蜘蛛と蛇 古妖二体の百合水着
●覚者、海に行く!
夏だ! 海だ! 水着だ!
唐突に『海に行きませんか?』と言われて車に乗り込んだ貴方達。白い砂浜を前に、運転席から音声記録媒体が渡された。
疑問に思いながら、それを再生すると――
●阿弥(あみ)と八社宮(はさみ)
夏だ! 海だ! 水着だ!
「カップル撲滅よー!」
そんな声と共に広がる蜘蛛の糸。それは砂浜で愛を囁く男女に絡みつき、拘束して自分の元に手繰り寄せた。出る所は出て、しぼむところはしぼむ。己の体に持つ自信の表れか、赤のビキニで海に挑んでいた。
「お姉さま、お姉さま! 女の方はどうしますか?」
問いかけてくるのは青のワンピース水着を着て、肌に鱗が生えた女性だ。未来に対する可能性を期待させる肉体は、むしろ元気溌剌さを想起させる。女の方に向かって舌を出し、時々火を吐いて脅かしていた。
「決まってるわ。チェックした後に年齢経歴毎に振り分けて、楽しい一夜を過ごすのよ。
恋人の愛を忘れさせるぐらいに濃厚に! それでいて心に傷を残さぬ優しさで! この八本腕で目くるめくアバンチュールを!
「流石です、お姉さま!」
蜘蛛の古妖と、蛇の古妖。本当に姉妹というわけではないのだが、二人は互いに姉と妹のように呼び合っていた。
絡新婦。
蛇女。
女性型古妖は男性を篭絡して堕落させる類の伝承が多い。その例にもれず、彼女達も人間を捕まえてえちぃことして楽しもうという目的で人を襲っていた。
だが一つだけ、伝承と違いがあった。
「ところで男はどうします?」
「縛ってひんむいて放置しなさい」
「流石お姉さま! 容赦なしです!」
彼女達は、百合属性を持っていたのであった。
●逃げる間など与えない。これがFiVE式
「――という古妖を倒してきてください」
記録媒体から聞こえてくる久方 真由美(nCL2000003)の声。
今まさに、そんなカップル撲滅百合水着古妖姉妹がカップルを襲おうとしている所だった。
夏だ! 海だ! 水着だ!
唐突に『海に行きませんか?』と言われて車に乗り込んだ貴方達。白い砂浜を前に、運転席から音声記録媒体が渡された。
疑問に思いながら、それを再生すると――
●阿弥(あみ)と八社宮(はさみ)
夏だ! 海だ! 水着だ!
「カップル撲滅よー!」
そんな声と共に広がる蜘蛛の糸。それは砂浜で愛を囁く男女に絡みつき、拘束して自分の元に手繰り寄せた。出る所は出て、しぼむところはしぼむ。己の体に持つ自信の表れか、赤のビキニで海に挑んでいた。
「お姉さま、お姉さま! 女の方はどうしますか?」
問いかけてくるのは青のワンピース水着を着て、肌に鱗が生えた女性だ。未来に対する可能性を期待させる肉体は、むしろ元気溌剌さを想起させる。女の方に向かって舌を出し、時々火を吐いて脅かしていた。
「決まってるわ。チェックした後に年齢経歴毎に振り分けて、楽しい一夜を過ごすのよ。
恋人の愛を忘れさせるぐらいに濃厚に! それでいて心に傷を残さぬ優しさで! この八本腕で目くるめくアバンチュールを!
「流石です、お姉さま!」
蜘蛛の古妖と、蛇の古妖。本当に姉妹というわけではないのだが、二人は互いに姉と妹のように呼び合っていた。
絡新婦。
蛇女。
女性型古妖は男性を篭絡して堕落させる類の伝承が多い。その例にもれず、彼女達も人間を捕まえてえちぃことして楽しもうという目的で人を襲っていた。
だが一つだけ、伝承と違いがあった。
「ところで男はどうします?」
「縛ってひんむいて放置しなさい」
「流石お姉さま! 容赦なしです!」
彼女達は、百合属性を持っていたのであった。
●逃げる間など与えない。これがFiVE式
「――という古妖を倒してきてください」
記録媒体から聞こえてくる久方 真由美(nCL2000003)の声。
今まさに、そんなカップル撲滅百合水着古妖姉妹がカップルを襲おうとしている所だった。

■シナリオ詳細
■成功条件
1.古妖なんかに負けない
2.セクハラされても泣かない
3.瞬殺されても怒らない
2.セクハラされても泣かない
3.瞬殺されても怒らない
百合で水着でいちゃいちゃする依頼です(目、逸らしながら
●敵情報
・絡新婦
じょろうぐも。古妖。蜘蛛に変化する古妖です。
戦闘になったり女性にセクハラするときは腕を生やして八本にして、いろいろ触ってきます。あと糸を使って動きを拘束してきます。
なお男には容赦しません。完全蜘蛛変化して八本の足と糸を使ってワンターンキルしてきます。
名前は『阿弥(あみ)』です
攻撃方法
八本の腕 物近列 女性相手に色々触ってきます。男性はフルボッコにします。〔三連〕
蜘蛛の糸 神遠全 糸を吐いて動きを封じてきます。そのあと何をされるかは……。〔麻痺〕〔ダメージ0〕
糸移動 P 糸を使って三次元的に移動します。ブロック不可。
床上手 P (この説明にはマスタリングがかかりました。アラタナルは全年齢です!)
・蛇女
古妖。蛇に変化する古妖です。絡新婦を姉と慕っています。
戦闘になったり女性にセクハラするときは、人間形態のまま身体を密着させたり、炎を吐いて服とか燃やしたりします。
なお男には容赦しません。完全蛇変化して火を噴いて行殺します。
名前は『八社宮(はさみ)』です。
攻撃方法
絡みつき 物近単 絡みついていろいろしてきます。〔格闘〕
蛇女の炎 特近貫3 口から火を吐いて、いろいろ燃やします。〔虚弱〕(100%、50%、25%)
蛇歩き P するりとした動きで隙間をすり抜けます。ブロック不可。
床上手 P (この説明にはマスタリングがかかりました。アラタナルは全年齢です!)
純戦のように書いていますが、基本はお察しの通りえちぃ依頼です。攻撃方法は雰囲気程度にお願いします。あと男は残念なことに、シナリオ開始に酷い目にあいます。それでも女性を守るのだ、という心意気は大好きですがご了承ください。
なお、参加者全員が十二歳以下だった場合、紳士協定に従って通常の戦闘依頼となります。
ありえないとは思いますが、参加者が全員男性だった場合は難易度は一気に跳ね上がり、天地創造レベルの戦いが繰り広げられるでしょう(適当)。
●場所情報
海。既に古妖達は砂浜でカップル狩りに興じています。
時刻は昼。地理条件が戦闘に不利になることはありません。既に人だらけですが、戦いが始まれば勝手に散っていきます。
戦闘開始時、古妖二体が前衛に固まっている状態です。覚者との距離は十メートルほど。事前付与は不可。今まさに真由美の声を聴いた状態という事で。
●備考
EXプレイング等に【覚悟完了】と書かれた方は容赦なく(全年齢の範囲内で)攻撃させてもらいます。逆に書かれていない方には、それなりに対応します。
依頼に参加した時点である程度の覚悟済みとは思いますが、どうしても避けてほしいことがある方はプレイング(EXでも可)に明記してください。考慮いたします。
皆様のプレイングをお待ちしています。
状態
完了
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
相談日数
6日
6日
参加費
100LP[+予約50LP]
100LP[+予約50LP]
参加人数
8/8
8/8
公開日
2016年08月02日
2016年08月02日
■メイン参加者 8人■

●乙女率100%
「皆さん、ここは、FiVEが対処します!速やかに、この場から、離れてくだ――」
「悪いカップルはいねーがー!」
『突撃巫女』神室・祇澄(CL2000017)が注意喚起して一般人を逃がそうとするが、それよりも早く『紅戀』酒々井 数多(CL2000149)が悪鬼の如く表情で暴れていた。速度93と78の違いであった。ともあれ二人の活躍で、一般人はすぐに退去していく。
「にーさまがいない! 騙された! 許さない! カップルは皆之撲滅よ!」
「ええ。カップル、撲滅は、別に、構いませんが」
「カップルを引き裂いてでも強引に迫るというのは感心しないわ……あれ?」
「え?」
「はい?」
数多と祇澄のセリフと春野 桜(CL2000257)のセリフが被る。思わず顔を見合わせる三人。笑顔で敵を殺す桜だが、意外なことに他者の主義思想には寛容である。誰かから何かを奪う類でなければ。
「床ジョーズ? ジョーズ! 鮫だ! ロイシャイダー!」
いきなり覚醒してハイテンションになっている『雨後雨後ガール』筍 治子(CL2000135)。覚醒びくびくしていたネガティブ眼鏡っ娘だったのに。なんということでしょう。ビフォーアフターでこうも違うとは。
「おねえちゃーーん!」
姉から預かったという手紙を見て、『インヤンガールのヤンの方』葛葉・あかり(CL2000714)は海に向かって叫んでいた。その文面には姉がこれないことが書かれてある。折角姉がごにょごにょされる姿を鑑賞しようと思ったのに。思ったのに!
「古妖で百合属性が来るとは思わなかったわ」
蜘蛛と蛇の古妖を見ながらエルフィリア・ハイランド(CL2000613)が驚きの声をあげる。驚きと言っても物珍しい相手を見る目であり、百合自体は問題ない。むしろバッチコーいである。どういう形であれ、気持ち良ければそれでいいのだ。
「古妖のセクハラになんて負けません。ええ、負けませんとも!」
フラグを立てる様に『願いの翼』天野 澄香(CL2000194)が気合を入れる。相手は絡新婦に蛇女。男を篭絡させる伝承を持つ古妖達である。それにどれだけ対抗できるか。相手をどう篭絡するか。それがこの勝負のキモである。
「私だけ胸ぺったんじゃね……っす?」
砂場にパラソルを刺しながら水端 時雨(CL2000345)が周囲と自分を見比べていた。パーカーにワンピースという格好で海に挑む時雨。日焼け止めの用意をしながら、古妖達を見た。蛇女とどっこいどっこいかもしれない。少しだけ安心した。
「お姉さま! 女です!」
「まあ、美女そろい! 今日は楽しくなりそうですわ!」
覚者に気づいた古妖二体。一応戦意は察しているのか、僅かに正体を見せて戦いに挑む。
夏の海。女性ばかりの闘いが今幕をあげるのであった。
●古妖×覚者
「みんなー。頑張ってねー」
いきなり後ろにダッシュして手を振るエルフィリア。活性化しているスキルが前衛系のため、本当に後ろに居るだけである。
「何やってるのー!?」
「だって~、皆のあらr……ゲフンゲフン活躍する姿を見るなら後衛の方が都合が良いもの」
「ジョーズは何処だー! ひゃっはー!」
「そうか! この床ジョーズをラーニングすればいいんだ!」
治子とあかりが古妖のネタスキルに変な反応をしていた。特にインヤンガールの方、落ち着け。その発想は想定外だった。
「FiVEエッチ担当のみなさんが積極的えっち担当してくれるから、私はちゃんと戦闘するわ!」
「「「「誰がエッチ担当ですか!」」」」
数多の一言に顔を赤らめて反論する一部覚者。あらあらと頷く一名。んなもん関係ねーとヒャッハーする者一名。
「なんかチームワーク取れてないみたいだから一気に行くわよ、八社宮!」
「はい、お姉さま!」
そんな隙をついて――という名目で古妖は覚者達に襲い掛かった。言うまでもなく、予定調和である。プレイングの上げ足取りである。酷いSTもいたものだ。
「先手を取られちゃまずい……のに」
蜘蛛の糸で動きを封じられた桜は迫る絡新婦の手管に必死に耐えていた。愛する人の顔を思い出しながら、必死に首を振る。覚醒してピンク色に変化した髪が、首を振るたびに揺れる。人間ではありえないボディタッチに、困惑するばかり。
こんな辱めを受けるなら……。屈辱と恥辱に押しつぶされそうな桜。守護使役という愛する人の生まれ変わりが見ていることを悟り、その思いが加速する。気が付けば体の力が抜け、足がふらついて来ていた。
「んー。可愛い水着。脱がしてほしい? それともこのままがいい?」
「く、殺す。絶対殺す」
「ああん、『くっころ』貰ったと思ったのに」
「ころーす! ですとろーい! ぶっころころー!」
深夜B級映画テンションで叫ぶ治子。現の因子は最高潮の年齢に変身するとは言うが、これは本当に別人である。一五歳の彼女と二七歳の彼女。一体何があったのだろうか。興味は尽きないが、まあそれはそれ。
身体に絡みつく八社宮。蛇の鱗が体を刺激する。その感覚にゾクゾクしながら、下を出してそのまま鱗を舐め返す。お返しにとばかりに蛇の舌を出して治子の肌を舐める。体を這う感覚に耐えきれず、ついに声を出してしまう。
「エローい!」
「えろーい!」
「えーと……緊張感が薄れるっすねぇ」
なんだか意気投合する治子と蛇女。それを見ながら時雨は何とか蜘蛛の糸から逃れようとしていた。だが、努力空しく糸から出る前に蜘蛛の手が体を這う。わさわさわさと小さな蜘蛛が体を進むように、指でゆっくりと刺激してくる。
動けないがゆえに、自分の体を進む指の感覚がハッキリと理解できる。肩から首に。そのまま肩の骨を沿うように移動して胸の方に。そのまま胸の周りを回転するように指が動き、螺旋を描くようにある一点へと指が近づきつつある。その感覚は、
「擽られると笑っちゃうっす。こしょばゆーい!」
「あらまあ。胸もそうだけど、まだ子供なのね」
「子ど……!?」
「じゃあ大人の体をド・ウ・ゾ♪」
ポーズを決めて投げキッスをするエルフィリア。そのままウェルカムとばかりに両手を広げた。その誘いに乗るように絡新婦は手を伸ばす。優しく抱き寄せて、互いの吐息が肌にかかるほどに顔を寄せる。そのまま絡み合った。
形のいいエルフィリアの身体。胸は大きく曲線を描き、スリムなボディラインと臀部のふくらみが女性らしさを示している。その曲線を堪能するように蜘蛛の手は動く。その動きに恍惚とした表情を浮かべるエルフィリア。
「ふふ。もっと激しくしていいのよ」
「あら。じゃあお言葉に甘えて」
「ん……! は、あぁ……っ!」
「え、妙に動きが速くないですか!? きゃっ!?」
八社宮の動きをとらえきれず、澄香が蛇の体に捕らわれてしまう。外見年齢は一四歳の澄香だが、肉体的には大人。蛇女の体が密着し、ぬるりと動くたびに体が反応してしまう。そしてその意味が分からないわけではなかった。
最初はくすぐったかったのだが、それがもたらす刺激が熱を帯びてくる。最初は小さな熱が制御できないほどになり、澄香は声を押さえようとする。だが押さえ込んだ熱は少しずつ大きくなり、堰を切ったように口から洩れてしまう。
「や、そんなっ……まだ私、誰にもそんな所触られた事ないのにっ、やっ」
「うふふ。じゃあ初めてを頂きますね」
「そんなことを、させるわけには、きゃあ!」
蛇女を妨害しようとした祇澄は、後ろから抱き着いてきた絡新婦に抱き着かれる。抵抗しようとする両手を掴まれ、残った腕で巫女服の上から体をまさぐられる。刺激に反応してしまえば、相手を喜ばせる。それを思い、じっと耐える。
「っ……無駄、です!」
「そうよねー。神聖な巫女がこんなことでどうにかなるはずないわよねー。でも、こうされるとどうかしら?」
「っ……離し、ッ、なさい……っ!」
祇澄の心を、そして体をじっくりと攻めはじめる絡新婦。必死に耐えるその様を崩すのがたまらない。絡新婦の表情がそう語っていた。祇澄もそうと分かっていながら、しかし抵抗する術はない。攻められるにつれて、少しずつ抵抗する力が融けていくのがわかる。
「命数を削ってでも立ち続ける! なので来るんだ! ボクに(えっちな)技を教授してくれ!」
回復を自分にかけて古妖の前に立ちふさがるあかり。その心意気というか挑発というか色々な物を感じ取った蛇女が襲い掛かる。炎の息を軽く吐かれて、セーラー服風ワンピ水着が焼けて肌が露出した。
その肌を直接なぞる古妖の指。その動きに背筋を震わせるも、大事な姉の姿を思い浮かべて正気を取り戻す。姉への想いと古妖のセクハラ。その二つの間で揺らぐあかりの心。駄目、耐えなくちゃ。でも、気持ちいい。
「あ、でもこれをお姉ちゃんに披露すればいいんじゃない?」
「お姉さまへの愛。わかりますわ!」
「私はにーさましか愛していないから!」
胸を張って公言する数多。そのまま『愛対生理論』を構えて古妖に向ける。
「水着狙ってくるなら、数多容赦しません。きゃつらの衣装も脱がせてやる所存です!」
言いながら神具を振り、古妖の水着を狙っていく。えーと、じゃあ命中-20判定で。適当に設定したら防御ファンブルして水着を取られる八社宮さんでした。
「人を脱がす百合は脱がされる覚悟がある百合だけだわ!」
「だったらそっちも脱がしてやるわー!」
「きゃー! きゃー!」
既に別の闘いが始まっていた。眼福眼福。
●百合とは
「嫌がっている相手に無理やり迫るそれのどこが百合ですか! 貴女達は間違ってます!」
「あら。優しくされるのがいいの?」
祇澄の言葉に絡新婦は声を優しくして、祇澄の頬を撫でる。優しく包み込む手の平は暖かく、それが敵の物であることを一瞬忘れさせた。真っ直ぐに自分を見る瞳は人間の物とは違うが美しく、真摯な想いが伝わってくる。
さんざん触られて乱れた巫女服を正される。その間も目を逸らすことなく絡新婦は祇澄を見ていた。その唇が優しく言葉を紡ぐ。
「巫女服が乱れているわよ。清楚な巫女は服もきちんとしないとね」
「はい、わかりました……って、なるわけ、ありません!」
一瞬空気が淡く染まるが、すぐに元に戻る。やっぱ無理かー、と絡新婦もダメ元だったみたいだ。
「ところで百合って、互いの関係性があってこそ花開く気がするんだよね!」
あかりが拳を握って力説する。
「そうよ! 私もお姉さまの関係あっての百合!」
「だからこう! 百合愛について手ほどきを受ける内に、心が古妖に揺れ動く! そういうプレイ!」
「種族の違い、敵同士、でも惹かれあう心! 禁忌と分かっているのに、愛は激しく燃え上がる!」
「どうしよう、かがり姉、ボク、ボク負けるよ! また負けるよ!? 負け確依頼じゃんこれ!」
あかりと蛇女はきゃあきゃあ言いながら百合話に燃え上がっていた。
「ところでメス妖怪! 『女性型古妖は男性を篭絡して堕落させる類の伝承が多い』ってあるんだけど!」
数多がオープニング文章を指差して問いかけた。メタだ。
「あるわね。メスピンク。それが?」
「その誤解を生みそうな呼称は、次したらぶっころころするわよ!
そんなことより、にーさまを篭絡したいんだけど、その方法教えて!」
「「夜這いすればいじゃない」」
同時に応えるメス妖怪こと絡新婦と蛇女。何言ってるの、的な顔である。
「そうじゃなくて! こー、R18な展開じゃない方法とか!」
「不意を突いて縛るとか?」
「寺に逃げるまで追い詰めて絞めるとか?」
「役立たないわね!」
古妖の思考は人間とは違う。それを思い知った数多であった。
「仲間の色んな声や仕草を見ると、ちょっと見ちゃイケナイものを見てる感じがして恥ずかしいっす」
「それがオトナのカイダンなんですよ」
時雨は少し離れた場所(回復術が届く場所)で仲間達の声やら古妖との辛みを見ていた。その傍に近づき、頷く蛇女。
「所でそれ何?」
「ん? 撮影機っす。これは記録せねばという使命があったけど、やっぱりしちゃいけないっていう気がひしひしとしていて」
時雨の手にあるカメラ。それが撮影されていたか否かはわからない。だが、詳細な記録は必要なわけで時雨の見えない部分でどこかの誰かが撮影して報告書(リプレイ)を纏めているのであった。
「こっちからも聞きたいことあるんすけど」
「なーに?」
「蜘蛛・蛇の二人はカップルっぽく見えるっすけど、撲滅される側じゃないんっすか?」
「やだー。私とお姉さまがカップルだなんて。あってるけど。あってるけどー!」
時雨の質問に頬に手を当てて身をくねらせる蛇女。質問の糸を理解してないみたいだけど、まあいやと時雨は思い直した。
(今すぐに殲滅されそうな流れだし)
古妖に迫る覚者を見て、そんなことを思っていた。
●覚者×古妖
「ねえ、阿弥ちゃん、八社宮ちゃん? 一方的に触るのってずるいと思いません?」
色々触っていた古妖に対し、澄香が笑みを浮かべて質問する。
「私達に触りたいのでしたら、そちらも触らせてくれませんとねえ? うふふふふふ」
言って素早く絡新婦の背後に回りこみ、その胸を触り始める澄香。
「あら、古妖だって言ってもちゃんといい物持ってるのですね。これは揉み甲斐がありますわ」
「ひゃん、そ、そこは!」
「自分から『して下さい』と言うようになるまでやめませんからね!」
「そうね。気持ちよくさせてもらうだけじゃ、申し訳ないわよね」
薄く笑みを浮かべてエルフィリアが鞭を手にする。古妖の手管は十分に堪能した。今度はこちらが披露するばんだ、と蛇女を捕まえる。
「ひぃ。あの……んんっ!」
「古妖のエキスをたーっぷり吸い上げてあげる。その後で痛いのが気持ちよくなるぐらいにイジメてあげるわ」
強引に唇を奪ったエルフィリア。脱力した蛇女を得物を見るような目で見て、ゆっくりと攻めはじめる。甘みと痛みを併用して、まさに飴と鞭を同時に蛇女の体に刻み込んでいく。
「阿弥さんはナイスバディですね! でも腕が増えるとその分腋も増えますね! 腋弄られるのは得意ですか?」
サメのような笑みを浮かべて治子が絡新婦に迫る。八本の腕のそれぞれの腋。そこに手を這わせる。
「腋!? そんな所、私知らない……ひゃああああ!」
「苦手? ショーガナイナー。苦手な部分は克服しないトナー」
絡新婦の反応を楽しむように指を激しく動かす治子。それぞれの腋で反応が異なるのを知り、その反応を楽しむように強弱つけ始める。
「腋をワキワキ! 愛情を篭めて! 無駄に無限で無差別な愛を持って!」
「待って、待って……そこ、っ!」
「ねぇ女にされるのが好きなんでしょう? こういうのが好きなんでしょう?」
桜が蛇女を蔦で拘束して捕らえる。その後に薄く笑みを浮かべた。ゆっくりと蛇女に触れ、言葉と共に辱め始める。
「ほら受け入れてみせなさいよほらほらほら好きなんでしょう?」
「こんな、こんなの……」
「大好きな人が見て喜んでるわよ嬉しいでしょう?」
「え? やだ、お姉さまが見てるのに!?」
「ねぇ嬉しいでしょう? 悦んで逝きなさいよ逝きなさいよあっははははははは」
「やだやだやだああ、でも、でも、こんなの耐えられない……ひゃあああん!?」
背筋にゾクゾクくるものを感じる桜。ちょっと道を踏み外しそうだけど、気にせず続けることにした。
「汚れなさい大好きな人の前ではしたなくけがれて自分がどういうものかを心と体に刻んであげるだからほら逝きなさいよ」
――どっちが悪役かわからない光景であった。
●じ・えんど・おぶ・ざ・ゆりみずぎ
そして闘いは終わる。ボロボロになった古妖は泣きながら去っていった。
「百合師匠ありがとうございました! おねえちゃんに早速試してみます!」
「また遊びましょうねー!」
古妖二人を見送るあかりと治子。
「私、一体何をしてたのでしょう……?」
我に返った澄香は古妖にしていたことを思い出して顔を赤らめる。いろいろ抑圧していたのだろう、うん。
「……いかなる、理由が、あろうと、セクハラは、断罪です」
巫女服を直しながら祇澄が立ち上がる。古妖にされたことを思い出し、顔を赤らめる。セクハラ断罪と反芻しながら、されたことを忘れようとする。
「いや~、今回も良い任務だったわ」
すっきりした顔でエルフィリアが頷く。もっとこういう事件は増えないものか。そう切に願うのであった。需要あるのかね、こういうの。
「終わったッす、海で遊ぶっす!」
「にーさまがいなーい」
時雨は人もなく貸し切り状態の海に向かって走り、数多は不満を口にしてベンチに座り込んだ。
「そういえば、何とか村に誘ったりしないのかしら?」
桜は近年開設した古妖の村の事を口にする。FiVEが保有する村に古妖を誘う者がいれば任せようと思ったのだが……流石にあんな迷惑な古妖は誰も誘わないだろう。
「――なら、いいわよね」
斧を持ち古妖の後を追う桜。何をするつもりかは、敢えて誰も聞かなかった。
かくして平和な海が戻ってくる。
だが別のゆりみずぎが現れないとも限らない。
別のST悪ノリ企画が発動しないとも限らないのだ!
戦えFiVEの覚者。明日の日本を守るために!
「皆さん、ここは、FiVEが対処します!速やかに、この場から、離れてくだ――」
「悪いカップルはいねーがー!」
『突撃巫女』神室・祇澄(CL2000017)が注意喚起して一般人を逃がそうとするが、それよりも早く『紅戀』酒々井 数多(CL2000149)が悪鬼の如く表情で暴れていた。速度93と78の違いであった。ともあれ二人の活躍で、一般人はすぐに退去していく。
「にーさまがいない! 騙された! 許さない! カップルは皆之撲滅よ!」
「ええ。カップル、撲滅は、別に、構いませんが」
「カップルを引き裂いてでも強引に迫るというのは感心しないわ……あれ?」
「え?」
「はい?」
数多と祇澄のセリフと春野 桜(CL2000257)のセリフが被る。思わず顔を見合わせる三人。笑顔で敵を殺す桜だが、意外なことに他者の主義思想には寛容である。誰かから何かを奪う類でなければ。
「床ジョーズ? ジョーズ! 鮫だ! ロイシャイダー!」
いきなり覚醒してハイテンションになっている『雨後雨後ガール』筍 治子(CL2000135)。覚醒びくびくしていたネガティブ眼鏡っ娘だったのに。なんということでしょう。ビフォーアフターでこうも違うとは。
「おねえちゃーーん!」
姉から預かったという手紙を見て、『インヤンガールのヤンの方』葛葉・あかり(CL2000714)は海に向かって叫んでいた。その文面には姉がこれないことが書かれてある。折角姉がごにょごにょされる姿を鑑賞しようと思ったのに。思ったのに!
「古妖で百合属性が来るとは思わなかったわ」
蜘蛛と蛇の古妖を見ながらエルフィリア・ハイランド(CL2000613)が驚きの声をあげる。驚きと言っても物珍しい相手を見る目であり、百合自体は問題ない。むしろバッチコーいである。どういう形であれ、気持ち良ければそれでいいのだ。
「古妖のセクハラになんて負けません。ええ、負けませんとも!」
フラグを立てる様に『願いの翼』天野 澄香(CL2000194)が気合を入れる。相手は絡新婦に蛇女。男を篭絡させる伝承を持つ古妖達である。それにどれだけ対抗できるか。相手をどう篭絡するか。それがこの勝負のキモである。
「私だけ胸ぺったんじゃね……っす?」
砂場にパラソルを刺しながら水端 時雨(CL2000345)が周囲と自分を見比べていた。パーカーにワンピースという格好で海に挑む時雨。日焼け止めの用意をしながら、古妖達を見た。蛇女とどっこいどっこいかもしれない。少しだけ安心した。
「お姉さま! 女です!」
「まあ、美女そろい! 今日は楽しくなりそうですわ!」
覚者に気づいた古妖二体。一応戦意は察しているのか、僅かに正体を見せて戦いに挑む。
夏の海。女性ばかりの闘いが今幕をあげるのであった。
●古妖×覚者
「みんなー。頑張ってねー」
いきなり後ろにダッシュして手を振るエルフィリア。活性化しているスキルが前衛系のため、本当に後ろに居るだけである。
「何やってるのー!?」
「だって~、皆のあらr……ゲフンゲフン活躍する姿を見るなら後衛の方が都合が良いもの」
「ジョーズは何処だー! ひゃっはー!」
「そうか! この床ジョーズをラーニングすればいいんだ!」
治子とあかりが古妖のネタスキルに変な反応をしていた。特にインヤンガールの方、落ち着け。その発想は想定外だった。
「FiVEエッチ担当のみなさんが積極的えっち担当してくれるから、私はちゃんと戦闘するわ!」
「「「「誰がエッチ担当ですか!」」」」
数多の一言に顔を赤らめて反論する一部覚者。あらあらと頷く一名。んなもん関係ねーとヒャッハーする者一名。
「なんかチームワーク取れてないみたいだから一気に行くわよ、八社宮!」
「はい、お姉さま!」
そんな隙をついて――という名目で古妖は覚者達に襲い掛かった。言うまでもなく、予定調和である。プレイングの上げ足取りである。酷いSTもいたものだ。
「先手を取られちゃまずい……のに」
蜘蛛の糸で動きを封じられた桜は迫る絡新婦の手管に必死に耐えていた。愛する人の顔を思い出しながら、必死に首を振る。覚醒してピンク色に変化した髪が、首を振るたびに揺れる。人間ではありえないボディタッチに、困惑するばかり。
こんな辱めを受けるなら……。屈辱と恥辱に押しつぶされそうな桜。守護使役という愛する人の生まれ変わりが見ていることを悟り、その思いが加速する。気が付けば体の力が抜け、足がふらついて来ていた。
「んー。可愛い水着。脱がしてほしい? それともこのままがいい?」
「く、殺す。絶対殺す」
「ああん、『くっころ』貰ったと思ったのに」
「ころーす! ですとろーい! ぶっころころー!」
深夜B級映画テンションで叫ぶ治子。現の因子は最高潮の年齢に変身するとは言うが、これは本当に別人である。一五歳の彼女と二七歳の彼女。一体何があったのだろうか。興味は尽きないが、まあそれはそれ。
身体に絡みつく八社宮。蛇の鱗が体を刺激する。その感覚にゾクゾクしながら、下を出してそのまま鱗を舐め返す。お返しにとばかりに蛇の舌を出して治子の肌を舐める。体を這う感覚に耐えきれず、ついに声を出してしまう。
「エローい!」
「えろーい!」
「えーと……緊張感が薄れるっすねぇ」
なんだか意気投合する治子と蛇女。それを見ながら時雨は何とか蜘蛛の糸から逃れようとしていた。だが、努力空しく糸から出る前に蜘蛛の手が体を這う。わさわさわさと小さな蜘蛛が体を進むように、指でゆっくりと刺激してくる。
動けないがゆえに、自分の体を進む指の感覚がハッキリと理解できる。肩から首に。そのまま肩の骨を沿うように移動して胸の方に。そのまま胸の周りを回転するように指が動き、螺旋を描くようにある一点へと指が近づきつつある。その感覚は、
「擽られると笑っちゃうっす。こしょばゆーい!」
「あらまあ。胸もそうだけど、まだ子供なのね」
「子ど……!?」
「じゃあ大人の体をド・ウ・ゾ♪」
ポーズを決めて投げキッスをするエルフィリア。そのままウェルカムとばかりに両手を広げた。その誘いに乗るように絡新婦は手を伸ばす。優しく抱き寄せて、互いの吐息が肌にかかるほどに顔を寄せる。そのまま絡み合った。
形のいいエルフィリアの身体。胸は大きく曲線を描き、スリムなボディラインと臀部のふくらみが女性らしさを示している。その曲線を堪能するように蜘蛛の手は動く。その動きに恍惚とした表情を浮かべるエルフィリア。
「ふふ。もっと激しくしていいのよ」
「あら。じゃあお言葉に甘えて」
「ん……! は、あぁ……っ!」
「え、妙に動きが速くないですか!? きゃっ!?」
八社宮の動きをとらえきれず、澄香が蛇の体に捕らわれてしまう。外見年齢は一四歳の澄香だが、肉体的には大人。蛇女の体が密着し、ぬるりと動くたびに体が反応してしまう。そしてその意味が分からないわけではなかった。
最初はくすぐったかったのだが、それがもたらす刺激が熱を帯びてくる。最初は小さな熱が制御できないほどになり、澄香は声を押さえようとする。だが押さえ込んだ熱は少しずつ大きくなり、堰を切ったように口から洩れてしまう。
「や、そんなっ……まだ私、誰にもそんな所触られた事ないのにっ、やっ」
「うふふ。じゃあ初めてを頂きますね」
「そんなことを、させるわけには、きゃあ!」
蛇女を妨害しようとした祇澄は、後ろから抱き着いてきた絡新婦に抱き着かれる。抵抗しようとする両手を掴まれ、残った腕で巫女服の上から体をまさぐられる。刺激に反応してしまえば、相手を喜ばせる。それを思い、じっと耐える。
「っ……無駄、です!」
「そうよねー。神聖な巫女がこんなことでどうにかなるはずないわよねー。でも、こうされるとどうかしら?」
「っ……離し、ッ、なさい……っ!」
祇澄の心を、そして体をじっくりと攻めはじめる絡新婦。必死に耐えるその様を崩すのがたまらない。絡新婦の表情がそう語っていた。祇澄もそうと分かっていながら、しかし抵抗する術はない。攻められるにつれて、少しずつ抵抗する力が融けていくのがわかる。
「命数を削ってでも立ち続ける! なので来るんだ! ボクに(えっちな)技を教授してくれ!」
回復を自分にかけて古妖の前に立ちふさがるあかり。その心意気というか挑発というか色々な物を感じ取った蛇女が襲い掛かる。炎の息を軽く吐かれて、セーラー服風ワンピ水着が焼けて肌が露出した。
その肌を直接なぞる古妖の指。その動きに背筋を震わせるも、大事な姉の姿を思い浮かべて正気を取り戻す。姉への想いと古妖のセクハラ。その二つの間で揺らぐあかりの心。駄目、耐えなくちゃ。でも、気持ちいい。
「あ、でもこれをお姉ちゃんに披露すればいいんじゃない?」
「お姉さまへの愛。わかりますわ!」
「私はにーさましか愛していないから!」
胸を張って公言する数多。そのまま『愛対生理論』を構えて古妖に向ける。
「水着狙ってくるなら、数多容赦しません。きゃつらの衣装も脱がせてやる所存です!」
言いながら神具を振り、古妖の水着を狙っていく。えーと、じゃあ命中-20判定で。適当に設定したら防御ファンブルして水着を取られる八社宮さんでした。
「人を脱がす百合は脱がされる覚悟がある百合だけだわ!」
「だったらそっちも脱がしてやるわー!」
「きゃー! きゃー!」
既に別の闘いが始まっていた。眼福眼福。
●百合とは
「嫌がっている相手に無理やり迫るそれのどこが百合ですか! 貴女達は間違ってます!」
「あら。優しくされるのがいいの?」
祇澄の言葉に絡新婦は声を優しくして、祇澄の頬を撫でる。優しく包み込む手の平は暖かく、それが敵の物であることを一瞬忘れさせた。真っ直ぐに自分を見る瞳は人間の物とは違うが美しく、真摯な想いが伝わってくる。
さんざん触られて乱れた巫女服を正される。その間も目を逸らすことなく絡新婦は祇澄を見ていた。その唇が優しく言葉を紡ぐ。
「巫女服が乱れているわよ。清楚な巫女は服もきちんとしないとね」
「はい、わかりました……って、なるわけ、ありません!」
一瞬空気が淡く染まるが、すぐに元に戻る。やっぱ無理かー、と絡新婦もダメ元だったみたいだ。
「ところで百合って、互いの関係性があってこそ花開く気がするんだよね!」
あかりが拳を握って力説する。
「そうよ! 私もお姉さまの関係あっての百合!」
「だからこう! 百合愛について手ほどきを受ける内に、心が古妖に揺れ動く! そういうプレイ!」
「種族の違い、敵同士、でも惹かれあう心! 禁忌と分かっているのに、愛は激しく燃え上がる!」
「どうしよう、かがり姉、ボク、ボク負けるよ! また負けるよ!? 負け確依頼じゃんこれ!」
あかりと蛇女はきゃあきゃあ言いながら百合話に燃え上がっていた。
「ところでメス妖怪! 『女性型古妖は男性を篭絡して堕落させる類の伝承が多い』ってあるんだけど!」
数多がオープニング文章を指差して問いかけた。メタだ。
「あるわね。メスピンク。それが?」
「その誤解を生みそうな呼称は、次したらぶっころころするわよ!
そんなことより、にーさまを篭絡したいんだけど、その方法教えて!」
「「夜這いすればいじゃない」」
同時に応えるメス妖怪こと絡新婦と蛇女。何言ってるの、的な顔である。
「そうじゃなくて! こー、R18な展開じゃない方法とか!」
「不意を突いて縛るとか?」
「寺に逃げるまで追い詰めて絞めるとか?」
「役立たないわね!」
古妖の思考は人間とは違う。それを思い知った数多であった。
「仲間の色んな声や仕草を見ると、ちょっと見ちゃイケナイものを見てる感じがして恥ずかしいっす」
「それがオトナのカイダンなんですよ」
時雨は少し離れた場所(回復術が届く場所)で仲間達の声やら古妖との辛みを見ていた。その傍に近づき、頷く蛇女。
「所でそれ何?」
「ん? 撮影機っす。これは記録せねばという使命があったけど、やっぱりしちゃいけないっていう気がひしひしとしていて」
時雨の手にあるカメラ。それが撮影されていたか否かはわからない。だが、詳細な記録は必要なわけで時雨の見えない部分でどこかの誰かが撮影して報告書(リプレイ)を纏めているのであった。
「こっちからも聞きたいことあるんすけど」
「なーに?」
「蜘蛛・蛇の二人はカップルっぽく見えるっすけど、撲滅される側じゃないんっすか?」
「やだー。私とお姉さまがカップルだなんて。あってるけど。あってるけどー!」
時雨の質問に頬に手を当てて身をくねらせる蛇女。質問の糸を理解してないみたいだけど、まあいやと時雨は思い直した。
(今すぐに殲滅されそうな流れだし)
古妖に迫る覚者を見て、そんなことを思っていた。
●覚者×古妖
「ねえ、阿弥ちゃん、八社宮ちゃん? 一方的に触るのってずるいと思いません?」
色々触っていた古妖に対し、澄香が笑みを浮かべて質問する。
「私達に触りたいのでしたら、そちらも触らせてくれませんとねえ? うふふふふふ」
言って素早く絡新婦の背後に回りこみ、その胸を触り始める澄香。
「あら、古妖だって言ってもちゃんといい物持ってるのですね。これは揉み甲斐がありますわ」
「ひゃん、そ、そこは!」
「自分から『して下さい』と言うようになるまでやめませんからね!」
「そうね。気持ちよくさせてもらうだけじゃ、申し訳ないわよね」
薄く笑みを浮かべてエルフィリアが鞭を手にする。古妖の手管は十分に堪能した。今度はこちらが披露するばんだ、と蛇女を捕まえる。
「ひぃ。あの……んんっ!」
「古妖のエキスをたーっぷり吸い上げてあげる。その後で痛いのが気持ちよくなるぐらいにイジメてあげるわ」
強引に唇を奪ったエルフィリア。脱力した蛇女を得物を見るような目で見て、ゆっくりと攻めはじめる。甘みと痛みを併用して、まさに飴と鞭を同時に蛇女の体に刻み込んでいく。
「阿弥さんはナイスバディですね! でも腕が増えるとその分腋も増えますね! 腋弄られるのは得意ですか?」
サメのような笑みを浮かべて治子が絡新婦に迫る。八本の腕のそれぞれの腋。そこに手を這わせる。
「腋!? そんな所、私知らない……ひゃああああ!」
「苦手? ショーガナイナー。苦手な部分は克服しないトナー」
絡新婦の反応を楽しむように指を激しく動かす治子。それぞれの腋で反応が異なるのを知り、その反応を楽しむように強弱つけ始める。
「腋をワキワキ! 愛情を篭めて! 無駄に無限で無差別な愛を持って!」
「待って、待って……そこ、っ!」
「ねぇ女にされるのが好きなんでしょう? こういうのが好きなんでしょう?」
桜が蛇女を蔦で拘束して捕らえる。その後に薄く笑みを浮かべた。ゆっくりと蛇女に触れ、言葉と共に辱め始める。
「ほら受け入れてみせなさいよほらほらほら好きなんでしょう?」
「こんな、こんなの……」
「大好きな人が見て喜んでるわよ嬉しいでしょう?」
「え? やだ、お姉さまが見てるのに!?」
「ねぇ嬉しいでしょう? 悦んで逝きなさいよ逝きなさいよあっははははははは」
「やだやだやだああ、でも、でも、こんなの耐えられない……ひゃあああん!?」
背筋にゾクゾクくるものを感じる桜。ちょっと道を踏み外しそうだけど、気にせず続けることにした。
「汚れなさい大好きな人の前ではしたなくけがれて自分がどういうものかを心と体に刻んであげるだからほら逝きなさいよ」
――どっちが悪役かわからない光景であった。
●じ・えんど・おぶ・ざ・ゆりみずぎ
そして闘いは終わる。ボロボロになった古妖は泣きながら去っていった。
「百合師匠ありがとうございました! おねえちゃんに早速試してみます!」
「また遊びましょうねー!」
古妖二人を見送るあかりと治子。
「私、一体何をしてたのでしょう……?」
我に返った澄香は古妖にしていたことを思い出して顔を赤らめる。いろいろ抑圧していたのだろう、うん。
「……いかなる、理由が、あろうと、セクハラは、断罪です」
巫女服を直しながら祇澄が立ち上がる。古妖にされたことを思い出し、顔を赤らめる。セクハラ断罪と反芻しながら、されたことを忘れようとする。
「いや~、今回も良い任務だったわ」
すっきりした顔でエルフィリアが頷く。もっとこういう事件は増えないものか。そう切に願うのであった。需要あるのかね、こういうの。
「終わったッす、海で遊ぶっす!」
「にーさまがいなーい」
時雨は人もなく貸し切り状態の海に向かって走り、数多は不満を口にしてベンチに座り込んだ。
「そういえば、何とか村に誘ったりしないのかしら?」
桜は近年開設した古妖の村の事を口にする。FiVEが保有する村に古妖を誘う者がいれば任せようと思ったのだが……流石にあんな迷惑な古妖は誰も誘わないだろう。
「――なら、いいわよね」
斧を持ち古妖の後を追う桜。何をするつもりかは、敢えて誰も聞かなかった。
かくして平和な海が戻ってくる。
だが別のゆりみずぎが現れないとも限らない。
別のST悪ノリ企画が発動しないとも限らないのだ!
戦えFiVEの覚者。明日の日本を守るために!
■シナリオ結果■
成功
■詳細■
MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし

■あとがき■
つづかない!
