ブラックアイル 仁義なき者どもに鉄槌を
●仁義あるものたち
「アニキ、サンヨン派の連中がうちんとこの店に乗り込んで来やがった! あいつら無茶苦茶しよる!」
「クラブの女の子たちを拉致るつもりや! アニキ、うちらも戦います! 助けにいきましょう!」
アロハシャツの三人組が、鼻血を流して戸口に立っている。
畳にあぐらをかいた男は沈黙し、立ち上がり、アロハたちをかきわけて事務所の外へと歩いて行った。
「アニキ……?」
アロハの三人組は呆然と振り返るが……。
「ここで待て。発現もしてねえお前らじゃあ、命を落とせばそれまでだ」
追いすがろうとするも、男の背はそれを許しはしなかった。
●ブラックアイルと呼ばれた島
浦ノ島、通称ブラックアイル。
九州北西にある対馬市は七百キロ平方の島である。
かつては大陸との経済交流窓口として長く栄えてきた。しかし25年前の逢魔化による無線通信の破綻。頻繁に行き来する九州海路の妖発生による途絶。本土政府の混乱と腐敗。その他様々な理由で政治的にも社会的にも孤立した。
今では韓国マフィア『サンヨン派』や中国マフィア『ヘイロン会』の侵入を許し、悪党たちの巣窟と化していた。
法政治安は麻痺状態。今やこの島の日本人を守るものは、本土からシマを伸ばした日本ヤクザ『工龍組』のみとなっていた。
二人がけのソファが飛んでいく。
壁にめり込まんばかりに激突したソファに挟まれ、韓国マフィアの男が圧殺される。
別の男が慌てて銃を取り出すが、素早く銃を掴んだ相手に腕ごとねじり落とされた。
「つ、強い……こいつがトミフネ」
富船(トミフネ)と呼ばれた男は相手が吹き飛ぶほどのパンチを叩き込むと、深く短く息を吐いた。
あたりに転がるは韓国マフィアの男たち。
ドレス姿の女たちはおびえてカウンターの影に隠れていた。
ゆっくりと振り返る富船。
「もう大丈夫だ。けど、外はまだ安全じゃねえ。もう少し隠れていろ」
そう言って店の外に出ると……。
「ドウモ、富船さん」
「ジジュンか……」
ギラギラとした格好の男、ジジュン。彼は無数の黒服たちを連れて待ち構えていた。
「我々のボスはあなたの存在がたいそう邪魔なようだ。この店を明け渡せば見逃してやれたものを、つくづく馬鹿な人ですね」
「この店は50年も前から店長たちが守ってきたもんだ。店の女たちも大事にされてる。お前らの手に渡れば店も女たちもどうなるか、想像するまでもねえ」
「フン、猿が」
ジジュンは嫌悪感をあらわにすると、韓国刀を引き抜いた。
「日本の猿どもはさっさと我が国の奴隷になればいいんだよ。死んで学べ!」
●第四勢力、介入
「浦ノ島で起きる韓国人と日本人の発現者どうしの抗争を、うちの夢見が察知した。
それだけならいいんだが、日本人が抗争に敗れた場合、彼が守る店の女たちが韓国の魔窟へと浚われてしまう。そうなれば日本警察ですら手が出せないだろう。
そうならないように、まずは一チーム派遣することにした」
ここはファイヴの会議室。
中 恭介(nCL2000002)はそのように、興味をもって集まった覚者たちへと説明した。
「関わり方は皆に任せる。リストにした一般人女性5人の安全が確保されれば、その手段は問わない。必要になりそうな情報は記しておくから、やり方を皆で相談してくれ。頼んだぞ」
かくして。
島を巡る三勢力の争いに新たなる勢力が介入することとなった。
それがいかなる運命を招くのか、まだ誰も知らない。
「アニキ、サンヨン派の連中がうちんとこの店に乗り込んで来やがった! あいつら無茶苦茶しよる!」
「クラブの女の子たちを拉致るつもりや! アニキ、うちらも戦います! 助けにいきましょう!」
アロハシャツの三人組が、鼻血を流して戸口に立っている。
畳にあぐらをかいた男は沈黙し、立ち上がり、アロハたちをかきわけて事務所の外へと歩いて行った。
「アニキ……?」
アロハの三人組は呆然と振り返るが……。
「ここで待て。発現もしてねえお前らじゃあ、命を落とせばそれまでだ」
追いすがろうとするも、男の背はそれを許しはしなかった。
●ブラックアイルと呼ばれた島
浦ノ島、通称ブラックアイル。
九州北西にある対馬市は七百キロ平方の島である。
かつては大陸との経済交流窓口として長く栄えてきた。しかし25年前の逢魔化による無線通信の破綻。頻繁に行き来する九州海路の妖発生による途絶。本土政府の混乱と腐敗。その他様々な理由で政治的にも社会的にも孤立した。
今では韓国マフィア『サンヨン派』や中国マフィア『ヘイロン会』の侵入を許し、悪党たちの巣窟と化していた。
法政治安は麻痺状態。今やこの島の日本人を守るものは、本土からシマを伸ばした日本ヤクザ『工龍組』のみとなっていた。
二人がけのソファが飛んでいく。
壁にめり込まんばかりに激突したソファに挟まれ、韓国マフィアの男が圧殺される。
別の男が慌てて銃を取り出すが、素早く銃を掴んだ相手に腕ごとねじり落とされた。
「つ、強い……こいつがトミフネ」
富船(トミフネ)と呼ばれた男は相手が吹き飛ぶほどのパンチを叩き込むと、深く短く息を吐いた。
あたりに転がるは韓国マフィアの男たち。
ドレス姿の女たちはおびえてカウンターの影に隠れていた。
ゆっくりと振り返る富船。
「もう大丈夫だ。けど、外はまだ安全じゃねえ。もう少し隠れていろ」
そう言って店の外に出ると……。
「ドウモ、富船さん」
「ジジュンか……」
ギラギラとした格好の男、ジジュン。彼は無数の黒服たちを連れて待ち構えていた。
「我々のボスはあなたの存在がたいそう邪魔なようだ。この店を明け渡せば見逃してやれたものを、つくづく馬鹿な人ですね」
「この店は50年も前から店長たちが守ってきたもんだ。店の女たちも大事にされてる。お前らの手に渡れば店も女たちもどうなるか、想像するまでもねえ」
「フン、猿が」
ジジュンは嫌悪感をあらわにすると、韓国刀を引き抜いた。
「日本の猿どもはさっさと我が国の奴隷になればいいんだよ。死んで学べ!」
●第四勢力、介入
「浦ノ島で起きる韓国人と日本人の発現者どうしの抗争を、うちの夢見が察知した。
それだけならいいんだが、日本人が抗争に敗れた場合、彼が守る店の女たちが韓国の魔窟へと浚われてしまう。そうなれば日本警察ですら手が出せないだろう。
そうならないように、まずは一チーム派遣することにした」
ここはファイヴの会議室。
中 恭介(nCL2000002)はそのように、興味をもって集まった覚者たちへと説明した。
「関わり方は皆に任せる。リストにした一般人女性5人の安全が確保されれば、その手段は問わない。必要になりそうな情報は記しておくから、やり方を皆で相談してくれ。頼んだぞ」
かくして。
島を巡る三勢力の争いに新たなる勢力が介入することとなった。
それがいかなる運命を招くのか、まだ誰も知らない。

■シナリオ詳細
■成功条件
1.一般人女性5名の安全を確保すること
2.なし
3.なし
2.なし
3.なし
参加者たちがどのように選択し行動するかでリプレイ内はおろか今後の様々な展開が変化します。
●安全確保が必要な一般人女性たち
スナック『きよみ』で働く5人の女性です。20後半~30代。
余談ですがきよみは死去した先代店長の名前で、店長含め五人は一応面識があるていどの人々です。
店でおこる警察に頼れないタイプのもめ事を避けるべく、工龍組というヤクザ組織に守護されています。その上で、工龍組とは良い関係を築いてきたようです。
店は表口のみ。窓から無理矢理出入りすれば裏からもいけますが、場の性質上あまり無理は利きません。
依頼達成における最も簡単な手段は『表の抗争をガン無視して裏から侵入。女性たちを気絶させるなりして拉致。裏の窓から放り出す形で仲間に回収させて即撤退』です。(この場合獲得名声値がゼロになります)
オプション目的を達成しようとすればするほど難易度が上がる仕組みになっています。詳しくは次項を参照。
●クエストリスト
・一般人女性5名の安全を戦闘終了時まで確保する
・(オプション)一般人女性5名を島から連れ去る or 殺害する
・(オプション)一般人女性5名を工龍組に返す
・(オプション)一般人女性5名をサンヨン派に引き渡す
・(オプション)富船を生存させる
・(オプション)富船を殺害する
・(オプション)かなり後から駆けつけるアロハ三人組の生存
・(オプション)ジジュンを殺害する。
・(オプション)ジジュンを生きたまま撤退させる。
・(オプション)ジジュンの部下を全員殺す。
・(オプション)ジジュンの部下を全員生きたまま撤退させる。
●戦力データ
・富船
土行彩。ファイヴ内基準でかなり強いレベルの覚者。日本ヤクザ。
格闘能力が高く、相手を力業でたたきのめすタイプ。ただし命は取らないスタイル。
その辺にあるものを利用して戦うオリジナルスキル(非未開スキル)を持っている。
・ジジュン
韓国刀(日本刀をまっすぐにしたやつ)を使う韓国マフィア。
木行械。ファイヴ内基準でかなり強いレベルの覚者。
体術使い。自然治癒基礎値が高い。
・ジジュンの部下
そこまで強くないが20人ほどいる。一応発現者。
ナイフ、銃、鈍器などで武装。中にはタフなやつも混ざっている。
●フィールド
戦闘が起こっているのはスナックの前にある一車線のT字路。
店の裏にはギリギリ一人通れる程度のスペースはある。
どこからどのように接触してもOKですが、やり方によっては事前に気づかれたりします。
状態
完了
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
相談日数
7日
7日
参加費
100LP[+予約50LP]
100LP[+予約50LP]
参加人数
4/8
4/8
公開日
2017年08月24日
2017年08月24日
■メイン参加者 4人■

●それぞれの思惑。それぞれの疑惑。
九州北西にぽつんと存在する浦ノ島。通称ブラックアイル。
韓国、中国、日本における裏の勢力境界線。
船はそんな島へ向け、いつも通りの顔をして進んでいく。
船窓の外に広がる海鳥のたわむれをみながら、『復讐兎は夢を見る』花村・鈴蘭(CL2001625)は小さく顎を上げた。
島の事情もあって少ない乗客たちが、彼女の奇異な格好を横目に見る。
バニースーツ。それもきわめて扇情的な、カジノのシガーガールが来ているようなものである。
それをじっと見つめないのは、鈴蘭のどこか妄執めいた目つきのせいだろう。
目を引く格好と、目をそらしたくなる空気とで、彼女の注目度はプラマイ零を維持している。
胸元から一枚のカードを取り出す。五麟大学考古学研究所研究員の肩書きが書かれた名刺。暗に、ファイヴという組織の一員になったことを意味するカードだ。
「ふふ……ははは……」
そうだ。まだ言っていなかった。
鈴蘭の目に燃える妄執の正体だ。
それはごく一般的に、復讐心と呼ぶ。
鈴蘭とは意図的に話された席で、『ボーパルホワイトバニー』飛騨・直斗(CL2001570)は乱暴に足を投げ出していた。具体的には前の座席の背もたれに足を乗せ、両手を頭の後ろに組んでいる。
「チッ、花村鈴蘭かよ。余計なことするんじゃねえぞ……」
聞こえないように呟いて、ファイヴから渡された資料を手に取ってみる。
ブラックアイルをとりまく三つの裏社会的勢力と、夢見の予知によって発行された『慈善活動』の依頼書である。
この辺りはファイヴの自由なところと言うべきなのだが、ファイヴは目先の人命救助や害妖駆除を行なう一方で構成員の素行については放任主義をとっている。
そりゃあファイヴの機密をインターネットに流して遊んだり、夢見を火で炙って吊るしたりすれば怒られるが、それとてファイヴ構成員全体による『世間体』という名の相互監視状態によって維持されているにすぎない。
だが今回の依頼に関しては、このブラックアイルにファイヴの『発現した一般市民』を放り込むことで何かの化学反応を狙っているフシがあった。土地管理者の思惑か。行政の思惑か。まあ、そんなことはなんだっていいのだ。
「好きにしていいなら、好きにさせてもらうぜ――ギャハハ」
船は海を切り裂いて進む。
鳥たちが歌っている。
風が奇妙に強くふいて、桂木・日那乃(CL2000941)の髪を舞い上げていく。
「…………」
土地というものは偉大だ。こうして離れてみるだけでおぼつかない気分になる。
遠くに見える島が近づいていく。それまでの土地が離れていく。それだけのことが、日那乃には不安なことに思えた。
首を振って思考を切り替える。
何を考えよう。
例えば隔者(リジェクター)なんてどうだろう。
「……ヤクザ」
資料をポケットから出してみる。風にめくれるページの中に、地元ヤクザの
『発現者』とある。
要するに覚者とも隔者とも判別していないということだ。
変な話というか、これはそう決めた偉い人の不手際なのだが、この世に覚者や隔者なんていう存在はいないといっていい。全てひとくくりに発現者であり、『悪い発現者』を隔者と呼んでいるだけのことだ。
もっと短絡的に言うなら、ファイヴの前身にあたるAAAが敵対している発現者を隔者、味方する発現者を覚者と呼び分けた名残である。
「…………」
ゆえに、今から出会う人々が覚者か隔者かは日那乃が決めねばならない。
そしてその保証と責任は、日那乃がとらねばならない。
「……まずは、助ければ、いい、の、ね」
資料が風に飛ばないようにと、資料を強く握った。
港につき、乗客を降ろして去って行く船。
『赤き炎のラガッツァ』ラーラ・ビスコッティ(CL2001080)は同じように下りた皆に一旦別れを告げ、Gマップによる衛星写真を元にスナックきよみの裏手を目指していた。
そうそう広い島ではないし、地理を把握することにも価値がある。なによりいざとなったらこの場所を必死に走り回らねばならないのだ。
「それにしても……今回はちょっと不安ですね」
依頼募集人数8人。
そのうち集まった人数は4人。
与えられた最低条件はスナックきよみの従業員五名の安全を戦闘終了後まで確保することなので、この人数でできないことではないが……。
「依頼書に書いてあるオプションというのが気になります。サンヨン派の殲滅やイ・ジジュンの撃破が可能かどうかというと、少し怪しいんですよね。まして富船さんを敵に回したり従業員の方々を連れ去ったりなんて大胆なことはできそうにありませんし……」
し……と、独り言でここまでまとめてみたのは、今回のメンバーがどう動くかイマイチわかっていないからだ。
メンバーがギリギリ出発可能なところまで集まったはいいが、期日ギリギリだったものだから話し合いは充分にできていない。
ラーラは自分の意見をハッキリ述べたのですれ違いによる事故が起きる確率は減っているが、万一自分と意見の対立する者が現われ、争いになったりしたら……。
「ううっ、恐い考えはやめましょう。とにかく今は……」
資料を閉じてポケットにねじ込み、顔をあげる。
小さな窓が、そこにはあった。
●双龍と工龍
スナックきよみの扉を開き、外へと出る。
出て、すぐに足を止めた。『店から出るな』と一言告げて、後ろ手に扉を閉める。
黒いスーツを着た男たちが青竜刀やヌンチャクを手に取り囲む光景が見えれば、当然の対応だろう。
黒服たちを割って現われるホストクラブのような男、イ・ジジュン。
「……」
「……」
二人は二言ほどかわし、それぞれに身構え――た途端。
「ギャハハハハハ! ハンプティ・ダンプティには気を付けなよ! うっかりしてたら死ぬぜ!」
どこからともなく卵状の隕石が現われ、黒服たちへと降り注いだ。
あるものは防御し、あるものは飛び交わし、あるものは切り捨てる。
そしてジジュンは韓国刀で隕石を真っ二つに切断すると、声のした方向をみやった。
「どなたですか」
「どなたですかだと? ギャハハ!」
姿を堂々と見せた直斗が刀をくるくるとやってみせた。
「俺たちはファイヴ! そこの店の女たちの安全を確保しに来た。つーわけだから手を引きな!」
「引く理由はありませんね。ファイヴ? 日本の政治家にかわいがられているペットだそうじゃないですか。あなたはさしずめ可愛いウサギちゃんといったところですか」
「あんだと……」
直斗の目つきに殺人的な光が宿った。
むろん、ジジュンにとっては挨拶のようなものだ。
ファイヴの名前ごときで引く組織では無いぞ、と暗に述べているのだ。
「あら、可愛いウサギちゃんならここにもいるわよ。うふふ……」
反対側から声がした。振り返ってみると、鎌を担いだバニースーツの鈴蘭が屋根の上に立っていた。
「聞いたわ、店の女たちを浚って思い通りにしようとする――隔者! アハハハ、そうでなくっちゃあね!」
「何の話をしている……」
「『私』の話をしてるのよ!」
胸元から引っ張り出したフラッシュグレネードを投擲。
黒服たちが目を覆った所を狙って、鈴蘭は群れの中に飛び込んだ。
鎌を縦横無尽に振り回し、塗り込められた毒や熱を与えていく。
曖昧に述べているのは、集団の中に紛れてめちゃくちゃになっているからだ。
時折相手のネクタイを掴んで引っ張り、首をかききる姿が見えるのみである。
誰から?
そう、日那乃からだ。
「…………隔者。サンヨン派は、隔者? 工龍組は……?」
日那乃は今回、自分でカテゴライズすることをやめた。
それができるだけの知識や判断力がないわけではないが、少なくとも『周りに合わせる』という彼女なりの行動基準に従ったまでである。もっと正確に言うなら、『ファイヴに合わせる』だ。
ゆえに日那乃の行動目的はあくまでスナックきよみの従業員の安全を作戦終了時まで確保することにあった。
「……ヤクザのひと、助けるのは、決定?」
様子を見る限り工龍組の富船という男には敵対しない様子らしい。間接的に助けるにしろ、積極的に助けるにしろ、まずはサンヨン派を撃退しないことには始まらない。
日那乃はこくこくと頷いて潤しの雨を発動させた。
けど、気になることが一つある。
「もう、ひとり……は?」
もうひとり。
つまりラーラはどうしているかというと。
「みゃん!?」
窓から無理矢理スナックきよみに入り、頭から床に落っこちた。
おびえてすくむ従業員たち。
ラーラは頭をさすって起き上がると、まず立てた人差し指を口にやった。
「聞いてくださいね。私は敵ではありません。戦闘が終わるまでは、お店の外に出てはだめですよ」
そこから暫く、ラーラは今の状況や自分たちの立場などを明らかにするために従業員たちへ説明を続けた。
ラーラのいいつけに、店の従業員たちはこくこくと頷いた。
さて……ラーラ的第一段階はこれでよし。
次は、既に大騒ぎになっている外へ飛び出して敵を追い払うのみなのだが。
「本当に大丈夫でしょうか。皆さん、かなりヤる気なんですけど……」
大変なことになりませんように。
そう願いながら、ラーラは扉を開け放った。
「良い子に甘い焼き菓子を、悪い子には石炭を。イオ・ブルチャーレ!」
おきまりのおまじないを唱え、敵だけをロックオンして炎を整形。無数に形作られた炎の獅子がサンヨン派の部下たちへと襲いかかる。
間を駆け抜けてジジュンへと食らいつこうとしたが、ジジュンはそれを真っ向から切り捨てた。
「五人ですか。これ以上増えそうには……ないですね。潰せ」
部下たちに命令を出すジジュン。
「強がるなよ雑魚どもが! おいヤクザの兄さん、助太刀するぜ!」
黒服たちの攻撃を右へ左へかわしながら、自慢の刀で切り捨てていく直斗。
視界にジジュンをとらえると。
「日本の兎嘗めんじゃねェぞ、韓国マフィア!」
一気に加速。タックルを仕掛けると。返す刀で強烈な斬撃を叩き込んだ。
ぐらつくジジュン。更に、黒服たちを高い跳躍で飛び越えた鈴蘭が鎌を激しく回転させながら襲いかかった。
「ふふふ、あはははは! 死ぬまでい~っぱい苦しんでね!」
鎌を叩き込む。首を飛ばすほどの威力だが、韓国刀でガードしたジジュンは吹き飛ばされるだけにとどめていた。
ごろごろと転がる。日那乃がふわふわと飛行しながら、黒服たちとジジュンの戦力を見極めていた。
富船はそれなりに戦えているし、ジジュンと部下20人という戦力を強く威圧してこそいるが……。
「さすがにここまでの数を相手にすると、消耗がつらすぎますね……」
最初につらくなったのはラーラだった。回復を担当していた日那乃を後回しにして、ダメージソースになるラーラに集中攻撃を浴びせることでこちらの戦力を削りに来たのだ。
というより、ジジュンたちから日那乃はノーマークだったと言ってもいいくらいである。
「けど、やられてばかりじゃいませんから!」
ペスカから落ちてきた鍵を鍵穴でキャッチし、掴んでがちんと回すラーラ。
大量の魔方陣が生まれ、ラーラはその全てから炎を発射した。
「ぐ……っ!」
刀で防御し、踏みとどまるジジュン。
「仕方ありませんね。ここは引くとしましょう。ファイヴといいましたか。今度この島に立ち入ったとき、我々は敵に回るということを覚悟しておいてくださいね」
そう言い残し、ジジュンたちは撤退していった。
強く舌打ちする鈴蘭と直斗。
あわよくばぶち殺したいなくらいに思っていたので、ほぼ全員を生かして返したことには不満だったようだ。
さておき。
次の問題は富船である。
こちらをじっと見つめ、無言の圧力をかけてくる富船。
ややあって、アロハシャツトリオが『アニキー!』と言いながら駆け寄ってきた。
「アニキ、こいつらですかサンヨン派のド外道は!」
「ぶっころしてやりますけえ!」
「おう、ヤクザなめんなおう!」
身構える三人を、富船は手を翳して止めた。
「こいつらはサンヨン派じゃねえ。ファイヴ……だったな」
話を向けられて、直斗は無言で肯定した。
「俺は富船ってもんだ。工龍組の食客に招かれてる。あんたたちは……」
「飛騨直斗」
「ラーラ・ビスコッティといいます」
「……桂木……日那乃」
三人から視線を向けられ仕方なく手を振る鈴蘭。
「花村よ、あとは勝手にやってちょうだい」
「そうさせてもらうぜ。おい富船、そこの店の連中はあんたに任せる。俺らの仕事は終わりだ」
「なんだって?」
店を一度振り返り、富船は複雑な顔をした。
「どういうことだ。お前らは島を奪いに来たんじゃなかったのか?」
「……はい?」
これには思わずラーラが聞き返した。
「あんたらファイヴは日本のヤクザを潰して回って、自分たちのシマを広げてるって噂だ。あんたらはてっきり、俺たちを全員潰して島を乗っ取るつもりだと思っていたぜ」
「…………」
もしかしたらそれがいいのかも。日那乃はそんな風に思ったが、どうやら今日動向しているメンバーにそういうつもりの人間はいないようだ。
そうこうしているうちに話は自動的にまとまり、店の従業員たちに見送られる形で四人は島を去った。
一般人女性5名の安全を戦闘終了時まで確保する――達成
(オプション)一般人女性5名を工龍組に返す――達成
(オプション)富船を生存させる――達成
(オプション)かなり後から駆けつけるアロハ三人組の生存――達成
(オプション)ジジュンを生きたまま撤退させる。――達成
(オプション)ジジュンの部下を全員生きたまま撤退させる。――達成
九州北西にぽつんと存在する浦ノ島。通称ブラックアイル。
韓国、中国、日本における裏の勢力境界線。
船はそんな島へ向け、いつも通りの顔をして進んでいく。
船窓の外に広がる海鳥のたわむれをみながら、『復讐兎は夢を見る』花村・鈴蘭(CL2001625)は小さく顎を上げた。
島の事情もあって少ない乗客たちが、彼女の奇異な格好を横目に見る。
バニースーツ。それもきわめて扇情的な、カジノのシガーガールが来ているようなものである。
それをじっと見つめないのは、鈴蘭のどこか妄執めいた目つきのせいだろう。
目を引く格好と、目をそらしたくなる空気とで、彼女の注目度はプラマイ零を維持している。
胸元から一枚のカードを取り出す。五麟大学考古学研究所研究員の肩書きが書かれた名刺。暗に、ファイヴという組織の一員になったことを意味するカードだ。
「ふふ……ははは……」
そうだ。まだ言っていなかった。
鈴蘭の目に燃える妄執の正体だ。
それはごく一般的に、復讐心と呼ぶ。
鈴蘭とは意図的に話された席で、『ボーパルホワイトバニー』飛騨・直斗(CL2001570)は乱暴に足を投げ出していた。具体的には前の座席の背もたれに足を乗せ、両手を頭の後ろに組んでいる。
「チッ、花村鈴蘭かよ。余計なことするんじゃねえぞ……」
聞こえないように呟いて、ファイヴから渡された資料を手に取ってみる。
ブラックアイルをとりまく三つの裏社会的勢力と、夢見の予知によって発行された『慈善活動』の依頼書である。
この辺りはファイヴの自由なところと言うべきなのだが、ファイヴは目先の人命救助や害妖駆除を行なう一方で構成員の素行については放任主義をとっている。
そりゃあファイヴの機密をインターネットに流して遊んだり、夢見を火で炙って吊るしたりすれば怒られるが、それとてファイヴ構成員全体による『世間体』という名の相互監視状態によって維持されているにすぎない。
だが今回の依頼に関しては、このブラックアイルにファイヴの『発現した一般市民』を放り込むことで何かの化学反応を狙っているフシがあった。土地管理者の思惑か。行政の思惑か。まあ、そんなことはなんだっていいのだ。
「好きにしていいなら、好きにさせてもらうぜ――ギャハハ」
船は海を切り裂いて進む。
鳥たちが歌っている。
風が奇妙に強くふいて、桂木・日那乃(CL2000941)の髪を舞い上げていく。
「…………」
土地というものは偉大だ。こうして離れてみるだけでおぼつかない気分になる。
遠くに見える島が近づいていく。それまでの土地が離れていく。それだけのことが、日那乃には不安なことに思えた。
首を振って思考を切り替える。
何を考えよう。
例えば隔者(リジェクター)なんてどうだろう。
「……ヤクザ」
資料をポケットから出してみる。風にめくれるページの中に、地元ヤクザの
『発現者』とある。
要するに覚者とも隔者とも判別していないということだ。
変な話というか、これはそう決めた偉い人の不手際なのだが、この世に覚者や隔者なんていう存在はいないといっていい。全てひとくくりに発現者であり、『悪い発現者』を隔者と呼んでいるだけのことだ。
もっと短絡的に言うなら、ファイヴの前身にあたるAAAが敵対している発現者を隔者、味方する発現者を覚者と呼び分けた名残である。
「…………」
ゆえに、今から出会う人々が覚者か隔者かは日那乃が決めねばならない。
そしてその保証と責任は、日那乃がとらねばならない。
「……まずは、助ければ、いい、の、ね」
資料が風に飛ばないようにと、資料を強く握った。
港につき、乗客を降ろして去って行く船。
『赤き炎のラガッツァ』ラーラ・ビスコッティ(CL2001080)は同じように下りた皆に一旦別れを告げ、Gマップによる衛星写真を元にスナックきよみの裏手を目指していた。
そうそう広い島ではないし、地理を把握することにも価値がある。なによりいざとなったらこの場所を必死に走り回らねばならないのだ。
「それにしても……今回はちょっと不安ですね」
依頼募集人数8人。
そのうち集まった人数は4人。
与えられた最低条件はスナックきよみの従業員五名の安全を戦闘終了後まで確保することなので、この人数でできないことではないが……。
「依頼書に書いてあるオプションというのが気になります。サンヨン派の殲滅やイ・ジジュンの撃破が可能かどうかというと、少し怪しいんですよね。まして富船さんを敵に回したり従業員の方々を連れ去ったりなんて大胆なことはできそうにありませんし……」
し……と、独り言でここまでまとめてみたのは、今回のメンバーがどう動くかイマイチわかっていないからだ。
メンバーがギリギリ出発可能なところまで集まったはいいが、期日ギリギリだったものだから話し合いは充分にできていない。
ラーラは自分の意見をハッキリ述べたのですれ違いによる事故が起きる確率は減っているが、万一自分と意見の対立する者が現われ、争いになったりしたら……。
「ううっ、恐い考えはやめましょう。とにかく今は……」
資料を閉じてポケットにねじ込み、顔をあげる。
小さな窓が、そこにはあった。
●双龍と工龍
スナックきよみの扉を開き、外へと出る。
出て、すぐに足を止めた。『店から出るな』と一言告げて、後ろ手に扉を閉める。
黒いスーツを着た男たちが青竜刀やヌンチャクを手に取り囲む光景が見えれば、当然の対応だろう。
黒服たちを割って現われるホストクラブのような男、イ・ジジュン。
「……」
「……」
二人は二言ほどかわし、それぞれに身構え――た途端。
「ギャハハハハハ! ハンプティ・ダンプティには気を付けなよ! うっかりしてたら死ぬぜ!」
どこからともなく卵状の隕石が現われ、黒服たちへと降り注いだ。
あるものは防御し、あるものは飛び交わし、あるものは切り捨てる。
そしてジジュンは韓国刀で隕石を真っ二つに切断すると、声のした方向をみやった。
「どなたですか」
「どなたですかだと? ギャハハ!」
姿を堂々と見せた直斗が刀をくるくるとやってみせた。
「俺たちはファイヴ! そこの店の女たちの安全を確保しに来た。つーわけだから手を引きな!」
「引く理由はありませんね。ファイヴ? 日本の政治家にかわいがられているペットだそうじゃないですか。あなたはさしずめ可愛いウサギちゃんといったところですか」
「あんだと……」
直斗の目つきに殺人的な光が宿った。
むろん、ジジュンにとっては挨拶のようなものだ。
ファイヴの名前ごときで引く組織では無いぞ、と暗に述べているのだ。
「あら、可愛いウサギちゃんならここにもいるわよ。うふふ……」
反対側から声がした。振り返ってみると、鎌を担いだバニースーツの鈴蘭が屋根の上に立っていた。
「聞いたわ、店の女たちを浚って思い通りにしようとする――隔者! アハハハ、そうでなくっちゃあね!」
「何の話をしている……」
「『私』の話をしてるのよ!」
胸元から引っ張り出したフラッシュグレネードを投擲。
黒服たちが目を覆った所を狙って、鈴蘭は群れの中に飛び込んだ。
鎌を縦横無尽に振り回し、塗り込められた毒や熱を与えていく。
曖昧に述べているのは、集団の中に紛れてめちゃくちゃになっているからだ。
時折相手のネクタイを掴んで引っ張り、首をかききる姿が見えるのみである。
誰から?
そう、日那乃からだ。
「…………隔者。サンヨン派は、隔者? 工龍組は……?」
日那乃は今回、自分でカテゴライズすることをやめた。
それができるだけの知識や判断力がないわけではないが、少なくとも『周りに合わせる』という彼女なりの行動基準に従ったまでである。もっと正確に言うなら、『ファイヴに合わせる』だ。
ゆえに日那乃の行動目的はあくまでスナックきよみの従業員の安全を作戦終了時まで確保することにあった。
「……ヤクザのひと、助けるのは、決定?」
様子を見る限り工龍組の富船という男には敵対しない様子らしい。間接的に助けるにしろ、積極的に助けるにしろ、まずはサンヨン派を撃退しないことには始まらない。
日那乃はこくこくと頷いて潤しの雨を発動させた。
けど、気になることが一つある。
「もう、ひとり……は?」
もうひとり。
つまりラーラはどうしているかというと。
「みゃん!?」
窓から無理矢理スナックきよみに入り、頭から床に落っこちた。
おびえてすくむ従業員たち。
ラーラは頭をさすって起き上がると、まず立てた人差し指を口にやった。
「聞いてくださいね。私は敵ではありません。戦闘が終わるまでは、お店の外に出てはだめですよ」
そこから暫く、ラーラは今の状況や自分たちの立場などを明らかにするために従業員たちへ説明を続けた。
ラーラのいいつけに、店の従業員たちはこくこくと頷いた。
さて……ラーラ的第一段階はこれでよし。
次は、既に大騒ぎになっている外へ飛び出して敵を追い払うのみなのだが。
「本当に大丈夫でしょうか。皆さん、かなりヤる気なんですけど……」
大変なことになりませんように。
そう願いながら、ラーラは扉を開け放った。
「良い子に甘い焼き菓子を、悪い子には石炭を。イオ・ブルチャーレ!」
おきまりのおまじないを唱え、敵だけをロックオンして炎を整形。無数に形作られた炎の獅子がサンヨン派の部下たちへと襲いかかる。
間を駆け抜けてジジュンへと食らいつこうとしたが、ジジュンはそれを真っ向から切り捨てた。
「五人ですか。これ以上増えそうには……ないですね。潰せ」
部下たちに命令を出すジジュン。
「強がるなよ雑魚どもが! おいヤクザの兄さん、助太刀するぜ!」
黒服たちの攻撃を右へ左へかわしながら、自慢の刀で切り捨てていく直斗。
視界にジジュンをとらえると。
「日本の兎嘗めんじゃねェぞ、韓国マフィア!」
一気に加速。タックルを仕掛けると。返す刀で強烈な斬撃を叩き込んだ。
ぐらつくジジュン。更に、黒服たちを高い跳躍で飛び越えた鈴蘭が鎌を激しく回転させながら襲いかかった。
「ふふふ、あはははは! 死ぬまでい~っぱい苦しんでね!」
鎌を叩き込む。首を飛ばすほどの威力だが、韓国刀でガードしたジジュンは吹き飛ばされるだけにとどめていた。
ごろごろと転がる。日那乃がふわふわと飛行しながら、黒服たちとジジュンの戦力を見極めていた。
富船はそれなりに戦えているし、ジジュンと部下20人という戦力を強く威圧してこそいるが……。
「さすがにここまでの数を相手にすると、消耗がつらすぎますね……」
最初につらくなったのはラーラだった。回復を担当していた日那乃を後回しにして、ダメージソースになるラーラに集中攻撃を浴びせることでこちらの戦力を削りに来たのだ。
というより、ジジュンたちから日那乃はノーマークだったと言ってもいいくらいである。
「けど、やられてばかりじゃいませんから!」
ペスカから落ちてきた鍵を鍵穴でキャッチし、掴んでがちんと回すラーラ。
大量の魔方陣が生まれ、ラーラはその全てから炎を発射した。
「ぐ……っ!」
刀で防御し、踏みとどまるジジュン。
「仕方ありませんね。ここは引くとしましょう。ファイヴといいましたか。今度この島に立ち入ったとき、我々は敵に回るということを覚悟しておいてくださいね」
そう言い残し、ジジュンたちは撤退していった。
強く舌打ちする鈴蘭と直斗。
あわよくばぶち殺したいなくらいに思っていたので、ほぼ全員を生かして返したことには不満だったようだ。
さておき。
次の問題は富船である。
こちらをじっと見つめ、無言の圧力をかけてくる富船。
ややあって、アロハシャツトリオが『アニキー!』と言いながら駆け寄ってきた。
「アニキ、こいつらですかサンヨン派のド外道は!」
「ぶっころしてやりますけえ!」
「おう、ヤクザなめんなおう!」
身構える三人を、富船は手を翳して止めた。
「こいつらはサンヨン派じゃねえ。ファイヴ……だったな」
話を向けられて、直斗は無言で肯定した。
「俺は富船ってもんだ。工龍組の食客に招かれてる。あんたたちは……」
「飛騨直斗」
「ラーラ・ビスコッティといいます」
「……桂木……日那乃」
三人から視線を向けられ仕方なく手を振る鈴蘭。
「花村よ、あとは勝手にやってちょうだい」
「そうさせてもらうぜ。おい富船、そこの店の連中はあんたに任せる。俺らの仕事は終わりだ」
「なんだって?」
店を一度振り返り、富船は複雑な顔をした。
「どういうことだ。お前らは島を奪いに来たんじゃなかったのか?」
「……はい?」
これには思わずラーラが聞き返した。
「あんたらファイヴは日本のヤクザを潰して回って、自分たちのシマを広げてるって噂だ。あんたらはてっきり、俺たちを全員潰して島を乗っ取るつもりだと思っていたぜ」
「…………」
もしかしたらそれがいいのかも。日那乃はそんな風に思ったが、どうやら今日動向しているメンバーにそういうつもりの人間はいないようだ。
そうこうしているうちに話は自動的にまとまり、店の従業員たちに見送られる形で四人は島を去った。
一般人女性5名の安全を戦闘終了時まで確保する――達成
(オプション)一般人女性5名を工龍組に返す――達成
(オプション)富船を生存させる――達成
(オプション)かなり後から駆けつけるアロハ三人組の生存――達成
(オプション)ジジュンを生きたまま撤退させる。――達成
(オプション)ジジュンの部下を全員生きたまま撤退させる。――達成
■シナリオ結果■
成功
■詳細■
MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし
