水着百合依頼
水着百合依頼


●それは百合だった
 とある海岸、そこに現れた二体の妖。
 一体は百合の頭に筋骨隆々の肉体を誇り、股間のブーメランパンツがストロングスタイル。
 もう一体は百合の頭に脂肪をそぎ落とした締まった肉体に、ショートスパッツというバーリトゥードに長けたスタイル。
 そんな二体の妖が海岸を占領していた。
「どうする?」
 通報を受け遠巻きに監視していたAAAの隊員の一人が問いかけた。問われた隊員は無言で近くの公衆電話まで歩くとFiVEへ連絡をした。

●水着で百合っていう夢を見たらこんなんだったよ。
「という夢見を見た、ちなみにさっきAAAからも連絡が来た」
 猫背姿の夢見の男、中野・チャールズ(nCL2000139)はげっそりした顔でインスタントコーヒーの入った紙コップにお湯を入れた。
「場所は海水浴客でにぎわう予定だった砂浜。妖はランク1が二体、いずれも動物系というか植物が何かの影響を受けたものだと思われる、分類上ストロングとシューターという名前を与えておく」
 ゆっくりとコーヒーを飲み、心を落ち着けた夢見は改めて説明する。
「妖についてだが、ストロングはパワーに優れ、チョップによる攻撃からリリースする形のジャーマンスープレックスを得意とする。もう一体のシューターはスピードに優れパンチからタックルそしてサブミッションかマウントパンチを仕掛けてくる。二体とも個体としては優れているからしっかりと対策をした方が良い」
 温くなったコーヒーを飲み干した後、チャールズは覚者に向き直り。
「このような妖でも一般人に危害を加える可能性はあるし、放っておくことはできない、色々を心情を察するが頑張ってくれ」
 語る目はどこか遠くを見つめていた。


■シナリオ詳細
種別:通常
難易度:普通
担当ST:塩見 純
■成功条件
1.二体の妖を倒す
2.なし
3.なし
洗井STから水着百合依頼という要望をいただきましたので、作りました。
苦情は塩見に、賞賛は洗井STへお願いします。

そんなわけで砂浜でプロレスとヴァーリトゥードだよ!

詳細は以下の通り。

●場所
遠浅の海岸沿いの砂浜。
時間は真昼間の炎天下です。


●妖
・ストロング
ランク1動物系妖パワー型
百合の花を頭に持ったストロングスタイルをベースとしたレスリングで攻めてきます。
パワーだけでなくスタミナに優れているという特徴があります。
攻撃方法
チョップ:物近単
延髄へのキック:物近単
リリースジャーマンスープレックス:物近単【ノックB】
フォール:特近単【必殺】

・シューター
ランク1動物系妖スピード型
百合の花を頭に持った総合スタイルでの戦闘を仕掛けてきます。
防御力に難はありますがスピードと肉食動物並みに相手をしとめる攻撃性が特徴です。
攻撃方法
パンチ:物近単
タックル:物近単【負荷】
パウンド:物近単【鈍化】
魔法のスリーパー:特近単【睡眠】

因みに終わった後に水着でヒャッホーとかは予定してません。
全編熱いくんずほぐれつです
状態
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
(0モルげっと♪)
相談日数
7日
参加費
100LP[+予約50LP]
参加人数
8/8
公開日
2016年08月04日

■メイン参加者 8人■

『豪炎の龍』
華神 悠乃(CL2000231)
『ホワイトガーベラ』
明石 ミュエル(CL2000172)
『ワイルドキャット』
猫屋敷 真央(CL2000247)
『デアデビル』
天城 聖(CL2001170)
『清純派の可能性を秘めしもの』
神々楽 黄泉(CL2001332)

●百合と水着と私
 照り付けるような太陽の光を受け、海が輝く。遠浅の砂浜に心地いい波の音と潮風が涼しさを与えてくれる。
 そんな砂浜の中心に二体の妖が立っていた。
 一体は重厚なる筋肉に僅かながら脂肪の鎧を纏う巨漢、はち切れんばかりの筋肉に履いている黒のショートタイツは引っ張られてブーメランパンツへと変貌を遂げていた。
 もう一体は脂肪すらそぎ落とし、カットの目立つ筋肉を持つ妖、片割れより頭一つ小さく、筋肉も厚くはないがショートスパッツ姿のそれは肉食獣を思わせるしなやかさを持っていた。
 そして二体とも頭部にあるのは百合の花、花言葉は『純潔』『無垢』『威厳』。
「お花の妖……」
『ホワイトガーベラ』明石 ミュエル(CL2000172)は海を見て呟いた。
「梅雨時にも、紫陽花の妖と、戦ったんだけど……倒すのが勿体ないくらい、綺麗だったなぁ……綺麗な、お花の妖……」
 過去に思いを馳せ、今を見ないようにしているその行為を誰が咎めることが出来ようか。ちなみにホワイトガーベラの西洋での花言葉も『純潔』である。
「――ミュエルさん?」
『ワイルドキャット』猫屋敷 真央(CL2000247)がストロングの脈動する大胸筋をチラ見しながら話しかける。
「あ、えっと、大丈夫、だよ……ちゃんと、戦うから、大丈夫……」
 真央の言葉に現実に引き戻されたミュエルは蜜蜂の名を冠した術杖を持つ。
「海で遊ぶのを楽しみにしていた皆さんに迷惑をかけるなんて許せません!」
 真央の言葉に聞きながら少女は妖に視線を向け、二秒で逸らす。其の時小さく呟く声が耳に入った。
「頼んだら触らせて貰えないでしょうか……」
「――真央さん?」
「……さ、さぁ! 早くやっつけて海を解放しましょう!」
 呟きの主にミュエルが声をかけると猫の少女は尻尾を立てた後に妖を指さして行動を促す。
「真央さん、頑張ろうね……!」
 そんな姿にミュエルは勇気づけられ、彼女の手を取った。
 その一方でいまいち乗り切れない者もいる。
「よくわから無さ過ぎるから、出発の前日に食べたホッケの骨が口に刺さって危うく魂を使いかけた私の話する?」
「いやいい……」
『異世界からの轟雷』天城 聖(CL2001170)のやる気のない提案を『雷麒麟』天明 両慈(CL2000603)が固辞の意向を示す。
「水着と百合の依頼って聞いたからなんとなく参加したけど何なのさアイツら。誰か説明してよ!」
 聖が叫ぶが誰も答えようとしない。というかチャールズさん説明したよ!?
「……まぁ、これも依頼だ」
 両慈はそうつぶやき大人の対応を見せるかと思いきや、皆より一歩下がる。
「だが残念ながら俺は暑苦しいお前達とは付き合わん」
 ――別の意味で大人の対応であった。
 そして真逆の対応をするものも居るのが世の中である。
(ぽっと出の妖が総合のソレをどこまで持って生まれているか)
「……割とね、興味深いよね」
 竜手・輝夜をはめた両手を組み、手首を動かしながら『スポーティ探偵』華神 悠乃(CL2000231)が前に出る。覚者でなく総合格闘家としての彼女の一面がシューターのスタイルによって刺激される。
(両慈さんに初めて見せる総合の試合っぽいのがこれっていうのは微妙だけど。相手がアレな分、私が魅せてあげればいいよね)
 後ろに立つ両慈を気にしながら、赤坂・仁(CL2000426)と共に百合の前に立つ。
「誰の挑戦でも受けそうな百合ではありますし。どれ一つ遊びましょうか」
 深緋・久作(CL2001453)の白髪が灰に染まり、両手には新たな主を得た一対のカトラスを握る。
「水着、もしかして、着ないと、いけない?」
 変なところで空気を読むのは『アンシーリーコートスレイヤー』神々楽 黄泉(CL2001332)華奢な体をビキニで身を包み。その背中には第三の眼が開く。
 二人がストロングへと歩みを進めると。二体の百合も覚者を敵と認めたのか、各々腰を落として、構えをとる。
 ……こうして水着を着た百合との戦いが始まった。

●MMAラプソディ
 総合格闘技、その言葉を聞くとあらゆる事を想定した戦闘術と思われるが実質はそういう名の競技である。ルールの制定がそれを形付け、体術という技の存在がそれを決定づけた。
 けれど、それを戦闘のベースにしている者もいる。悠乃もその一人、故に彼女はシューターとの戦いを望んだ。
 お互いに間合いを測り、砂を踏み隙を伺う。ここで悠乃は誘いをかけるためにガードを高くし、胴体への隙を作る。だがそれを見たシューターはすぐにタックルに行かずに左のリードジャブを放つ。辰の獣憑の意識がそちらに言った瞬間、彼女は浮遊感を感じ、両足を抱えられたことに気づいた。
 格闘技のタックルと言えば足や胴にしがみついて倒すイメージがあるが、両足をつかみ抱え上げてからテイクダウンを奪うものもある、百合の妖はその理想通りのタックルを放ち砂浜へと悠乃を叩きつける。一方の彼女も衝撃で息が止まるのも構わずに相手の肩を蹴ってパウンドへ移行する動きを止めると、足と腰そして尾を使って砂を蹴り、滑るように距離を作る。
「今、砂の上をかなり動いたんですけど?」
 潮風に清廉珀香の香りを乗せながら、ミュエルが傍らで英霊の力を引き出している両慈へと問いかける。
「『エビ』だな」
「海老?」
 不思議そうな声を揚げる少女へと文武両道を常とする男はかみ砕くように説明する。
「腰と足の動きで地面をすべる様に動く柔道や柔術の技術だ、海老のように体が丸くなるからそう言われている。華神が練習を怠っていない証拠だ」
 無愛想な男から出る言葉は思ったより饒舌でそれがミュエルには微笑ましい、そして髪の毛はレンゲさんが揺らして遊んでいる。
 距離を取り立ち上がった悠乃へ襲う百合の拳、それを頭を滑らす様にかわすと今度は逆襲のタックル。即座に妖が足を引き、腕を首に回してがぶると少女の膝が落ちる、だが尻尾が動き打ち下ろし気味に頭部の花を叩くとクラッチがゆるむ。直後、彼女は近くの足に手を伸ばし捻るように朽木倒し。
 仰向けに倒れる妖、足を延ばしてけん制する百合に攻めあぐんだところで仁が逆手に持ったナイフを突き刺しにかかる、悠乃のようにエビで距離を取る妖。ナイフは砂に突き刺さり。仁が視線を向けた先には体勢を立て直した百合が居た。

●バンプオブストロング
 総合とCQCがせめぎ合う横で重厚な体格の百合は真央の拳で仰け反って、爪へのコンビネーションで一回転して吹き飛ぶとすぐさま起き上がる。
「素敵な筋肉を悪いことには使わせません!」
 言葉に本音が出ているがそれよりも拳の感触を気にしていた。
 すぐさま黄泉が半月斧を振り下ろすが妖をそれを両手で真剣白羽取り。力で押され片膝をつく妖、そこへダメ押しの飛燕をつなげていくが百合の頭が仰け反るように後ろに行きブリッジ、その姿勢で白羽取りを行う。あまりに奇妙な動きに固まるビキニの少女。妖は斧を地面へと受け流してブリッジを解除して立ち上がる、そこへ聖のエアブリット。頭に受けた百合がまた一回転するとうつ伏せの姿勢で音もなく地面に着地する。
「……まさか」
 見ていた両慈の頬を汗が伝う。その様子に何かを感じストロングの方へ視線を向けるミュエル。
 その百合の足元へもぐりこむようにカトラスを振るう久作。しかし跳ね上げる一撃で妖は宙を舞い。彼の頭上を越えると前転するように地面に転がり、何事もないように起き上がった。
 カトラスを持った久作と真央の視線が合わさる。そして二人の視線が両慈へ向けられた。
「間違いないプロレスの受身だ」
「受け身って……百合って……なに……?」
 表情を崩さずに答える男、金髪の少女が再び壊れ始めるいろんな意味で。
「受け身でもプロレスでも関係はありません」
 久作がそんなことはかまわないと武器を持つ。視線はストロングから離さない。
「相手が『何』であれ。『誰』であれ。どんな状況下であろうと『勝てる』者。これはそういうモノなのでしょう?」
 かつての最強神話を体現しようとする百合が立ち上がると、走り出す。各々が武器を構える中狙うは黄泉。ストロングの手が斧をつかむ。
「やだ。触られたく、ない。力比べ、したいけど、近づきたくない」
 必死に振り払おうととする少女。だが百合は遠慮なく体重をかけていくと地面へと組み伏せて片足をつかんで体重が首にかかるように抑え込む。
「!! や、だっ……! 触れない……っで……!」
 引きはがそうにも首へとかかる荷重が動きを封じ力を奪っていく。
 ワン……ツー……。
「筋肉独占はんたーい!」
 カウント2.9で真央が飛び掛かるように押しのけて、代わりに乗っかる。だが百合は太い首を生かしたブリッジ作るとその反動で彼女を弾き飛ばした。
 砂の上に尻もちを付く真央、そしてみんなの視線。
「ち、違います!筋肉フェチとかそういうのじゃにゃいですっ!」
 上気し、肌に赤みが目立つ黄泉が見たのは必死に何かを否定する猫の獣憑の姿であった。

●渚のマウントポジション
「…………」
 無言で仁はジャケットを脱ぎ捨てるとネクタイを緩め、ナイフをリバースグリップに持ち替えて距離を詰める。
 五行に彩られた刀身を横に薙ぐとシューターはバックステップ。すぐにサングラスの男はナイフから手を放してもう片方の手に持ち替える。今度はセイバーグリップ、そしてスラスト!
 ナイフが百合の肩を切り裂き、しなやかな肉から鮮血が滴る。けれど妖は退かない。むしろ自ら飛び込むようにして腕を絡めると頸動脈を圧迫していく。
 それは痛みもなく、ただ頭が遠くなり、眠るように仁の意識を奪っていく。精霊顕現の黒服が膝をついたところで突撃槍のようなタックルがシューターの胴に突き刺さり、砂浜へと圧投する、悠乃だ。
 ガードポジションをとる百合へパスガードなどお構いなく振り下ろされるパウンド。けれど胴を挟む足に体をコントロールされ、拳は空を切る。けれど夜を裂く光のような連撃が二発、三発と叩き込まれる。ガードポジションでのコントロールを諦め、シューターが離れていく。
「その調子だ、ガチモードでいけ!」
「はいっ!」
 深想水で仁の意識を覚醒しながら両慈から檄が飛ぶ。言葉が力に代わり、拳に応える声に力がみなぎる。
 百合が立ち上がる。肩より血を流し、花弁は散り、足取りは重い。けれど歩みを止めることはなく。
「――来なよ」
 正対する少女の言葉に腰を落とし、一気に駆け出す。
「速い!?」
 その速さに咄嗟にミュエルが種を投げる。百合に埋め込まれた植物の蔓が成長し、妖の足を切り裂くがなおも速度が止まることはない。
「……くっ!」
 その様子に仁も飛び出しナイフを振るう。さらに舞う鮮血。けれど勢いに負けた腕が跳ね上げられる。
 そしてシューターはさらに身を低くすると悠乃の片足を取りテイクダウンを狙う。
「――させない!」
 尾と体重移動、そして上から抑え込むようなプレッシャーを与えてクラッチを切ると、そのまま熱圧縮した大気を握りこみ鉄槌、ポジションを入れ替えてマウントを獲る。密着姿勢になりパウンドを防ごうと試みるシューターを尾で牽制すると、躊躇なく拳を振り下ろす。
 そこにいたのは総合格闘技を実戦レベルへ昇華させた少女。散りゆく百合の花が風にさらわれ消えていくのがその証拠であった。

●砂浜投げっぱなしジャーマン
 弾けるような音がして手刀が久作の胸板を打つ。衝撃をいなしきれず、足元の砂が削られる。
「パワーとスタミナが売りでしたか。奇遇ですね。私もです」
 世間話をするように軸足を駆って圧投すれば、今度は寝た状態で百合が手招きをする。
 ボクサーを倒すために編み出された戦闘スタイルに攻めあぐねる真央と久作。
「そうだ……今日もホッケにしよう」
 しかし空気を読まない聖のエアブリッドがそんな妖を吹き飛ばす。転がりながら後転倒立そして立ち上がるストロングに真央の肉球のついた凶器が襲い掛かる。多対一の戦いにミュエルが放った鈴蘭の毒が体力を奪い、妖の動きを鈍らせる。猫の獣憑が打ち込む飛燕を受けきれずに片膝をつく百合、そこへ大上段から黄泉が斧を振り下ろす。
 肉の裂ける音と感触がした、けれど妖は倒れずに膝立ちの姿勢で斧を受け止める、その筋肉に包まれた太い腕で。
 ゆっくりとしかし力強く立ち上がり斧を振り払うストロング、そこへ迫る久作。一瞬の交錯、そして灰色の髪の前世持ちの体が浮いた。
 タイミングを背筋力そしてブリッジ、様々な要素が組み合わさってできるそれをスープレックスという。さらに勢いが乗ったところでクラッチを離すことで相手の体をリリース(解放)、カタパルトから発射されるかのように小柄な体が海に落ちた。
「思ったものと実際に受けてみるのではやはり違いますね」
 身体を起こし呟く久作、着物が濡れて重たいが気にするほどではない、ゆらりゆらりと体を揺らしながら近づいていくと背後を取り胴体をクラッチ。博覧強記が知識を補完し、タイミングと勘所は実際に受けて体験した、あとは……。
「あ、ラーニング忘れてました」
 でも投げた。
 勿論求めるものは出せなかったが圧投に値する威力は出せた。
「箸より重い物は持ったことありませんが。貴方、箸より軽かったですよ」
 身体を起こしながら皮肉を浴びせる久作の視線には綺麗に頭から落ちたストロングの姿。砂に手を付き、起き上がろうとするところに聖のエアブリットが突き刺さり、受け身も取れず激しくバウンドする。
 好機と見たミュエルが蔓を鞭のように振るい打撃を与え、黄泉が斧を二度振り下ろす。重厚なる筋肉が裂け、砂に赤いものが吸い込まれる中立ち上がるストロング。そこへ真央のネコクローが花弁を切り裂き、頭部に向けて放たれたネコパンチが百合の花を散らした。
「もし生まれ変わるようなことがあったら、次はちゃんと正しいことのために使ってくださいね……素敵な筋肉を」
 散っていく花を見つめながら呟く猫の獣憑。最後の言葉だけはみんな聞かないようにした。

●あの日見た花の名前を僕達は忘れない
「みんな、お疲れさま」
 レンゲさんが持っていたジュースを受け取ったミュエルがねぎらいの言葉と共に皆にそれを配る。
「ありがとー……ミュエルさん大丈夫?」
 ジュースを受け取った真央がミュエルに問いかける、少女の顔はほんのり赤い。
「思いっきり戦った後だから、なんかすごい暑い……」
「ああ、暑かったものな」
 両慈が呟いた、何かから目をそらす様に。
「そういえば両慈さんどうでした? 私の戦い!」
 息を弾ませて、悠乃が問いかける。
「ああ、見事な戦いだったよ、その何だ……妖相手によく頑張った」
 言葉を慎重に選び答えていく男の頭の中には見事な何かが咲いていた。

 いつか忘れるかもしれないし、忘れたいと思うだろうけれど。
 海を見るたび、波音を聞くたびに彼らは思い出すかもしれない――百合という名の花を。

■シナリオ結果■

成功

■詳細■

MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
『百合の花』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:全員




 
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