≪初夢語≫はるか宇宙のかなたで……
≪初夢語≫はるか宇宙のかなたで……


●あらすじ
 銀河合衆国には混乱が渦巻いていた。銀河合衆国のなかでも辺境にある惑星、ゴリンが突如「ゲンソ」を欲望のままに扱う者たち、「リジェクター」達のクーデターによって征服されたのだ!
 彼らの要求はただ一つ、銀河合衆国軍に存在する「ゲンソ」を正しく扱う者、「トゥルーサー」によって組織された特殊部隊F・i・V・Eの解体。それを呑み込めない場合、ゴリンに住まう、未来を予知することの出来ると言う人々、通称「ヒトユメ」を殺すというメッセージを議会へと突きつけた。
 ゴリンは辺境とは言え、銀河合衆国で重要な役割を担っている。なぜならば銀河合衆国の平和は「ヒトユメ」と「トゥルーサー」との共存によって成り立っているからだ。
 彼らを見捨てることは出来ない。事態を重く見た合衆国議会は、極秘裏にF・i・V・Eの招集を決定。少数精鋭の部隊を組織し、事態の鎮圧を目論むことにした……

●ブリーフィング
「集まってくれたようだな。協力に感謝する。さっそくだが、作戦の概要を並べよう」
 トゥルーサーたちを前に、ヒトユメの男は小さく礼をした。男が腕を広げると、それをなぞるようにホログラムが浮かび上がる。それはゴリンにある、リジェクターたちが制圧した拠点の地図であった。
「現在ゴリンの拠点にある防衛設備の大半は彼らの手に渡っている。防衛設備の大半は大規模な攻勢のためのものだ。君たちを止める物では無い。問題は、警備歩兵として配備されている戦闘用ドローン。通称バトローンだろう」
 ホログラムの上に、ブラスターライフルを持つ、脱力しそうな名前に違わない外見――ドラム缶に手足が生えたような不細工な外見のメカが映る。
 その後、地図の至る場所に赤い点が示される。それがバトローンの配置されている場所を示していた。
「基地内部でも、多数が配備されている。元はヒトユメたちの護衛に使っていたものなのだが……皮肉なことだ。君たちは、この警備を突破する必要があるだろう。とはいえ、ブラスターの狙いは単調だ。ごく短時間の予測能力に長けた者ならば、弾き返すことも可能だろう」
 ホログラムに表示されたマップに、いくつかの情報が示される。厳重な警備を突破する最短のルート。手薄な部分を叩いて進む迂回ルート。通気用ダクトを通って進むルート、全ての防衛設備を統括するマザー・コンピューターの置かれるサーバールーム、エトセトラ。
「リジェクターも、かなりのやり手の筈。指導者であるDという男。奴はレーザーブレードの使い手だ。くれぐれも警戒してあたってくれ」
 覚者達の顔をヒトユメの男は見渡した。トゥルーサーさえも知覚できない一瞬、その男の顔が全く別の生物のそれに変わった。男はニヤリと笑い、拳を胸に軽く当てる。
「君たちなら出来る筈だ。ゲンソと共にあれ!」


■シナリオ詳細
種別:通常
難易度:普通
担当ST:文月遼、
■成功条件
1.ヒトユメたちの救助
2.ゴリン基地を制圧したリジェクターの撃退
3.スペースオペラ的なノリを楽しむ
 あらすじの部分は、壮大なBGMとテロップを沿えた感じで補完をお願いします。文月遼、です。何でもありと言う事なのでオマージュです。オマージュですってば。

■初夢依頼について
 この依頼は参加者全員が見ている同じ夢の中での出来事となります。
 その為世界観に沿わない設定、起こりえない情況での依頼となっている可能性がありますが全て夢ですので情況を楽しんでしまいしょう。
 またこの依頼での出来事は全て夢のため、現実世界には一切染み出す事はありません。

 ※要約すると一夜限りの夢の出来事なので思いっきり楽しんじゃえ!です。

■設定
 あらすじ通り、SFファンタジー的な世界観です。「覚者」が「トゥルーサー」、「隔者」が「リジェクター」、「夢見」が「ヒトユメ」と呼称が多少変わっていますが、示している意味そのものに違いはありません。

■ロケーション
 惑星ゴリンに存在する、防衛用の軍事基地です。現在リジェクターがほとんどの設備を掌握しているほか、構成は一階と地下の二層になっており、地上には司令室やセキュリティルーム、サーバールーム、地下には独房や監視室があります。

■エネミー
 バトローン×多数(プレイングによって道中、ボス戦時に戦う数が変化します)
 ・レーザーライフル 遠特単 [火傷]
 ※一部スキルを所持している場合、ランダムでダメージ軽減、回避、弾き返しが発生します。
 ・体当たり 近物単

 リジェクター×3(一般兵。いずれも火、彩の因子)
 独特のマスクをはじめとする装甲服に身をまとったリジェクターの尖兵です。
 ・レーザーライフル 遠特単 [火傷]
 ・五織の彩
 ・応援要請 自 後衛にバトローンを呼び出します。ある行動によって使用不可

 D(ボス、天行、現の因子)
 漆黒のローブと、鬼を思わせる面に身を包んだ、ゲンソの力に魅入られ、力を思うままに振るうリジェクターの司令官の一人です。
 ・B.O.T
 ・リフの構え 自 [反射]
 ・招雷
 ・ダブルレーザーブレード 近特単 [二連][炎傷]
状態
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
(0モルげっと♪)
相談日数
7日
参加費
100LP[+予約50LP]
参加人数
6/8
公開日
2016年01月18日

■メイン参加者 6人■


●戦争だ!
 自然と構造物の調和した惑星ゴリンの唯一の軍事基地。そこはドラム缶のような太い円柱にレーザーライフルの備わった戦闘用ドローン――通称「バトローン」。それらは基地のあちこちに散らばっていた。警備のために、そして隠れている軍関係者を殺すために。バトローンは、上空に三つの流れ星が見えたことに気が付いた。くるりとメインセンサーを回し、注意を向ける。それらが隕石などではなく、機械的な、ちょうど一人がすっぽり収まるほどのポッドであること、そしてそれらがまっすぐ、滑走路へ落ちているということに気付く。ビープ音を鳴らしながらすぐさまレーザーを頭上へと向けるが、もう遅い。摩擦で赤く輝くポッドがバトローンを押しつぶし粉々に粉砕。お腹の底にまで響く振動と土煙を上げて三つのポッドが強引な着陸を見せる。
 バトローンたちはすぐに異常に気が付き、そのポッドの一つへと近づく。扉へマニピュレータを伸ばした瞬間。バガン! と内側から扉が吹き飛び、バトローンもそれに合わせて吹き飛ばされる。吹き飛ばされたと同時に、別のポッドから飛んだ、赤い閃光を曳くレーザーがセンサーを過たずに撃ち抜いた。
「やー、やっぱり強襲用ポッドから出る時の解放感。クセになるでありますなー。しかし、整備不良か扉が重い……ん?」
 『暁の脱走兵』犬童 アキラ(CL2000698)は、大きな伸びをして地面へ降り立つ。くすんだ鈍色の装甲服を着た彼女を、『二重未来世界』空閑 ぼいど(CL2000958)が小突いた。銀色の装甲と緑のバイザーが印象的な装甲服が吹き飛んだバトローンを指差した。
「なるほど! まずは一つということですな……それに、続々と」
「報酬分は、暴れなきゃね」
 筋さえ通りゃ金次第でなんでもやってのける命知らず。不可能を可能にし、巨大な悪を粉砕する特攻野郎がモットーである(主にアキラが触れ回っている)女傭兵二人を取り囲むように現れるバトローンの群れ。その一角が、赤い閃光と共に薙ぎ払われた。
顔を覆う仮面と、柄の両から刃を放つダブルレーザーブレードを振るう青年。『堕ちた正義』アーレス・ラス・ヴァイス(CL2000217)の援護だった。
「お手伝いしますよ。女性にばかり荒事を押し付けるのは本意ではありませんから」
「赤いブレード……」
「姉さん。昔は昔。今は今、だよ」
 アキラは親を、アーレスを含め多くのゲンソを操る者が使用するそのブレードによって殺された。赤い刀身は欲望のままに力を振るうリジェクターの証でもあった。F.i.V.Eに所属以上、今は味方だ。
「分かっているでありますよ。心配性な妹でありますな、ぼいどは」
「姉さんが、色々大味なだけ」
 アキラとぼいどは己の装甲をゲンソの力によって強化しつつ、構えている巨大なライフルや、腕に備わったレーザーマシンガンを連射し、時には思い切り殴りつけてバトローンを牽制。飛んでくるレーザーを見切り、装甲で弾く。弾かれたレーザーが別のバトローンへ当たり、もんどりうって倒れた。
「訓練用のシューティングターゲットの方が、マシ」
 ぼいどは片膝を着いて姿勢を安定させ、巨大なライフルを構える。単なる一発。けれどもバトローンの装甲を貫き、その向こう側を見通せるほどの巨大な穴を作る。
「ふっ!」
 身体の力を抜いて、アーレスは己の直観に全てを委ねてブレードを振るう。両刃は時に盾となり、時に全てを切り裂く矛となる。レーザーブレードには、いくつかのスタイル(型)というものがある。アーレスのものは、その中でも最も習得の困難なヤーカイの型と呼ばれている。それはゲンソの悪の面――欲望や強い衝動的な感情に任せた者、『リジェクター』の中でもごく少数しか操れないものだ。
 戦況は優勢。凄腕のトゥルーサー三人に、作業用ドローンに毛が生えた程度のバトローンに勝ち目があるはずがない。が、物量差は圧倒的だった。
「報酬の値上げ、交渉する?」
 ぼいどの言葉に肯定するように、アキラは装甲でレーザーを弾きながらバトローンを貫手で貫き、内部にレーザーをぶちまけた。肌にぴりぴりとする危険を感じ取りながら、彼女は己を奮い立たせるために叫ぶ。
「どうも皆さん、ご存知でしょう?リジェクターは大嫌い、傭兵姉妹でございます。おみまいするぞー!」

●オペレーション・イントルーダー
「おいおい、マジでこっちで合ってるのか?」
 アーレスたちが激しい戦いを続ける中、薄暗いダクトを腰を屈めて進む男が三人。一番後ろを進む『侵掠如火』坂上 懐良(CL2000523)は、代り映えのしない通路に耐え兼ね、思わずぼやく。それを聞いて、真ん中にいる四月一日 四月二日(CL2000588)は振り向いて普段通りのにへらとした笑みを浮かべた。
「へーきへーき。俺の弟弟子は優秀だから。な?」
「ええい、黙っていろ。気が散る」
 赤祢 維摩(CL2000884)は振り向かずに素っ気ない言葉を返す。時折頷いて、ダクトを先導している。その動きは迷いが無い……正確には、何者かの導きを受けているようだった。その様子を不思議がって懐良は四月二日に問いかける。
「なあ、アイツ。何で道が分かるんだ?」
「ああ。赤祢くん? 彼は聞こえるのさ。ゲンソと一体化した人の声がさ。だから、うっかり死んでも安心だ」
「笑えねぇよそれ……」
 四月二日の冗談とも本気ともつかぬ言葉に懐良が呆れる。しばらく進んだところで維摩が停まった。後に続く二人も立ち止る。
「言っておくが、俺の仕事は頭脳労働だ。敵の始末は兄弟子殿とお前の仕事だ」
 雑談を止めて、懐良は表情を引き締める。四月二日は先ほど通りのにへらとした
「下には何人いる?」
「ガラクタが二機、無能が一人。荒事はお前たちの方が得意だろう?」
「まーね。……んじゃ、せーので行こうか。一応、赤祢くんが先頭だし、フォロー位お願ね」
「んじゃあ、行くぜ。せーのっ!」
 せまっ苦しいダクトから、三人が弾丸の如く飛び出す。それと同時に四月二日と懐良は腰に吊り下げた金属の筒を取り出す。そこから鮮やかな光の刀身が伸びる。四月二日のものは青色の、そして懐良のそれは緑色。
 落下の勢いを乗せ、懐良はレーザーブレードを振り抜く。鮮やかな奇襲。それになす術もなく、リジェクターの一人はよろめく。懐良の型はシン・ロンの型と呼ばれている。先制攻撃、切り込みに長けた攻撃的なスタイルだ。
「とどめは貰っていくよ」
 よろめいたリジェクターに、維摩が両の手から強力な電撃を放つ。ゲンソの力はなにも、強化ばかりではない。レーザーブレードが野蛮であると使うことを好まない者も少なくは無い。
 その動きを追うように、バトローンが動く。狙いを定められたと知った維摩が、四月二日の背後へと動く。レーザーが放たれた瞬間、四月二日は弓を引き絞ったような構えから、ブレードをコンパクトに動かし、レーザーをバトローンへと弾く。ブレードを振り抜くこともなく、彼はバトローンを制圧した。クラウソラスの型。先の二人よりも攻撃には劣るものの、隙を突くコンパクトな戦闘はドローン相手に相性が良い。
「おいおい! 今の避けられただろ?」
「言っただろう。荒事はお前たちの得意分野だと。分業を徹底することは悪い事じゃないだろう」
「ったく。可愛げのない弟弟子だこと」
 見ようによってはじゃれ合いともつかぬ言い争いを続ける二人を尻目に、懐良はブレードを構えながらコンピューターを見上げる。少し悩んでから、ニヤリと笑う。
「どいつをぶっ壊せば……いや。時間が無ぇなら、考えるよりも、だ!」

●見えうる脅威
 陽動を行うアキラ、ぼいどの二人のコンビネーション。その隙間を補うようにしてアーレスが動く。
「吹き飛んで」
 構えた巨大なライフルが、数体のバトローンを飲み込む。それをすり抜けたバトローンは、アーレスが薙ぎ払う。単調な行動しかしないバトローン。それは彼らにとって敵では無い。けれども、それが数十。もしかすると百を超える数字とあれば話は別だ。
「これじゃあ、キリがないですね……」
 ぼいどとアキラの装甲は、致命的なダメージこそ無いが、煤や焦げ跡は格段に増えている。アーレスも、ゆったりとしたローブの裾は焼け焦げている。
「ジェロニモ―!」
 傍から見ればコンバット・ハイもかくやという叫びを上げながら、アキラは両腕を突き出してマシンガンをばらまく。けれども、その途中でふと腕を下ろす。
「……? どうしたの」
「ああ、いや。どうも、さっきまでの危険な感じは消えていて……お?」
 ぼいどは、アキラの言葉に、きゅるきゅると近づいて来るバトローンを見た。センサー類は既に光を失い、ただでさえ単調な動きはほとんど慣性の従うままになっている。
 ごつん、とぼいどの装甲にぶつかったそれは倒れてビープ音を鳴らし続けている。
「先に進むトゥルーサーが上手くやってくれたようですね。私たちも内部へ行きましょう」
 アーレスはジャンクと化したバトローンの山を器用にすり抜ける。ぼいども頷き、それに続く。
「ああ、待つでありま……あいた!」
 アキラもそれを追うが、積み上がるバトローンの山をくぐろうとして、高さを見誤り、頭を盛大にぶつける。
 陽動に回る彼女らが進むと、ちょうどマザーコンピューターを破壊した三人と鉢合わせる。それなりに広い円状の、真っ白な空間だった。所々には制御用の機械が置かれ、部屋の隅にはコンソールと、色の違う足場がある。どうやらそれがエレベーターのようだった。
「ここに集まれるってことは、後は司令官どのを潰して人質の救助ってところか」
「その機会は当分来ないぞ」
 合成音声めいた声に、トゥルーサーたちが振り返る。白い装甲服を着た兵士と、白い空間に映える、漆黒のローブに身を纏う男。その手には四月二日らの持つものと同じ柄が握られている。その柄の両方から、赤い刃が伸びる。トゥルーサーたちも、得物を構える。
「俺はトゥルーサーのワタヌキエイジ。キミも名乗れよ、リジェクターの司令官殿」
「……D」
「dangerのD? それとも、dreamの……」
 アキラがふと考え込んだ瞬間、Dが動く。

●アウェイクン
「気をつけろよ。あれはリフ・ヤーカイの型。下手な攻撃を仕掛ければ、反撃を受け兼ねん……奴の眼……片方は義眼か?」
 維摩が意識を集中させる。ただならぬ敵であることは分かっている。それでも、突破口を開くためにはどんな些細な情報も必要だった。
「だったら、これならどう?」
 ぼいどがライフルを構え、ブッ放す。不用意に近付く兵士の一人を貫き、それでも勢いを残して飛ぶレーザー。それを、Dは弾いて見せる。それも、ぼいどへと。直撃こそしないし、威力も死んでいる。けれども、それは実力を見せるに十分だった。
「なるほど。強敵のようです。ならば、私も!」
「よせ、不用意に――」
 四月二日の制止も待たず、アーレスが間合いを詰める。鋭い剣戟が数度交わされる。けれども、ヤーカイの型を制するのは、より強い感情と欲望に支配された者。膝をついたのは、アーレスの方だった。
「その剣、その型――もとはこちらの人間か」
「答える……義理は無い!」
 仮面の下から血を流し、アーレスはDを睨む。その首を撥ねんとブレードをかざした瞬間、その背後から、四月二日と懐良が青と緑の光刃をきらめかせて飛び込む。
「選手交代だ」
「何があったか知らないが、任せろ」
「ほう……理解者気取りか。お前たちは知っているのか。その赤いレーザーブレードの持つ意味を」
「知ったことか!」
「今は今だからね。揺さぶるつもりなら、見通しが甘い」
 懐良がブレードを振り抜く。それに合わせて、四月二日も間合いに飛び込む。型としての相性は悪くは無い。赤と緑の光が白い空間で幾度となくぶつかり合う。その間隙を縫うように、青い光が割り込んだ。それにリジェクターの二人は狙いを定めている。
「お約束を破るとは、無粋でありますよ。そういうの!」
 アキラが拳を握り締め、一気に床を蹴る。それに気づき、兵士は銃を盾にする。
「ふん!」
 堅牢な装甲。そして鍛え上げられた拳は、銃をへし折り、奥の兵士にも拳を届ける。
「あの馬鹿どもとて、後ろから撃たれればただでは済まん!」
 維摩もまた、両手を突き出し、そこから電撃を放出する。見ようによっては、悪役のそれだが、狙いは過たずに兵士たちに電撃を浴びせ、昏倒させる。
 Dとの剣戟は、まだ続く。戦況は五分五分といったところ。どちらも最後の一手が欠けていた。一進一退の攻防が続く中、アーレスは先ほどの維摩の言葉を思い出し、叫ぶ
「左眼だ。飛び込め」
 その意味を察したところで、四月二日が前へと飛び出す。自分の身体を広げ、Dの視界を覆う様に。その身体を、ブレードが貫く。それとほとんど同時に、Dから見て左側。彼の死角から、懐良が飛び出した。
「宇宙の根源へ、帰れ!」
 緑の光が二度閃く。Vの字に切り裂かれたDは、驚きの呼気を漏らし、がくりと膝を着き、そのまま動かなくなった。
 同じくがくりと倒れた四月二日。そこへ、アーレスがゆっくりと近づく。
「あんな無茶……どうして」
「なんでだろーな……まあ、生きてるからいーんじゃない?」
 咳き込みながら、荒い息で、四月二日はにへらと笑った。それを維摩が抱き起し
「後はヒトユメを助けるだけだな」
 といって、エレベーターを見る。しかし、既にエレベーターは動いた後で、下へと降りていた。
「そう言えば、ぼいどの奴はどこへ……?」
 アキラがきょろきょろと見回したと同時に、エレベーターの昇る機械音が部屋へと響いた。トゥルーサーが新たな敵を警戒して、身構える。上って来たのは、ぼいど。そして、ゆったりとしたローブに身を包んだ人々――ヒトユメたちだった。
「……人質、確保したよ」

 ――かくして、銀河の平和、そして調和は保たれた。しかし、歴史の裏側に隠され、その事実は銀河合衆国史に載ることはなかった。けれども、真実を知るものは、英雄たちの存在を忘れはしないだろう……

■シナリオ結果■

成功

■詳細■

MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし




 
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