《島根動乱》病院を攻める妖 さあ守れ
●市立病院前にて
沈黙を保っていた妖が、突如人間に襲い掛かってきた。
島根県のパワースポットを占拠し、業物と呼ばれる刀剣類を集めていた妖達の動きが一夜を境にして変化する。人間が集まっている場所にむけて、突撃を開始したのだ。
「妖が来るぞー!」
「早く荷物を纏めて逃げるんだ!」
多くの夢見を有するFiVEがその変化を事前に察知し、避難を促す。その行動もあって、攻勢に出た妖のほとんどが空振りに終わったという。
だが、全ての人達が素早く避難活動できたというわけではない。
「患者はこれで全てか!?」
「ストレッチャー最後の一つです!」
「杖ももうありません!」
多くの怪我人を有する病院。連絡を受けて医者や看護師総出で患者を避難させようとするが、それでも時間が足りなかった。
「バス来ました!」
「……駄目だ。妖の方が早い。立てこもるぞ!」
迫る妖を見る医者達。バスに患者を搬送するよりも早く、病院に妖が到着する。ならばバリケードを作って耐えた方がましだ。
――耐えたところで数分長生きできる程度だが。
●FiVE
「島根の妖騒動に変化が起きた。
いままで人間は二の次にしていた妖達が、人間を最優先で襲うようになった」
中 恭介(nCL2000002)は集まった覚者を前に説明を開始する。
「原因は――おそらく先の闘いで戦蘭丸から奪取した『ヤマタノオロチの骨』だろう。それを取り返そうと人間を襲っている」
盲目の戦蘭丸からすれば骨を盗んだ『人間』の区別などつかない。知能のない妖ならなおのことだ。結果として、島根全ての人間を殺して手に入れよう、ということになる。大雑把だが、それが可能となる戦力があるのだから冗談ではない。
「幸いにして、事前にこのことを予知できたお陰で前もって人の避難は完了している。だがこの市立病院は患者数も多く、あと一歩という所で逃げ遅れた。
君達にその病院を襲う妖の足止めを願いたい」
複数の日本刀を持つ仏像のような妖。高ランクの妖のようで、並の覚者では手が出せないようだ。
「この事態、逆に捉えれば妖側のキモをこちらが押さえたことになる。上手く誘導できれば戦蘭丸をこちらの有利な状況で叩くことが出来るだろう。島根の解放は近いと思ってくれ。
だがその前に今は守らなければならないことがある」
島根解放のために、島根の人達を守る。
覚者達は頷いて、現場に向かった。
沈黙を保っていた妖が、突如人間に襲い掛かってきた。
島根県のパワースポットを占拠し、業物と呼ばれる刀剣類を集めていた妖達の動きが一夜を境にして変化する。人間が集まっている場所にむけて、突撃を開始したのだ。
「妖が来るぞー!」
「早く荷物を纏めて逃げるんだ!」
多くの夢見を有するFiVEがその変化を事前に察知し、避難を促す。その行動もあって、攻勢に出た妖のほとんどが空振りに終わったという。
だが、全ての人達が素早く避難活動できたというわけではない。
「患者はこれで全てか!?」
「ストレッチャー最後の一つです!」
「杖ももうありません!」
多くの怪我人を有する病院。連絡を受けて医者や看護師総出で患者を避難させようとするが、それでも時間が足りなかった。
「バス来ました!」
「……駄目だ。妖の方が早い。立てこもるぞ!」
迫る妖を見る医者達。バスに患者を搬送するよりも早く、病院に妖が到着する。ならばバリケードを作って耐えた方がましだ。
――耐えたところで数分長生きできる程度だが。
●FiVE
「島根の妖騒動に変化が起きた。
いままで人間は二の次にしていた妖達が、人間を最優先で襲うようになった」
中 恭介(nCL2000002)は集まった覚者を前に説明を開始する。
「原因は――おそらく先の闘いで戦蘭丸から奪取した『ヤマタノオロチの骨』だろう。それを取り返そうと人間を襲っている」
盲目の戦蘭丸からすれば骨を盗んだ『人間』の区別などつかない。知能のない妖ならなおのことだ。結果として、島根全ての人間を殺して手に入れよう、ということになる。大雑把だが、それが可能となる戦力があるのだから冗談ではない。
「幸いにして、事前にこのことを予知できたお陰で前もって人の避難は完了している。だがこの市立病院は患者数も多く、あと一歩という所で逃げ遅れた。
君達にその病院を襲う妖の足止めを願いたい」
複数の日本刀を持つ仏像のような妖。高ランクの妖のようで、並の覚者では手が出せないようだ。
「この事態、逆に捉えれば妖側のキモをこちらが押さえたことになる。上手く誘導できれば戦蘭丸をこちらの有利な状況で叩くことが出来るだろう。島根の解放は近いと思ってくれ。
だがその前に今は守らなければならないことがある」
島根解放のために、島根の人達を守る。
覚者達は頷いて、現場に向かった。

■シナリオ詳細
■成功条件
1.妖の打破
2.なし
3.なし
2.なし
3.なし
戦蘭丸攻勢ルート。
●敵情報
・八腕銅像(×1)
物質系妖。ランク3。八本の腕にそれぞれ日本刀を持っている銅像です。金属の身体を持ち、人間のように歩いています。
攻撃方法
滅多切り 物近範 八本の刀で切り裂きます。【二連】【出血】
集中砲火 物近単 対象を一人に絞り、刀を振るいます。【三連】【流血】
怒りの面 神遠単 怒りの圧力をぶつけ、精神を傷つけます。【Mダメージ100】
八本の腕 P 八本の腕を駆使し、妨害します。ブロックが3人分あります。
・狛犬(×1 参加者6名以上の場合、×2)
動物系妖。ランク1。犬の妖化です。背中にサメの尾ひれのように日本刀が埋めつけられています。
攻撃方法
斬撃 物近単 背中の刀で斬ってきます。【出血】
遠吠え 神遠全 耳障りな遠吠えで動きを乱します。【ダメージ0】【不安】
●場所情報
島根県某市立病院前。バリケードを突破しようとしている妖を強襲する形になります。
時刻は朝。足場や広さは戦闘に支障なし。覚者がいる間は、妖はバリケード攻撃を止めて覚者との戦いに専念します。
戦闘開始時、敵中衛に『狛犬(×1 もしくは2)』、敵前衛に『八腕銅像(×1)』がいます。
急いでいるため、事前付与は不可とします。
皆様のプレイングをお待ちしています。
状態
完了
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
相談日数
7日
7日
参加費
100LP[+予約50LP]
100LP[+予約50LP]
参加人数
5/8
5/8
公開日
2018年07月05日
2018年07月05日
■メイン参加者 5人■

●
一夜を境にして、人間を襲う妖達。ヤマタノオロチの骨を奪われ、それを取り返すために人間を襲い始めたのだ。
「ヤマタノオロチさんの骨を奪った事で戦蘭丸さんが、この様な行動に出るとは思っていませんでした……」
病院に向かいながら『意志への祈り』賀茂 たまき(CL2000994)は悔いるように呟く。島根動乱の首魁からヤマタノオロチの骨を奪ったのは自分達だ。その結果、妖達は骨を求めて人を襲い始めた。
夢見の予知とそれを聞いた人達の行動力でその被害は少ないが、完全にとは言い切れない。今回のように人手が足りないケースも出てくる。このままであれば潰える命。それを救うために覚者達は走る。
「まさか病院を狙うだなんて」
怒りの声をあげるのは『天使の卵』栗落花 渚(CL2001360)だ。重篤な症状を抱えた人は、満足に動く事すらできない。そんな場所に襲撃をかければ、瞬く間に惨劇が生まれるだろう。抵抗どころか逃げる事すらかなわないのだから。
かつて看護師に助けられた渚の命。助けてもらった命を活かそうと看護師を目指し、命を救う覚者の道を進む。その志は今も変わらない。多くの命を救うためにこの能力がある。そう信じて渚は走る。
「でもよかったです。夢見の予知がなければ被害はもっとひどかったわけですし」
怒りを宥めるように離宮院・太郎丸(CL2000131)が告げる。FiVEが多くの夢見を有し、多くの事件を解決してきたからこそ、島根の人達はFiVEの緊急通報に反応して動いてくれたのだ。
これまでの活動は無駄じゃなかった。それを実感する太郎丸。その信頼を裏切らないように戦おう。久しぶりの実戦に戸惑うこともあるが、体は思ったよりも軽やかに動いてくれた。
「誰彼構わず人間を狙うだなんて……ある意味、私達の一番痛いところを的確に突かれてしまっているような印象です」
『赤き炎のラガッツァ』ラーラ・ビスコッティ(CL2001080)は妖の行動をそう評した。戦略的にFiVEは人を守ることを目的としている。この攻勢はその戦略的な弱点を攻められた形だ。それは認めなくてはいけない。
島根動乱の首魁はランク4。それなり知恵が回る個体だ。ならば多少強引と理解しながらもこういった行動に出たのだろう。だがその流れを断ち切れば勝機は生まれる。いまは妖の攻勢を凌ぐ手番だ。
「これ以上の被害は出させやしない!」
強く叫ぶ『探偵見習い』工藤・奏空(CL2000955)。敵の行動を読めなかったのは悔やまれる。だが今は動く時だ。気持ちを入れ替えて戦いに挑む。幸いにして被害自体はそれほど大きくない。この場を凌げば、あとは――
脳裏に浮かぶ敵の首魁。奴を倒さなければこの島根の動乱は終わらない。一度相対してある程度の強さは解ったが、そこまでだ。どうすればいい――思考が行き止まりになったと同時に聞こえる破壊音。病院の入り口にいる妖がバリケードを攻撃しているのだ。
八本の腕を持つ銅像のような妖。そして狛犬のような妖。一たび病院内に入れば、血の惨劇を生み出すだろう。
一斉に覚醒し、神具を構える覚者達。
戦いの火蓋は、切って落とされたのであった。
●
「ヤマタノオロチの骨を盗んだのはこの俺、工藤奏空だ!」
大声で叫び妖に向かって走る奏空。敵の首魁からヤマタノオロチの骨を奪ったのは確かに彼だ。そうすることで敵の目的を止める目論見があったのだが、このようなことになろうとは。悔いるつもりはないが、その責は果たさなければならないと言う思いがあった。
妖の視線がこちらを向いたことを確認し、奏空は精神を集中させる。八本の腕が動き、ほぼ同時に攻撃を仕掛けてくる。妖の体の向き、腕の動き、刀の角度。全てを瞬時に頭に入れて攻撃を予測する。刃をかわしながら、カウンター気味に神具で斬りかかった。
「必ず俺達がここで止めます! だから安心してください!」
「慣れない役目ではありますが、皆さんの安全は私が守らせていただきますね」
魔導書を手にラーラが病院の人達に語りかける。目に見えるだけでも十数名の医者や看護師達がバリケードを維持している。ここを突破されればその数十倍ほどの人がいるのだろう。ここを守る重みを感じながら、炎を生み出す。
呼吸を整え、背筋を伸ばす。心がを落ち着かせながら、激情のような炎を生み出した。赤々と燃える炎はラーラの手の中で一本の矢のような姿を取り、そのまま放たれる。炎の矢は途中で分裂し、複数の弾丸となって妖を穿っていく。
「お急ぎのところ申し訳ありませんけど、中にいる人たちは骨を持ってませんよ?」
「手当たり次第に人を襲っているみたいですね」
妖の行動を間近で見て太郎丸はそう結論付ける。島根の人全てを襲い、それを首魁の前に連れていく。あるいは死体を放置し、それから骨を探すという作戦のようだ。時間はかかるが、妖はそれが可能である戦闘力を持っているから恐ろしい。
『ノートブック』を手にする太郎丸。戦っている仲間の傷具合を見ながら、大きく息を吸う。いったん息を止めて術を展開し、呼気と共に回復の術式を解き放った。太郎丸を中心に波紋のように広がる回復の波。波紋が仲間に触れると、妖から受けた傷が癒えていく。
「回復はお任せください!」
「私、これでも結構怒ってるんだから!」
病院を襲撃した妖に怒りの声をあげる渚。渚にとって病院は人の傷や病気を治す場所であると同時に、目標の場所だ。そこを襲撃されて平然していられない。医者や看護師たちの努力を暴力で無に帰そうとする妖を睨み、神具を構える。
祈るように手を合わせる渚。体内の源素が彼女の背中に集中し、光り輝く翼を形成する。翼は軽やかに広がり、光の羽根を周囲に散布した。それは誰かを治したいという渚の想い。その想いがこもった光の羽根が、仲間達に降り注ぎ傷を癒す。
「目の前の命は私達が守るよ」
「はい。もう島根の人達を傷つけさせはしません!」
強く頷くたまき。事の是非はともかく、妖の態度一辺の原因は自分達にある。とても知らないふりはできなかった。暴れまわる島根の人達を救うために術を行使して戦う。それが陰陽術師の使命だ。
たまきは持っていた術符を地面に張り付け、印を切る。言葉と共に大地が隆起し、土となって妖に衝撃を与えた。インパクトの瞬間に加えられるもう一つの衝撃。それが妖の背後にいる狛犬に伝わり、その肉体を大きく揺らす。
「ここで倒します!」
五人の覚者は互いの穴を埋めるように流動的に動き、チームワークを持って妖を攻め立てる。それは妖にはない強さだ。
だが個として強い能力を持つ妖は、連携無しでも恐ろしい戦闘力を有している。並の覚者なら一掃されていただろう。
守るために動く覚者。奪うために動く妖。
両者の闘いは、妥協することなく加速していく。
●
意味のない仮定だが、もし敵の首魁がヤマタノオロチの骨を所有したままだった場合、ヤマタノオロチの影響で島根を様々な水害が襲い、多くの被害が出ていただろう。最悪の場合、ヤマタノオロチと敵の首魁の二敵を相手取る必要があった。
比較する術はないが、そうなった場合はこの妖大攻勢よりも人的被害や物的被害、復興の難易度的にも多大なる影響が島根に残される。それを思えば現状はだいぶマシといえよう。
とはいえ――楽観できる状況でもない。敵の首魁が人間を襲う状況を凌いでいるのは、人間サイドが一丸となっているからだ。夢見の予測、FiVEを信頼して行動する人たち。そして妖対応に勤しむ覚者達。その一つでも欠けていれば惨事が起きていただろう。
その水際ともいえるのが、この病院だ。
「良い子に甘い焼き菓子を、悪い子には石炭を……イオ・ブルチャーレ!」
ラーラの炎が戦場を走る。前世の知識と今世の努力。その二つが重なり合って生まれる赤い炎。破壊の炎は病院の人を守るために燃え盛る。妖を焼く炎はラーラの魔力を糧としてさらに激しく燃え盛る。
そして炎は再生の力ともなる。魔力によって生まれた碧きヤマネコ。それが体を温める炎を仲間に配る。破壊と再生。その二極を司るのが火という存在。その二つを極めてこそ炎の魔女。ラーラの炎が戦局を動かしていく。
「どうしたどうした! 俺はここだ!」
妖を挑発するように声を上げ、八腕銅像の攻撃を捌いていく奏空。FiVEの中でもトップクラスの奏空であっても、ランク3の攻撃を完全にさばききることは難しい。その身体に刻まれた刀傷は多く、命数を燃やしてなんとか立っている状態だ。
痛みがないわけじゃない。だけどその痛みを隠して笑みを浮かべる奏空。この痛みや苦しみは一時的なものだ。島根の人が受けた苦痛に比べればどうということはない。思うと同時に『MISORA』を振るう。神具は銅像の胸を裂き、その体力を大きく奪う。
「無理しないで。交代だよ!」
傷ついた奏空を後ろに下げて渚が前に出る。傷ついた前衛と中衛をスイッチし、傷ついた者の傷を癒す。その間は妖の刃に晒されることになるが、それを承知で渚は前に出た。妖を退けるために危険に身を晒す。その覚悟が瞳に宿っていた。
巨大な注射器の形をした神具を手に、八腕銅像の前に立つ渚。攻めに徹するつもりはない。渚はあくまで回復を主体に動いていた。それは人を癒したいという信念ゆえ。妖の攻撃を神具で受け止めながら。癒しの術で仲間を癒していく。
「ブランクは大きかったけど、なんとかなりそう……かな」
息絶え絶えに太郎丸は頷く。水の術式を行使して仲間を癒しながら、天の術式で仲間の気力を回復する。ランク3の激しい攻撃に命数を燃やしながら、それでも倒れまいと必死に奮起する。元々引っ込み思案の太郎丸だが、島根の惨状を前にに勇気を振り絞っていた。
発現した因子と源素に戸惑うこともあった。自分にできることを模索し、癒しの術を学んだ。そして今、その術を行使して島根動乱を収めるべく太郎丸は立っていた。源素でもなく因子でもなく、その勇気こそが強さの源。
「これで!」
術符を使い、大地を操るたまき。背中のリュックから大きな術符を取り出し、印を切る。たまきから生まれた呪力は印を切ることでこの世界に顕現し、術を通してその方向性が定まる。赤の文字で地の聖獣の名が書かれた術符が光り輝き、大地の槍が妖を襲う。
揺らぐ妖だが、まだ倒れる様子はない。ランク3の妖のタフネスに、一瞬だけ攻めきれない未来を想像する。生来の臆病な性格を何とか押さえ込み、次の術符を用意する。まけない。心でそう呟き、息を吸った。呼気と共に不安を吐き出し、力を籠める。
妖の戦術はいたって単純。後衛の狛犬が不安を振りまき、八腕銅像が血の惨劇を生み体力を奪っていく。前衛後衛の役割がきちんとしている形だ。
だがそのコンビネーションは後衛の狛犬が倒れれば崩れ去る。。不安を与える狛犬がラーラの攻撃で潰えれば、あとは八腕銅像のみ。ランク3の妖は脅威だが、それを幾つも破ってきたのがFiVEの覚者だ。
「たまきちゃん!」
「はい!」
奏空とたまきが同時に動く。
たまきが大地を操り、土の槍を八腕銅像に突き立てる。六本の土槍は、八本の刀によりさばき、防がれ、破壊される。そのまま返す刀でたまきに刃が迫り――
「させないよ!」
その側面から迫る奏空。たまきが生み出した土の槍を足場に、一気に距離を詰めていた。攻撃を受け流した後だからこそ生まれた隙。その隙を逃すことなく奏空は斬りかかる。反応する時間さえ与えず、八腕銅像の肩を切り裂いた。だが――妖はまだ倒れない。妖の刃が奏空に振り下ろされる。
「はい、させません!」
振り下ろされる刃に炎の蛇が絡みつく。ラーラが放った炎の術だ。蛇は刀を螺旋状に絡みつき、妖の腕を這うように動いてその首元を狙う。炎熱が妖の体力を奪い、蛇の牙が火傷を残す。
「今がチャンスです!」
渚の術が仲間を癒す。ラーラの炎による動きが止まった妖。それを突くには覚者達は疲弊しきっていた。その疲労を癒すべく渚は癒しの術を放つ。清らかな光の羽根が舞い、傷の痛みが引いていく。
「五方の聖獣、急急如律令。怨敵を打ち払え!」
「オン、アミリテイ、ウン、ハッタ! これで終いだ!」
たまきの土槍と、奏空の刃が妖を貫く。二人の攻撃を受けてなお妖は動き――
「オオ……オオオオオオ!」
悲鳴のような声を上げ、八本の腕から力が抜ける。絶命を示すようにその手から刀が落ち、乾いた金属音が戦場に響いた。
その音が消え去ると同時、八腕銅像は風に吹かれるように消えていった。
●
戦いが終わったことを確認し、病院の人達は歓声を上げる。
だが喜んでいる余裕はない。また妖が来ないとも限らないのだ。急ぎ患者の搬送を再開する。重篤患者を優先して救急車に乗せ、バスで運べる患者はバスに乗せ。てんやわんやの騒動の後に、覚者への礼となった。
「すまない。礼を言うのが遅れてしまって。貴方達のおかげで助かりました」
頭を下げる医者達。
「いいえ、いいんです。病人を優先するのは当然です。そちらこそお疲れさまでした」
そう言葉を返したのは渚だ。医者がどういった仕事なのかは理解している。こちらへの礼が遅れることは致し方ないことだ。
「病人たちは何処に運ばれたんです?」
「治療が必要な順に島根県外の病院にだ。とはいえまだ妖がいる以上、搬送も簡単じゃない」
たまきの問いに答える医者。島根を跋扈する妖は、県の内外を移動する者にも襲い掛かる。FiVEが突破口を開けた場所は妖包囲網の一部でしかない。そこから全島根県民を脱出させようとするなら膨大な時間と手間がかかる。
(島根県民全てを逃がすのは、現実的じゃないか……)
奏空はため息をつき、提案しようとしていたことを諦める。そもそもそれが可能なら、初めからそうしている。今のところは妖が少ない地域で防衛に徹するのが最も安全だ。だが、それとて限度があるだろう。
ともあれ、いまは助けることが出来る命を救うことが出来た。その事実こそが、覚者の最大の報酬だった。
帰還した覚者達は、慌しく動くFiVEスタッフを見て驚く。自分達が知らない間に何か別の事件が起きたのではないかと思ったのだ。
だがそれが逆であることを知らされる。
「戦蘭丸――島根動乱の首魁をおびき出し、一網打尽にする作戦だ」
「これが上手く言えば、事態を一気に打破できる。島根の解放につながるぞ」
その作戦実行のために、彼らは慌しく動いていた。何かできることはないかと尋ねたが、今はその時のために体を癒すよう勧められる。
作戦の詳細を尋ねたところ、概要を教えられる。
「君達が奪って来たヤマタノオロチの骨。これを使って戦蘭丸と妖の群をおびき出す。
こちらが有利な地形で戦いを挑み、戦蘭丸の長所を殺しながら戦力を集中させて倒すんだ」
決戦の場所は龍頭が滝。
中国地方随一の名瀑と呼ばれた滝にて、島根動乱の決着がつけられる――
一夜を境にして、人間を襲う妖達。ヤマタノオロチの骨を奪われ、それを取り返すために人間を襲い始めたのだ。
「ヤマタノオロチさんの骨を奪った事で戦蘭丸さんが、この様な行動に出るとは思っていませんでした……」
病院に向かいながら『意志への祈り』賀茂 たまき(CL2000994)は悔いるように呟く。島根動乱の首魁からヤマタノオロチの骨を奪ったのは自分達だ。その結果、妖達は骨を求めて人を襲い始めた。
夢見の予知とそれを聞いた人達の行動力でその被害は少ないが、完全にとは言い切れない。今回のように人手が足りないケースも出てくる。このままであれば潰える命。それを救うために覚者達は走る。
「まさか病院を狙うだなんて」
怒りの声をあげるのは『天使の卵』栗落花 渚(CL2001360)だ。重篤な症状を抱えた人は、満足に動く事すらできない。そんな場所に襲撃をかければ、瞬く間に惨劇が生まれるだろう。抵抗どころか逃げる事すらかなわないのだから。
かつて看護師に助けられた渚の命。助けてもらった命を活かそうと看護師を目指し、命を救う覚者の道を進む。その志は今も変わらない。多くの命を救うためにこの能力がある。そう信じて渚は走る。
「でもよかったです。夢見の予知がなければ被害はもっとひどかったわけですし」
怒りを宥めるように離宮院・太郎丸(CL2000131)が告げる。FiVEが多くの夢見を有し、多くの事件を解決してきたからこそ、島根の人達はFiVEの緊急通報に反応して動いてくれたのだ。
これまでの活動は無駄じゃなかった。それを実感する太郎丸。その信頼を裏切らないように戦おう。久しぶりの実戦に戸惑うこともあるが、体は思ったよりも軽やかに動いてくれた。
「誰彼構わず人間を狙うだなんて……ある意味、私達の一番痛いところを的確に突かれてしまっているような印象です」
『赤き炎のラガッツァ』ラーラ・ビスコッティ(CL2001080)は妖の行動をそう評した。戦略的にFiVEは人を守ることを目的としている。この攻勢はその戦略的な弱点を攻められた形だ。それは認めなくてはいけない。
島根動乱の首魁はランク4。それなり知恵が回る個体だ。ならば多少強引と理解しながらもこういった行動に出たのだろう。だがその流れを断ち切れば勝機は生まれる。いまは妖の攻勢を凌ぐ手番だ。
「これ以上の被害は出させやしない!」
強く叫ぶ『探偵見習い』工藤・奏空(CL2000955)。敵の行動を読めなかったのは悔やまれる。だが今は動く時だ。気持ちを入れ替えて戦いに挑む。幸いにして被害自体はそれほど大きくない。この場を凌げば、あとは――
脳裏に浮かぶ敵の首魁。奴を倒さなければこの島根の動乱は終わらない。一度相対してある程度の強さは解ったが、そこまでだ。どうすればいい――思考が行き止まりになったと同時に聞こえる破壊音。病院の入り口にいる妖がバリケードを攻撃しているのだ。
八本の腕を持つ銅像のような妖。そして狛犬のような妖。一たび病院内に入れば、血の惨劇を生み出すだろう。
一斉に覚醒し、神具を構える覚者達。
戦いの火蓋は、切って落とされたのであった。
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「ヤマタノオロチの骨を盗んだのはこの俺、工藤奏空だ!」
大声で叫び妖に向かって走る奏空。敵の首魁からヤマタノオロチの骨を奪ったのは確かに彼だ。そうすることで敵の目的を止める目論見があったのだが、このようなことになろうとは。悔いるつもりはないが、その責は果たさなければならないと言う思いがあった。
妖の視線がこちらを向いたことを確認し、奏空は精神を集中させる。八本の腕が動き、ほぼ同時に攻撃を仕掛けてくる。妖の体の向き、腕の動き、刀の角度。全てを瞬時に頭に入れて攻撃を予測する。刃をかわしながら、カウンター気味に神具で斬りかかった。
「必ず俺達がここで止めます! だから安心してください!」
「慣れない役目ではありますが、皆さんの安全は私が守らせていただきますね」
魔導書を手にラーラが病院の人達に語りかける。目に見えるだけでも十数名の医者や看護師達がバリケードを維持している。ここを突破されればその数十倍ほどの人がいるのだろう。ここを守る重みを感じながら、炎を生み出す。
呼吸を整え、背筋を伸ばす。心がを落ち着かせながら、激情のような炎を生み出した。赤々と燃える炎はラーラの手の中で一本の矢のような姿を取り、そのまま放たれる。炎の矢は途中で分裂し、複数の弾丸となって妖を穿っていく。
「お急ぎのところ申し訳ありませんけど、中にいる人たちは骨を持ってませんよ?」
「手当たり次第に人を襲っているみたいですね」
妖の行動を間近で見て太郎丸はそう結論付ける。島根の人全てを襲い、それを首魁の前に連れていく。あるいは死体を放置し、それから骨を探すという作戦のようだ。時間はかかるが、妖はそれが可能である戦闘力を持っているから恐ろしい。
『ノートブック』を手にする太郎丸。戦っている仲間の傷具合を見ながら、大きく息を吸う。いったん息を止めて術を展開し、呼気と共に回復の術式を解き放った。太郎丸を中心に波紋のように広がる回復の波。波紋が仲間に触れると、妖から受けた傷が癒えていく。
「回復はお任せください!」
「私、これでも結構怒ってるんだから!」
病院を襲撃した妖に怒りの声をあげる渚。渚にとって病院は人の傷や病気を治す場所であると同時に、目標の場所だ。そこを襲撃されて平然していられない。医者や看護師たちの努力を暴力で無に帰そうとする妖を睨み、神具を構える。
祈るように手を合わせる渚。体内の源素が彼女の背中に集中し、光り輝く翼を形成する。翼は軽やかに広がり、光の羽根を周囲に散布した。それは誰かを治したいという渚の想い。その想いがこもった光の羽根が、仲間達に降り注ぎ傷を癒す。
「目の前の命は私達が守るよ」
「はい。もう島根の人達を傷つけさせはしません!」
強く頷くたまき。事の是非はともかく、妖の態度一辺の原因は自分達にある。とても知らないふりはできなかった。暴れまわる島根の人達を救うために術を行使して戦う。それが陰陽術師の使命だ。
たまきは持っていた術符を地面に張り付け、印を切る。言葉と共に大地が隆起し、土となって妖に衝撃を与えた。インパクトの瞬間に加えられるもう一つの衝撃。それが妖の背後にいる狛犬に伝わり、その肉体を大きく揺らす。
「ここで倒します!」
五人の覚者は互いの穴を埋めるように流動的に動き、チームワークを持って妖を攻め立てる。それは妖にはない強さだ。
だが個として強い能力を持つ妖は、連携無しでも恐ろしい戦闘力を有している。並の覚者なら一掃されていただろう。
守るために動く覚者。奪うために動く妖。
両者の闘いは、妥協することなく加速していく。
●
意味のない仮定だが、もし敵の首魁がヤマタノオロチの骨を所有したままだった場合、ヤマタノオロチの影響で島根を様々な水害が襲い、多くの被害が出ていただろう。最悪の場合、ヤマタノオロチと敵の首魁の二敵を相手取る必要があった。
比較する術はないが、そうなった場合はこの妖大攻勢よりも人的被害や物的被害、復興の難易度的にも多大なる影響が島根に残される。それを思えば現状はだいぶマシといえよう。
とはいえ――楽観できる状況でもない。敵の首魁が人間を襲う状況を凌いでいるのは、人間サイドが一丸となっているからだ。夢見の予測、FiVEを信頼して行動する人たち。そして妖対応に勤しむ覚者達。その一つでも欠けていれば惨事が起きていただろう。
その水際ともいえるのが、この病院だ。
「良い子に甘い焼き菓子を、悪い子には石炭を……イオ・ブルチャーレ!」
ラーラの炎が戦場を走る。前世の知識と今世の努力。その二つが重なり合って生まれる赤い炎。破壊の炎は病院の人を守るために燃え盛る。妖を焼く炎はラーラの魔力を糧としてさらに激しく燃え盛る。
そして炎は再生の力ともなる。魔力によって生まれた碧きヤマネコ。それが体を温める炎を仲間に配る。破壊と再生。その二極を司るのが火という存在。その二つを極めてこそ炎の魔女。ラーラの炎が戦局を動かしていく。
「どうしたどうした! 俺はここだ!」
妖を挑発するように声を上げ、八腕銅像の攻撃を捌いていく奏空。FiVEの中でもトップクラスの奏空であっても、ランク3の攻撃を完全にさばききることは難しい。その身体に刻まれた刀傷は多く、命数を燃やしてなんとか立っている状態だ。
痛みがないわけじゃない。だけどその痛みを隠して笑みを浮かべる奏空。この痛みや苦しみは一時的なものだ。島根の人が受けた苦痛に比べればどうということはない。思うと同時に『MISORA』を振るう。神具は銅像の胸を裂き、その体力を大きく奪う。
「無理しないで。交代だよ!」
傷ついた奏空を後ろに下げて渚が前に出る。傷ついた前衛と中衛をスイッチし、傷ついた者の傷を癒す。その間は妖の刃に晒されることになるが、それを承知で渚は前に出た。妖を退けるために危険に身を晒す。その覚悟が瞳に宿っていた。
巨大な注射器の形をした神具を手に、八腕銅像の前に立つ渚。攻めに徹するつもりはない。渚はあくまで回復を主体に動いていた。それは人を癒したいという信念ゆえ。妖の攻撃を神具で受け止めながら。癒しの術で仲間を癒していく。
「ブランクは大きかったけど、なんとかなりそう……かな」
息絶え絶えに太郎丸は頷く。水の術式を行使して仲間を癒しながら、天の術式で仲間の気力を回復する。ランク3の激しい攻撃に命数を燃やしながら、それでも倒れまいと必死に奮起する。元々引っ込み思案の太郎丸だが、島根の惨状を前にに勇気を振り絞っていた。
発現した因子と源素に戸惑うこともあった。自分にできることを模索し、癒しの術を学んだ。そして今、その術を行使して島根動乱を収めるべく太郎丸は立っていた。源素でもなく因子でもなく、その勇気こそが強さの源。
「これで!」
術符を使い、大地を操るたまき。背中のリュックから大きな術符を取り出し、印を切る。たまきから生まれた呪力は印を切ることでこの世界に顕現し、術を通してその方向性が定まる。赤の文字で地の聖獣の名が書かれた術符が光り輝き、大地の槍が妖を襲う。
揺らぐ妖だが、まだ倒れる様子はない。ランク3の妖のタフネスに、一瞬だけ攻めきれない未来を想像する。生来の臆病な性格を何とか押さえ込み、次の術符を用意する。まけない。心でそう呟き、息を吸った。呼気と共に不安を吐き出し、力を籠める。
妖の戦術はいたって単純。後衛の狛犬が不安を振りまき、八腕銅像が血の惨劇を生み体力を奪っていく。前衛後衛の役割がきちんとしている形だ。
だがそのコンビネーションは後衛の狛犬が倒れれば崩れ去る。。不安を与える狛犬がラーラの攻撃で潰えれば、あとは八腕銅像のみ。ランク3の妖は脅威だが、それを幾つも破ってきたのがFiVEの覚者だ。
「たまきちゃん!」
「はい!」
奏空とたまきが同時に動く。
たまきが大地を操り、土の槍を八腕銅像に突き立てる。六本の土槍は、八本の刀によりさばき、防がれ、破壊される。そのまま返す刀でたまきに刃が迫り――
「させないよ!」
その側面から迫る奏空。たまきが生み出した土の槍を足場に、一気に距離を詰めていた。攻撃を受け流した後だからこそ生まれた隙。その隙を逃すことなく奏空は斬りかかる。反応する時間さえ与えず、八腕銅像の肩を切り裂いた。だが――妖はまだ倒れない。妖の刃が奏空に振り下ろされる。
「はい、させません!」
振り下ろされる刃に炎の蛇が絡みつく。ラーラが放った炎の術だ。蛇は刀を螺旋状に絡みつき、妖の腕を這うように動いてその首元を狙う。炎熱が妖の体力を奪い、蛇の牙が火傷を残す。
「今がチャンスです!」
渚の術が仲間を癒す。ラーラの炎による動きが止まった妖。それを突くには覚者達は疲弊しきっていた。その疲労を癒すべく渚は癒しの術を放つ。清らかな光の羽根が舞い、傷の痛みが引いていく。
「五方の聖獣、急急如律令。怨敵を打ち払え!」
「オン、アミリテイ、ウン、ハッタ! これで終いだ!」
たまきの土槍と、奏空の刃が妖を貫く。二人の攻撃を受けてなお妖は動き――
「オオ……オオオオオオ!」
悲鳴のような声を上げ、八本の腕から力が抜ける。絶命を示すようにその手から刀が落ち、乾いた金属音が戦場に響いた。
その音が消え去ると同時、八腕銅像は風に吹かれるように消えていった。
●
戦いが終わったことを確認し、病院の人達は歓声を上げる。
だが喜んでいる余裕はない。また妖が来ないとも限らないのだ。急ぎ患者の搬送を再開する。重篤患者を優先して救急車に乗せ、バスで運べる患者はバスに乗せ。てんやわんやの騒動の後に、覚者への礼となった。
「すまない。礼を言うのが遅れてしまって。貴方達のおかげで助かりました」
頭を下げる医者達。
「いいえ、いいんです。病人を優先するのは当然です。そちらこそお疲れさまでした」
そう言葉を返したのは渚だ。医者がどういった仕事なのかは理解している。こちらへの礼が遅れることは致し方ないことだ。
「病人たちは何処に運ばれたんです?」
「治療が必要な順に島根県外の病院にだ。とはいえまだ妖がいる以上、搬送も簡単じゃない」
たまきの問いに答える医者。島根を跋扈する妖は、県の内外を移動する者にも襲い掛かる。FiVEが突破口を開けた場所は妖包囲網の一部でしかない。そこから全島根県民を脱出させようとするなら膨大な時間と手間がかかる。
(島根県民全てを逃がすのは、現実的じゃないか……)
奏空はため息をつき、提案しようとしていたことを諦める。そもそもそれが可能なら、初めからそうしている。今のところは妖が少ない地域で防衛に徹するのが最も安全だ。だが、それとて限度があるだろう。
ともあれ、いまは助けることが出来る命を救うことが出来た。その事実こそが、覚者の最大の報酬だった。
帰還した覚者達は、慌しく動くFiVEスタッフを見て驚く。自分達が知らない間に何か別の事件が起きたのではないかと思ったのだ。
だがそれが逆であることを知らされる。
「戦蘭丸――島根動乱の首魁をおびき出し、一網打尽にする作戦だ」
「これが上手く言えば、事態を一気に打破できる。島根の解放につながるぞ」
その作戦実行のために、彼らは慌しく動いていた。何かできることはないかと尋ねたが、今はその時のために体を癒すよう勧められる。
作戦の詳細を尋ねたところ、概要を教えられる。
「君達が奪って来たヤマタノオロチの骨。これを使って戦蘭丸と妖の群をおびき出す。
こちらが有利な地形で戦いを挑み、戦蘭丸の長所を殺しながら戦力を集中させて倒すんだ」
決戦の場所は龍頭が滝。
中国地方随一の名瀑と呼ばれた滝にて、島根動乱の決着がつけられる――
■シナリオ結果■
成功
■詳細■
MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし
