亮平は、一つ目小僧と少し会話していた。そのとき、一つ目は今までになく張り切っていた。だからこそ、亮平は怖がってしまう。
「依頼で霊と戦ったりする時もあるけど……。何だろう……。こういうのはまた違った怖さというかなんというか……」
恐怖を意識してしまう亮平。何が出てくるのか分からず、余計に心臓がバクバクしてしまう。
(……驚いたら、変な声上げちゃいそうだな……)
そこで、通り過ぎたはずの場所からかさり。
亮平は体を硬直してゆっくりと振り返ると。真上から突然、一つ目が降ってきた。
「………………!!」
ものすごい形相をした一つ目に、亮平は変な声を出しそうになってすぐに口を押さえる。そして、彼は隅っこを辿って進んでいく。
楽しみながら進んでいた翔と同行する紡。2人は帽子を深く被り、震えながら進む亮平を見つけて声をかける。
「亮平さん、大丈夫かー?」
「大丈夫……っ、泣いてないよ」
精一杯強がってみせる亮平の姿に、翔は紡と顔を見合わせて笑いを浮かべる。
「大人でも、お化け怖いんだなー」
こっそり鷹の目を使う紡もまた、笑いを堪えていたようだ。
そこへ差し掛かるのは、しばし通路で立ち往生しつつなんとか進んでいた千陽とジャックだ。
なんとかジャックをなだめすかしながら進む千陽。ジャックはというと、ここまで来るのに叫びすぎて、ストレスが吹き飛び、すっきり賢者タイムである。
「なあ、ときちか。ここ、古妖が居――」
何かの気配を感じたジャックが千陽に呼びかけたタイミングで、一つ目小僧が天井から降ってくる。
「……っ!」
いつもの愛嬌ある表情でなく、ものすごいメイクをしていた一つ目小僧。それに、千陽も心臓が飛び出しそうになってしまうが、せめて悲鳴は押し殺そうと口元を押さえる。
「本物が出るのはなんというか、気配はもっと早く感じてください!」
そこで、入ってすぐのタイミングで震えていたのが嘘かのようにジャックがにたにたと笑う。しかも、彼は驚く千陽の顔を瞬間記憶するほどの余裕を見せた。
「ぶはっ、お前それ、軍人失格じゃん! ゴールまで抱っこしてやろうか? ん?」
「いえ、君のお守りで気を抜いていただけで、普段でしたら驚きませんでしたからっ! あと忘れてください!!」
今の自分の顔をジャックが瞬間記憶したのを察し、千陽が彼へと訴えるも。
「つか、お守り言うな!」
漫才のようなやり取りをしつつ、彼らは出口を目指す。
次にその場へ差し掛かったのは、鈴鳴とたまき。
彼女達はちょっとだけ手をきつく握りながらも歩いていたのだが……。
「きゃあああっ!」
飛び出す一つ目に、鈴鳴は悲鳴を上げてしまう。
ところが、たまきはあまりに驚いてしまった為か、思わず覚醒してしまい、一つ目へと正拳突きしてしまう。
「あ、あんまり、なんだ、ゾ……」
顔面に拳の後をくっきりと残した一つ目は、地面へと落下してしまったのだった。
●出口にて
「いっぱい驚いたし、すごく怖かった」
「こっちもすごく楽しかったゾ!」
出口付近で、参加者の通路での各参加者の様子を撮影した写真を、一つ目は配布していた。その一つ目と話していた亮平の元に、壱縷がやってくる。
「いらっしゃったのですね! こちらでもお会い出来るとは……嬉しいです!」
壱縷もお化け屋敷を満喫していたようだ。
「あー、楽しかった! もっかい入ろうかなっ!」
翔などは、紡の手を引いてもう一度入ろうとしていたようだ。
しかしながら、女性メンバーを中心に、精神をすり減らしていた者も多く。美咲は涙目になりながらも、桃と一緒になんとか最後まで到達できていた。
「あはは……怖かったぁ」
鈴鳴も出口横でへたり込んでいた。ちなみにたまきとの心拍数の勝負は……、たまきの方が上だったらしい。一つ目の登場によほど驚いたのだろう。
「うう……」
沙織は涙を流して出口に到着。リベンジとはならなかったらしい。
「……だから、無理するなって言ったのに……。はいはい、帰ろうか、沙織」
玲はそんな沙織の頭を撫でつつ、帰路へとついていくのだった。
■シナリオ結果■
大成功
■詳細■
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
『お化け屋敷内の写真』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:全員
カテゴリ:アクセサリ
取得者:全員

■あとがき■
リプレイ、公開です。
皆様、楽しんでいただけたようで何よりです。
感謝も込めて、大成功をお送りします。
MVPは、
テレビにはまってしまったあなた、
前半、叫びまくっていたあなた、
そして、一つ目を叩き落したあなたへ。
今回も参加していただき、
本当にありがとうございました!!
皆様、楽しんでいただけたようで何よりです。
感謝も込めて、大成功をお送りします。
MVPは、
テレビにはまってしまったあなた、
前半、叫びまくっていたあなた、
そして、一つ目を叩き落したあなたへ。
今回も参加していただき、
本当にありがとうございました!!
