温水プールで思いっきり遊ぼう!
温水プールで思いっきり遊ぼう!


●一応、妖はいるらしい
 冬のある日。
 『F.i.V.E.』の覚者達は依頼があると言うことで、京都府内のとある屋内プール施設まで呼び出され、やってきていた。
 その前にいたのは、『薄幸の男の娘』菜花・けい(nCL2000118)と『芸術はえくすぷろーじょんですよ』新城 都(nCL2000091)の姿だった。
「それで、うちらはなんで呼ばれたのう」
 どうやら、けいもまた、都に呼び出されたらしい。けいは普段着なのに、都は虹色のビキニ姿という違いもそれを裏付けている。
「都はこのぷーるで、泳ぐ気満々だったのですよ」
 若干腹を立てている都が言うには、このプールの中に妖がいるのだという。ランクは1で自然系、水が渦巻き状に立ち上った全長2メートルほどの妖だ。
 プールの監視員がすぐに発見し、施設の管理人によって、一般人の避難はスムーズに行われている。都もそのうちの1人らしい。
 その都に呼ばれて、覚者達はこの場にやってきている。水着持参でOKというので、何かと思ったら……。妖討伐だけならば、水着は必要なさそうだ。
「ここで妖を倒せば、今日、ここのぷーるは貸し切りなのですよ!」
 ふふんと小さな胸を張る都。解決するのは覚者なのだが。
 けいがいるのは、これ以上何か事件が起きないかという保険を兼ねてのこと。けいの夢見によれば、これ以上妖は現れないようだ。
「……被害も大きくはならないようじゃが、妖が強くなる危険性を考慮すれば、後の憂いは断っておく必要があるかのう」
「よくやったのですよ」
 そう告げたけいの頭を、都がなでなでする。
「ともあれ、都のぷらいべーとたいむの為に、皆さんに一肌脱いできてほしいのですよ!」
「……のじゃ」
 ドヤ顔で主張する都と半ば飽きれ顔のけいに見送られ、覚者達はとりあえず、妖を討伐すべく施設内へと入っていく。折角やってきたのだから、何をやって遊ぼうかと考えつつ。


■シナリオ詳細
種別:通常
難易度:簡単
担当ST:なちゅい
■成功条件
1.都、けいの2人に、妖による危害が及ばないこと。
2.プールで思いっきり遊ぶこと。
3.なし
 初めましての方も、どこかでお会いしたことのある方もこんにちは。なちゅいです。
 プールで思いっきり遊んでくださいね。
 妖、そんなのいましたっけ?

●概要
 思いっきり温水プールで遊んでください。
 水着の柄など、指定がありましたら、可能な限り描写いたします。
 同伴する人達と思いっきり遊ぶプレイングをどうぞ。
 プレイングに思いっきり盛り込めば盛り込むほど、
 楽しい1日を過ごすことができるかと思います。

●敵
 一応、説明を。
・妖……自然系、ランク1、1体。全長2mほど。
 水が渦巻き状に集まった姿をしています。今の皆様の敵ではありません。
 プレイングは、
 『プールサイドにいる妖を、全力でぶちのめす』で結構です。
 派手にぶちのめしたいのでしたら、
 1つスキルを指定し(通常攻撃でも結構です)、プレイングでどうぞ。

●場所
 とある温水プール。複合施設のうちの1つです。
 25メートル、8レーンあるプールと子供用プール、
 流れるプールが設置されております。

●NPC
 以下、2名が参加します。
 2人とも戦う力はありません。妖を倒してから、プールへと誘導を願います。

・新城 都(nCL2000091)
 虹色のビキニを来て、プールで遊ぶ気だったはずの都ですが、
 プールサイドのベンチでのんびり寝ています。
 ゴーイングマイウェイな彼女を、
 プールに突き落としてあげましょう。

・菜花・けい(nCL2000118)
 泳ぐことができない為、
 プールで泳ぐのは乗り気でありませんが、
 覚者の皆様のお誘いがあれば、乗ってくれるかもしれません。
 けいは水着を用意していませんので、
 着せたい水着がありましたら、プレイングにどうぞ。
 参加される覚者の皆様が希望した水着が複数ある場合は、
 1着をチョイスして着るようです。

 それでは、今回も楽しんでいただければ幸いです。よろしくお願いいたします!
状態
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:0枚 銅:3枚
(0モルげっと♪)
相談日数
6日
参加費
100LP[+予約50LP]
参加人数
8/8
公開日
2016年02月24日

■メイン参加者 8人■

『マジシャンガール』
茨田・凜(CL2000438)
『星唄う魔女』
秋津洲 いのり(CL2000268)
『聖夜のパティシエール』
菊坂 結鹿(CL2000432)
『イランカラプテ』
宮沢・恵太(CL2001208)
『探偵見習い』
賀茂・奏空(CL2000955)
『田中と書いてシャイニングと読む』
ゆかり・シャイニング(CL2001288)

●妖なんていなかった
 問題のプールへとやってきた『F.i.V.E.』の覚者達。
「冬でもこうしてプールで遊べるなんて、全くいい時代に生まれましたわね♪」
 フリフリなオレンジのワンピース水着を着こんだ『誇り高き姫君』秋津洲 いのり(CL2000268)は、にこにことしつつプールへと入っていく。
「温水プールやっふーい! 寒い日に温かい室内の温水プールで遊べるなんて最高!」
 プールを目の当たりにして喜ぶ『探偵見習い』工藤・奏空(CL2000955)。
「あ、その前に妖をサクッとやっとかないとね」
 その後、彼は思い出したかのように、プールサイドにいた水流の塊のような妖目がけて斬りかかり、目にも留まらぬ速さで2連撃を繰り出す。さりげに水がある場所で天の術式はマズイという配慮も行う奏空である。
 『研究所職員』紅崎・誡女(CL2000750)も続く。プールを傷つけないように、そして、後ろから続く仲間の為が邪魔にならないようにと考えつつ、彼女もまた双刀を水平に振りぬいた。菊坂 結鹿(CL2000432)も蒼龍を使い、全力での一撃を繰り出す。
 前線で仲間が戦う間、後方で賀茂 たまき(CL2000994)がこの場にいる『薄幸の男の娘』菜花・けい(nCL2000118)と『芸術はえくすぷろーじょんですよ』新城 都(nCL2000091)の前にシールドを張り、2人の安全を確保する。
「なっちゃんとプールで遊べるなんて、超ラッキー♪ 邪魔する妖は超ソッコーでお仕置きなんよ」
 茨田・凜(CL2000438)も戦えぬ2人の為にと水の力を使い、仲間の支援を行う。
「プールに行くのなんて、何年ぶりだべなぁ。避難した人達に申し訳ねぇけども、折角だから皆で楽しく遊ぶべ」
 やや遅れてプールにやってきた『イランカラプテ』宮沢・恵太(CL2001208)も、そういえばと妖の姿を見やる。
「あ、その前に妖さ倒さねばな。気ぃ引き締めて頑張るべし」
 彼は刺青を輝かせ、両手につけたナックルを使い、全力でぶん殴っていく。
 そこに飛び込んできたのは、ゆかり・シャイニング(CL2001288)だ。
「くらえ! デコビーム!!」
 ゆかりは開眼した第3の目から、『バッキューン☆』と怪光線を飛ばす。動き出そうとする妖は、それを受けて怯んでしまう。
「あらいけませんわ。先にお仕事を終わらせませんと」
 いのりも思い出したかのように、波動弾を飛ばし、それによって妖の体を貫通する。
 8人の覚者の力で、妖は成すすべなくその場から消え失せてしまった。
(妖は出ましたが、ここが日常に戻ってくれるといいのですが)
 避難していた人々がここへと戻ってくることを願う、誡女である。

●ここからが本番です。
 気を取り直して。
 覚者達は改めて水着でプールへと向かう。
「折角来たんだべし、菜花君もみんなと一緒に遊ぶべ?」
「うち、泳げないのじゃ」
 躊躇うけいだが、覚者達は楽しそうに誘う。それならとけいは恵太と一緒に、施設内のレンタル店まで出向いていった。
 他のメンバー達は改めて、貸し切り状態のプールにテンションを高める。
「私こっちに来てからまだ日が浅いので、こうやって親睦を深める場に参加できてとても嬉しいです!」
 最高の思い出作りをとやってきたゆかりだが、生憎とオシャレな水着を持ていない為、普通に学校で使っているスクール水着を着てきていた。その胸元には、思いっきり『田中』と書かれたゼッケンが……。
「誰が田中や!」
 ……閑話休題。
 その隣には、結鹿がいる。
「今回、プールにいくと聞いて、お姉ちゃんが買ってくれたんですけど」
こちらは、オレンジ色のフリルのついたビキニで、胸元のリボンととボトムの両サイドにリボンで結んである。その上から、白いパーカーを羽織っている。
「お店で一目惚れした水着なんです……。似合って……ますか?」
「すごく可愛らしいんよ」
 その可愛らしい水着は、元気な彼女にとても似合っている。凜はにっこりと微笑み、絶賛していた。
 その凜が着ているのは、ライム色のチューブトップビキニ。名前の通り、まったりとした彼女に似合っている。結鹿もまたその水着を褒めていたようだ。
 そばでは、肌が見えないようにと、薄手の白いパーカーを着ていたたまきがいる。彼女は肌を出すことを躊躇っていたようだ。
 隣では、奏空も学校用の水着を着ていた。この施設へとやってくる前から着こんでいたほど、プールを楽しみにしていたのだ。なんとも微笑ましい。
 彼のテンションが高いのは、たまきの存在もある。奏空はちょっとだけ照れつつ、その手をとる。
「さ、行こっか!」
 たまきの手を引き、奏空はプールサイドへと駆けて行った。
 その場に入れ替わりでやってきたのは、恵太とけいだ。
 恵太は水着を持っていなかった為、黒のトランクスタイプの水着を借りてきていた。皆と遊ぶ為にと、ビーチボールやビート板なども一緒に借りている。
 また、宝探しをという話もあったのでそれ用の物と、事後の為にとバスタオル、着替えも自前で用意してきていた。
 そして、後ろにいるけい。彼は、紺のスクール水着を身につけていた。ちなみに、女子用である。
「は、恥ずかしいのじゃ……」
 あまり人前で素肌を見せた経験がないのだろう。若干俯くけい。その姿に釘づけとなっていた凜は思わず、けいをぎゅっとハグしていた。
「これも似合いそうなんよ」
 凜は密かに用意していた浮き輪を差し出すと、けいは受けとる。しかし、使い方が分からぬ彼は、凜に尋ねていたようだ。
 ところで、皆で遊ぼうと覚者達が楽しくはしゃぎ出しているにも関わらず。
「都はぷらいべーとたいむを満喫なのですよ」
 マイペースな都はプールサイドで昼寝など始めている。泳ぐ気満々ではなかったのか。
「さぁさぁ、都様、遊びますよ!」
 強引にいのりは都を引っ張り、プールの中へと入ろうとするのだが。
 ピーーーーッ!
 鳴り響くホイッスルは、誡女が鳴らした音だ。彼女は、フィットネスタイプのセパレート水着を着ている。飾り気などは控えめだが、その分動きやすさに重点を置いた水着だ。
 誡女は仲間達にスマートフォンの画面を見せつける。通信は難しいものの、仲間との意志疎通用にと所持していたものだ。
『水に入る前は怪我をしないように、まずは準備体操です!』
 さらに、彼女は予め録音しておいたラジオ体操を流し始めた。この為、メンバー達はしぶしぶ、みっちりと体操とストレッチを行うのである。

●水球で遊ぼ!
 準備運動も終わり、プールに入るわけだが。本格的に水の中へ入るとあらば、パーカーは脱ぐしかない。たまきは意を決し、パーカーを脱ぐ。
 たまきはセパレート水着を付けていた。優しいピンク色とミントグリーンに淡い黄色のラインの柄。下も同じ色で、フリフリスカートに見える可愛らしい物だ。
「って……、あ。……たまきちゃんの水着姿見るの、もしかして俺初めてだ……」
「はわわ……」
 男性の前、特に同年代の奏空に水着姿を見せるのは初めてとあって、たまきは全身を真っ赤にしてしまう。
「か、可愛い……。水着似合ってるよ! すっごい可愛い!」
 そう奏空に褒められ、たまきは頬を上気させてしまうのである。

 この場にいるのは10人ということで、5人ずつに分かれ、水球をやろうといのりが提案する。
「けい様のように泳げない方もいらっしゃるので、ポートボール形式にしてゴールマンを務めるのはどうかしら」
 けいはまだ水中に入った経験が浅く、水の中で目すら開けるのを躊躇う状況だ。メンバーからも異論は出ない。
「大丈夫、怒涛のようにゴールしますので、退屈はさせませんわ♪」
「……それじゃ、やってみるのじゃ」
 そんなけいの了承もあって、早速チーム分けが行われる。
 パワーバランスを考え、結鹿、たまき、奏空、凜、けいのAチームと、ゆかり、いのり、恵太、誡女、都のBチームに振り分けられた。これは、メンバーの希望も織り込まれている。
「気合入れていきます。負けませんよっ!」
 クラスメイトのたまき、奏空と同じチーム。友達と一緒に戦うことができると、結鹿は安心して気合を入れる。
「相手チームの5人を倒したら、勝ちなのですよね?」
 たまきは、恵太が用意したビーチボールを手にしてルールを確認する。彼女はドッジボールと勘違いしているらしい。
「……え?! ルールが違いますか……?」
 ちなみに、水球のルールは、基本片手でボールを扱い(頭、足はOKである)、ゴールにボールを入れ合うことで点数を競う競技。別名、『水中の格闘技』である。ボールを持つ相手に攻撃を仕掛けるのが基本となることから、競技中ファールが多い競技として知られる。
 今回はそれにポートボールの要素を組み入れる。コートの両端にいる自チームのゴールマンがボールをキャッチすることで得点となるルールだ。
 準備もできた為、試合はスタートする。
 まずは、Aチームが攻めに入る。得点はさせじと、恵太がカバーをするが、結鹿がうまく泳いで突破していく。
「一発必中!」
 そうして、結鹿はボールを投げる。けいはあたふたしながらも、飛んできたボールをうまくキャッチした。
「なっちゃん、その調子なんよ!」
 凜がけいに呼びかけると、けいは少しだけはにかんでいた。同じチームの奏空、たまきも声を出し合って喜び合う。
「もう一撃決めますよっ!!」
 結鹿はさらなる得点をと意気込むが、今度はBチームが攻勢に出た。
 試合中は大人の恵太や誡女が相手を含め、怪我がないかどうかと気を配っている。
(結構激しいスポーツですね、熱くなりすぎないように、楽しみましょう)
 飛んできたボールをキャッチした誡女は、自チームのメンバーに投げ返す。受け取ったのはゆかりだ。エンジョイしようと軽い気持ちでプレイしていた彼女だが、割と本気な結鹿を見ていてスイッチが入ってしまったらしい。
「張り切ります!! ファイヤー!!!」
 ユカリは縦横無尽にコートを泳ぎ、自チームのゴールマンを目指し、いのりへとパスをする。
「秋津洲家伝統の古式泳法を、見せる時が来ましたわ♪」
 そのボールを受け止めたのはいのりだ。けいと並んで最年少の彼女だが、家で競技用の泳ぎを教えてもらっていたこともあり、他のメンバーに捕まることなくコート上を動き回る。
(お爺様に習わされた時は、『こんな泳ぎ使う事があるのかしら?』と思っていましたが、意外と役に立つ物ですわね♪)
 のし泳ぎ、立ち泳ぎを使いこなし、いのりはゴールマンの都に向けてシュートする。
 都はそれをキャッチする……のだが。足元がぐらついて水の中へと倒れてしまう。
「げ、芸術肌な都には、スポーツは似合わないのですよ」
 運動音痴というほどではないが、都も球技は苦手な様子である。
「興味がおありの方はご教授致しますわ♪」
「……機会があれば、お願いするのですよ」
 いのりはドヤ顔で都へ告げるのだが。都はそんな言葉を返しつつ、げんなりとしていたようだった。

●皆で宝探し!
 水球はいい勝負であったのだが、結局は猛攻撃を行ったBチームが勝利したようだ。その直後、記念にと、誡女が調査用のカメラでメンバー全員と記念撮影をしていた。
 しばし休憩の間、定位置のベンチで横になっていた都に、凜が声をかける。
「いいなー。かわいいんよ」
「ふふん、都のセンスを理解してくれて嬉しいのですよ」
 都が着ているのは、虹色のビキニ。控え目な体型の彼女ではあるが、華やかな色の水着で着飾った彼女はなんとも目を引く。
 年の近い都とも仲良くなりたいと考える凜は、休憩の間語り合っていた。
 休憩の後、今度は宝探しをやろうという話になる。泳げないと考えるけいの為に出された企画だ。
「やるからには負けたくないです」
 これまた結鹿は本気のようで、鼻息荒く宝を集めていく。彼女が拾っていたのは、恵太が用意した外国製のコインだ。
「遠慮なく、持って帰ってほしいべさ」
 拾った結鹿に恵太はにっこりと言うと、彼女は嬉しそうに次々に宝を拾っていく。
 恵太もそうだが、誡女もまた、プールにいる覚者達に怪我がないかと保護者のように見守る。
(こちらも、熱中しすぎて怪我とかしないように……ですね)
 彼女はカメラで仲間達が宝を手に入れた瞬間を捉え、シャッターを切る。そして、自らも宝探しへと加わっていった。
「ふむ、なかなかに鮮やかでステキなのですよ」
 都が手に取るのは、ゆかりの用意したスーパーボールだ。マーブル模様のものや、モヤモヤが解消されそうなドゲドゲ仕様のもの。それらはゆかりの狙い通りに、都の感性を刺激していたようだ。
 ところで、宝探しは大人用プールメインで行われているが、おはじき、ビー玉、アクリルストーンなど、けいの為にと、子供用プールにも色々なものが配置されている。
 けいは凜に付き添われ、水の中へと恐る恐る手を伸ばす。まだ目を開けることができないでいたが、手探りで掴んだそれはスーパーボール、ではあるのだが。
「それはゆかりのオススメ、マスコット入りタイプ! 中のマスコット、すねこすりさんに似てません?」
「うむ、可愛いのじゃ」
 けいは食い入るように、そのスーパーボールを見つめていた。
 同じく、大人用でも同様に色々な物がプールの水面、底に散らばっている。
 たまきも、今回の為にと、電車のおもちゃやミニ剣玉といたものを浮かせている。さほど泳ぎは得意でないたまき。少し潜るくらいならとチャレンジするが、なかなかうまくいかない。
 スーパーボールを1つ手にした奏空はプールの中でバウンドさせて遊んでいたのだが、たまきの為にと得意の潜水で綺麗なアクリルストーンを手にして渡す。
「宝石みたいだね」
「そ、そうですね」
 それを受け取るたまき。とても嬉しくはあったのだが、彼の真似をして頑張って潜水しようとするも、自身で宝をつかむことはあまりできなかったようである。
 いのりもプールを眺めつつ、宝探しを行う。
 プールの底にあるおはじき、コイン、アクリルストーンが照明の光を受けてキラキラと光っているのがとてもきれいだ。
 いのりはそれに思わず、うっとりと眺めてしまう。それだけ幻想的な光景にも見えたのだ。
 そこで彼女は水面に浮かぶある物を発見し、一直線に泳いでいってそれを手に取る。
「もしや、某村の村長様では!?」
 それは、たまきが持ってきたアヒルの隊長さんだ。
「お初にお目にかかりますわ。村の辺りも色々大変でしたわね」
 そう彼女が挨拶する間にも、宝はどんどんなくなっていく。こうしている場合ではないと、いのりはアヒル隊長を抱え、お宝ゲットに動いていくのである。

●楽しかったね!
 その後、メンバー達は自由時間をとって各自遊ぶ。
 覚者達の多くは、流れるプールに興味を持っていた。
 恵太は先ほど借りてきたビート板を使い、流れるプールでひと泳ぎする。
「今日は最高の一日ですわ♪」
 いのりはフロート型の浮き輪に乗ってのんびり。都も楽しそうと浮き輪と借りてプールでぷかぷかと浮いていた。
 同じく、イルカの浮き輪に乗っていたのは、結鹿だ。
「一度、イルカの浮き輪に乗ってみたかったんですよねぇ~。小さいときの夢が叶っちゃいました♪」
 彼女も初体験にご満悦である。
 たまきも流れるプールに入り、ドキドキしながら浮き輪につかまる。
「流れるプールはワクワクしますね!」
 彼女は浮き輪に乗り、そのままプールを回っていた。
 その後ろには、途中で奏空が捕まっていて。途中、急な流れの箇所でたまきがバランスを崩してしまう。
「あわわ……」
 ざぶーん。浮き輪が転覆し、慌てるたまき。奏空も急いで彼女を救出したのだが、さほど深くないそのプール。2人は足がついたことに気づき、笑い合うのである。
 それに、誡女も少し驚いていたが、事なきを得てほっと一安心し、またもカメラのシャッターを切っていた。
 凜は終始、弟や妹を見守るような姉の気持ちで、年下の可愛らしい仲間を眺める。
 そして、彼女の視線の先には、子供用プールで水中に顔を付ける練習をするけいの姿。彼は溺れないかと凜は終始チェックする。
(キ……じゃなくて、人工呼吸のチャンスなんて、これっぽっちぐらいしか思ってないんよ)
 本心では自分に正直な凜である。

 プールを満喫した後は、休憩タイム。
 ユカリはトロピカルジュースを買い、クーラーボックスで冷やしていた。守護使役シャイニング2号に見てもらっていたそのボックスから取り出し、仲間へと手渡す。
 寒いと感じる者には、誡女、恵太が温かい飲み物を用意していた。チョコなど、簡単に熱量が取れる食べ物も添える。
 それらを口にしつつ、誡女は今日撮ったデジカメのデータを仲間と共有していた。
(素敵な日常に感謝を……、明日も頑張りましょう)
 彼女はスマートフォンにそう表示する。
 英気を養ったメンバー達は思い出を胸に、いつもの日常へと戻っていくのだった。

■シナリオ結果■

成功

■詳細■

MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
『プールでの集合写真』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:紅崎・誡女(CL2000750)
『アクリルストーン』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:賀茂 たまき(CL2000994)
『ブリキのミニ金魚』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:茨田・凜(CL2000438)
『アヒル隊長』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:秋津洲 いのり(CL2000268)
『外国製コイン』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:菊坂 結鹿(CL2000432)
『ミニ剣玉』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:宮沢・恵太(CL2001208)
『スーパーボール』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:工藤・奏空(CL2000955)
『おもちゃの指輪』
カテゴリ:アクセサリ
取得者:ゆかり・シャイニング(CL2001288)



■あとがき■

リプレイ、公開いたします。
皆様が楽しんでいただけたなら幸いです。
ささやかながら、
皆様に宝探しで拾った物をプレゼントです。
お1人は、集合写真を記念にどうぞ。

今回は参加していただき、
本当にありがとうございました!




 
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