消え行く過去にすがるもの
消え行く過去にすがるもの


●田を返せ
 かつてはのどかな田園風景が広がっていた場所も、近代化の波に飲み込まれていく運命にあった。
 多数の住人を見込んだホームタウン化の計画が持ち上がり、農家の高齢化や後継者不足も手伝って、再開発の名の下に埋め立てられてゆく先祖伝来の田畑。多くの住人が寂しさも覚えつつ、これからの新しい町の発展を想像していた矢先。それを許すことの出来ない存在もまた、この地には残っていたのだ。
「田ヲォ……返セェェェ……」
 深夜、埋め立て途中の水田におどろおどろしい声がゴボゴボと響く。古くより田を守り、田と共に生きてきたそれは、かつてない程の怒りに煮えたぎる様ですらあった。
「田ァァァァッ!!」
 一際大きく張り上げられた異形の声が、夜の静寂を震わせた。

●今ならぐうたら巫女のおまけ付(強制)
「再開発の煽りで、古妖『泥田坊』が姿を現すみたいだ。このままだと結構な被害が出そうなんで、皆に事前に止めてもらいたいんだ」
 久方 相馬(nCL2000004)が予見した光景は、泥田坊が数多くの重機を破壊した上、周囲の土地を液状化させてしまうというものだった。
 古妖『泥田坊』。古くからある水田を守ってくれる比較的友好な古妖なのだが、田を売り払ったり取り壊したりすると取り返しに現れると言われている。
「で……今回の依頼は、この人にも同行してもらう」
 相馬の視線の先、隅の方で惰眠を貪っていた巫女装束姿の女性が、相馬の声にはっとした表情で顔を上げた。
「あ、説明終わった?」
「まだだよ。っていうかやる気出せよ。あんたの住んでた土地の話だろ?」
 女性の名は鹿金・威織(nCL2000111)。獣の因子を持つ覚者であり、今回の事件の起こる町に住んでいたらしい。今ではF.i.V.E.の研究所に居候している。
「あー、そうそう。なんかね、マンションとか建つって話で。便利になるのは楽だし良いけど、古妖とか出てくるとねぇ……」
 あまりやる気は見えないが、それなりに危機意識はあるらしい。そんな様子の威織は放って置いて、相馬は説明を続ける。
「相手の数は2体。パワーはあるけど、知能はそこまで高くないみたいだ。きちんと説明して納得してもらうのが一番だけど、怒り狂ってるから一度大人しくなってもらわないといけないかな」
 詰まる所、戦闘で抵抗する力を奪わないことには、話も聞いてもらえないらしい。戦闘後にきちんと、再開発は人の為になることや、田んぼを管理できる人がいなくなってしまったことを伝えてあげれば、説得は出来るだろうとのことだ。
「昔々に農家の人とした約束を、ずっと守ってるんだな。泥田坊に田んぼを守ってもらう代わりに、きちんと毎年水を引いて泥田坊の住処を守る。そうして共生関係が成り立っていたんだ」
 それが、崩れてしまった。泥田坊の為にも人間との関係を悪化させる訳にはいかないだろう。何とかして欲しい、と締めると、相馬は威織に視線を向ける。
「えー、アタシも行くのかよー」
「当たり前だろ! 何の為にここまで来たんだよ!」
 マイペースを崩そうとしない威織に盛大に溜息を吐き、相馬は改めて覚者達に向き直って言った。
「……こんなのが一緒だけど、頼むよ。皆ならきっと何とか出来ると信じてるから」
 何を、とは明言せず、相馬は覚者達を現地へと送り出すのだった。


■シナリオ詳細
種別:通常
難易度:簡単
担当ST:鉄機
■成功条件
1.泥田坊に戦闘で勝利
2.泥田坊の説得を成功させる
3.なし
鉄機です。
田を潰された泥田坊の沈静化と説得をお願いします。
なお、今回はNPCとして鹿金・威織が同行します。

■戦場
埋め立て中の田んぼ付近になります。
今年は農作物を作っていないため、水は抜かれています。
ただし、泥田坊が出現すると次第にぬかるみ始めます。
ぬかるみ始めると足を取られかねませんのでご注意ください。
また、その特性上、良くて泥はね、悪いと泥まみれが予想されます。
何かしらの対策(タオルや着替えの用意、汚れても問題ない服装など)をしておくといいかもしれません。
なお、泥田坊が出てくるのは決まって夜になります。
周囲は再開発中の現場になりますので、照明の類は期待できません。
事前に用意しておくことをお勧めいたします。

■戦闘対象
泥田坊×2:古妖/知性は子供並み。言葉は片言。
人型の上半身が、ぬかるんだ地面から生えたような姿の古妖です。
名前の通り泥で出来たような身体をしていますが、力は強いようです。
出現する個体は、古来より守ってきた田んぼが潰されて怒り狂っています。
まともに会話をするには、戦闘で勝利して沈静化しなければなりません。
攻撃方法は以下。
・泥飛沫 :列 威力小 付加効果:鈍化
・ぶん殴り:単 威力中 付加効果:なし
戦闘で覚者達が勝利すると、落ち着いて会話が出来るようになります。
普段どおりであれば割と話の通じる性格をしていますので、説得難易度は低めです。
が、あまりに突拍子も無い内容だと、そもそも理解してもらえないかもしれません。

■威織
同行するぐうたら巫女です。現場付近の神社に住んでいたようです。
覚者としては発現したばかりで、まだ大して強くはありません。
基本的にやる気はありませんが、言われた仕事はこなします。
プレイングにて指示頂ければ(矛盾が無い限り)指示通りに動きます。
特に指示がなければ、皆さんの邪魔にならないように、それなりな仕事をします。
何かあればどうぞ。

それでは、頑張ってください。
状態
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:0枚 銅:3枚
(0モルげっと♪)
相談日数
7日
参加費
100LP[+予約50LP]
参加人数
4/6
公開日
2015年12月06日

■メイン参加者 4人■

『イランカラプテ』
宮沢・恵太(CL2001208)
『天を翔ぶ雷霆の龍』
成瀬 翔(CL2000063)
『桜火舞』
鐡之蔵 禊(CL2000029)
『信念の人』
成瀬 漸(CL2001194)

●田んぼに纏わるエトセトラ
 見渡せばのどかな風景。季節柄、少し早い夕暮れの太陽が周囲を朱に染めてゆく。覚者達は、問題の開発現場に足を運んでいた。各々、汚れても良いようにとつなぎやジャージに着替えている。
 日中、覚者達は同行する鹿金・威織(nCL2000111)に質問を投げかけた。ひとつ、泥田坊が出現する田の所有者について。ふたつ、泥田坊が移住できそうな田の心当たりについて。
 聞けば、所有者は長年連れ添った老夫婦であったらしい。しかし昨年、旦那さんが他界し、後継ぎもなくひとりきりの奥さんは止む無く農家を廃業。「人の為になるなら」と、先祖伝来の田を手放したらしい。
 既に本人は養護施設に入所しているらしく、以前住んでいた家もすっかり整理されていた。
「奥さんも、辛かったんじゃないかな」
 『罪なき人々の盾』鐡之蔵 禊(CL2000029)の胸中には、たったひとりの愛する家族に先立たれ、人生の大半を共にしてきた田も面倒を見れなくなってしまった奥さんの心境が想起される。
 きっと、この場所には思い出が詰まっていて。その近くに居続けるのも、それが消えてゆく様を目の当たりにするのも、耐え難いものだったのだろう。
「まー、この辺じゃ最近はよくある話だよ」
「農業はゆるくないべさ……だけどさ、やっぱし寂しい話だべ」
 達観した風のある威織の言葉に、『イランカラプテ』宮沢・恵太(CL2001208)も悲しみを露わにする。時代の流れと一口に言ってしまうのは容易い。だが、そこには様々な背景がある。『清徹貫流』成瀬 漸(CL2001194)にも思うところがあるようで。
「……まあ、住む場所とか、土地とか。妖に限らず人間にだってそういう争いは頻繁に起きているもんなぁ」
 年齢からくる経験で、漸にとっては何度か見聞きしたことのあるような話ではあった。しかし、それによって古妖との確執が起こってしまうのは、出来れば避けたい。
「移住先としては、やはり例の」
「ちっと距離あんのが面倒かもだけどねー」
 五麟学園の所有、というわけではないのだが、別の農業大学が所有する田が土地開発区画から外れた地区に存在することが、威織の口から明らかになっていた。泥田坊の移動がどのように行われているかは定かではないが、移住先としては適当だろう。実際に下見をした感じだと、定期的に手が入れられているらしくこざっぱりとした印象を受けた。
「田んぼを守る古妖かー……いい奴なんだよな、きっと」
 『デジタル陰陽師』成瀬 翔(CL2000063)にとっては、農業は学校で体験したくらいしか触れた機会はない。だが、それでもわかることはあるつもりだ。
「なんとかしてやりてーな」
「それがあたしたちの役目だもんね」
 翔の言葉に禊が乗る。思うことは皆同じなようで、恵太と漸も頷きを返した。
 間も無く日が暮れる。皆が笑顔になれる結末を迎える為に、覚者達は改めて気を引き締め直した。

●やがて日は暮れ闇が落ち
 日が暮れて暫しの間、動きらしい動きはなかった。街灯もなく、日が暮れれば闇一色に染まる開発現場は、木々のさざめく音だけが静かに響き──
「すぅ……」
 ──寝息もひとつ混じってはいるが。それでも、覚者達の緊張は途切れることはなかった。その甲斐あって。
「来たね」
 漸が短く告げる。埋め立て途中の田の中央、ごぼごぼと音を立てて何かが競り上がってくるのが、禊以外の【暗視】を持つ三人には見えた。翔は履いていた靴を脱ぎ放ち、裸足になり。咄嗟に恵太が威織を揺り起こす。
「鹿金さん、起きて!」
「ふにゃっ!」
 両手に構えた懐中電灯で照らせば、乾いた田の中心地が水気を帯びて揺らいでいるのが見て取れた。沸騰するようにボコンボコンと水泡が生まれ、競り上がる泥が人の上半身の形を成す。頭部からぎょろりと覗く眼は片目しかなく、もう片方の眼は閉じているのかそもそも存在しないのか、黒い泥に覆われてわからない。
「これが、泥田坊──」
 ビジュアル的には結構なものなせいか、翔の頬に冬も間近だというのに汗が一筋流れる。生まれ出た泥田坊は二体。いずれも片目しか見えないが、それぞれ右目と左目を開けているようだ。
「田……田……田田田田田田田田田田……」
 泥田坊の口から、くぐもった声が漏れ出た。その怒りを表すかのように、身体中の泥がぼこぼこと泡立ち、泥田坊の周囲の土がどんどんと泥へと姿を変えてゆく。
「田ヲォォォ……返セエェェェェェッ!!」
 その絶叫が、戦闘の合図となった。

●泥まみれでも思いは真っ直ぐに
「お願いだから、落ち着いて話を聞いて!」
 禊の必死の掛け声にも、泥田坊は聞く耳を持とうとはしない。仕方なしに鋭刃脚で応戦する禊だが、その感覚に違和感を覚えた。
「なにこれ、変な感触……」
 硬いような柔らかいような、どちらとも判別のつかない感覚。泥田坊自身が泥で出来ているのか、インパクトの瞬間とその後とで脚にかかる負荷が異なることに禊は気づく。見れば、泥田坊のひしゃげた身体は徐々に元の形に戻ろうとしているようだ。ダメージの蓄積が見た目でわかりにくいというのは、少々やり辛い。
「君たちが怒る理由もわかりはするが、なっ!」
 漸の放つ赤い衝撃が泥田坊の片割れを撃つ。中衛に立つとは言え、足元のぬかるみには注意を払わないと、いつ転倒するかもわからない。漸が気を配るべきことは多岐に渡っており、なかなか集中を続けるのが難しい。
 そんな漸を気にかけながらも、翔は【送受心】で泥田坊に自身の気持ちを送り続けていた。
(田んぼって大事だよな。美味いご飯のためには美味い米必要だもんな)
 学校の田植え体験で経験した泥の温かさ。御飯の大切さと、それを作り出す田を守ってくれたことへの感謝。考えれば考える程に尽きない純粋な思いが、次から次へと溢れ出る。
「オマエ達が行けそうな田んぼ、きっと探してやるから!」
 例え、昼間に見つけた農業大学の田がダメだったとしても、絶対に諦めない。それは恵太も同様で。
「おめさんら、約束守るいい奴だべな!」
 泥田坊に接敵しての、ナックルでの威嚇攻撃。注意を引くように動く恵太に対し、手負いの『左目』が追いすがる。
「したから、争うのはやめるべさ!」
 引き付けてさえおけば、仲間が何とかしてくれる。仲間内での実力差と回復役がいないことを考慮すると、恵太に出来る一番の貢献方法がこれだった。しかし、泥田坊の攻撃も決して緩いわけではなく。
「田ァァァッ!」
 渾身の力を込めた泥田坊の拳が、恵太のみぞおちに決まった。たまらず倒れ込む恵太と泥田坊の間に、すかさず翔が割り込む。『右目』が飛ばす泥飛沫に塗れながらも、翔は決して譲ろうとはしない。
「どろんこなんてへっちゃらだ! 小学生舐めんなよ!」
 身体についた泥の塊を演舞・舞衣で落としながら、泥田坊へと向き直る。その声に『左目』が思わず後ろに下がろうとしたのを、禊は見逃さない。
「ごめんね。でも、きちんとお話がしたいんだ!」
 裂帛の気合と共に繰り出される蹴撃が、手負いの『左目』に炸裂する。その身体が元に戻ろうとして、そのまま勢いに負けてべしゃりと地面に倒れ込んだ。
 おそらくは、気絶に近い状態なのだろう。ボコボコと泡立ってはいるが、そのまま起き上がってくる様子はない。まずは一体、とカウントして、漸は『右目』の動向に気を配る。『左目』が倒れたことによって逃げるようなことはないようだが、幾分か困惑している様子が見て取れた。
 だが、戦闘意欲が失われたというわけではないらしい。何とか持ち直した恵太や禊の攻撃にも、臆することなく立ち向かってくる。
「あまり動かない方が得策、かね」
 飛苦無を抜いて飛ばせば、泥田坊の身体にずぶずぶと沈む。効果があるのかわかりにくいが、多少の反応があるところを見ると一応効いてはいるらしい。
「じっちゃん、後は俺が!」
 漸へと声をかけ、翔が泥田坊へと走る。ぬかるんだ地面を文字通り滑るように駆け抜けて迫る翔へと『右目』が腕を振りかぶった。しかし、翔は止まらない。そのまま、泥田坊の腕が翔へと打ち出され──
 翔は、それでも止まらなかった。痛みを堪え、泥田坊の片方しかない目を真剣な眼差しで見つめる。
「オマエ達がどんなに苦しかったかなんて、俺にはわからないけど」
 翔の腕に、波動が渦巻く。
「それでも、助けたいから」
 泥田坊の胸に静かにあてがわれた腕から、波動弾が放たれた。泥田坊の身体は至近距離からの痛烈な一撃に巻き込まれ、地面へとびしゃりと落ちる。
「だから、こっからは話し合いしようぜ」
 にっかりと笑う泥だらけの翔の笑顔が、懐中電灯に照らされて太陽のように輝いた。

●笑顔を守るということ
「なしても話聞いて欲しかったもの、ごめんな」
 ややあって、正気を取り戻した泥田坊に、手荒なことをして済まないと恵太が伝えると、泥田坊も反省はしているようでこちらも素直に謝ってきた。田が放っておかれたことに加えての埋め立て工事で、流石に腹に据えかねての行動であったらしい。人との関わりが基本的にない為に、気持ちのガス抜きも出来ていなかったのが余計に過激な行動に拍車をかけてしまったようだった。
 そんな泥田坊に、禊は優しく声をかける。
「ずっとずっと、約束を守ってくれていたんだよね。本当にありがとう」
 今となっては、それがいつの事なのかなんてわからないけれど、それでも長い時間を、彼らは田と共に過ごしてくれていた。それは間違いのない事実で、素直に感謝に値する。
 けれど今、この田が田としていられなくなってしまったことを、ゆっくりと子供に諭すように禊は話す。持ち主の旦那さんが亡くなってしまったこと。もう農作物を作る人がいなくなってしまったこと。そして、人々の為にと田を手放したこと。人間の身勝手な行動かもしれないが、それでも皆の為を思っての事だったと。
「君達のことを知らなかった、というのもあるのだろうが、そこについては謝罪させて欲しい。済まないことをしたねぇ」
 漸の言葉に少しばかり首を捻って、泥田坊はくぐもった声で答える。
「田……俺タチ、イル、知ラナイ? ……ニンゲン、命、短イ。シカタ、ナイ」
 どうも、人の一生に比べて泥田坊の寿命は長いらしく。人の人生がもう何巡もしていたという事実に、今ようやく思い当たったようだ。
「なあ、他の田んぼに行く訳にはいかねーのか?」
 翔が本題を切り出すと、泥田坊たちは不思議そうに翔の顔を見る。田を守るという一点に注力していた彼らも、約束を果たした今となっては自由の身である。どうやらそこにも考えは至っていなかった様子で。
「勝手さ言って本当に申し訳ねぇども、別の所さ引っ越してもらえねぇべか」
「大丈夫だ。君達みたいな妖が生きる場所は、まだいっぱいあるよ」
 恵太と漸の言葉で、泥田坊たちは合点がいったといった表情を浮かべて、互いに顔を見合わせる。そして。
「ホカ、行クノ、デキル」
 割合あっさりと、承諾してくれたのだった。
 交渉が決まれば、後は早かった。大体の場所を伝えると、泥田坊たちは地面へと沈み込んで消えていく。どうやら、彼らは地中を移動することが出来るらしく、特にコンクリートで固められたりしていなければ自由に移動できるということだった。
「今まで一所懸命働いてけでありがとな。おめさんらのお陰で、皆美味い米さ腹一杯食えたべさ」
「引っ越し先、遊びに行くからなー」
 口々に別れの言葉を口にして、泥田坊たちが見えなくなるまで手を振る。やがて、ぬかるんでいた地面もすっかり乾き、元の地面に戻ったところで。
「しかし、みんな見事に泥だらけだねぇ」
 漸の言葉に全員がそれぞれを見渡すと、服どころか顔まで泥がはねて大変なことになっている。漸の差し出したタオルで各々が身体を拭いていると、不意に灯りが揺らいだ。
「あ、また寝てるー」
 翔が思わず上げた声に振り向けば、懐中電灯を構えたままでこっくりこっくりと舟を漕ぐ威織の姿。
「何にしても、一度きちんと身体を暖めた方が良いね。汗もかいたし、泥もかぶったし」
 季節を考えれば、あまりのんびりしているのも身体に良くないだろう。威織を起こして、覚者達は帰途につく。帰り道、威織が小さく「ありがとう」と呟いたのを、誰が耳にしたかはわからないが。ただ、誰からともなく、微笑みが零れる。
 願わくば、今度こそ彼らに平穏を。そして、来年の新米が美味しく、そして豊作でありますようにと願いながら。

■シナリオ結果■

成功

■詳細■

軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし




 
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