うおおおお卵料理うおおおおおおおおおおおおおお!
うおおおお卵料理うおおおおおおおおおおおおおお!


●卵を使ってどんだけ料理を作れるかの勝負!
 世は食品世紀末!
 プリン工場やオムレツ工場その他諸々で日夜大量に廃棄される生卵を知っているか。
 経済倫理と税規則によって廃棄せざるをえない卵たちは今までしかたなきものとして見過ごされてきた。
 しかし!
 卵たちの『無精のうえに捨てられるとかぼくらはなんのために生まれてきたんや』という悲しみが古妖となって実体化した!
 古妖『生卵クラブ』は卵の群れとなって食品工場へ襲いかかる。
 その襲いかかり方とは……!
「工場長! 卵たちが自分も料理しろと訴えかけてきます!」
「このままじゃラインが動きません!」
「破産じゃあああわしらは破産じゃあああああ!」
 ラインが停止しては銀行からの融資がとまっちゃう!(少女漫画モノローグのテンションで)
 工場長たちは卵をとにかく料理しまくった。
 まずはシンプルな目玉焼き。
 油をひいたフライパンに卵をかつんと割り落とすとジュワアと沸き立つ油と卵白。すぐに立ち上る卵焼きの香りを楽しみながらじわじわと焼く。卵黄をどう焼くかは人それぞれだが工場長は堅焼き派。途中であえてお箸でちょんと卵黄を割ってからひっくり返してじりじり焼くのだ。
 そうしてできあがった目玉焼き。をお皿に……と見せかけてトーストにオン!
 ケチャップ? ソース? 醤油? いいやここは味塩こしょうだね!
 そしてかぶりつくとォ――!?

「うわあああああああああああ卵焼きうわあああああああああああ!」
 文鳥 つらら(nCL2000051)がF.i.V.Eの会議室でもだえ苦しんでいた。具体的には空腹でもだえ苦しんでいた。
 健康診断でアレがコレしたつららちゃんは胃カメラ呑むために食事を抜いたのだが、最近タケノコの皮の部分くらいしか食べてないせいで空腹はマックスを突破しているようだ。
 その様子を可哀想に見つつ語る夢見(ナビ子)。
「古妖『生卵クラブ』によって占拠された工場を救う依頼だよつららちゃん。救えないと工場長が蒸発するんだよ。具体的にはロシアの蟹工船に乗るんだよ」
「うわああああああああ茶碗蒸しうわあああああああああ!」
「古妖を成仏(?)させる方法はたった一つ。山ほどある生卵を使って料理をしこたま沢山作ることさ。そして食べることさ!」
「うわあああああ卵スープうあああああああああ!」
「ガンバッ☆」


■シナリオ詳細
種別:通常
難易度:簡単
担当ST:八重紅友禅
■成功条件
1.卵料理を作る
2.卵料理を食べる
3.卵料理を愛する
 おさらい!
 卵で料理して喰え!

 プレイングに卵料理を書きましょう。そして料理している自分(キャラ)を想像して書きましょう。
 品物の愛情度によって古妖がどんだけ成仏しやすくなるかが決まります。
 愛情度ってえのはプレイングにどんだけ念を入れて書くかです。
 なのでとにかく卵と名の付く料理を大量に羅列するだけでは愛情度がめっちゃ低くなるので、各参加者で分担して『自分がとにかく念を入れて作る卵料理』を決めておくとよいでしょう。
 ちなみに。卵以外の食材は自由に使って構いませんが、あんまり卵メインから外れすぎると食べる方がキツくなるので気をつけましょう。
 なお、食べる担当が間に合わなくても食欲のおにことつららちゃんが食べる係としてスタンバっているので安心して沢山作れます。
状態
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:0枚 銅:3枚
(0モルげっと♪)
相談日数
7日
参加費
100LP[+予約50LP]
参加人数
10/10
公開日
2016年05月21日

■メイン参加者 10人■

『研究所職員』
紅崎・誡女(CL2000750)
『ホワイトガーベラ』
明石 ミュエル(CL2000172)
『豪炎の龍』
華神 悠乃(CL2000231)
『居待ち月』
天野 澄香(CL2000194)
『聖夜のパティシエール』
菊坂 結鹿(CL2000432)

●できだけお腹をすかせて深夜とかに読みたい
 『研究所職員』紅崎・誡女(CL2000750)はよく茹だった鍋に、市販の鶏ガラスープ粉末を落とした。
 そこへ塩こしょう(この際最初から混ざったやつでも可)を加える。コーンクリームと缶詰のコーンを少量入れて蓋をする。
 その間コンソメキューブと白だしキューブを別の小鍋に入れていく。かたや乾燥わかめ。かたや刻んだ長ネギを入れると、一煮立ちさせて火を止めた。
 それだけかと思う無かれ。箸で鍋を一旦ぐるぐるやってから、器のなかでといた卵を注ぎ入れる。するとよく見る感じの卵スープができあがる。
「どうぞ」
 今日発することのできる僅かな一言でもって、誡女は文鳥 つらら(nCL2000051)へネギのスープを差し出した。
 お椀を受け取り、おもむろに吸い込もう……として。
「あつっ」
 唇をはなしてふーふーし始める。
 最低限覚ましたらリトライ。いっそ強すぎるほどの熱が、ネギの香りと共に喉へ滑り落ちていく薄味ながら卵のわずかな食感を残したスープに、つららは暖かい息を吐いた。
 ナチュラルに飢えていたつららに、一旦何か食べさせようと急造したものである。
 簡単にできるので、お腹がすいたときにはみんなやってみてほしい。
 さておき。
「卵料理と言えば親子丼じゃな」
 『樹の娘』檜山 樹香(CL2000141)は持参した鶏肉と一緒に親子丼の制作にかかっていた。
 いつも華麗に振り乱している髪は一旦まとめ、赤いエプロンと親子丼用の鍋(持ち手が真上に向かって伸びてるアレ)を装備して、調子した肉や野菜を卵でとじているところだ。
「卵料理は種類が豊富じゃからな。みんなは何を作ったのじゃ?」
「そりゃもう、卵といったらオムライスでしょ」
 豪快にチキンライスを焼き上げる華神 悠乃(CL2000231)。
 目指すはみんな大好き、和製洋食オムライスである。
「ま、本来廃棄品を頂くのは商品価値を下げるからダメなんだけど、今日は特別。やるねF.i.V.E! 村作ったり廃棄品で料理作ったり!」
 悠乃はそう言いつつも片手で素早く卵を割っていく。
 ご家庭のオムライスは一人に卵一個か二個といったところだが、ここは豪快に三つ投入。
 バターと生クリームで最低限の味付けをしたオムレツをドーム状に持ったチキンライスの上に滑るようにのせていく。
 乗った瞬間ぷるんとしたのは中がまだトロトロ状態だからだ。
 ナイフでもってまっすぐ切れ目を入れれば、オムレツが開かれ中身がとろんと広がる仕組みである。
「みんなはこれ、食べるまえにやってね」
「いただきます!」
 言ったそばから手をあわせるつらら。スプーンがとっぷりと沈み込み、ケチャップとライス、でもって角切りにしたチキンをすくいだしていく。
 これを一気に頬張る幸せよ。
 むろん親子丼とて負けていない。
 あえてゆるめに閉じた卵にお箸を通せば、混じり合った鶏肉とだし汁が白米へとしみこんでいく。この感動である。
「和食洋食と来たら次は中華でしょう! かに玉つくっちゃいま~す!」
 左右にふーわふーわ揺れながら、阿久津 ほのか(CL2001276)はボウルにあけた卵をかき混ぜていた。
 かに玉ってなぁ、平たく言うと中華オムレツである。具を色々入れたりするがご家庭のお子様が喜ぶのはやっぱり割いたカニカマを入れまくったやつだろう。
 煙が出るほど熱したフライパンにちょっと多いくらいの油(オリーブオイルにしておくと後々楽)を引いて、お箸でぐーるぐーるしながら卵を焼き上げていく。
 硬くする必要はないので、適当な所でお皿へ引き上げ、甘酢あんかけにしていただくのだ。
「めしあがれ~」
「いただきま~す」
 満面笑顔のつららが手を合わせ、かに玉にお箸をつけた。
 切れ目からこぼれ落ちるあん。卵をつまんで頬張れば、カニカマのむにむにした食感と共にとろける卵の存在感がおわかり頂けるだろう。
「なら、わたしはスペイン風にいっちゃおうかな。トルティージャっていうの」
 様子を見ていた『中学生』菊坂 結鹿(CL2000432)が、ジャガイモやタマネギを刻んだものを炒めていた。これを溶いた卵に混ぜ込んでもっかい焼くというシロモノである。
 味付けはパルメザンチーズとコンソメだ。
 スペインっていうか、軽くイギリス感のある料理だが、満腹度は半端ない料理なのだ。
 ちなみにこの亜種にエリンギとアスパラを使ったものがある。余談である。
「最後にケチャップで味付けするの」
 専用のキャップをつけ、ハートマークにしてみる結鹿。
「美味しく出来たかな?」
「ほいひいへふ!」
 既に全力頬張っていたつららがフォークを掲げて叫んだ。
「ほははい!」
「おかわりの前に、次のメニューがあるよ」
 照れ笑いしつつ、結鹿はフレンチトーストを作り始めた。

 品数勝負というわけじゃないが、誡女やほのかたちも早速二品目を作り始めている。
 卵感あふれるタルタルソースやポーチドエッグサラダ。和風かにたまなんかもだ。
 部屋が軽く卵食べ放題フェアみたいくなってきた所で、宮神 早紀(CL2000353)は新たな料理を追加した。
「みんなガンガンつくってるね。どれもおいし……おっと、あたしもお料理しないとね」
 早紀が作ってきたのはサンドイッチだ。
 卵を使ったサンドイッチと言えばざく切りにした卵とマヨネーズを混ぜた感じのものを想像するが、早紀のものはちょっぴり違った。
「ゆで卵って、お料理につかう分より一個くらい多めにゆでるよねー。そのまま剥いてお塩つけて食べる用に」
 バスケットに三種類のサンドイッチを並べていく。ツナタマサンド、タマネギと卵のサンド、あとスクランブルエッグサンドだ。
 パンは一旦バターを塗ってあり、サンドしたあと一旦焼くという行程を挟んでいる。ホットサンドメーカーを使ったもので、端っこがぎゅっとカリカリな感じになるのが魅力だ。
 ついでに卵焼き……と思ったところで、悠乃がオムライスを運んできた。
「わお、ユノのオムライスも食べられるなんてテンションあがるなあ」
「そういって貰えるとうれしいね。あっちも出来たみたいだよ」
 蒸し器の様子を見ていた天野 澄香(CL2000194)に視線は移る。
「出来ましたよ、茶碗蒸し」
 結構基礎的な料理なので、高校あたりの家庭科授業で作った方も多かろう。
 しかし澄香はこれに関して一枚上手だった。
 卵液はざるで裏ごしし、気泡は竹串で丁寧に潰し、飾り三つ葉も丁寧に添える。
 かなり科学寄りな料理の中で、茶碗蒸しの作業工程はスイーツのそれに若干近い。芸術の手順を含むのだ。
 料理の飾り切りなんかもよくあるので、その辺混ざると意味分かんなくなるが。さておき。
「この作り方は父に教わったんです。それで、こっちは母に」
 蒸している間に作ったオムレツをお皿にのせる澄香。
 茶碗蒸しもそうだが、澄香は基本的に料理を丁寧に作る。時間はかかるがしっかり美味しいというタイプだ。
 それでいて、厳しくも優しい母と堅実で真面目な父という人物像まで見えてくる、そんな料理だった。
 そう。料理は人柄や育ちが出る。
 けれど忘れてはいけない。
 料理が下手だからって人としてダメなわけじゃあない。
「不思議な黒炭ができたわ。なんで普通に焼いただけなのに卵が泡立つのかしら」
 『おっぱい天使』シルフィア・カレード(CL2000215)が可哀想になった卵を眺めて独りごちた。
「先生、一緒に……つくろ?」
 気を利かせた『二兎の救い手』明石 ミュエル(CL2000172)が焦げた卵焼きをそっとどけた。
 その卵焼きをそっと丸呑みするつらら。
「スクランブルエッグ、教えられるから……」
「あら、いいの? そうね、じゃあ一緒に作りましょ」
「じゃあ、火加減は……」
 ミュエル(生徒)の説明を頷きながら聞くシルフィア(教師)という図である。
 その後ろでバニラエッセンスの瓶を持ち上げてふらふらするベアトリーチェ。
 なんか入れちゃわないように、三島 椿(CL2000061)がそっと小瓶を取り上げた。
 なんで卵料理の場にバニラがあるかと言えば、お菓子作りをするからである。
 椿が今日挑戦するのはプリン。
 うっかりするとかなり悲惨な失敗をするので、慎重に行かねばならない。
「うまく出来るといいな」
 素材の混ぜあわせは完了。今日は焼きプリンなので、オーブンに入れている。
 最近はこのプリンが簡単に作れる調理道具なんてものがあるらしいが、椿はストイックに通常の機材で作っていた。
「低温でじっくり焼いたから、大丈夫だと思うけど……」
 キッチンタイマーが鳴る。
 蓋を開くと、思わず深呼吸したくなるような優しく甘い香りが広がった。
 この香りは成功の香り。見た目もばっちりだ。
 椿はほっと胸をなで下ろし、トレーを引き抜いた。

 調理はおおかた終了した。
 これだけ作れば満足だろう。あとは美味しく食べてあげるだけだ。
 残った『生卵クラブ』たちに油性ペンで顔など描きつつ、誡女はテーブルに料理を並べていった。
「並べてみると壮観じゃのう」
「皆沢山作ったもんね」
 椅子につく早紀。調理風景を紹介した時には写さなかったが、厚焼き卵をがつんと挟んだサンドイッチなんかも並んでいる。
「手順通りにやっていけば案外できるものね」
「えっと……うん……」
 シルフィアの作ったスクランブルエッグの隣には、ミュエルの作った卵焼きが置いてある。
 よく卵焼きを甘く作る家があるが、ミュエルの家庭では蜂蜜を使う。蜂蜜と醤油という組み合わせに首を傾げる人もおられようが、花の蜜からできた砂糖醤油と考えて頂ければしっくりくるだろう。
「それじゃあさっそく!」
「いただきま~す!」
 結鹿やほのかも席に着き、全員手を合わせていただきます、だ。
 厳密には調理中から既に何人かがっついていたので今のは仕切り直しにすぎないが。さておき。
 色々な表情をする(誡女が書いた顔がなぜか動いた)『生卵クラブ』が見守る中で、食事は進んでいく。
 できることなら全員の料理を隅々まで紹介し、そのおいしさをお届けしたいところだが、尺の神様がそれを許してはくれない。ここは涙を呑んで数品だけご紹介することにしよう。
 まずはミュエルの卵焼き。
 色形は一般的なくるくる巻いた卵焼きなのだが、箸でつまみ上げてみると蜂蜜の香りにすぐ気づくだろう。特にお醤油だけ使った卵焼きになれていると『なんぞ?』と思うかもしれない。
 だが人は本能的に蜂蜜の香りから甘さを連想し、この時点で既に卵焼きに甘みを求めてしまっているのだ。
 甘いのこい。そう想いながら頬張るとどうだろう。ただ蜂蜜ぶっこんだだけじゃない。醤油の塩分によってより顕著に甘みをもった卵が口の中に広がるのだ。
 ミュエルは薄く焼いては巻いてを繰り返すタイプなので、食感は『やわかかいパイ』といった具合だ。一個食べたらもう三個は食べたくなる。そんな甘みの卵焼きである。
 むろんつららあたりは『うめえ! うめえ!』と言いながらガツガツいっていた。
 レンゲさんも上機嫌でぱくぱくである。
 お次に紹介するのは結鹿のフレンチトーストだ。
 ちなみに、フレンチトーストの作り方を歌で覚えてたという人はおられようか? いかつい髭のおっさんが歌いながら作るショーを見たことは?
 最低限の作り方がそこに詰まっていて、牛乳と砂糖とパンそして卵というシンプルな料理だ。故に朝ご飯なんかにもよく使う。
 だが結鹿はそこに一工夫を加えた。
 最初に気づくタイミングがあるとすれば、かぶりついた瞬間か。
 甘さがドンと来ることの多いフレンチトーストが、なぜかスッとさわやかなのだ。
 その秘密はオレンジの皮とジュース。これは味の重みを消す効果があるのだ。
 ちなみに悠乃が作るオムライス用チキンライスにも同じ目的でレモン汁が入っている。
 甘みが軽いとザクザクいってしまうもの。
 しかしこの『ザクザク』にも意味があって、フライパンにはココナッツオイルをひいて焼いているのだ。なのでかなりお菓子感が強い。
 上からかけるのもメイプルシロップやシナモンだ。
 つららも笑顔百パーセントで口いっぱいに頬張っていた。
 さて、こう甘い料理を立て続けに紹介してしまうと今度はちょっとしょっぱいものが欲しくなる。
 誡女のクレマカタラーナというクレームブリュレの親戚みたいなお菓子も紹介したいが今回は、今回はこちらである。
「わふ~かにたま~」
 お皿ごと掲げたほのかをご覧頂きたい。
 そして彼女がテーブルにどかんと置いた料理をご覧頂きたい。
 かに玉の上にかかっているあんが、椎茸とにんじん、ネギと和風合わせだしという組み合わせなのだ。
 ダシのメインは鰹。それゆえかに玉から立ち上る香りは、日本人の誰もが知るあの香りなのだ。
 箸をつければまだ熱いかに玉の側面から湯気が漏れ出る。
 あんかけで熱を保持しているからだが、それ以前に分厚く焼いたためにあつあつなのだ。
 ふーふーして頬張れば、まず卵。むにむに食感のカニカマと合わさった卵は勿論美味しいが、それもさることながら椎茸と鰹だしから始まる和風のあんが舌の上を踊りはじめることに気づくだろう。
 ネギやにんじんといった『野菜のダシ』によって支えられたあんはより強い食欲を引き出し、目つきを真剣なものにしてくれる。しかし卵と鰹の安堵感から表情は穏やかなそれだ。
「みんなの料理、おいしいわ。食べて貰うのも、なんだかとっても嬉しいし……」
 椿はオムレツや親子丼を堪能しつつ、ほっこりとした顔をした。
 それは彼女に限ったことではない。シルフィアやミュエル、誡女や樹香も同じようにほっこりしていた。つららに至っては漫画みたいにがつがつ平らげては輝くような幸せオーラを発揮している。
 早紀と澄香も、そうやって食べられて嬉しくないわけはない。普段引っ込んだ調理の結鹿も、今日はどこか積極的だった。
 料理をすること、されること。
 それは人類が古来から培ってきた人同士のつながり方なのだ。
『卵は生物である前に物質。腐ることも朽ちることも苦ではないでちゅ。けれど』
 生卵クラブが喋り始めた。
『おいしく食べられたい。楽しく料理されたい。そしていずれは人々の架け橋となりたい。そんな気持ちもまた、あるのでちゅ』
「けほっ……あら?」
 卵の栄養分が身体にいきわたったのか。それとも作った人々の愛情を感じたのか。誡女の喉がやや枯れた状態でありながら、言語能力を取り戻していた。
 食事は途中だが、生卵クラブたちが徐々にかすんで消えていく。
『これからも、よき料理とならんことを』
 古妖たちは消えた。しかし目に見えないだけで、ちゃんと『ここ』にいるのがわかる。
 料理を作って振る舞いたいという心。
 振る舞われた料理が嬉しいという気持ち。
 そして生まれる美味しいという感覚。
 もしかしたら『生卵クラブ』は、そんな精神の集合体だったのではないだろうか。
 だから。
「パーティ再開、といきましょうか」
 楽しいパーティはつづく。

■シナリオ結果■

成功

■詳細■

MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし




 
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