<冷酷島>シェルター拠点防衛作戦
<冷酷島>シェルター拠点防衛作戦


●約束されなかった島・最終章
 『冷酷島』正式名称・黎刻ニューアイランドシティは埋立式人工島である。
 妖大災害によって一時は妖に占拠されたものの、ファイヴの活躍によって着々と有力妖の撃滅は進み、島内に拠点を築くまでに至った。
 そして今、彼らを最大の脅威と見なしておぞましきものどもが動き出す。
 島最大の敵であり、島で妖が増え続ける元凶とも言うべき存在。
 準大妖級妖『おみやがえり』。
 戦いは、ついに最終局面を迎えつつあった。

●デッドリースライムの波がくる
 押し寄せる波。
 死に絶える人々。
 やがてシェルターは飲み込まれ、隔壁を破って突入するゲル状の物体に人々は恐怖し、事務方 執事(nCL2000195)は悲鳴とともに飲み込まれる。
 ――そんな予知夢を見て飛び起きた彼は、すぐさま手元のメモ帳にペンを走らせた。

「皆さん。R3妖とその眷属たちによる大規模なシェルター襲撃作戦を予知しました。これは我々の危機ですが……同時にチャンスでもあります。
 これより、時間差による連携作戦により、二つのR3大隊の壊滅を目指します!」
 この作戦は二つの大隊(防衛大隊、攻撃大隊)でR3大隊からの防衛と、控えているもう一つのR3大隊への襲撃をそれぞれ行なうものである。作戦は時間差をもって行なわれるため、両大隊への継続参加は可能だ。
「こちらのメンバーは防衛大隊。皆さんはそれぞれ覚者小隊を編成・指揮し、R3大隊を迎え撃ちます」

 相手となるのはR3自然系妖デッドリースライムと、その眷属だ。
 眷属も全てゲル状の自然系妖R2のみで構成され、それぞれが強力なバッドステータスや追加効果を持っている。
「以前の戦いでの情報収集により、いくつかの脅威は洗い出せています。敵の外見特徴と使用した攻撃方法をまとめました」

 赤スライム(R2):錯乱・近列貫通2、炎傷・近列貫通2
 青スライム(R2):凶・全、味方回復・全
 緑スライム(R2):不安・遠列、致命・遠列
 デッドリースライム(R3):解除・近列貫通2、劇毒・近列、不随・近列

「眷属ひとつとっても凶悪な能力を持っています。回復の重点は勿論ですが、回復に気を取られすぎて敵の排除をおろそかにしないように気をつけてください。
 次に、予想される敵の陣形ですが……」

 デッドリースライムを南側とし、東西南北に眷属をバランスよく配置し、包囲の円を狭めるように責めてくるようだ。
 デッドリースライムへの一点突破もよいが、そこに時間をかけていると別の部隊がシェルターに侵入してしまう。
 シェルター内には重傷者なども収容されているため、侵入はイコールで死を招く。
 全ての敵を残らず殲滅するというのも手だが、部下を大勢犠牲にすることになるだろう。
 よって犠牲を出さないように戦うには、眷属の全方位牽制とボスの撃破、それらを同時に行なう必要がある。
「大変危険な任務ですが、皆さんなら必ず達成できると確信しています。私の命とこの拠点の存亡を、皆さんに託します」


■シナリオ詳細
種別:通常
難易度:普通
担当ST:八重紅友禅
■成功条件
1.デッドリースライムの撃破
2.なし
3.なし
 こちらはシーズンシナリオ<冷酷島>の最終章です。
 この1~2日後に時間差で行なわれる襲撃作戦OPが公開されます。
 両方の作戦に参加が可能です。気合い入ってる覚者の皆様をお待ちしております。

●作戦概要
 『デッドリースライムの撃破』『シェルターを防衛』を目的としています。
 状況的に死んでも仕方ないという夢見の見地から成功条件は前者のみとなっていますが、できるだけ犠牲を出さないようにがんばりましょう。


【チーム戦闘】
 皆さんはそれぞれ5人のNPC部下をもつチームリーダーです。
 チーム種別を『軍事』『宗教』『一般』『特別』のうちから選択し、
 コマンド種別を『統率集中』『率先戦闘』『臨機応変』のうちから選択してください。
 最後に『チームオーダー』を指定することでPC専用のチームが完成します。

●チーム種別
 NPC部下はファイヴ二次団体からなる精鋭覚者たち。
 二次団体とは、これまでファイヴが行なってきた覚者保護や組織協力により培った協力者たち。命数は低めで魂は1つ。
 個体ごとの戦闘レベルは高めですがリーダーを必要とします。
 特徴は以下の通り。
 『軍事』:物攻防が高い。
 『宗教』:特攻防が高い。
 『一般』:バランス型。

※『特別』チームについて
 これは「過去のシナリオやシリーズで援軍に駆けつけてくれそうな絆を結んだ人たちがいるんだけど、つれてきていーい?」という方のための枠です。
 シナリオ名もしくはURLを添付の上、5名まで指定してください。強すぎる時はトータルで五人分になるよう制限がかかることがあります。(古妖や武装一般人などの戦力もOK)

●コマンド種別
 NPC部下は個人ごとに考えて動くためスキル選択やポジションなどの細かい指示を必要としません。(基礎戦闘システム同様に指示行動がシステム化されています)
 以下のようなコマンド種別から選択してください。
 『統率集中』:指示を送ることに集中します。PCの各種ダイス目が大きく低下しますが、その分チームのダイス目に大きなボーナスがかかります。チームへの指示を沢山書きたい人向け。
 『率先戦闘』:PCが率先して戦い、部下たちはそのフォローに徹します。PCのダイス目にボーナスがかかります。自力で戦うの好きな人向け。
 『臨機応変』:チームに指示を出しつつ要所要所で率先する、統率と率先の中間にあたるコマンド。ダイス目はそのまま。指示を沢山出したいが自分でも沢山動きたい人向け。

※チームが混乱するので依頼中のコマンド変更はできません

●チームオーダー
 「土行で固めて欲しい」「全員盾装備」「回復役オンリー」などの指定をする部分です。
 最強スキルや高レベルなどのメタなオーダーにはお応えしずらいですが、逆に「女子だけ」や「気の合いそうな人」といったご要望にはお応えできそうです。
 特に指定が無かった場合はジムカタさんがいい感じにマッチングしてくれます。
 そして最後は極めつけ。チームの名前を決定しましょう。指定が無い場合PC名から仮名されます。
 大体五文字くらいにまとまるとプレイングにも優しいでしょう。
 こうして完成したチームは保存され、今後も選択できます。何度も連れて行くと部下との絆が深まり、ダイス目のボーナスや特別な描写などの特典がゲットできることも。
 ぜひPC自慢のオリジナルチームを結成してください。

 既成隊:奈、刹、イ、ゲ、翼、結(隊称略)
状態
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
(1モルげっと♪)
相談日数
7日
参加費
100LP[+予約50LP]
参加人数
6/6
公開日
2017年10月08日

■メイン参加者 6人■


●這い寄る毒沼
 望遠レンズを覗き込む『想い重ねて』蘇我島 恭司(CL2001015)。
 地面を埋め尽くす半透明の大群が、ゆるやかな地響きをつれてやってくる。
 その光景からは、昨今のテレビゲームから想起する『スライム』のイメージがまるで感じられなかった。
「這い寄る毒沼。意志をもった洪水。目に見える黒死病ってところかな……。本当、あのテレビゲームはスライムのイメージをいたく零落させたよねぇ」
 起源は古いファンタジー小説だったと思うが、鉱山などにある水と土の混合泥がひとりでに動き出すという魔物だった筈だ。含む鉱物によって危険度が異なり、その辺の砂や土ならともかく放射性廃棄物だったら近づくだけでも死ぬだろう。
「デッドリースライムは恐らく、そういう工業廃棄物の妖なんだろうね。油断は禁物だよ」
「了解です。我々も早速配置につきましょう」
 恭司率いるイージス小隊は、シェルターの北側へと展開を開始した。

 恭司たちを見送る形で東側への展開を始めた『想い重ねて』柳 燐花(CL2000695)率いる刹花小隊。
「七尾、和倉、田鶴浜、笠師保、能登。総員展開済みましてございます、隊長」
 しゃんなりと頭を下げる七尾に、燐花はこくりと頷いて返した。人の上に立ち慣れていないのか、少し照れくさそうに頬を赤くしている。
「今回の作戦は、シェルターも、自分自身も守って動いてください。自分を大切にしてくださいね」
「かしこまりました。けれど、取捨選択が迫られた時はどうなさいますか? 我が身を生かしてシェルターを見捨てるか、我が身を捨ててシェルターを守るか」
「そうならない努力をします。けれど、相手もそう易しくは無い、でしょうね。そのときは……」

 大辻・想良(CL2001476)は以前に編成した翼小隊と共にシェルターの西側へと展開。
 シェルターの大部分は地下に埋まっているため、地上に出た部分は少ない。
 そのため展開する輪はいくらでも小さくできる。
 しかしそれは戦線を下げることを意味し、不規則な行動をとる妖がシェルター内に侵入を試みる危険を増すことでもあった。
 逆に輪を広げ戦線を上げれば、相対的に隊ごとの距離が開き回復や攻撃の支援が届きづらくなる。
「すみません……どうぞよろしくおねがいします」
 想良は小隊のメンバーに頭を下げ、そして考えた。
 この作戦に関しては『リスクをどこに置くか』が重要になりそうだ、と。

「みんなをまもるよぉ! えいえいおー!」
 ホッケースティックを掲げる『ちみっこ』皐月 奈南(CL2001483)。
 奈南小隊のメンバーたちもスティックを交え、天高く掲げた。
「南のスライムちゃんたちは強いから、皆で頑張るのだ!」
「ゲイル小隊も負けてられんな。準備はいいか!」
 扇子を広げて振り返るゲイルに、一風変わったゲイル小隊のメンバーたちがべべんと三味線の音で応えた。
 ゲイルと奈南が横に並ぶ。
「敵の強みはバッドステータスだ。赤青緑の組み合わせも厄介だが、そこにデッドリーが加わると【解除】や【劇毒】に注意する必要がある。全く異なる戦法が求められるから、注意するように」
「今回は赤青緑のスライムちゃんを北西東で押し返してぇ、ナナンたち三つの小隊がデッドリースライムちゃんと戦うよぉ」
「この戦法で難なく倒せる規模ならいいが、とてもそうは思えん」

 この作戦には三つの『犠牲選択』がある。
 犠牲を許すほど難易度が下がり、逆に守ろうとすれば難易度が上がる。
 人民の犠牲、部下の犠牲、隊の犠牲だ。
 作戦を普通に成功させるラインというのは、シェルターとその中野人々を犠牲にしてデッドリースライムのコミュニティを壊滅させるラインだ。
 例えば北側から六個小隊一点突破で包囲を抜けて、片側からドーナツを食うように敵の部隊を各個撃破していく作戦である。
 だがシェルターを守ろうとする以上、部隊は全方面に展開し内側から阻む形を取らねばならない。
 敵同様こちらの部隊も分裂するため、数で圧倒することはできないだろう。
 これが人民の犠牲。
 そして部下の犠牲とは次の要素だ。
 赤青緑の眷属たちを一個小隊ずつで相手する以上苦戦を強いられるはずだが、小隊の部下に命数を削らせて攻撃に徹すれば余裕をもって撃滅ができる。
 しかしファイヴのエース覚者(※メタ情報で言うと最大名数100のPLキャラクター)でない限り命数はきわめて少ない。部下を死の危険に晒すことになる。
 ゆえに回復をしっかりととりながらじわじわ戦う必要が出るだろう。
 そして隊の犠牲。今回最大の分岐点だ。
 デッドリースライムに一個小隊だけをぶつけて遅滞戦闘を行ない、北東西での各一個小隊で牽制。遊撃にあたる二個小隊が北東西の敵部隊を各個撃破して最後にデッドリースライムに集中攻撃を浴びせるという作戦もあった。この場合隊ひとつを犠牲にするが、多くを生かすことができる。
 しかし今回は最も安全そうなデッドリースライムに三個小隊をぶつけてじわじわ削る、全面じわじわ作戦を選択したのである。
 むろん、この作戦に安全なんていうものはない。
 時間がかかるということはそれだけ、小さな歪みが効いてくるということだ。消耗もそれだけ大きくなる。
「厳しい作戦ですが、私は皆さんと一緒なら乗り越えられると信じています。玉串黒子衆、花組の皆さん!」
「はい、わたしもです!」
「「お久しぶりですぅ!」」
「「感激です!」」
 一人のサブリーダーと二組の双子姉妹によって構成された巫女の小隊。ラーラとは並々ならぬ絆をもつ精鋭チームだ。
「さあ皆さん、行きましょう!」

●戦火はいつだって優しくない
「敵射程圏内に侵入、エンカウンター!」
「こっちは待ち構えてるんだ、最大火力でお出迎えしようか」
 激しいフラッシュライトを浴びせる小隊メンバー、神具カメラを構えた恭司のフラッシュ撮影に並ぶように、二台の神具カメラによる撮影が成された。
 銃身のない拳銃めいたカメラや、肩にどっしり担ぐような大型カメラだ。恭司の戦術にあわせやすいように(そして遠距離攻撃がしやすいように)揃えたものである。
 フラッシュに込められた呪いのエネルギーがスライムたちをたちまち沸騰させ、はじけさせていく。
「狙いは回復能力のある青いスライムだ。けど攻撃に集中していたら錯乱や致命のBSをうけてすぐに壊滅しちゃうから……BSと体力の回復を綿密にやっていこう。倒しきろうと無理をせず、状態の維持を優先するんだ!」

 一方で燐花の刹花小隊もスライムたちと交戦を開始。
 小銃による集中砲火を浴びせたスライムめがけて燐花が飛びかかり、刀による高速斬撃でキッチリと潰していく。
「南の部隊がデッドリースライムを落とすまで、ここを通すわけには行かないのです。皆さん、方針通りに」
「しかし、赤いスライムが邪魔ですわね……」
 金髪のロール髪をした女が忌々しそうに言った。
 回復能力をもつ青スライムを優先して潰したいが、前衛をみっりと埋めた赤スライムと中衛を埋めた緑スライムに邪魔されて、青スライムに攻撃を集中させづらいのだ。
 半端な攻撃は即時回復されてしまうので、結局の所敵前衛から順に潰す作戦をとるしか無い。
「知能の低いR1妖がここまで隊列を徹底するということは……デッドリースライムが刷り込みレベルで徹底させたのでしょうね。軍隊というものは、厄介です」

 恭司のイージス小隊と燐花の刹花小隊。それぞれ別々の理由で戦闘に手こずっていたが、その一方で想良の翼小隊はそつなく戦闘をこなしていた。
 回復重視のイージス、先行する燐花をフォローするための刹花と違い、翼小隊はチーム単体でも充分に行動可能なバランスチームだからだ。
 強いてつらい場面を上げるとすれば……。
「隣の部隊が、離れすぎていますね」
 シェルターに危険を出さないために戦線を上げると、隊による輪が大きくなり、隊ごとの間隔が広くなる。回復支援はもちろん通信(送受心)も困難な距離にまで開いていた。
 こうなれば、仲間を信じてこらえるしかない。
「隊長、どうしますか?」
「当初の作戦どおり、お願いします」
 五人がかりで回復に徹し、敵のヒールリソースであるところの青スライムを火焔連弾で一体ずつ的確に潰していく作戦だ。
 時間はかなりかかるが、遅滞戦闘としては上出来だ。青スライムがつぶせれば、あとは全体攻撃でじわじわ削っても充分勝機が生まれるだろう。

 こちらは南エリア。デッドリースライムとその眷属たちによる部隊を、奈南小隊、ゲイル小隊、玉串黒子衆花組の三個小隊によって撃滅を目指すエリアだ。
「先に私たちが前衛を務めます。皆さん、いつもの作戦で!」
 市川塩浜、二俣新町の防御と状態維持、浦安による回復。防衛力に特化したこのチームは、敵の侵攻を食い止めることにおいて優秀に機能した。
 これだけではただの壁だが、そこにラーラという強大な移動砲台が加わることで部隊は完成する。
「炎の猫たち、お願いします!」
 魔方陣を開き、大量の炎を吹き上げるラーラ。ネコの形をとった彼らは追って展開した甘い香りと共に部隊の自然治癒力を完全なものとする。
 だがしかし、どうんと音を立ててぶつかってきたデッドリースライムの津波によってネコたちは完全に消滅、【解除】されてしまった。
「さすがにR3ともなるとカウンターをかけてきますね。いいでしょう、それなら!」
 ラーラは補助スキルを捨て、攻撃に集中した。
「良い子に甘い焼き菓子を、悪い子には石炭を。イオ・ブルチャーレ!」

 少々メタな話をしてしまうが、大隊戦闘における『前衛』はアラタナル戦闘ルールにおける前衛とは意味がことなる。というより、本来の意味の前衛だ。
 RPGにおける見下ろし型戦闘画面があったとする。すると今は敵側がデッドリースライム、味方側がラーラの花組だけの状態だ。
 次に将棋盤のように小隊一齣とした戦術マップがあるとする。デッドリースライムの攻撃が届かない範囲。具体的にはラーラ花組の後ろからゲイル小隊が回復支援を行ない、ちょうど重なる位置にいる奈南小隊が回り込んだ眷属たちから彼らを守り、ラーラ花組が消耗したらバトンタッチで交代するという作戦だ。これが大隊規模での前衛と後衛、である。(※覚者戦闘の常識に沿っているため一般の戦術学とは異なる)
「交代だよぉ! スライムちゃんたちをやっつけるのだ!」
 ダッシュでラーラたちと入れ替わった奈南は、チームメンバーから放たれたディスクを次々にシュート。
 まるで高速千本ノックの勢いで放射されたディスクはデッドリースライムとその周囲のスライムたちにぶつかり、はじき飛ばしていく。
「こっちの連中も忘れないようにな。今は俺たちに集中しているが、無視すればシェルターに向かうだろう。三個小隊を分断するわけにはいかん」
 ゲイル小隊は部下たちと共に回復の舞いを踊りながら、たまに集団から外れそうになる眷属への攻撃を加えていた。
 デッドリースライムはラーラと奈南の小隊を交代させることでしのげているが、彼ら三個小隊を包み込むように展開している眷属たちも相手にせねばならない。部隊の消耗は激しいが、犠牲を出さないように戦うにはこらえるべき場面であった。

●打開と突破
 戦闘はひどく長引いた。
 自軍の回復に集中する各方面軍は、そう簡単に削りきれない眷属スライムの群れに対して苦戦していた。
 しかしそれも永遠ではない。
 一個体ずつ地道に削っていた燐花の小隊、と想良の小隊が先に優勢を見せ始めた。
 一番早かったのは燐花の小隊だ。赤スライムを倒しきった彼女たちは作戦を攻撃に傾け、緑スライムの殲滅に集中。残る青スライムがひ弱な抵抗を見せるなか、圧倒的な火力でなめるように殲滅。
 すぐさま恭司の部隊と合流し、押しつぶす形で攻撃。
 タイミングを同じくして敵部隊を倒しきった想良の部隊が合流し三個小隊による圧倒的な殲滅をはかった。
 時間がたち消耗したとはいえ、回復に専念したことで部隊のメンバーが欠けることも無く三百パーセントの戦力をぶつけることが出来たのだ。
 そうなれば、次なる行動はひとつである。
 気力回復を行ないながら南側へ直行。
 想良、燐花、恭司の三個小隊で眷属たちを受け持ち、ここぞとばかりに合流したラーラ、奈南、ゲイルの三個小隊がデッドリースライムに集中攻撃を仕掛けたのだ。
「皆で力を合わせれば、でっかいスライムちゃんにだって負けないのだ! もう一回気合いをいれようねぇ、えいえいおー!」
 奈南は癒力活性で仲間を回復すると、デッドリースライムへ向け金色に輝くホッケースティックを叩き付けた。
「私たちも行きましょう!」
「総員、攻撃集中!」
 大量の火炎弾をマシンガンの如く放つラーラ。
 扇子を畳んでデッドリースライムをびしりと叩くゲイル。
 それらの衝撃が集中し、デッドリースライムはごうんと大きく上に膨らんだ。
 そして激しい爆発を起こし、あたりに虹色の汚泥を散らしたのだった。

 かくして、デッドリースライムによる拠点襲撃作戦をはねのけ、強敵であるデッドリースライムとそのコミュニティを壊滅させた。
「残るは……」
「はい。ダイアモンドワームの巣」
「急いで待機している別部隊と合流しましょう」
 恭司、燐花、想良たちの部隊は気力や体力の回復をはかりながら、移動用のヘリへと乗り込んでいった。

 作戦結果
 シェルターへの被害――なし
 隊の重軽傷、死亡者――なし
 デッドリースライム――殲滅
 デッドリースライムコミュニティ――壊滅

 作戦、成功!

■シナリオ結果■

成功

■詳細■

MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし




 
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