北の国から2015
北の国から2015


●残暑のあるうちにやっておこうと思ったのは否めません
 妖怪シベリアン北海道。
 比較的善良な古妖であり、日本が夏季に突入すると時折北国限定で現れて行動を開始するのだ。
 夏が大好きで人間にも有効的な彼の目的は納涼である。シベリア属性と北海道属性を併せ持つそれは、そこに存在するだけで非常に強力な納涼効果を発揮するのだ。
 もとより北海道は北海道属性を持っているために同じ北海道属性はもとより北国系属性であるシベリア属性とも相性が良い。相性が良い属性同士が相乗効果をもたらし。北海道の北海道属性がさらに強化されるのである。
 これが出現したということは今の北海道はさらに北海道になっており北海道はまさしく北海道として北海道の北海道が―――
「ん、おまんら。ちゃんと聞いとるがや?」
 ミリアルデ・ニーチェ(nCL2000064)の言葉に、まさか再度説明をされても敵わないと覚者達は首をせわしく縦に振った。
 聞いている。聞いているが、何を言っているのかはさっぱりだ。
「ん、よか。ほんでじゃ、シベリアン北海道ちゅうやつはこいを善意でやっちょる。せやけん厄介たい」
 彼女の言葉で説明すると、やや伝わりにくいきらいがあろう。つまりはこういうことだ。
 妖怪シベリアン北海道はこの夏を少しでも涼しくしてやろうと善意で行動を開始。しかし北海道属性に北海道属性とシベリア属性が合わさったことにより彼の地は極寒のそれへと変貌。このままではいけないのでなんとかシベリアン北海道には活動を停止してもらう必要がある。
「しかしの、敵対はしとらんのじゃ。消すちゅうわけにはいがんべ」
 よって、説得する。シベリアン北海道が活動するエリア内で彼を探し出し、「いやあ今すげえ夏満喫してるわサンキュな」という旨を伝えて納得させねばならないのだ。
 無論、防寒対策ばっちりでホッカイロ片手に夏満喫もあるまい。
 よって、
「装備は水着のみじゃの」
 意味不明である。
 つまりだ。これより覚者達は水着で零下に突入し猛吹雪の荒れ狂う大地をあまつさえアイスキャンデー食べたり団扇で自らを仰ぎながらかの古妖を散策せねばならないのである。
 マジか。


■シナリオ詳細
種別:通常
難易度:簡単
担当ST:yakigote
■成功条件
1.古妖の説得
2.なし
3.なし
皆様如何お過ごしでしょう、yakigoteです。

どこかで見たことのあるような依頼ですが、皆様をこの暑い夏より解放するシナリオはやっておかねばならないと義憤に駆られた次第でございます嘘です。

さて、北海道某所にて妖怪シベリアン北海道を捜索、後説得してください。
現状、北海道ではシベリアン北海道が活動を開始したために北海道属性が威力を増し極寒の地となっています。
気温は零下に達し、猛吹雪の最中、狐に出会える可能性はいつもの二倍。ラーメンや海産物の美味しさもいつもの二倍となっております。
しかし、覚者にはそんな南半球でバカンスを過ごすような贅沢は与えられません。シベリアン北海道は自分の能力圏内での出来事を感知しています。
つまりは、シベリアン北海道の能力圏内ではかならず夏を満喫しているのだと見せなければなりません。
「ああ今年の夏はシベリアン北海道のおかげで比較的涼しいし遊びやすいなあ」というようなことを全身でアピールしなければシベリアン北海道は納得しません。
水着で、夏を感じさせるグッズを一心に使用しながら、シベリアン北海道に会いに行きましょう。

●古妖データ
・妖怪シベリアン北海道
この夏を少しでも涼しくしてあげようと北海道を極寒の地に変えた妖怪。
非常に寒いし辛いけど生命に別状を与えたりは一切しない。
「俺たちお前のお陰でこの夏最高だぜ」という旨は全身でアピールいたしましょう。
きっと通じる。たぶん。メイビー。
状態
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:0枚 銅:3枚
(3モルげっと♪)
相談日数
5日
参加費
100LP[+予約50LP]
参加人数
8/8
公開日
2015年09月04日

■メイン参加者 8人■

『黒い靄を一部解析せし者』
梶浦 恵(CL2000944)
『アグニフィスト』
陽渡・守夜(CL2000528)
『調停者』
九段 笹雪(CL2000517)
『幻想下限』
六道 瑠璃(CL2000092)
『相棒・恋人募集中!』
星野 宇宙人(CL2000772)
『瑞光の使徒”エル・モ・ラーラ”』
新田・茂良(CL2000146)

●残暑見舞い申し上げます
 人間が好きだ。この国が好きだ。四季が好きだ。夏が好きだ。暑いのが好きだ。涼むのが好きだ。

 ひとつ雨が過ぎると、夏の様相もがらりと顔を変える。
 気温は下がり、冷房は多少肌寒さを感じるものとなった。湿度が高いため、まだむしむしとした暑さを感じるが、蝉の声が聞こえなくなる頃にはそれも収まるだろう。
 つまるところ、夏が終わるのである。その先にある秋へとゆるり、向かっていくのだ。
 そんな中で今更海に行こうと言うものが居るだろうか。露出の高い服を売り出す者が居るだろうか。
 ここにいる。イン北海道。
「……これが初仕事か」
 輸送ヘリの中で『アグニフィスト』陽渡・守夜(CL2000528)がつぶやいた。流石に上空何万メートルという領域では北海道属性でなくとも水着ひとつで居るのはつらいものだ。機内では毛布が配られ、各々が身体を温めていた。ぼんやりと、守夜は思う。寒いのだろうな、と。水着で極寒。吹雪の中を、ほぼ全裸。暑いのなら頑張れるが、寒いのは超苦手である。そういう問題では無い気もするが、果たして音をあげずにいられるだろうか。
「あー、涼しくて気持ちいいなあ! 夏遊びにピッタリ!!」
 毛布にくるまりながら禁花 咲穂子(CL2000894)ががむしゃらに声を出したそれは、いわゆるひとつの予行演習というものだ。
(さっ、寒いーっ!!)
 これが本心である。目的地まで近づいているからか、既に冷気を感じて取れる。途中までは空路を使えるが、妖怪シベリアン北海道の領域内からは徒歩である。そこから先は雪の中を水着で、サンダルで、ごまかし続けなければならない。体当たり芸人もいいところである。
「アタシ、軽井沢出身だから……寒さには、強い、つもり……だけど……さすがに、真冬に水着は……どれだけ寒いか、想像つかない」
『Mignon d\'or』明石 ミュエル(CL2000172)が今からを想像して身を震わせる。確かに軽井沢属性も寒冷地カテゴリだが、北海道属性やシベリア属性ほど冷気特化していない。不安になるのも無理は無いだろう。
「でも、みんな一緒だし……なんか、楽しそうな、気がしてきた、よ……地元では、ぼっちだった、から……こうやって、みんなで遊ぶってこと自体、わくわくする」
 何かの末期症状の疑いがある。
「準備は諸々抜かりなく。皆で食べて遊んで楽しもう!」
 九段 笹雪(CL2000517)はやる気に満ち溢れている。スイカだ、浮き輪だ、花火だ。準備も万端だ。後はどれだけ鳥肌を出さないように神経をとがらせ、唇を噛み締めて青くなったそれをごまかすのかである。全力で遊ぶのだ若人よ。夏ロスタイムイン極寒。理不尽を空元気で蹴り飛ばそう。そのうち本当に暑いような気がしてくる可能性もなきにしもあらずあらず。
「あ、費用って経費で落ちませんかー?」
 まあ、お仕事だし多少はね。
「帰りたい。切実に帰りたい」
『幻想下限』六道 瑠璃(CL2000092)がいくらつぶやいたとしても、どれだけ願ったとしても、残念ながらこれがお仕事ですがんばれ。そういえば、全員水着であるわけだが、どういった装いであるのかは割愛させていただきたい。それが美少女であれ、美少年であれ、真冬の雪原にいてセクシャルを感じる猛者はなかなかの強者である。筆者は弱者です。
「とりあえず、楽しそうに。夏を満喫しよう。ひと夏のアバンチュールみたいな、そういうの」
 やや投げ槍。
 星野 宇宙人(CL2000772)が用意した持ち物を確認している。スイカに花火が幾つか。なかなかの大荷物であるが、覚者であればまあ問題はなかろう。打ち上げ花火まで用意している。それって結構専門的な知識いりそうだけど大丈夫なのかとかそんなことはいいっこなしだ。今回だけはきっとなんかふんわりやんわり大丈夫なのである。
「やっぱさ、せっかく涼しく快適にしてくれようとしたのに最後にガッカリさせちゃ可哀想だし、皆で楽しくお互いいい気持ちで、お別れしたいじゃん?」
 そろそろ目的地が近づいてきたのだろう。毛布だけでは暖を取れなくなってきていた。『瑞光の使徒\"エル・モ・ラーラ\"』新田・茂良(CL2000146)にも影響は如実に現れている。これから先、寒いとは言ってはいけない。常に暑さを装い、夏真っ盛りを演出する必要があるのだが、鼻水が見えていたり、翼の動きも鈍くなり、嗚呼とうとう指先ももつれてきたのだが。
「気分高揚でバカンスを満喫しているのだけなので何ら問題ありません」
 とのことなので大丈夫である。
 輸送員が目的地についたと報告してきた。
 梶浦 恵(CL2000944)がそれに頷き、輸送ヘリの扉を開ける。途端に飛び込んでくる冷気。思わず口から漏れそうになったサ行を無理矢理押し込め、意を決し一歩を踏み出す。
 ここから先は極寒地帯。絶対に寒いと言ってはいけない水着大会24時。タイキックは用意しておりませんが、ここにホイッスル。

●夜ともなれば最近は涼しいものですが
 人間は暑い時に氷を摂取すると喜ぶ。じゃああちこち氷まみれならもっと喜ぶ、はず。

「今の時期の北海道の旅費は高いと聞きますが、まさかお仕事で行けるとは」
 そう考えればこの仕事も悪くないものだと茂良は鼻水垂らしながら頷いた。
「現地のグルメも経費で落とせますし至れり尽くせりですね」
 全部かき氷●●味的なやつだがそれでもいいのであれば。
「さあ、このエル・モ・ラーラにお任せあれ!」
 妖怪シベリアン北海道の能力圏内。そこに第一歩を踏み入れ、茂良はドヤ顔で叫ぶ。
 ただし学校指定水着。ただし猛吹雪。
 一瞬にして雪と風が彼の全身を叩くが、寒さに飛び上がることも身を抱いて寒風から身を守ることも許されないのだ。
 そして、雪景色は少し離れただけで仲間の姿を遠く隠してしまう。
 茂良は凍りついてうまく動かせない羽を動かして低空を飛び(高度を上げると風に流されて遭難する)、満喫を演出すべく皆に声をかけ続けた(会話がなくなると凍死しかねない)。
 いざ進め。目指すは妖怪シベリアン北海道。心の底から暖をとれる何かを強く強く願いながら。

 咲穂子は覚醒し、大人の姿へと自分を変えていた。
 この方が夏を満喫しているようにみえるという建前で、身体ポテンシャルを少しでも上げて寒さへの抵抗力を強めようという作戦だ。実際には面積が増えて余計につらそうな気もするが。
「アイス、かき氷、ジュース、冷麺、冷やし中華、なんでも持ってこーい!」
 今ならトッピングでガチガチに凍っている。口に運ぶまでに試される勇気が半端じゃない。
「冷たくてすっごいおいしい!」
 偽装スキルの便利さここに極まれり。
「…………ボク泳げないから」
 流石に、海に入るのは拒否だ。いくら空元気で楽しさをアピールできようと、これは生命に関わるだろう。
 ものは試しにと波打ち際で海水を仲間と掛け合ってみたが、一瞬同士討ちという言葉が頭に浮かんだ。 ビーチバレーやビーチフラッグといった趣向で体を温めようかと思ったが、吹き荒れる風と雪で旗もボールも吹き飛んでいった。
「涼しくて夏超楽しい!」
 やぶれかぶれ。

 吹き飛んでいった旗とボールを、瑠璃が呆然とした表情で見つめていた。
 身体をさするような行為も許されない以上、唯一の暖はスポーツである。移動中、仲間の用意していた柔らかいボールに少しだけうきうきしたものだ。
 ビーチフラッグなんてやるのは初めてだ。テレビで見た程度だろうか。皆はどの程度経験があるのだろう。
 そんな思いも、それらと共に吹き飛んでいく。まあ確かに、立っているのもやっとな猛吹雪の中でそんなものを出せばこうなるわなとなんとなく納得はしていたが。
 気を取り直そう。夏の楽しみは何もマリンスポーツに限った話ではない。そうだ、花火だ。本来は夜にやるべきイベントだが他のイベントが中止になったのなら繰り上げても良いだろう。
 どこかで見たことのあるようなファンシーなアニメキャラの描かれた袋を開ける。ねずみ花火や線香花火は後回し、まずは派手なやつを楽しむのだ。人に向けてはいけません。ところで。
「…………火、点くか?」
 点くと思うのか。
 エア花火。満喫。

 守夜が持参した水筒を見つめている。天を仰ぎたくなるような気持ちであったが、それを表には出さない。表に出したら任務を全うできなくなる。それは自分の努力はもとより、ともに協力する仲間にも申し訳が立たなかった。
 彼はイギリス貴族の血を引いている。イギリス=紅茶だ。それをアピールするため、アイスティーを持参したのだが。
 蓋の開いた水筒をひっくり返してみる。何も出てこない。空なのではない。まさか、忘れ物をするほど抜けては居ない。ただ、凍っているのである。凍っていて、固まっていて、出てこないのである。
 これでは飲めたものではない。というか解かした後でまた使えるんだろうなこの水筒。
 仕方なしに紅茶というアピールを諦める。なに、まだやれることがなくなったわけではない。スイカを割り(冷気のせいか異常に固かった)、吹き飛んだビーチボールを見守り、しゃくしゃく感の皆無になったかき氷というか氷塊にスプーンを突き立てる。
 がちん。

 考えてみればありがたい話ではないか。
 やれ温暖化、やれヒートアイランド、記録的猛暑と何年言い続ければ気が済むのか。
 日焼け止め、水分補給、日傘、熱中症対策。健康意識が子供から夏休みを奪う。どの夏だって人生で一度きりだというのにだ。
「ねぇ、そう思うよね!!」
 返事がない。ただのキタキツネのようだ。
「材料が凍ってる? ルイベだよルイベ。美味しいね!」
 返事がない。ただのエゾシカのようだ。
「はー(凍った)ラムネって最高!」
 ありがたいくらいマジで全力だな。
「でも今更だけどシベリアン北海道ってどんな妖怪だろ。彼っていうくらいだから男子だろうけどー。そういえばひと夏の思い出まだだなー」
 ちらっ(期待の眼差し)。
「あたし人間より古妖が好みだなー」
 ちらっ、ちらっ。
 そうして視界を多方面に向けていたのが功をそうしたのか。一同はようやくそれを発見する。
 彼らはその妖怪の見た目を知らない。しかし、見れば分かった。
 だって、北海道にもシベリアにもホッキョクグマはいないから。
 これがきっと、件の妖怪に違いない。

●寒中見舞い申し上げます
 クーラーをがんがんにきかせるってどんな感じ? こんな感じ?

 恵は持参した双眼鏡を下ろすと、その毛むくじゃらに駆け寄った。
 ホッキョクグマである。地面に座り込んではいるが、座高だけでも自分の身長を上回っている。間近で見る熊というのはさぞ恐ろしいものなのだろうと思っていたのだが、恐怖はさほど感じない。威圧感は受けるが、それだけだ。これが古妖ゆえのプレッシャーなのだろうか。
 シロクマが視線をこちらに向ける。のっそりとした動きで、顔をすり寄せた。毛の感触が心地よい。暖かさについ綻びかけるが、寸前に任務を思い出した。自分たちは暑がりに来ているのだ。
 妖怪へと話しかける。言葉は通じるだろうか。通じると信じよう。
「夏に過ごしやすくなるのはとても有難い事。ですが、夏にキチンと暑くならなければ、私達や他の動物の食べる作物が育たなくなるので、程々が有難いのです。日本には四季があるので様々な動植物も生きていけます。それが生命のサイクル。私達が暑がるので、助けてくれようとしたのですね。ありがとう」

 ミュエルは食のありがたみから、シベリアン北海道へ思いを伝えようと模索する。どうでもいいけどすげえなこの妖怪の名前。どんだけ頑張っても真面目な文面にならねえわ。
「暑い夏も寒い冬も両方あるから、こんなに美味しいものがたくさん育つんだよ」
 北海道には美味しいものが多い、海産物やとうもろこし、ラーメン、一部ではかまぼこなんてのもあっただろうか。残念ながらほとんどがカッチコチに凍っているため人間が食してもその美味を感じることは難しいが、妖怪シベリアン北海道は美味そうにそれらを平らげていく。
「夏を涼しくしてくれる気持ちは、嬉しいから……感謝の気持ち」
 即席でこさえたスイカとアイスクリームのケーキ。どれもこれも美味であると、クマは見るも見事な食事を観せる。
「あと、実家から送られてきた、ハチミツ……凍らないから、シベリアン北海道さんに、プレゼント……」
 クマにハチミツ。やべえこの組み合わせどっかで知ってんぞ。詳細書いたら怒られるやつじゃないのか。

 宇宙人が花火の準備を終える。いや、わかってんだけどすげえ文章だな。
 時刻も過ぎ、夜を迎えていた。正直、日が傾きだした時点ではこのまま夜間に突入すると間違いなく死ぬんじゃないかと戦々恐々したものだが、シベリアン北海道にはうまく言葉が通じたのか、思いの外早く吹雪は鳴りを潜めていた。
 まだ雪も残っているが、溶け始めている。少しだけ汗ばんだ肌。普段なら不快さを感じているところだが、今はとても心地よかった。
 人工灯のない夜空は美しい。大三角はあのあたりだろうか。星座表でも持ってくればよかったと少しだけ悔やむ。否何、それはまた次の思い出に取っておけばいい。
 用意出来た花火を、打ち上げた。
 空に光の輪が開く。その中に、『ありがとう』という文字が見えた。
 輝く火花。轟く音。歓声が上がる。皆、シベリアン北海道に寄り添っていた。ほほえましい光景に見えるが、マジで寒いというのが理由である。毛玉バンザイ。
 ちくしょうもふもふしやがって。

●帰ったら今日は鍋にいたしましょう
 一時の思い出に。

 一同、水着のまま回収班を待っている。
 理解してくれたのだろう、妖怪シベリアン北海道はひとしきり食べて遊ぶとそのまま去っていった。
 去り際の親指を立てる仕草が非常に不安をかきたてたが、解決は解決だ。
 妖怪シベリアン北海道はヒアリングはできてもスピークは不可能だ。なのだがしかし、あいつ去り際に「来年も任せろ」と言っていたのではないかと思えて仕方がない。
 まあ不安も来年になればわかることだ。夏の暑さを忘れさせてくれたことに変わりはない。思えばこの経験もひとなつの貴重な1ページに、
「寒い。温泉行きたい。登別」
「とりあえずストーブでもエアコンでも何でもいいから、暖かいとこにいこう」
「僕、これが終ったら自腹で激辛スープカレーを食べに行きます」
 あ、さいで。
 了。

■シナリオ結果■

成功

■詳細■

MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし




 
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