ぬちゃぬちゃねばねばしたつるのむち
●
全く、世界とは理不尽に構成されているものだ。
安全な日常、変哲も無い毎日が一生送れると思っていた。ある意味それは退屈ではあるのだが、一回、危険な世界に足を踏み入れてしまえば、それさえ乞うてしまう程に。
非現実に恋い焦がれてしまうのはよくある事だ。
一種の現実逃避かもしれない。
だが能力者がいて能力者になれない自分がいることに不満を感じてしまうのも仕方の無い事で。
学校で毎日数字や文字や歴史の勉強をしているよりは、遥かに能力者たちの話を聞いているほうが記憶し易いし、昨今、逢魔ヶ時? 血雨? の噂は恐ろしいものはあるが、わくわくどきどきしている自分がいるのも嘘では無いのだ。
素敵な世界。外から見える素敵な世界。
一歩歩んでしまえば、目の前に奈落が広がっている事さえ知らず。踏み出してしまったのは、そう、選択してしまったのは、全て己の自己責任なんだろうかうんぬんかんぬん。
例に挙げれば、今の状況だ。
ビニールハウスで普通に育てていた普通の苗がなんかよくわかんないけど普通よりも遥かに大きくなってぶるんぶるん蠢いて、あ、これもしかして妖じゃね?? やったー! こいつ倒せばなんか面白いかもしれない!! だなんて余裕ぶっこいていた訳で、だが現実そう上手くはいかなくて、ついには枝なのか腕なのかよくわからない緑のそれで私を捕えて身体のあらゆる場所に絡んで来てよくわからない白濁とした液体が身体をねちゃねちゃにしてそれが服を器用に溶かしてい……いいから! もう前置きとかいいから!! 誰か助けて!! あ~れ~!!
●
「妖一体の殲滅と女性の救出よろたむ」
久方 相馬(nCL2000004)は、それ以上多くを語らなかった。
全く、世界とは理不尽に構成されているものだ。
安全な日常、変哲も無い毎日が一生送れると思っていた。ある意味それは退屈ではあるのだが、一回、危険な世界に足を踏み入れてしまえば、それさえ乞うてしまう程に。
非現実に恋い焦がれてしまうのはよくある事だ。
一種の現実逃避かもしれない。
だが能力者がいて能力者になれない自分がいることに不満を感じてしまうのも仕方の無い事で。
学校で毎日数字や文字や歴史の勉強をしているよりは、遥かに能力者たちの話を聞いているほうが記憶し易いし、昨今、逢魔ヶ時? 血雨? の噂は恐ろしいものはあるが、わくわくどきどきしている自分がいるのも嘘では無いのだ。
素敵な世界。外から見える素敵な世界。
一歩歩んでしまえば、目の前に奈落が広がっている事さえ知らず。踏み出してしまったのは、そう、選択してしまったのは、全て己の自己責任なんだろうかうんぬんかんぬん。
例に挙げれば、今の状況だ。
ビニールハウスで普通に育てていた普通の苗がなんかよくわかんないけど普通よりも遥かに大きくなってぶるんぶるん蠢いて、あ、これもしかして妖じゃね?? やったー! こいつ倒せばなんか面白いかもしれない!! だなんて余裕ぶっこいていた訳で、だが現実そう上手くはいかなくて、ついには枝なのか腕なのかよくわからない緑のそれで私を捕えて身体のあらゆる場所に絡んで来てよくわからない白濁とした液体が身体をねちゃねちゃにしてそれが服を器用に溶かしてい……いいから! もう前置きとかいいから!! 誰か助けて!! あ~れ~!!
●
「妖一体の殲滅と女性の救出よろたむ」
久方 相馬(nCL2000004)は、それ以上多くを語らなかった。

■シナリオ詳細
■成功条件
1.妖の討伐
2.一般人の救出
3.なし
2.一般人の救出
3.なし
●状況
・ビニールハウスで女性一人が妖に襲われている。
大変だ、女性はもう白目剥いてびくんびくんと身体を微動させながら気絶している。あと全裸。
今はまだこの植物の妖に殺すまでの力は備わっていないが、ランクが上がるごとに脅威は増すだろう。さあ、覚者よ、今日も世界の秩序のために妖討伐だ!
相談室の扉はSTに都合よく出来ているので、一回入ると覚悟完了するまで出られないぞ、てへぺろ!
●敵
・植物系、ランク1
妖になったのでもう元はなんだったのかよくわからない感じのやつ
特徴としては、ビニールハウスいっぱいっぱいくらいに大きく、鞭のように身体を撓らせる事が可能。枝は何本にも分かれていて、見目こそ脅威
攻撃力は低く、防御力は高い。体力も高く、再生能力も高いから根気が必要
攻撃は物理系の攻撃オンリーだが、一回ツルに捕えられてしまうと2ターンの間身動きが完全に取れなくなる。これはBSでは無いため、脱出不可。運判定適用。
捕えられている間は白い粘液が服を溶かしていく為、覚悟も必要。比較的女性のほうが狙われる。
●注意ィィ!
EXプレに覚悟完了とか書いたら、拙作『夏といえば水着☆ポロリもあるよ!』の惨劇のようになるので、前回の勇者たちの雄々しき姿を一度、目に通しておくのは推奨。よーくかんがえよー自キャラは大事だよー
お手柔らかにとか書いてあったら神妙な顔で優しくします
アラタナルは全年齢なので、全年齢が脅かされるような事が発生すると、どこからともなくマスタリングアタックが発生。全裸とかになっても大丈夫、ここ、ビニールハウスだから緑葉が舞って見えなくなったりするので全くもって大丈夫
●一般人
・失神してます。
名前は阿部ミナ子。一般人であり、大学の研究者であっただけ
それなりにスタイルは良く、可愛いというより綺麗な顔をしてます
●場所
・ビニールハウス。特に戦闘にペナルティ無し
それでは宜しくお願いします
状態
完了
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:0枚 銅:3枚
金:0枚 銀:0枚 銅:3枚
相談日数
5日
5日
参加費
100LP[+予約50LP]
100LP[+予約50LP]
参加人数
6/6
6/6
公開日
2015年10月19日
2015年10月19日
■メイン参加者 6人■

●
世知辛い世の中である。日頃、何をどうすれば一体こんな仕打ちがバチとして返ってくることやら。妖とは恐ろしいものと、聞かされていたのにも関わらず触れぬ神になんとやらということであろうか。死んだ、確実に死んだ、社会的に命を自ら殺した、そう阿部ミナ子はこれまでの一連の流れを後悔していた。できることであらば、一時間前に戻りたいくらいだ。もう意識もないけれども。
だがしかし、世間は捨てたものでは無い。
「あらあら、今回の妖も何だか面白そうね」
ビニールハウスの入口に目を向ければ、そこに。エルフィリア・ハイランド(CL2000613)が翼を大きく広げて立っていた。ミナ子がここで起きていれば助けが来てくれたやったぁ!! と思うより先に、「お姉さん!! 危ないからこんなとこ来ちゃだめぇ!」とエルフィリアの身を案じたのだろうが、恐らく彼女たちには余計な一言であろう。
「大丈夫よ。私たち、助けに来てあげたんだから」
「ただ悪戯するだけなら、可愛いものなのにねん♪」
同じく、魂行 輪廻(CL2000534)も仁王立ちした、覚悟の表れである。ビニールハウスいっぱいに蠢く緑の触手……あ、いや、枝は、ついに能力者たちにも襲いかからんと牙を向けた。
「お、これは危ない」
『デウス・イン・マキナ』弓削 山吹(CL2001121)の声に呼応して、エルフィリアと輪廻は即座にしなる枝のムチを回避したのだが、何を思ったのか枝を両腕に掴んで止めた『全裸一犯』脇森・楓(CL2000322)。
「任せときな!! すぐにそこから助けてやる……いいからだだ」
「事案だ」
山吹は持っていたカメラの角を使い、懇親のちからで楓の後頭部を打った。
ミナ子の程よく硬さの残る胸と、丸みのある全く垂れていない尻。
楓、懇親の眼でミナ子の体を舐めるように見つめていた。だが惜しい、彼女の体の危険であろうと思われる部位はすべて枝とツタにより凝視を妨害されている。あとちょっと横にずらしたりすると全年齢が絶賛終了を迎えるからこれで我慢して頂きたい。
「今すぐ!! 今すぐそのツタと枝、切るからな!!」
「あらあら♪ 煩悩がダダ漏れているのね♪」
「大丈夫よ」
何もかも大丈夫では無い。むしろエルフィリアと輪廻は既にツタに捕まり、プレイが開始されていたのだから。彼女たちの詳しい描写は後ほどとしよう、今は全員を登場させなければならないんだ、もうちょっと待って。
既に白目を向いて立っている天城 聖(CL2001170)。
「妖退治……しに、来たんだよね!?」
誰に問いかけるわけでもなく、虚空にそう言い放った。
「ええ、そうですとも……世のため、人のため、妖退治です……ふふ!」
「あ、タマキとカエデのじーさんだ、今回もよろ……」
そこで言葉を失った。
聖は隣を見た、三度見した。そこには音声だけなら美少年である人が立っていた。
もっと詳しく言えば、全身爽やか学生全開。セーラー服の……『全裸一犯』明智 珠輝(CL2000634)が立っていた。これで妖に女性として見てもらえれば、女性たちに負荷をかけずに済む、むしろ分かち合えて攻撃が分散すると踏んだらしい。
「ほんと何しに来やがったんだアンタラァ!!」
「だから、妖退治です。あ、格好は健全でしょう? 安心してください、靴下も履いてます。紺色ソックスです、学生らしいでしょう……?? ローファもご用意致しましたよ、本日のたまちゃんは抜かりありません。これはもう勝ったも同然」
「そこじゃねんだよ!! もうちょっと抜かりあっても良かったよ!!」
おそらくメンツ一のツッコミ役になりかねない聖は心底既に帰りたいと思ったという。これから声を張り上げツッコムのは全て聖である。
こんなかんじのろくにんでたのしくやっていきたいとおもうまる
●
聖が立つ位置は中衛であった。その手前には頼れる前衛が居た。だから攻撃なんか受けない、自分が捕まるはずは無い――と思っていた時期はありました!
「話が違う!!」
なんとこれ遠距離攻撃であった。足を引っ張られ、逆さまに釣られた状態の聖。楓が食い入るように見てくるのだ、せめてパンツを見させまいと、両腕は下を抑える。
「ああ、聖さんがヤられる!」
「そこカタカナやめて!」
珠輝は既に鼻血を流していた。涙を流す代わりに鼻血を流していた。男性陣は既にテンションがMAX振り切れているのだろう。気持ちはわからないでもないがこれ、お仕事なのよね。
見目麗しい女性たちがあーなったりこーなったりするのを想像するだけでもわくわくどきどきするのだが、今はそう言っている場合では無いか。
「さぁ勝負です触手さん……!」
と言った瞬間に胴体を掴まれて釣られた珠輝。山吹がいってらっしゃいと言っていた。
「ええ、ていうか。もう男女ぶっちゃけ関係ないんじゃ」
「比較的女性が狙われやすいだけで男性が狙われないとは書いてないぜ!! だが、彼は今男なのか女なのか、どっちで判定されたんだろうな!」
「いやそれ男としてじゃなかったら、どうなの?!」
「大丈夫だ」
「あんまり大丈夫の安売りしないで!」
話は戻り、女性が狙われやすいというのは本当の話である。既にエルフィリアの体に巻き付いた枝蔦。
エルフィリア、彼女の体は巻かれる事に長けている体と言ってもいいだろう。普段から下着、それもコルセットで絞められているくびれは芸術品と言っても過言では無い。
「あん♪ もぅ、そんなにがっつかないの」
ぬるりと巻き付いたツタは彼女の体を探るように調べるように隅々まで腕を伸ばしていく。秘密の花園が広がる股の間から、健康的な太さの太ももに絡み、足先までにねっとりぬっとり絡めば、普段触られる事の少ないであろう足の指先がぴんと開いて、ぴくりと動く。篭る熱を吐き出すように甘い吐息を口から零した、ついでに愛らしい声も一緒に出てしまったようだが。おっと少し粘液を舐めてしまったか、苦い風味が口の中に広がる、少し生臭い。
「わっ、ちょっとやだぁぁぁあ! 何かツルが絡みついて気持ち悪いー!」
聖の叫び声が響いた。ほぼほぼ断末魔に近い声であった。
翼人の象徴でもある翼はツタに絡め取られ身動きが取れない。足のつかない空中では有利であったはずの彼女だが、捕らえられた姿はまさに蜘蛛の巣にいる蝶だ。
翼のつけ根を執拗に撫でられてから、羽を出すために空いている洋服の穴から入ってこられ、胸の手前まで絡みついてから下へ、下へと伸びていくそれ。
「それ以上は、ダメ……!」
飛べない鳥を少しずつ少しずつ育てていくかのように(意味深)、時間をかけて解かれていく聖の理性。お気に入りの下着は既に真っ白の糸が引くくらいに濡れて使い物にはならず、その存在さえも液体によって消されていく――嗚呼、なんという悲劇か。やったね聖ちゃん大人の階段が見えるよ。あまりの惨劇に珠輝が聖を助けようと、帯刀したそれを抜かん……としたところで背後からじりじり寄っていたつるに絡め取られていった。
「あぁ、なんと太くたくましい……! しかもこんな沢山の量……凄いです!」
木を隠すならば森の中と言えばいいのか、周囲が既に大変な事になっているため、世界が狂っていれば一人くらい狂人がいても無問題なのか。えっちい場所に変態がいたっていいじゃない!
珠輝は冷静であった。彼は一体なにを見てきたのかこんなものへいちゃらと言わんばかりに、むしろこの状況を楽しんでいた。
彼を女性と認識したかは定かでは無いが、ツタは絡み夢あふれるスカートがぺらりとまくられていく。女性だったら恥ずかしいことだ、だって中のおぱんちゅが見えちゃうじゃない。苺のぱんちゅが見えているからか、珠輝の頬もほんのり、苺と同じ色の染まる。
両腕を万歳の状態で絡められ、誰かを助けるための刀も役には立たず。凹凸のある腹筋の、その凹凸をなぞられてから、遂に、嗚呼、ぱんちゅの中に入ってくる……!
「ああっ、そこには持参したバナナが……!!」
「バナナ持ってきとんのかい」
「ええ、なんとなく必要な気がしまして。あ、本物のバナナですよ。パンツに清潔に守られるほうのバナナではな――」
「やめろ!」
「ふふ……失礼いたしました、救出お疲れ様です」
十字に縛られ、股の危険な部位にバナナのフサが乗っかっている珠輝を山吹はあえてスルーした。
その頃、山吹はミナ子を抱えていた。他がいやんあはんになっている最中にこっそり枝から助け出したのだ。意識はないようだが、あまりのショックに自ら気絶したというだけであろう。特に怪我や命には別状が無いとわかった山吹はそのまま彼女を外へと連れ出していく。その姿を見つめながら、エルフィリアは未だ捕まったままであった。最早服だった布的なものが粘液にくっついて身体にへばりついているだけで、彼女の真珠のごとき美しい素肌がこんにちは。それでも堂々しているのは絶大な美への信頼が彼女にあるからだろう。だが、白い液体に塗れた彼女は、我慢できなく率直に言うがえろてぃっく。
「ここは、俺たちに任せておきな!」
楓は男らしく言い放ったが、全身にツルが絡んだ状態であった。経緯はというと、聖を狙うツタが迫ったときに、彼女が面白全部に彼を突き飛ばして尊い犠牲を作ったに過ぎない。女性は守られるべきである、輪廻の行いは至極真っ当……であるかはさておいて、待ってましたと言わんばかりに捕まった彼も彼である。
全国のおっさん大好きなみんな、待ちわびたであろう、お待たせ!
足先から、そこにナニかがあるとわかっていると言った風にズボンの中から上へとよじ登ってくるツタ。同時に彼の足先からは、白い液体が銀色の糸を引きつつ、ぽとりと落ちた。大丈夫だよこれ樹液だからね、変な妄想しちゃだめだからね。じわりじわりと体を舐めてくるそれにくすぐったさを感じているのか、楓の指先はぴくりと小刻みに反応しながら微動していた。そうこうしている内に、下半身にこれまでに感じなかった開放感を感じる。ツルやツタで目隠しの状態になっている彼にはそこがどうなっているのかは判断できないだろうが、雰囲気で感じて欲しい。落ち葉が一枚、股の間に舞い落ちた事を。20秒経って解放されそうになったところで、もう少しこの状態でいさせてくれと妖に嘆願したのは彼が最初で最後である。
「これが……白い粘液!! 木行なら誰しもが欲するものか!!」
「おい全国の木行に謝れェ!!」
聖が轟いたところで、一度解放されてから割と逃げ通せていた輪廻も捕まった。
普段から着物がはだけて妖艶な彼女であるが、その胸元のふたつのやわらかいアレ的なものの間からぬるりとそれは入って、一回戻ってからまた入って、それを数回繰り返したところでSTの闇を感じたらFLで文句を言ってくれ。さておき、輪廻に樹液など必要は無かった。着物の下に何も着ていない彼女である、帯を絡め取られてしまえば、一斉に解放感が彼女を晒す……ところで、よくわからない木製の妖が花を咲かせたために輪廻の体はいまいちよく見えない。どうなっているかわからない、わからないぞお。若干逆さまに釣られてしまっている彼女だ、胸元にねっとりへばりつく樹液が首を辿って、顔へと流れ、髪の毛をしたたかに濡らしてから、地面へと雫が垂れる――。
――お楽しみの途中ですが、お外から中継が入ったようです。
ミナ子を木漏れ日のある木の横に寝かせる。本当は路地裏とか近くの建物の脇とかでも良かったのだが、いかんせんあちらの方からは人声が聞こえる。流石に生まれた時の姿のままで連れて行くのも、そのままで放っておくのも忍びなかったのか、山吹がたまたま着ていた上着をかけてやった。
起きない。起きる気配は無い。
「ん、う……触手がぁぁ」
眠っている瞳の端から涙を流しているミナ子の、その潤たる涙粒を拭う。
怖い思いをしたのだろう、悪夢は拭い去った。そして何故かここで徐に山吹はミナ子の胸部にある魅惑の膨らみを手で包み込むようにしてあれそれした。そこから両腕はミナ子を包み込んだ。耳元に唇を寄せ。
「お姉さん、起きて」
「ふぁい、ん、んん!? ひゃぁう!!」
飛び起きたミナ子は身体を一度痙攣させたとかなんとかかんとか。
「なにこれ。まあわかってたけど」
一仕事終えてミナ子を遠退けた山吹が戻ってきたときに見たものは、山吹以外全員が綺麗に釣られながら、肌色の面積が増えている彼らであった。
「いやそっちもどうした!!?」
「溶かされる前に脱いできた」
下は履いているが、それ以外は外に置いてきたらしい。上は腕で隠しながら来た山吹。なんという用意周到か。ここの女性陣はもう少し慎みを持って……いやそれでいいけしからん。
山吹書きたところで本気を出す所である。
「よーし、本気出すぞー」
山吹が構え、炎が周囲を彩る。瞬間、背後から忍び寄った蔦に山吹も絡め取られていった。執拗に上半身を、どことは言わないが苦手であまり触れられない上半身の前の方を撫でられ、弄られ、何かを探しているように行ったり来たり。背骨あたりに響く電撃に思わず声が漏れる。
「あっ、こら、服の中に入っ……!!」
「素晴らしい光景です!! たまちゃん、この光景だけでご飯100杯食べれます!」
「おい絡め取らる力よわまってんじゃねぇか! 気合入れろ! オラッ、オラッ!」
「あらあら、せっかちさんなのね♪ そんなところいじったら、だめよ♪」
「うふ、服がもう無くなったけど、まーいっか。あっ、そこっ」
「もう……お嫁に、いけない……」
覚者が蔦を倒しきったのは、それからしばらく後の話であった。
⚫︎
惨事である。ローション相撲でもやるのかというほどに、床や壁はねっとりし、勿論人間もねっとりしている。誰が片付けるんだ。
「楽しかったぜ、いい夢をみせてくれてありがとよ」
へたりと沈む植物にそう言ってから、楓は額の汗を拭った。拭ったところで額には白い粘液がねちゃりとへばりついてあまり意味が無かったのだが。
「皆様大丈夫ですか! ふふ、いい汗かきましたね!」
珠輝の遠く背後で聖が倒れたまま、時々びくんびくんと身体を揺らしているが恐らく大丈夫であろう。
「これで終わりかしら、仕留め損ねている、てことも無さそうね」
堂々と身体を晒すエルフィリアであるが、太陽の光が眩しすぎて逆光で身体のシルエットしか見えないからセーフである。
「ところでミナ子さんは大丈夫だったのかしらん♪」
「大丈夫だよ。ちょっと色々したら逃げていかれたけど……」
一人を除いてダメージが少ない五人は、未だ昼の太陽の眩しさに染まり、光輝く。ほぼ全員この時点で洋服という存在を忘れているのだが、逆光で何も見えないし見えていないから健全と言い張るところで終わりとしたいと思う。
世知辛い世の中である。日頃、何をどうすれば一体こんな仕打ちがバチとして返ってくることやら。妖とは恐ろしいものと、聞かされていたのにも関わらず触れぬ神になんとやらということであろうか。死んだ、確実に死んだ、社会的に命を自ら殺した、そう阿部ミナ子はこれまでの一連の流れを後悔していた。できることであらば、一時間前に戻りたいくらいだ。もう意識もないけれども。
だがしかし、世間は捨てたものでは無い。
「あらあら、今回の妖も何だか面白そうね」
ビニールハウスの入口に目を向ければ、そこに。エルフィリア・ハイランド(CL2000613)が翼を大きく広げて立っていた。ミナ子がここで起きていれば助けが来てくれたやったぁ!! と思うより先に、「お姉さん!! 危ないからこんなとこ来ちゃだめぇ!」とエルフィリアの身を案じたのだろうが、恐らく彼女たちには余計な一言であろう。
「大丈夫よ。私たち、助けに来てあげたんだから」
「ただ悪戯するだけなら、可愛いものなのにねん♪」
同じく、魂行 輪廻(CL2000534)も仁王立ちした、覚悟の表れである。ビニールハウスいっぱいに蠢く緑の触手……あ、いや、枝は、ついに能力者たちにも襲いかからんと牙を向けた。
「お、これは危ない」
『デウス・イン・マキナ』弓削 山吹(CL2001121)の声に呼応して、エルフィリアと輪廻は即座にしなる枝のムチを回避したのだが、何を思ったのか枝を両腕に掴んで止めた『全裸一犯』脇森・楓(CL2000322)。
「任せときな!! すぐにそこから助けてやる……いいからだだ」
「事案だ」
山吹は持っていたカメラの角を使い、懇親のちからで楓の後頭部を打った。
ミナ子の程よく硬さの残る胸と、丸みのある全く垂れていない尻。
楓、懇親の眼でミナ子の体を舐めるように見つめていた。だが惜しい、彼女の体の危険であろうと思われる部位はすべて枝とツタにより凝視を妨害されている。あとちょっと横にずらしたりすると全年齢が絶賛終了を迎えるからこれで我慢して頂きたい。
「今すぐ!! 今すぐそのツタと枝、切るからな!!」
「あらあら♪ 煩悩がダダ漏れているのね♪」
「大丈夫よ」
何もかも大丈夫では無い。むしろエルフィリアと輪廻は既にツタに捕まり、プレイが開始されていたのだから。彼女たちの詳しい描写は後ほどとしよう、今は全員を登場させなければならないんだ、もうちょっと待って。
既に白目を向いて立っている天城 聖(CL2001170)。
「妖退治……しに、来たんだよね!?」
誰に問いかけるわけでもなく、虚空にそう言い放った。
「ええ、そうですとも……世のため、人のため、妖退治です……ふふ!」
「あ、タマキとカエデのじーさんだ、今回もよろ……」
そこで言葉を失った。
聖は隣を見た、三度見した。そこには音声だけなら美少年である人が立っていた。
もっと詳しく言えば、全身爽やか学生全開。セーラー服の……『全裸一犯』明智 珠輝(CL2000634)が立っていた。これで妖に女性として見てもらえれば、女性たちに負荷をかけずに済む、むしろ分かち合えて攻撃が分散すると踏んだらしい。
「ほんと何しに来やがったんだアンタラァ!!」
「だから、妖退治です。あ、格好は健全でしょう? 安心してください、靴下も履いてます。紺色ソックスです、学生らしいでしょう……?? ローファもご用意致しましたよ、本日のたまちゃんは抜かりありません。これはもう勝ったも同然」
「そこじゃねんだよ!! もうちょっと抜かりあっても良かったよ!!」
おそらくメンツ一のツッコミ役になりかねない聖は心底既に帰りたいと思ったという。これから声を張り上げツッコムのは全て聖である。
こんなかんじのろくにんでたのしくやっていきたいとおもうまる
●
聖が立つ位置は中衛であった。その手前には頼れる前衛が居た。だから攻撃なんか受けない、自分が捕まるはずは無い――と思っていた時期はありました!
「話が違う!!」
なんとこれ遠距離攻撃であった。足を引っ張られ、逆さまに釣られた状態の聖。楓が食い入るように見てくるのだ、せめてパンツを見させまいと、両腕は下を抑える。
「ああ、聖さんがヤられる!」
「そこカタカナやめて!」
珠輝は既に鼻血を流していた。涙を流す代わりに鼻血を流していた。男性陣は既にテンションがMAX振り切れているのだろう。気持ちはわからないでもないがこれ、お仕事なのよね。
見目麗しい女性たちがあーなったりこーなったりするのを想像するだけでもわくわくどきどきするのだが、今はそう言っている場合では無いか。
「さぁ勝負です触手さん……!」
と言った瞬間に胴体を掴まれて釣られた珠輝。山吹がいってらっしゃいと言っていた。
「ええ、ていうか。もう男女ぶっちゃけ関係ないんじゃ」
「比較的女性が狙われやすいだけで男性が狙われないとは書いてないぜ!! だが、彼は今男なのか女なのか、どっちで判定されたんだろうな!」
「いやそれ男としてじゃなかったら、どうなの?!」
「大丈夫だ」
「あんまり大丈夫の安売りしないで!」
話は戻り、女性が狙われやすいというのは本当の話である。既にエルフィリアの体に巻き付いた枝蔦。
エルフィリア、彼女の体は巻かれる事に長けている体と言ってもいいだろう。普段から下着、それもコルセットで絞められているくびれは芸術品と言っても過言では無い。
「あん♪ もぅ、そんなにがっつかないの」
ぬるりと巻き付いたツタは彼女の体を探るように調べるように隅々まで腕を伸ばしていく。秘密の花園が広がる股の間から、健康的な太さの太ももに絡み、足先までにねっとりぬっとり絡めば、普段触られる事の少ないであろう足の指先がぴんと開いて、ぴくりと動く。篭る熱を吐き出すように甘い吐息を口から零した、ついでに愛らしい声も一緒に出てしまったようだが。おっと少し粘液を舐めてしまったか、苦い風味が口の中に広がる、少し生臭い。
「わっ、ちょっとやだぁぁぁあ! 何かツルが絡みついて気持ち悪いー!」
聖の叫び声が響いた。ほぼほぼ断末魔に近い声であった。
翼人の象徴でもある翼はツタに絡め取られ身動きが取れない。足のつかない空中では有利であったはずの彼女だが、捕らえられた姿はまさに蜘蛛の巣にいる蝶だ。
翼のつけ根を執拗に撫でられてから、羽を出すために空いている洋服の穴から入ってこられ、胸の手前まで絡みついてから下へ、下へと伸びていくそれ。
「それ以上は、ダメ……!」
飛べない鳥を少しずつ少しずつ育てていくかのように(意味深)、時間をかけて解かれていく聖の理性。お気に入りの下着は既に真っ白の糸が引くくらいに濡れて使い物にはならず、その存在さえも液体によって消されていく――嗚呼、なんという悲劇か。やったね聖ちゃん大人の階段が見えるよ。あまりの惨劇に珠輝が聖を助けようと、帯刀したそれを抜かん……としたところで背後からじりじり寄っていたつるに絡め取られていった。
「あぁ、なんと太くたくましい……! しかもこんな沢山の量……凄いです!」
木を隠すならば森の中と言えばいいのか、周囲が既に大変な事になっているため、世界が狂っていれば一人くらい狂人がいても無問題なのか。えっちい場所に変態がいたっていいじゃない!
珠輝は冷静であった。彼は一体なにを見てきたのかこんなものへいちゃらと言わんばかりに、むしろこの状況を楽しんでいた。
彼を女性と認識したかは定かでは無いが、ツタは絡み夢あふれるスカートがぺらりとまくられていく。女性だったら恥ずかしいことだ、だって中のおぱんちゅが見えちゃうじゃない。苺のぱんちゅが見えているからか、珠輝の頬もほんのり、苺と同じ色の染まる。
両腕を万歳の状態で絡められ、誰かを助けるための刀も役には立たず。凹凸のある腹筋の、その凹凸をなぞられてから、遂に、嗚呼、ぱんちゅの中に入ってくる……!
「ああっ、そこには持参したバナナが……!!」
「バナナ持ってきとんのかい」
「ええ、なんとなく必要な気がしまして。あ、本物のバナナですよ。パンツに清潔に守られるほうのバナナではな――」
「やめろ!」
「ふふ……失礼いたしました、救出お疲れ様です」
十字に縛られ、股の危険な部位にバナナのフサが乗っかっている珠輝を山吹はあえてスルーした。
その頃、山吹はミナ子を抱えていた。他がいやんあはんになっている最中にこっそり枝から助け出したのだ。意識はないようだが、あまりのショックに自ら気絶したというだけであろう。特に怪我や命には別状が無いとわかった山吹はそのまま彼女を外へと連れ出していく。その姿を見つめながら、エルフィリアは未だ捕まったままであった。最早服だった布的なものが粘液にくっついて身体にへばりついているだけで、彼女の真珠のごとき美しい素肌がこんにちは。それでも堂々しているのは絶大な美への信頼が彼女にあるからだろう。だが、白い液体に塗れた彼女は、我慢できなく率直に言うがえろてぃっく。
「ここは、俺たちに任せておきな!」
楓は男らしく言い放ったが、全身にツルが絡んだ状態であった。経緯はというと、聖を狙うツタが迫ったときに、彼女が面白全部に彼を突き飛ばして尊い犠牲を作ったに過ぎない。女性は守られるべきである、輪廻の行いは至極真っ当……であるかはさておいて、待ってましたと言わんばかりに捕まった彼も彼である。
全国のおっさん大好きなみんな、待ちわびたであろう、お待たせ!
足先から、そこにナニかがあるとわかっていると言った風にズボンの中から上へとよじ登ってくるツタ。同時に彼の足先からは、白い液体が銀色の糸を引きつつ、ぽとりと落ちた。大丈夫だよこれ樹液だからね、変な妄想しちゃだめだからね。じわりじわりと体を舐めてくるそれにくすぐったさを感じているのか、楓の指先はぴくりと小刻みに反応しながら微動していた。そうこうしている内に、下半身にこれまでに感じなかった開放感を感じる。ツルやツタで目隠しの状態になっている彼にはそこがどうなっているのかは判断できないだろうが、雰囲気で感じて欲しい。落ち葉が一枚、股の間に舞い落ちた事を。20秒経って解放されそうになったところで、もう少しこの状態でいさせてくれと妖に嘆願したのは彼が最初で最後である。
「これが……白い粘液!! 木行なら誰しもが欲するものか!!」
「おい全国の木行に謝れェ!!」
聖が轟いたところで、一度解放されてから割と逃げ通せていた輪廻も捕まった。
普段から着物がはだけて妖艶な彼女であるが、その胸元のふたつのやわらかいアレ的なものの間からぬるりとそれは入って、一回戻ってからまた入って、それを数回繰り返したところでSTの闇を感じたらFLで文句を言ってくれ。さておき、輪廻に樹液など必要は無かった。着物の下に何も着ていない彼女である、帯を絡め取られてしまえば、一斉に解放感が彼女を晒す……ところで、よくわからない木製の妖が花を咲かせたために輪廻の体はいまいちよく見えない。どうなっているかわからない、わからないぞお。若干逆さまに釣られてしまっている彼女だ、胸元にねっとりへばりつく樹液が首を辿って、顔へと流れ、髪の毛をしたたかに濡らしてから、地面へと雫が垂れる――。
――お楽しみの途中ですが、お外から中継が入ったようです。
ミナ子を木漏れ日のある木の横に寝かせる。本当は路地裏とか近くの建物の脇とかでも良かったのだが、いかんせんあちらの方からは人声が聞こえる。流石に生まれた時の姿のままで連れて行くのも、そのままで放っておくのも忍びなかったのか、山吹がたまたま着ていた上着をかけてやった。
起きない。起きる気配は無い。
「ん、う……触手がぁぁ」
眠っている瞳の端から涙を流しているミナ子の、その潤たる涙粒を拭う。
怖い思いをしたのだろう、悪夢は拭い去った。そして何故かここで徐に山吹はミナ子の胸部にある魅惑の膨らみを手で包み込むようにしてあれそれした。そこから両腕はミナ子を包み込んだ。耳元に唇を寄せ。
「お姉さん、起きて」
「ふぁい、ん、んん!? ひゃぁう!!」
飛び起きたミナ子は身体を一度痙攣させたとかなんとかかんとか。
「なにこれ。まあわかってたけど」
一仕事終えてミナ子を遠退けた山吹が戻ってきたときに見たものは、山吹以外全員が綺麗に釣られながら、肌色の面積が増えている彼らであった。
「いやそっちもどうした!!?」
「溶かされる前に脱いできた」
下は履いているが、それ以外は外に置いてきたらしい。上は腕で隠しながら来た山吹。なんという用意周到か。ここの女性陣はもう少し慎みを持って……いやそれでいいけしからん。
山吹書きたところで本気を出す所である。
「よーし、本気出すぞー」
山吹が構え、炎が周囲を彩る。瞬間、背後から忍び寄った蔦に山吹も絡め取られていった。執拗に上半身を、どことは言わないが苦手であまり触れられない上半身の前の方を撫でられ、弄られ、何かを探しているように行ったり来たり。背骨あたりに響く電撃に思わず声が漏れる。
「あっ、こら、服の中に入っ……!!」
「素晴らしい光景です!! たまちゃん、この光景だけでご飯100杯食べれます!」
「おい絡め取らる力よわまってんじゃねぇか! 気合入れろ! オラッ、オラッ!」
「あらあら、せっかちさんなのね♪ そんなところいじったら、だめよ♪」
「うふ、服がもう無くなったけど、まーいっか。あっ、そこっ」
「もう……お嫁に、いけない……」
覚者が蔦を倒しきったのは、それからしばらく後の話であった。
⚫︎
惨事である。ローション相撲でもやるのかというほどに、床や壁はねっとりし、勿論人間もねっとりしている。誰が片付けるんだ。
「楽しかったぜ、いい夢をみせてくれてありがとよ」
へたりと沈む植物にそう言ってから、楓は額の汗を拭った。拭ったところで額には白い粘液がねちゃりとへばりついてあまり意味が無かったのだが。
「皆様大丈夫ですか! ふふ、いい汗かきましたね!」
珠輝の遠く背後で聖が倒れたまま、時々びくんびくんと身体を揺らしているが恐らく大丈夫であろう。
「これで終わりかしら、仕留め損ねている、てことも無さそうね」
堂々と身体を晒すエルフィリアであるが、太陽の光が眩しすぎて逆光で身体のシルエットしか見えないからセーフである。
「ところでミナ子さんは大丈夫だったのかしらん♪」
「大丈夫だよ。ちょっと色々したら逃げていかれたけど……」
一人を除いてダメージが少ない五人は、未だ昼の太陽の眩しさに染まり、光輝く。ほぼ全員この時点で洋服という存在を忘れているのだが、逆光で何も見えないし見えていないから健全と言い張るところで終わりとしたいと思う。
■シナリオ結果■
成功
■詳細■
MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし
