巨悪消え それでも人は 悪さする
巨悪消え それでも人は 悪さする


●隔者の末路
 七星剣崩壊――
 首魁の八神がFiVEに討たれ、そのカリスマで統一されていた組織が崩れ落ちるのは早かった。元より自分勝手な思想を持つ隔者達だ。集まる旗……というか威を借りる為の虎がいなくなれば蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
 ある者は自首し、ある者は海外に逃げようとし、ある者は法の手に怯えて人里を離れて隠匿しようとし。
 そう言った者達を予測していたかのように覚者達は動き、ほぼ抵抗なく取り押さえることが出来た。全ての隔者を確保できたかは分からないが、初動の速さもあって概ね逃がすことはなかったという。
 そして隔者の中にはこういう行動に出る者もいた。
「八神が捕まった? ハッ、丁度いい! 俺が天下を取ってやるぜ!」
 鼻息荒く立ち上がり、八神の後釜を狙おうとする者だ。数名の部下を引き連れ、逃げた隔者の財を奪い、瞬く間にビル一つを買い取ってそこを拠点に悪事を行おうとしていた。当然ながらその規模は七星剣時代に比べて小さなものだが、かといって放置していいものでもない。
「先ずは資金稼ぎだな。適当な女の弱みを握って、夜の商品にしな。最初は俺が味見するから、いい女をもって来いよ!」
「へっへっへ。俺達にもおこぼれをくださいよ」
 とまあ、端的に言って雑なチンピラである。
 こういった悪事が法に摘発されないのは、単に『隔者に逆らえば酷い目に合う』という怖れからだった。しかし今は恐怖の旗印ともいえる七星剣はなく、FiVEという頼れる組織があることを皆が知っている。
 かくして夢見の予知よりも早く、どうにかしてほしいという嘆願がFiVEの方にやってきたのである。

●FiVE
「連中のビルも人数もすでに割れておる。集まっている所を一網打尽にするのがいいじゃろうな」
『気炎万丈』榊原・源蔵(nCL2000050)は集まった覚者を前に説明を開始する。ビルの地図と隔者の写真。そして使うだろう技などが書かれたメモがある。
「今のところ毒牙にかかった子はおらんが、ストーカーまがいの事をして女の子の情報を集めているのは確かなようじゃ」
 それが表に出ると、女性として社会的ダメージを負う情報もあるらしい。情報はおそらくパソコンやスマホの中にあるので、戦いが終わった後に消すのがいいだろう。
「ワシ、裏口を押さえておくので表から襲撃してくれ。何、つまらんチンピラじゃ。油断せんかったら負けることはないじゃろう」
 あごひげをさすりながら榊原は笑う。七星剣残党とはいえ、それなりに腕が立つ相手だ。だが七星剣を倒した覚者なら、何ら問題はないだろう。
 榊原の言葉に頷き、覚者達は会議室を出た。



■シナリオ詳細
種別:通常
難易度:普通
担当ST:どくどく
■成功条件
1.隔者6名の戦闘不能
2.なし
3.なし
 どくどくです。
 火消しというかつまらない後始末というか。

●敵情報
・猪熊・誠二郎(×1)
 隔者。火の獣憑(亥)。刀を振るって戦います。三〇才男性。
 OPでも示唆されている通り、野心はありますが役者不足な男です。決戦にいなかったのも、八神が器じゃないからと誘わなかっただけです。
『猛の一撃(致命無し)』『圧撃・改』『灼熱化』『烈空波』『火の心』『モテキ』等を活性化しています。

・部下(×5)
 隔者。全員天の獣憑(亥)。トンファーを使って戦います。十代後半男性。
 捕まるのが怖くて猪熊についていっているだけの主体性のない若者たちです。七星剣ですらない不良の集まりでした。女性の個人情報を調べるのも彼らです。
『猛の一撃(致命無し)』『雷獣』『填気』『ピッキングマン』『透視』等を活性化しています。

●NPC
『気炎万丈』榊原・源蔵(nCL2000050)
 裏口を押さえ、隔者を逃がさないようにしています。その為、戦闘には参加しません。

●場所情報
 とあるビルの一室。明るさや広さや足場などは戦闘に支障なし。扉を開けて雪崩れ込む形です。
 戦闘開始時、敵前衛に『猪熊』『部下(×5)』がいます。
 事前付与はいくらでも行えますが、相手が見えないため集中などは不可です。

 皆様のプレイングをお待ちしています。
状態
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
(2モルげっと♪)
相談日数
6日
参加費
100LP[+予約50LP]
参加人数
5/6
公開日
2019年01月18日

■メイン参加者 5人■

『五麟の結界』
篁・三十三(CL2001480)
『緋焔姫』
焔陰 凛(CL2000119)
『天を翔ぶ雷霆の龍』
成瀬 翔(CL2000063)
『ちみっこ』
皐月 奈南(CL2001483)


「猪熊さん、これなんかどうです? いい感じでしょう?」
「いいねー。もう少し数を揃えてから落とすか。お前の方はどうなってる?」
「こっちも順調です。俺達にビビッて泣きまくりですよ」
「お客さんに出す前に味見しないといけないからなあ。品定めも大変だぜ」
「はっはっは」
 ――扉の向こうからそんな笑い声が聞こえてくる。
「こういうチンピラ風情の方が醜悪な事をするものだ」
 怒りを抑えた声で篁・三十三(CL2001480)はため息をついた。彼らが話している内容が容易にわかってしまう。女性に対する蛮行と、その結果歪んでしまう人生。そうやってお金を得ようとするやからなど許せるはずがない。
 しかし今は怒りを抑え、周囲の状況を確認する。中にいる隔者の逃走経路の確認だ。裏口は抑えてあるし、窓から逃げるのは大きさや位置取りから考えて現実的ではない。となれば今開ける扉から突破されなければ問題はない。
「一網打尽というには些かこちらの数は足りませんが……気合いは十分です」
「こいつら幾ら何でも酷すぎるやろ。そら八神のおっさんも連れてこんわな」
 中の会話を呆れたように聞いているのは『緋焔姫』焔陰 凛(CL2000119)だ。隔者にもいろいろいるのは知っているが、だからと言ってこの下劣さはありえない。七星剣にとって代わろうなんて考えるのも、自分の器を理解できていない証拠だ。
 ここでぶった切った方が世の為かもと思うが、そうもいかないのが法という者。きっちり痛い目に合わせて突き出し、反省してもらわなくては。取り押さえる際に少し力が入りすぎるかもしれないが、それぐらいは仕方ないだろう。
「さっさとぶちのめして檻に閉じ込めたるわホンマ」
「ねえねえ。味見とか何言ってるのかなぁ? 御菓子でも食べてるのかなぁ?」
 猪熊の会話に小首をかしげる『ちみっこ』皐月 奈南(CL2001483)。彼らの言っている内容が全く理解できない、という顔である。穢れを知らない奈南には想像もできない内容なのだが、それを教えようとする者はいなかった。
 榊原のおじいちゃんからは『女の人に酷いことをする隔者』と説明されたが、その内容は教えてくれなかった。だがそれだけ分かっていれば奈南には十分だ。悪い人の家に押し入って倒す。それが正しい事だということは間違いないのだから。
「でも家に入って暴れるって……ナナンの方が悪者みたいな気持ち。大丈夫なんだよねぇ?」
「大丈夫大丈夫。いつもの隔者退治さ」
 首を縦に振って『天を翔ぶ雷霆の龍』成瀬 翔(CL2000063)が答える。頭が良ければ引き際を察することもできるのだが、それができないからこういう行動をするのだ。そんなバカにはきっちり反省してもらわないといけない。
 隔者の情報を思い出し、うんざりする翔。実力的にはそこそこなのだが、先の決戦に連れて行ってもらえなかったのはこう言った性格ゆえなのだろう。ここできっちりお灸をすえて、自分の器を理解してもらおう。
「八神のおっさんが五麟に攻め込んできた時に連れてって貰えなかったザコのくせに、何勘違いしてるんだろうなあ、こいつ」
「ちっくしょー。七星剣との決戦に乗り遅れたせいで、もうこんなつまんないのしか残ってねえの?」
 がっくりと肩をうなだれる『雷切』鹿ノ島・遥(CL2000227)。いろいろ事情があって五麟市に七星剣が攻めてきた時には参加できなかったのだ。その悔しさを引きずるわけではないが、今から相手する隔者の素性を思えばそう思ってしまうのも無理はない。
 強い相手と戦うことを生きがいにしている遥にとって、自分より弱いものに力を向けて粋がっている輩は見向きする価値もない。どうあれ隔者は無視できないので、仕方なしに足を向けた。
「榊原さん、そっちはよろしく!」
「おう、頑張って来いよ」
 榊原に手を振って、覚者達は突入の準備を整える。中にいる隔者がこちらに気づいた様子はない。
「……ほんと、無警戒だな。まあ、ありがたいが」
「では参りましょう。いっせーの……でっ!」
「こんにちは! FiVEの覚者デリバリーサービスです! 覚者同士のガチンコバトルをお届けに参りましたー!」
「お前ら、下らん計画立てとるのはもう解っとるんやで。大人しくお縄につけや!」
 タイミングを合わせて突撃する覚者達。隔者達はその登場に浮足立つが、どうにか神具を構えて対応する。
「FiVE!?」
「ちょ、裏口押さえられてるっす!」
「しゃあねえ。正面突破だ!」
 破れかぶれになる隔者。それを迎え撃つ覚者達。その戦いの火ぶたが、今切って落とされた。


「表のドアは押さえておくぜ!」
 最初に動いたのは翔だ。扉の前に立ち、ドアノブを隠すように構える。これで翔をどうにかしない限りはドアを開けることができない。ドアそのものを吹き飛ばせば別だが、そんな余裕は与えるつもりはない。
『DXカクセイパット』を手にして人差し指で印を切る。この世を律する因と果。それに干渉して稲妻を生む。稲妻は翔の意のままに飛来し、隔者達を穿つ。戦いに身を投じてきた翔の稲妻は、半グレあがりの隔者が放つそれと比較にならない。
「絶対に通さねーからな!」
「気合入れてかかってこいよ!」
 指で挑発しながら遥は隔者達に突っ込んでいく。相手を見下すつもりはないが、その練度が甘いのは見て取れた。構えも動きも今まで戦って来たものに比べて未熟と言わざるを得まい。彼らが所作に移るより先に、遥は間合に入る。
 腰を下ろして重心を安定させ、四方向に蹴りを放つ。空手の練習で何度も繰り返してきた型。それを実戦用にアレンジした動きだ。蹴りは隔者の身体に深く命中し、彼らを大きくよろめかせる。この程度で倒れはしないだろうが、それでも出鼻は挫いた。
「全く。『戦い』にもなりゃしない。とっとと寝てな!」
「悪を奨励したい訳やないけど、その道極めたいなら覚悟の一つくらい持てやコラ!」
 怒りの声と共に凛が刀を振るう。八神がいなくなってから強気になり、他人の財を盗んでそれを元に弱みを握っての小銭稼ぎ。やることなすこと中途半端だ。まあ、立派な悪事をこなせと言うわけではないが。
 刀を正眼に構え、呼吸を整える。攻防共に対応できる基本の構え。ここから古流剣術焔陰流は炎の太刀を見せる。凛の刀が翻り、その紋様が炎を幻視させる。隔者が見た炎は刀の紅か、己の血か。それを知るより先に気を失い倒れ伏す。
「まぁ勝てると思うならやってみ? もし勝てたらこの体好きにさせたるわ」
「女性が軽々しくそういうことを言うものではありませんよ」
 凛の言葉を嗜めるように三十三が口を開く。もっとも、凛が負けるとは欠片も思ってはいない。単純な武技と経験はFiVE側が圧倒している。隔者の有利な点は数だが、それも少しずつ失われていた。
 水の源素を手のひらに集わせ、意識を集中する。集めた水が龍を形どり、うねりをあげた。龍は三十三の意志に従い芳香をあげるように顎を広げ、圧倒的な濁流となって隔者達に突撃する。荒波が隔者の体力を奪い、冷たく洗い流していく。
「さて貴方達が得た情報、すべて消させてもらいますよ」
「女の人ばっかりに悪い事するのはダメなのだ!」
 腰に手を当てて怒るように奈南が声を出す。『ホッケースティック改造くん』をぶんぶんと振るいながら隔者との距離を詰めていく。無邪気にほほ笑みながら、しかし振るわれる神具の威力は空気を切り裂くような轟音をあげて。
 奈南の見た目が子供だからと侮ったのだろう。その横を突破しようと隔者が走る。だがその動きは奈南が振るった神具により止められる。五行の力を宿した重い一撃。それが走り抜けようとした隔者の腹を打つ。もんどりうって倒れる隔者に奈南は近づき、
「悪い事をしたら『めっ!』されるんだよぉ。知らない?」
 と、無邪気に問いかけた。
「ふざけやがって……俺はこの国を取る悪党になるんだ! んなところで捕まってたまるかよ!」
 悪くなる戦況を前に叫ぶ猪熊。しかし逃げ道はなく捕まらずに逃げるには覚者達を突破するしかない。
「アホかい。お前みたいなやつが国盗りなんかできるわけないやろ」
「すげー勘違いしてるなぁ。決戦に誘われなかったザコのくせに」
「ホント、残りカスだよなぁ……畜生、俺も戦いたかったぜ!」
 凛、翔、遥が呆れたように言葉を返す。ほぼ同数の覚醒者を相手していたのに、傷らしい傷は見受けられない。隔者側はもうボロボロだというのに。
「悪いことしたらごめんなさいしないと駄目だよぉ?」
「女性に対する非道。許しておけませんね」
 奈南と三十三が猪熊に告げる。見逃すつもりはい、とばかりに圧を込めて。
 戦いの趨勢はもはや見えている。それでも――
「ふざけるな! この俺の強さ、思い知らせてやるぜ!」
 引き際を知らない隔者は戦いを続ける。
 勿論、覚者も猪熊を許すつもりは毛頭ない。ここできっちり引導を渡し、脅されている者達を開放するのだ。
 覚者と隔者の戦いは、一歩ずつ終焉に向かっていく。


 戦いは、始終覚者達のペースで押し続けていた。
「お前らさー! なんで猪熊なんて馬鹿に従ってるんだよ!?」
 戦いの最中、翔が隔者に問いかける。
「こんな奴の言う事聞いてたって未来はないの分かんねーのかな。
 反省してやり直す気持ちがあるんなら捕まったってそう悪い事にはなんねはずだし。もしここで投降するんだったら、じょーじょーしゃくりょーの余地はあるはずだぜ」
「う、いや、でも」
 戸惑う隔者。とはいえ目の前に猪熊がいる状況で首は縦に振れない。ありえないとは思うが、もしFiVEに勝てれば猪熊にどんな目にあわされるか。
「体力とか大丈夫そうだよね? じゃあナナンはどっかーんするよ!」
 奈南は仲間の傷具合を確認しながら戦っていた。だが三十三の回復で十分だと悟り、そのパワーを発揮すべく 神具を振るう。特に格闘技を会得していない力任せの一撃だが、それでもチンピラ如きの動きを止めるには十分な物だった。
「とー! おやすみなさい、なのだ!」
「猪熊っつったか? アンタなら戦いになるかな?」
 他の隔者を全員伏した後に、遥は猪熊に向き直る。刀を構えた様は、それなりに『闘い』になりそうだと遥は笑みを浮かべた。刀の間合ギリギリから一気に踏み込み、拳を突き立てる。直撃こそ避けられたが、それでも猪熊の体力を大きく削った。
「仮にも七星剣だった奴がよぉ! 戦うでもなく女のケツ追っかけてんじゃねえよ!」
「女の弱み握って稼ごうとか、志が低すぎるやろ」
 呆れたように凛は呟き、刀を振るう。猪熊の刀と交差し、鍔競り合った。少しずつ溜まってくる怒りをぶつけるように、じわりじわりと押していく。こんな男に利用されるとか本当にはらわたが煮えくりかえってくる。
「敵ながら覚悟も信念も持ってた八神のおっさんの後釜狙うとか、冗談でも笑えんわ」
「ええ全く。あなたのような人が天下を取っても、三日ももたないでしょうね」
 唾棄するように三十三が告げる。仲間の傷を癒しながら猪熊を睨んでいた。逃げ道は完全にふさいである。危険を覚悟で窓から飛び出そうとしても、背中を見せた瞬間に取り押さえれば済む話だ。
「これで詰みです。さあ、覚悟してください」
「く、そおおおおおおおお!」
 三十三の言葉は覚者だけではなく、猪熊も理解できていた。隔者で動けるのはもう猪熊だけ。その彼ももはや限界だ。対し覚者は三十三の回復もあってほぼ無傷。歴戦の戦士と火事場泥棒の差が明確に出ていた。
「んじゃ終わりや。八神のおっさんの技食らって去ねや!」
 刀を構えた凛が猪熊に迫る。二度刀を交差させ、三度目で猪熊の刀を弾き飛ばす。猪熊が刀を拾おうと下がった隙を逃さず、凛は突きの構えを取る。七星剣首魁の技。道無き場所に道を作る剣技。それを解き放った。
「殺しはせえへん。檻の中で自分のみみっちさを刻んで来い!」
 刀を振るい、納刀する凛。ちん、と鞘に納めた音と同時に、既に気を失っていた猪熊は崩れ落ちた。


「終わったかの?」
 戦いが終わったことを察し、裏口を封鎖していた榊原がひょっこりと顔を出す。その頃には覚者達は隔者達を縛り終えていた。
「刑務所で頭冷やして、真っ当になってこい!」
 遥は隔者を縛り、軽く頭をはたく。ふと気になってもっと強い隔者がいないか聞こうとしたが、猪熊はそんな情報を持っていそうにないよなぁと思い至る。何せ自分が一番偉くなると勘違いした奴なのだから、自分以外の興味は薄いだろう。
「さて。徹底的に消しますか」
 三十三は事務所にあったパソコンや隔者が持っていたスマートフォンを取り上げ、その中にあるファイルを見る。パスワードすら禄にかけていないモバイルの中に、わかりやすいように脅迫用の証拠があった。ここまでくると逆に罠かと疑いたくなる、
「おい、これで全部やろうなぁ? 他に何かあったら許さへんで」
 凛が木刀(事務所の中にあった。おそらく脅迫用だろう)を手にして隔者に詰め寄る。数分前までその剣技に圧倒された彼らは、一斉に首を縦に振ってこれ以上はないと主張する。この怯えようは嘘を言っているようには思えない。
「もう壊しても大丈夫? それじゃあえいやー!」
 捜査の終わったモバイルを奈南は神具で破壊していく。データは消去したが物理的に破壊してサルベージを塞ぐ。これで完膚なきまでにデータは消滅した。捜査前に神具を振り上げ、止めるひと悶着があったのは些細な事件だ。
「ったく。自分の実力を知れっての!」
 連行される猪熊達にため息をつく翔。七星剣が潰えた時に、隔者の繁栄も終わりを告げたのだ。そこに拘泥しても、何も生まれない。人と人が戦う時代は終わったのだ。今やらなくてはいけない事は――

 こうして隔者の暴走とも言うべき騒動は幕を閉じる。
 彼らに脅されていた女性達は逮捕を知り、安堵すると同時にFiVEに感謝する。彼女達の生活を脅かす者はもういない。
 隔者の動きは日に日に少なくなっていく。それだけFiVEへの信頼が増し、期待が高まっている証拠だ。いままで培った活動が少しずつ花開いていた。
 隔者達が護送用の車に乗せられ、その扉が閉じる。
 それが事件の終焉を告げる音となった。


■シナリオ結果■

成功

■詳細■

MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし




 
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