コーヒーブレイクサムタイム
●
「あ、みんなも休憩?」
久方 相馬(nCL2000004)が覚者達に話しかけた。
日々の対応に追われる覚者たちのほんのひとときの休憩の時間。
このドリンクを飲み干せばまた次の依頼が待っている。
貴方はこの何でもないけど大切な時間を、誰とどんな話をしながら過ごしますか──
「あ、みんなも休憩?」
久方 相馬(nCL2000004)が覚者達に話しかけた。
日々の対応に追われる覚者たちのほんのひとときの休憩の時間。
このドリンクを飲み干せばまた次の依頼が待っている。
貴方はこの何でもないけど大切な時間を、誰とどんな話をしながら過ごしますか──

■シナリオ詳細
■成功条件
1.ほっと一息する
2.なし
3.なし
2.なし
3.なし
来るべき戦いに備えて気力体力の充填を。
物語も佳境となっている今。大切なのはなんでもないほんのひと時のほっとする時間なのかもしれません。
●ロケーション
ここはFiVEの休憩室。仕切られた喫煙スペースや、様々なドリンクの自動販売機が置かれています。そこにたまたま居合わせた皆さん。
今後の話をする、一人考えてみる、煙草をふかす、他愛もない雑談等々。
どう過ごしていただいても自由です。そして休憩の終わった覚者達はまた、戦いの場へ赴くのです。
●イベントシナリオのルール
・参加料金は50LPです。
・予約期間はありません。参加ボタンを押した時点で参加が確定します。
・獲得リソースは通常依頼難易度普通の33%です。
・特定の誰かと行動をしたい場合は『御崎 衣緒(nCL2000001)』といった風にIDと名前を全て表記するようにして下さい。又、グループでの参加の場合、参加者全員が【グループ名】という タグをプレイングに記載する事で個別のフルネームをIDつきで書く必要がなくなります。
・NPCの場合も同様となりますがIDとフルネームは必要なく、名前のみでOKです。
・イベントシナリオでは参加キャラクター全員の描写が行なわれない可能性があります。
・内容を絞ったほうが良い描写が行われる可能性が高くなります。
ご参加お待ちしております。
状態
完了
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:0枚 銅:1枚
金:0枚 銀:0枚 銅:1枚
相談日数
7日
7日
参加費
50LP
50LP
参加人数
8/30
8/30
公開日
2019年06月15日
2019年06月15日
■メイン参加者 8人■

●
ここはFiVE内に数箇所ある休憩スペース。ガラス張りの部屋の中には数名の覚者たちが、それぞれの時間を過ごしていた。
「男は黙ってブラックコーヒーでしょう!」
『探偵見習い』工藤・奏空(CL2000955)はかっこつけてブラックを飲んでみたものの……その苦さに思わず顔をしかめる。そして反射的に砂糖とミルクを取ろうと手を伸ばしたところへ声がした。
「奏空さん」
『陰と陽の橋渡し』賀茂 たまき(CL2000994)だ。休憩室へ向かっていたたまきは、ガラス越しに奏空の姿を確認すると、安堵したように奏空へ話しかける。
「わ! たまきちゃんも休憩?」
伸ばした手を慌てて引っ込めると苦味を我慢しながらコーヒーを飲む奏空。となりには愛しのたまきがいる。どこにでもあるいつもの日常。だが奏空はふと考えた。
始まりのナニカと戦うと決めた日。
俺は最後の魂を使う決意をした。
でもそれはたまきちゃんと一緒に生きる約束を破る事。
それでもケジメだと思った。
大きな戦いには犠牲が必要だ。
それに報いる為にこの魂を捧げようと──。
黙って遠くを見ている奏空にたまきを言いようの無い不安を感じていた。
それはまるでここでは無い何処かへ行ってしまう様な……。たまきはそんな不安を振り払うように努めて明るい話をする。
「奏空さん、実は私この間──」
自分の失敗談。最近のコロちゃんの様子。少しでも『今、ここに居る事の喜び』を、共有出来たなら……とたまきは思う。
私は、この世界に有る『全ての命』をお守りする為に『覚悟』を決めたのです。
奏空さん……
貴方だけが、全てを背負う事はありません……
喜びも悲しみも……すべてを分かち合う存在に私は──。
もし勝てたら……すべてが終わったら。
俺は生きてもいいのかな。この人と一緒に生きてていいのかな。
言葉も無く見つめ合う2人。
「ねぇ……たまきちゃん……すべての戦いが終わったら……何がしたい? 良かったらさ……大学行って……卒業したら……一緒に暮らそう」
私は、貴方と、『未来』を生きたい──。
たまきの返事は決まっていた。
●
コーヒー片手に休憩室へとやってきたのは『黒い靄を一部解析せし者』梶浦 恵(CL2000944)。
煙草で一服すると、これまでの事を思い出す。
(研究の為、私が参戦出来なかった事も多い……。その度に幼い命や一般人、同僚の死も多くこの耳へと入ってきた。後からやって来た少年少女も、きっと大きな思いに捕らわれ、様々な覚悟を背負って居るのでしょう……)
「大人として、私が未来ある子供達に残せる事……」
ぽつりと呟いた自身の言葉に、恵は自問自答する。目を閉じれば自らが保護し、家で待つ覚者の子供達の顔が浮かぶ。
(その為に私自身の全てを散らす事は容易いでしょうね。子供達の未来を守る為、其れも必要で有るならば……其の時に向け、最低限の準備も必要になるでしょう)
恵の考える準備。それは自らの命を賭し、全てを擲ち捧げる覚悟。
「死……か」
それ自体に恐れは無い。未来を守れないことに比べればなんと楽なものか。
だが、恵が悩む理由は他にあった。
死して予想もつかない未来を若者に託すのか──
それとも生きてその道を示すべきなのか──
「迷いますね……」
恵の咥えた煙草はいつしかその役割を終え、灰がぽとりと地面へ落ちた。
●
カタン。
篁・三十三(CL2001480)が自販機のボタンを押すと、香ばしい香りと共に注がれたのはブラックコーヒー。
自販機でも悪くない味だ。そんな事を思いつつ三十三は窓の外を見る。
一見穏やかに見える日常。しかし確実に『はじまりの何か』は行動を起こしてくるだろう。
その時自分は……戦えるだろうか。守れるだろうか──不安がないと言えば嘘になる。
「あ! さとみんだー!」
そこへ背中を押される感触と心が明るくなるような声がした。
乾いた喉を潤しに来た『モイ!モイ♪モイ!』成瀬 歩(CL2001650)は三十三の姿を見るや否や走り寄って背中にドーンと抱きつく。温かい背中。
「……あれ?もしかしてちょっとこぼれちゃった? ごめんなさいー!」
驚きはしたものの、三十三はにっこりと微笑んだ。
「歩ちゃんも休憩ですか?」
「うん! お兄ちゃんと一緒だったんだけどあゆみは休憩しにきたの。大怪我してきたのに、まだやる気満々で訓練してるんだよー。あゆみ、すっごい心配したのに!」
すっかりぷんすかモードの歩を宥める三十三。
「何か奢りましょう、何が良いですか?」
「わ!さとみんがおごってくれるの? わーい、さとみん大好き! えっとね、つぶつぶオレンジジュースがいいなー。つぶつぶおいしいよね♪」
そんなやり取りがありながら三十三は、その後も嬉しそうに話す歩の様子を眺めていた。
(そうだ…自分は必ずこの笑顔を守ってみせる。この笑顔こそが未来を明るく照らす光なんだ)
少し難しい顔になっていたのだろうか。三十三の顔を覗き込むように歩が顔を近づける。
「さとみん、もしかして色々なことすっごく心配してる? 大丈夫、みんながんばってるもん! きっといい方にむかってくよ」
そんな歩むの笑顔をまぶしく感じながら三十三は、また穏やかに微笑むのであった。
●
休憩室のテーブル席を占拠し、気怠げな様子で依頼の報告書を目を通しているのは『天を舞う雷電の鳳』麻弓 紡(CL2000623)。論文用の資料やら本やらに埋もれながら疲労困憊を漂わせている。
ふぅと一息つくと紡は、ふと物思いにふせる。
思い起こされるのは依頼へと向かう度に傷だらけになって帰ってくる相棒や親友の事。
表舞台へでるのを好まない自分が何を出来るのだろう。
回復支援は得意だけれど、傍にいないのなら無意味なんじゃ…?
違う。意味が無いわけない。
ボクはみんなが帰ってくる『いつも通り』を守る。
それこそがボクの根底なのだから、突き進むだけだ。
紡は手に持ったフルーツ牛乳を一気に飲み干すとまた、目の前に迫る敵(論文)へと意識を集中し始めたのだが。
「うっわ……あれ? ない……まじか……」
そこに忘れたのか資料の一部が見当たらない。絶望的な顔でうな垂れる紡。入れなおした気合がみるみるそがれていく。
「探し物はこれかな?」
そこへ救いの声がした──。
●
『赤き炎のラガッツァ』ラーラ・ビスコッティ(CL2001080)は守護使役のペスカと共に休憩室を訪れていた。
「それじゃあペスカ、楽しい話をしましょう」
不思議そうな顔をするペスカに話を続けるラーラ。
「これから大変なことがきっとまだまだ待ってますけど、その分、何もせずに妥協したら手に入らない楽しいことがいっぱい待ってるはずです。例えば……いーっぱい甘いお菓子を用意して、好きなだけ食べるんです。そして好きな本を読んで、たまには一緒にお昼寝して、仕方がないから学校にも行って、それで、魔法の特訓をして……これじゃあ今とあんまり変わらないですね」
ふふふと笑うラーラ。
「でも……源素の力をもし敵に明け渡してしまったら…ペスカにも会えなくなってしまうかもしれないんです」
ラーラの表情が曇る。ペスカもそんなラーラを心配そうに見つめている。
「ペスカ。別に特別なことじゃ……ないんです。大事な大事ないつも通りを守るために私たちは戦っているんですもんね。こんな毎日がいつもそばにありますように」
祈るように呟くラーラにペスカは身体を摺り寄せる。
守るべき大切な物はきっと何気ない日常に中にある。
●
妹のところに遊びに来ていた紡の忘れ物を届けにきたのは『地を駆ける羽』如月・蒼羽(CL2001575)。
折角だからと学生時代お世話になった恩師の元にも顔を出す。
「無茶をするんじゃないよ」
どうせするんだろ、といわんばかりの表情でそういう恩師に笑顔で返す蒼羽。
AAAや七星剣……様々な立場の人と戦ったり、協力したり……古妖とも共闘できるようになった。
そして今、大妖と呼ばれる存在と戦えるところまできた。
(出来る無茶しかしませんよ)
心の中でそう呟く。
(妹やその友人 まだ学生の子達も戦っている。大人が無茶をしないわけにはいかないでしょう?)
「それでは先生。僕は届け物があるので」
戦いで受けた傷は未だ癒えきってはいない。そんな爆弾を抱えながらも蒼羽は恩師に気付かれぬようその場を後にした。
「あ、いたいた」
休憩室でつっぷす紡を見つけた蒼羽。声を掛けると笑いながら本を手渡した。
「そーちゃん、ありがとー、めっちゃ助かったよー」
半泣きの紡の頭をぽふぽふと撫でる蒼羽。
「お疲れ様 学生の本分は勉強だからね。これからのためにも、頑張って」
蒼羽は穏やかに微笑んだ。
これから。覚者たちのこれから。人類のこれから。
様々な『これから』がそれぞれの目の前にある。
なんでもない日常。取り留めない日常。
だがそんな語られる事の無い日常の最中でも、確かに人は考え、悩み、憤り、想い、そして一歩ずつ前へ進み、未来を見据えて行動している。
これはそんなとある日の日常のお話。
ここはFiVE内に数箇所ある休憩スペース。ガラス張りの部屋の中には数名の覚者たちが、それぞれの時間を過ごしていた。
「男は黙ってブラックコーヒーでしょう!」
『探偵見習い』工藤・奏空(CL2000955)はかっこつけてブラックを飲んでみたものの……その苦さに思わず顔をしかめる。そして反射的に砂糖とミルクを取ろうと手を伸ばしたところへ声がした。
「奏空さん」
『陰と陽の橋渡し』賀茂 たまき(CL2000994)だ。休憩室へ向かっていたたまきは、ガラス越しに奏空の姿を確認すると、安堵したように奏空へ話しかける。
「わ! たまきちゃんも休憩?」
伸ばした手を慌てて引っ込めると苦味を我慢しながらコーヒーを飲む奏空。となりには愛しのたまきがいる。どこにでもあるいつもの日常。だが奏空はふと考えた。
始まりのナニカと戦うと決めた日。
俺は最後の魂を使う決意をした。
でもそれはたまきちゃんと一緒に生きる約束を破る事。
それでもケジメだと思った。
大きな戦いには犠牲が必要だ。
それに報いる為にこの魂を捧げようと──。
黙って遠くを見ている奏空にたまきを言いようの無い不安を感じていた。
それはまるでここでは無い何処かへ行ってしまう様な……。たまきはそんな不安を振り払うように努めて明るい話をする。
「奏空さん、実は私この間──」
自分の失敗談。最近のコロちゃんの様子。少しでも『今、ここに居る事の喜び』を、共有出来たなら……とたまきは思う。
私は、この世界に有る『全ての命』をお守りする為に『覚悟』を決めたのです。
奏空さん……
貴方だけが、全てを背負う事はありません……
喜びも悲しみも……すべてを分かち合う存在に私は──。
もし勝てたら……すべてが終わったら。
俺は生きてもいいのかな。この人と一緒に生きてていいのかな。
言葉も無く見つめ合う2人。
「ねぇ……たまきちゃん……すべての戦いが終わったら……何がしたい? 良かったらさ……大学行って……卒業したら……一緒に暮らそう」
私は、貴方と、『未来』を生きたい──。
たまきの返事は決まっていた。
●
コーヒー片手に休憩室へとやってきたのは『黒い靄を一部解析せし者』梶浦 恵(CL2000944)。
煙草で一服すると、これまでの事を思い出す。
(研究の為、私が参戦出来なかった事も多い……。その度に幼い命や一般人、同僚の死も多くこの耳へと入ってきた。後からやって来た少年少女も、きっと大きな思いに捕らわれ、様々な覚悟を背負って居るのでしょう……)
「大人として、私が未来ある子供達に残せる事……」
ぽつりと呟いた自身の言葉に、恵は自問自答する。目を閉じれば自らが保護し、家で待つ覚者の子供達の顔が浮かぶ。
(その為に私自身の全てを散らす事は容易いでしょうね。子供達の未来を守る為、其れも必要で有るならば……其の時に向け、最低限の準備も必要になるでしょう)
恵の考える準備。それは自らの命を賭し、全てを擲ち捧げる覚悟。
「死……か」
それ自体に恐れは無い。未来を守れないことに比べればなんと楽なものか。
だが、恵が悩む理由は他にあった。
死して予想もつかない未来を若者に託すのか──
それとも生きてその道を示すべきなのか──
「迷いますね……」
恵の咥えた煙草はいつしかその役割を終え、灰がぽとりと地面へ落ちた。
●
カタン。
篁・三十三(CL2001480)が自販機のボタンを押すと、香ばしい香りと共に注がれたのはブラックコーヒー。
自販機でも悪くない味だ。そんな事を思いつつ三十三は窓の外を見る。
一見穏やかに見える日常。しかし確実に『はじまりの何か』は行動を起こしてくるだろう。
その時自分は……戦えるだろうか。守れるだろうか──不安がないと言えば嘘になる。
「あ! さとみんだー!」
そこへ背中を押される感触と心が明るくなるような声がした。
乾いた喉を潤しに来た『モイ!モイ♪モイ!』成瀬 歩(CL2001650)は三十三の姿を見るや否や走り寄って背中にドーンと抱きつく。温かい背中。
「……あれ?もしかしてちょっとこぼれちゃった? ごめんなさいー!」
驚きはしたものの、三十三はにっこりと微笑んだ。
「歩ちゃんも休憩ですか?」
「うん! お兄ちゃんと一緒だったんだけどあゆみは休憩しにきたの。大怪我してきたのに、まだやる気満々で訓練してるんだよー。あゆみ、すっごい心配したのに!」
すっかりぷんすかモードの歩を宥める三十三。
「何か奢りましょう、何が良いですか?」
「わ!さとみんがおごってくれるの? わーい、さとみん大好き! えっとね、つぶつぶオレンジジュースがいいなー。つぶつぶおいしいよね♪」
そんなやり取りがありながら三十三は、その後も嬉しそうに話す歩の様子を眺めていた。
(そうだ…自分は必ずこの笑顔を守ってみせる。この笑顔こそが未来を明るく照らす光なんだ)
少し難しい顔になっていたのだろうか。三十三の顔を覗き込むように歩が顔を近づける。
「さとみん、もしかして色々なことすっごく心配してる? 大丈夫、みんながんばってるもん! きっといい方にむかってくよ」
そんな歩むの笑顔をまぶしく感じながら三十三は、また穏やかに微笑むのであった。
●
休憩室のテーブル席を占拠し、気怠げな様子で依頼の報告書を目を通しているのは『天を舞う雷電の鳳』麻弓 紡(CL2000623)。論文用の資料やら本やらに埋もれながら疲労困憊を漂わせている。
ふぅと一息つくと紡は、ふと物思いにふせる。
思い起こされるのは依頼へと向かう度に傷だらけになって帰ってくる相棒や親友の事。
表舞台へでるのを好まない自分が何を出来るのだろう。
回復支援は得意だけれど、傍にいないのなら無意味なんじゃ…?
違う。意味が無いわけない。
ボクはみんなが帰ってくる『いつも通り』を守る。
それこそがボクの根底なのだから、突き進むだけだ。
紡は手に持ったフルーツ牛乳を一気に飲み干すとまた、目の前に迫る敵(論文)へと意識を集中し始めたのだが。
「うっわ……あれ? ない……まじか……」
そこに忘れたのか資料の一部が見当たらない。絶望的な顔でうな垂れる紡。入れなおした気合がみるみるそがれていく。
「探し物はこれかな?」
そこへ救いの声がした──。
●
『赤き炎のラガッツァ』ラーラ・ビスコッティ(CL2001080)は守護使役のペスカと共に休憩室を訪れていた。
「それじゃあペスカ、楽しい話をしましょう」
不思議そうな顔をするペスカに話を続けるラーラ。
「これから大変なことがきっとまだまだ待ってますけど、その分、何もせずに妥協したら手に入らない楽しいことがいっぱい待ってるはずです。例えば……いーっぱい甘いお菓子を用意して、好きなだけ食べるんです。そして好きな本を読んで、たまには一緒にお昼寝して、仕方がないから学校にも行って、それで、魔法の特訓をして……これじゃあ今とあんまり変わらないですね」
ふふふと笑うラーラ。
「でも……源素の力をもし敵に明け渡してしまったら…ペスカにも会えなくなってしまうかもしれないんです」
ラーラの表情が曇る。ペスカもそんなラーラを心配そうに見つめている。
「ペスカ。別に特別なことじゃ……ないんです。大事な大事ないつも通りを守るために私たちは戦っているんですもんね。こんな毎日がいつもそばにありますように」
祈るように呟くラーラにペスカは身体を摺り寄せる。
守るべき大切な物はきっと何気ない日常に中にある。
●
妹のところに遊びに来ていた紡の忘れ物を届けにきたのは『地を駆ける羽』如月・蒼羽(CL2001575)。
折角だからと学生時代お世話になった恩師の元にも顔を出す。
「無茶をするんじゃないよ」
どうせするんだろ、といわんばかりの表情でそういう恩師に笑顔で返す蒼羽。
AAAや七星剣……様々な立場の人と戦ったり、協力したり……古妖とも共闘できるようになった。
そして今、大妖と呼ばれる存在と戦えるところまできた。
(出来る無茶しかしませんよ)
心の中でそう呟く。
(妹やその友人 まだ学生の子達も戦っている。大人が無茶をしないわけにはいかないでしょう?)
「それでは先生。僕は届け物があるので」
戦いで受けた傷は未だ癒えきってはいない。そんな爆弾を抱えながらも蒼羽は恩師に気付かれぬようその場を後にした。
「あ、いたいた」
休憩室でつっぷす紡を見つけた蒼羽。声を掛けると笑いながら本を手渡した。
「そーちゃん、ありがとー、めっちゃ助かったよー」
半泣きの紡の頭をぽふぽふと撫でる蒼羽。
「お疲れ様 学生の本分は勉強だからね。これからのためにも、頑張って」
蒼羽は穏やかに微笑んだ。
これから。覚者たちのこれから。人類のこれから。
様々な『これから』がそれぞれの目の前にある。
なんでもない日常。取り留めない日常。
だがそんな語られる事の無い日常の最中でも、確かに人は考え、悩み、憤り、想い、そして一歩ずつ前へ進み、未来を見据えて行動している。
これはそんなとある日の日常のお話。
■シナリオ結果■
大成功
■詳細■
MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし
