マッチポンプ博士のたのしい殺戮オモチャ
マッチポンプ博士のたのしい殺戮オモチャ


●協力組織からの依頼
「皆、よく集まってくれた。まずはこの資料に目を通してくれ」
 中 恭介(nCL2000002)は分厚い資料の束から数枚を抜き出してホワイトボードへ貼り付けた。
「F.i.V.Eが名前を公表してからまだ日は浅いが、これによって少なくない組織がF.i.V.Eに関心を持つようになった。敵も、味方も、その中間もだ」
 七星剣のようにF.i.V.Eを排除したがっている悪質な組織もあれば、F.i.V.Eの正義活動に賛同して協力しようとする集団もある。
 たとえばF.i.V.Eは『人に害為す存在への対応』を活動目的のひとつとしているが、『未知なるものの収容と保護』を目的とした集団とは限定的に協力関係をもつことができる。
 特に、危険な古妖を確保して永久に収容し続ける場合には、だ。
「『蒐囚壁財団』はそうした中で限定的な協力関係を結んだ組織だ。今回はこの組織からの依頼に応えることにした」

 蒐囚壁財団(しゅうしゅうへきざいだん)は覚者や妖といったものが認知される前から存在する民間の秘密組織である。
 彼らは当時から妖怪や悪魔といった存在が実在することを知り、その存在をあらゆる手段を用いて捕獲し、民間人のパニックを避けるべく秘匿し続けてきたという。
 古妖の多くが明らかとなった現代でも、まだ色々なものを隠したままにしているというが、その全容は計り知れない。
「さて、前置きはここまでだ。本題に入ろう。皆にやってもらうのは、『兵隊を壊滅させること』だ」

●マッチポンプ博士のたのしい殺戮オモチャ・第27番『なりきり死神スーツ』
 蒐囚壁財団が長らく敵対していた組織の一つに『マッチポンプ博士』というものがある。
 これは人数不明規模不明所在不明という恐ろしい秘匿性をもった組織で、未知で危険なアイテムを作成してはそれを民間人が容易に触れることのできる場に紛れ込ませるという性質を持っている。
「『なりきり死神スーツ』はハロウィーン等で使用される全身一体型のタイツスーツだ。
 身体の箇所にそって人間の骨のイラストがペイントされ、付属のフードを被ることで全身をスケルトンに仮装することができる。
 ただし、このスーツをフードまで完全に着用した場合、最長20秒以内に肉体が骨のような物質で覆われるようになる。
 この物質はカルシウムと未知の鉱物を合成させたもので、スレッジハンマーによる打撃でもヒビひとつ入らないそうだ」
 恐らく古妖の作成した魔術服の一種だろうと思われる。
「だがこの服を着用した人間は『他人を殺したい』という強い欲求にとりつかれ、無差別な殺人を繰り返すようになる。ハロウィーンの時期にこの服を運悪く着用した集団がこの状態におかれ、現在武装して日本を移動しているそうだ。これを押さえ、鎮圧しなければならない」
 話によれば、蒐囚壁財団には専用の戦闘部隊が存在するが、これが五ヶ月間挑み続けたが鎮圧に失敗したという。
「放置すれば新たな人的被害が生まれるだろう。F.i.V.Eとしてもこれは見過ごせない。死神の一団を倒してくれ。蒐囚壁財団はスーツの回収を求めているが、それは現場判断で構わない。頼んだぞ」


■シナリオ詳細
種別:通常
難易度:普通
担当ST:八重紅友禅
■成功条件
1.死神の集団を鎮圧する
2.なし
3.なし
 八重紅友禅でございます。

 話が長いので三行でまとめますと
・武装した装甲服集団が発生。
・人的被害の回避と鎮圧を続けていた組織からSOS。
・集団と戦闘し、鎮圧せよ。
 であります。

●死神の集団
 古妖が作成したとされるスーツで強化された非覚者の集団です。
 数は10。総合戦力はF.i.V.E覚者9人チームと同等と予測されています。
 なので、敵はF.i.V.E覚者よりギリギリ弱い程度を想定してください。

 武装はAKアサルトライフル7丁。斧7本。M134ミニガン3丁。
 銃撃による速やかな殺害を狙ってきます。攻撃は武器攻撃にあたります。
 こちらを殺すことに忠実で、そのためにかなり連携のとれた動きをする筈なのでご注意ください。

●おまけ
 蒐囚壁財団との協力はこれが初めてです。
 相手側もF.i.V.Eがどういう組織かを見定める目的があるようなので、対応の仕方を少し相談しておくとよいでしょう。
 場合によっては神秘解明への協力も得られるかもしれません。
状態
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
(0モルげっと♪)
相談日数
6日
参加費
100LP[+予約50LP]
参加人数
9/9
公開日
2016年02月17日

■メイン参加者 9人■

『決意の鉄』
松葉・隆五(CL2001291)
『赤き炎のラガッツァ』
ラーラ・ビスコッティ(CL2001080)
『使命を持った少年』
御白 小唄(CL2001173)
『F.i.V.E.の抹殺者』
春野 桜(CL2000257)

●組織
 大型地下駐車場のあるテナントビル。その屋上で『狗吠』時任・千陽(CL2000014)が双眼鏡を覗いていた。
 視界には攻撃目標である死神スーツの一団が入っている。だが考えているのはここにくる前のことだった。
 事前にインターネット検索をかけたが、死神スーツの一団だと特定できるような情報はピックできなかった。これは事前の避難や地元報道の牽制ができていることをさす。海外のように全国ネットテレビや、スマートホン等による一般のネット普及がない国であるため、情報操作は比較的簡単だという見方もできた。この話については、御白 小唄(CL2001173)に関しても同じである。
「なんかスッキリしないな。敵も依頼主もハッキリしないし怪しいし」
「確かに……どう思いますか、グレイブル氏」
『聞いてよトキト、駅から五分で駐車場つきバストイレなしの部屋だって、トーキョーハウスすごくない?』
「グレイブル氏」
『ごめん』
 小唄のように隣で話しているわけではなく、送受心・改によって建物の色々な場所に潜んだ仲間と会話している状態である。実際プリンス・オブ・グレイブル(CL2000942)は駐車場中に身を隠している。
 隣には『決意の鉄』松葉・隆五(CL2001291)が、自動車の脇に張り付くかたちで潜んでいた。
「一般人を利用するなんて、恐ろしく卑劣なやつらっすね、マッチポンプ博士……個人名みたいっすけど、リーダーの名前っすかね」
「どうでしょうか。漫画家さんやアーティストさんがグループで個人名を共有しているケースも、ありますよね」
 同じく車にはりついている納屋 タヱ子(CL2000019)。
 中に大量の土嚢を突っ込んだワゴン車である。自動車は刑事ドラマ時空のように銃弾をぽんぽん弾いてはくれないが、土嚢を詰め込むことで簡易移動防壁にできた。
 彼らは地下駐車場にこうした壁をいくつか設置していた。駐車場は柱が多く、壁をいくつか追加することで障害物を移動しながら接近するタイプの戦闘が可能になっている。
「名前はどうあれ、卑劣な集団です。罪の無い人々を巻き込むなんて……」
 そんな会話を送受心で受けて、『エピファニアの魔女』ラーラ・ビスコッティ(CL2001080)は自販機裏でつぶやいた。
「死神スーツですか。防御力があがるスーツという点だけなら魅力的なんですけれど、人格への影響が困りものですよね」
「非覚者が覚者なみに強くなれるもんなあ。でも狂っちまうのは俺も勘弁だな」
 ちらりと顔を覗かせる。敵の一団が近づいてきているようだ。
 そろそろ出るぞという合図を送ると、建物の二階から『凛の雫花』宇賀神・慈雨(CL2000259)がOKの合図を出した。
 窓は予め開けている。いつでも飛び出せるようにだ。
「マッチポンプ博士と蒐囚壁財団……どちらも癖のありそうな組織ね。マッチポンプ博士はともかく、蒐囚壁財団はどういう組織なのかしら」
「得体は知れないけれど」
 包丁を手に深く呼吸する春野 桜(CL2000257)。
「そのテの技術にたけているなら、手を組んで損はないはずよ。これはその第一歩……かしらね」
 そして桜は、一息分だけ呼吸を止めた。

●誘導作戦
「よっっしゃ、来い!」
 自販機の裏に潜んでいた遥は、死神スーツの集団の前に躍り出た。
 何も言わずにすぐさまライフルの銃口を向けてくる一団。
「うおっと!」
 足下や胴体を狙い撃ちにされた遥は即座に自販機裏に引っ込みつつ召雷を発動。牽制射撃を放ってから建物の地下駐車場へと走り始めた。
 それを追いかけて移動しはじめる一団。
 やり過ごすために潜んでいたラーラが送受心ネットに合図を送ると、建物前で交戦状態になった時のためにスタンバイしていた桜が階段を使って地下駐車場へ移動開始。屋上の千陽も同じく階段へ走った。一方で小唄はフリーランニング式に、慈雨は飛行能力で入り口側の壁を下りていった。
 かくして地下駐車所に入った一団は遥と本格的に戦闘を開始。と同時に入り口側にラーラと慈雨、そして小唄が回り込み、退路をふさぎにかかった。
『まずはミニガン担当から攻撃します!』
 ラーラは速攻で魔術を展開。周囲に燃える石炭を召喚した。
「『良い子に甘い焼き菓子を、悪い子には石炭を。イオ・ブルチャーレ!』」
 ミニガン担当へ浴びせられる召雷。
 対するミニガン担当は降りかかる火の粉ならぬ燃炭を払うべく射撃を開始。
『攻撃が集中します、カバーしますか?』
『カウンターヒールで対抗粘るわ、その間に回り込んで』
 慈雨が癒しの滴を使ってラーラの回復を開始。
 そうこうしている間にタヱ子がワゴン土嚢や柱の間を繋ぐように回り込みつつ、ラーラの前へと移動。
 シールドを展開すると、地面と自分をてこの原理で固定して弾幕を代わりに受け始めた。
 腕にしびれが走るが、強くこらえる。
『洗脳されている人相手を傷付けたくないですが、スーツを回収できなければ元も子もありません。ですから今は、戦いに集中しなくては……!』
 防御に集中したタヱ子と回復先をタヱ子にシフトした慈雨によって、ダメージレースは圧倒的に有利になった。
 おそらくミニガン担当がノックダウンするほうが先だろう。
『そろそろだね、僕に任せて!』
 小唄は一旦柱の後ろに隠れると、回り込むようにミニガン担当へ狙いをつける。
 地を駆ける獣のように急接近すると、回し蹴りやパンチによって手早く張り倒し、その流れで左右に展開していたミニガン担当に一撃ずつ浴びせてから別の柱へと逃げ込んだ。
 本来なら斧やライフルで武装した前衛チームのブロックを超えられないがバックアタックを成功させたことで最初の十秒だけはなんとかブロック通過が可能になっていた。敵集団が隊列を変更させるまでの間である。
 敵集団が到着した頃には既に戦闘配置についていた千陽がナイフを持って階段側から接近。
 同じくスタンバイしていた桜も包丁を手に接近を始めた。
 対抗して襲いかかる斧担当。
 が、割り込むように隆五が剣で打撃を受け止めた。
「中の人、すんませんっす!」
 前蹴りで斧担当を一度引き離すと、剣による反撃を開始。
 と同時に千陽がナイフによる地烈攻撃を開始した。
 一方で桜が香仇花の散布を開始。斧担当の集団を弱体化していく。それを受けた斧担当たちだが、誰を押しのけていいものか分からずとりあえず隆五や桜たちへバラバラに攻撃をし始めた。
 どうやら死神の一団は一緒になって行動する割には指揮系統が存在しないようだ。
 こうなれば野生動物の群れを相手にするようなものだ。乱暴に言えば馬鹿を手玉に取る状態である。
 桜はこれ幸いと毒を塗りつけた包丁や手斧を振り回し、斧担当たちを次々に切りつけていく。
 作戦はキッチリはまっている。
 プリンスはそれを確信し、土嚢ワゴンから躍り出た。
「やぁ民のみんな、イッツァ小さめ王子ワールドにようこそ! 立ち話もなんだから余に処されなよ」
 トドメの召雷を発動。
 これをミニガン担当たち浴びせかけ、次々にノックダウンさせていく。
 ミニガン担当たちは勿論死神スーツの一団には回復手段やカバー手段がないようで、集中砲火をうけたミニガン担当の三人はたちまち戦闘不能となった。

 さて、乱戦である。
 ライフルで武装した集団が馬鹿みたいに散らばり、柱の裏に隠れた小唄や土嚢ワゴンの裏に入った隆五たちを狙って戦い始めた。
 障害物の多い場所で複数がばらけた結果、戦場はいくつか分断された形になった。
 想像しにくい場合は、ファミレスに集団で入ったらテーブルを分けられた状態である。移動も可能だがあまり頻繁にしたくはない。
 まずは慈雨、ラーラ、タヱ子、小唄で構成されたチーム。
 小銃担当がとにかく動き回る小唄を排除したがるが、障害物をうまく利用する小唄と、たまに顔を出してもタヱ子が移動盾になることでダメージを最小まで軽減。
 それでも出るダメージは慈雨が癒しの滴や癒しの霧でカバーできていた。
 こうして、ライフル担当の間を小唄が駆け抜けていった後に翻弄された彼をにラーラが召雷で削っていくループが完成した。
 小銃担当も集中砲火したところでタヱ子の防御力と慈雨の回復力を完全に抜くことはできないので、結果一方的な戦闘になったと言えるだろう。
 特に、列攻撃に絞らず敵の頭数が減った段階で単体攻撃に切り替える準備が小唄にもラーラにもあったので、中盤から終盤にかけての勢いが増し、結果としてうけるダメージもかなり減った。完封に近い勝利である。
 その一方で、遥と隆五が土嚢ワゴン裏に集中していた。
 斧担当二人を挟み撃ちにする形である。
 相手の斧を隆五が受け止め、疾風斬りで牽制。そこへ遥が召雷で追撃。ここぞという場面で隆五が隆槍を加えていくスタイルだ。
 基本戦闘力は大体同じなので削り合いになるが、列攻撃優先の隆五と遥に対して単体集中攻撃優先の斧担当たち。隆五のダメージが蓄積し、最初に戦闘不能になる計算だ。
 しかし命数消費によって踏ん張るので頭数が減ることは無い。
 あまり隆五ばかりが攻撃を受け続けるのはつらいが、二人とも前衛担当なうえカバーリングもできそうになかったので、力で押していく『やられるまえにやる』スタイルが有効になった。ちなみに相手の着ていた死神スーツはそこまで強力な物理耐性があったわけではないようだ。隆五は不得意な隆槍を使うより疾風斬りを連打したほうがうまくダメージが入ることに途中から気づいた。そこからは完全に筋肉プレイである。筋肉がある方が勝つ、腕相撲のようにごりごりと押していって、最後は勢いでドンだ。
 よろけた斧担当を隆五が大剣によって殴り倒し、倒れたところを遥が瓦割りのフォームで殴りつける。これによって多少のダメージを負いはしたものの斧担当二人を戦闘不能にすることに成功した。
 残るは千陽、プリンス、桜の三人だ。
 対するは斧担当一人とライフル担当二人。隊列としては前衛1と後衛2である。
 互いにブロックはしきれないので取っ組み合いになるところだが、積極的に前へ出た千陽が斧担当の攻撃を引き受けていく。
 無頼と隆槍による弱体と特殊攻撃の複合で斧担当を押し込んでいき、比較的優勢。
 ライフル担当が加勢に入ろうとしたが、桜が積極的に弱体や毒化を仕掛けていたので徐々に優勢に傾いていった。
 千陽のダメージがそこそこかさんでいったが、桜が用意していた樹の雫でカバー。序盤での集中砲火によってノックダウンしてしまうことは避けられなかったが、頭数を減らしてからは戦闘不能にならずにしのぐことが出来た。敵の弱体化と味方の回復を両立させる桜のスタイルが攻撃的な千陽のスタイルとうまく噛み合ったのだろう。
 そこへプリンスがあえて召雷のみによる列攻撃に絞ったことでうまくループが回ってくれた。
 展開としては前衛の斧担当をしのいでいるうちに集中砲火で撃破。敵の頭数を減らした所で列攻撃連打によるパワーで押し切り、多少のダメージはあれど敵集団の全滅に成功した。

●交渉
 死神スーツの集団を戦闘不能にし、要所を破壊することでスーツを脱がすことに成功した。
 脱がした後のスーツは一般的な仮装スーツに戻ったので、運搬にも苦労しなかった。
 着せられていた人間たちの様態が気になったが、極度の脱水症状や飢餓、骨折や筋肉の断裂などを起こしていたため、桜や隆五が応急処置を施しながら救急車を手配した。
 というわけでスーツの回収率は100パーセントである。
 この後、場所を変えて蒐囚壁財団のエージェントと落ち合った。
 隆五やタヱ子をはじめ、多くのメンバーは蒐囚壁財団とは友好的に付き合いたいと考えていて、その旨をエージェントに語って聞かせた。相手もこちらをある程度警戒している様子だったが、こちらの態度を見て警戒を緩めてくれた。
 緩める証明としてエージェントは、蒐囚壁財団がファイヴを観測した段階で危険なテロ集団ではない保証がなかったので、一旦戦い方や接し方を見ることにしたことを語った。
 世の中にはイレブンのように『正義のふりをした憂さ晴らし』の組織は多くあるので、蒐囚壁財団はそここそを警戒したようである。
 また、千陽が財団の現状やマッチポンプ博士の情報提供を求めたが、保安上の問題で教えることはできないとエージェントは語った。当然ファイヴも本拠地や夢見の数や敵組織の詳細を教えるわけにいかないので、千陽はその返答に納得できる。
 しかし信頼を得る必要があるとして、エージェントは蒐囚壁財団が世界中に名前や形態を変えて存在しており、蒐囚壁財団というもの自体日本で活動するための支部であることを語った。古妖(ちなみに彼らは『怪異』を呼ぶ)はずっと昔から世界中に存在しており、これらが人類を滅亡させうる可能性が一パーセントでもあるなら封じ込め処置をとるということを繰り返しているという。ただし日本は妖災害移行覚者集団や妖発生によってあらゆる収容施設が壊滅してしまったので、全ての収容施設は海外にあることも語った。もしファイヴが信頼できる上に人類に対して安全な組織であれば、脱走した怪異の再収容依頼を相応の金銭報酬によって行ないたいことも話した。
 これは慈雨も求めていた情報だったので、彼らとは友好的な付き合いができると思えた。
 どうやら蒐囚壁財団は日本というエリア自体を封じ込め不能な怪異として認定しているようで、覚者はもちろんF.i.V.Eにも攻撃的な姿勢はとっていないそうだ。勿論集団である以上過激派もいるだろうが、総意としては警戒する必要はないだろう。
 というわけで、スーツの引き渡しである。
 プリンスや遥たちは回収したスーツを折半することを提案した。
 特にプリンスは解析して公開することを語ったが、蒐囚壁財団はこの技術が一般化することでテロリストが強化されるおそれがあるためやめてほしいと話し、できれば残りのスーツも回収したいので今後もファイヴと交渉を続けていきたいと話した。そのためにはファイヴが持て余している『敵対的だが殺したくは無い古妖』の封じ込め処置にも協力できると話した。
 ラーラが求めた情報提供に関しては、蒐囚壁財団も情報を欲しているため『確証のあるもののみ交換していこう』ということで話し合いが成立した。
 この情報交換の中で、小唄が心配していた一般市民への被害は最小限に収まっていることが分かった。テロリストによる有毒ガス散布の情報をローカルテレビ機関を使って広めることで完全な避難を促したようだ。呼びかけて回るだけではホラ呼ばわりされてしまうので、ファイヴにはできない操作である。さすが古参の秘密組織といった所だろうか。
 最後に桜が個人的な質問として、死者蘇生技術は存在するかと聞いた。エージェントは、存在するがあなたの望んだようになるとは考えられないと語った。
 こうして、蒐囚壁財団との交渉を終了させた。
 今後も友好的に付き合うことができるだろう。場合によってはこちらから働きを依頼することもあるだろう。

■シナリオ結果■

成功

■詳細■

MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし




 
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