【儚語】ナビ子でございます!
●
「拙者、ちくビーム侍でござる! 拙者の乳首から放たれる侍汁をくらうでござる!」
「俺の名はスネ毛のジョニー。俺のスネ毛に絡まれたやつは……逃げられないぜ!」
「よい子のみんな、全裸おじさんだよ!」
「どうも男子の服だけ溶かす触手ですがなにか」
「おう゛ぁああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
四方からおかしなバケモンに囲まれた人が地面にマーライオンスプラッシュしていた。お昼に食べたお好み焼きをリバースしていた。
どこのどういうフランチャイズか全く分からないような、しかし絶対なんかのファーストフード店の制服だろっていう服を着た人で、男なんだか女なんだか微妙に分からない顔つきをしていた。
電柱によりかかり、頭をがんがん柱に打ち付ける。
「ちっくしょおおおおおおおおお! 今日こそはちゃんとしたやつを予知したと思ったのになんだよこいつらやっぱネタ要員じゃねえかよおおおお! どうなってんだよおおおおおおおお! うわあああああああああああ!」
「つべこべ言わずに拙者の侍汁をくらでござる! くらうでござる! むさぼるように! すいつくように! 赤子のように! 甘えん坊さんのようにのう!」
右片方の乳首を露出させた侍装束の隔者が両手で肉を寄せることによって出来る疑似おっぱいを見せつけながらすり足で徐々に近づいてくる。
「すね毛はいいぞ。じょりじょりしている。そして縮れている。時折酸っぱいスメルが漂う。そんなすね毛に……埋もれてみたいと思わないか……」
タンクトップ姿のスポーツマンがすね毛だけを器用にわっさわっさ動かしながら待ってるガイルの姿勢で徐々に徐々に近づいてくる。
「おじさんは何を着ているかな? そう、何も着ていないね! さあここを見てごらん! 君のパパと同じかな!?」
天然パーマで全裸のおじさんが腰をグラインドしながら徐々に徐々に徐々に近づいてくる。
「服だけ溶かす触手を手に入れた私に敵はありません。世界中全ての男子を剥くのです。服からの解放です」
かぽんと外れた手首から粘液を纏った触手を大量にはやしてよくわかんない人が徐々に徐々に徐々に徐々に近づいてくる。
「うわー! くるなー! こんな荒唐無稽な夢絶対ウソだと思ったのになんで現実になってるの!? 馬鹿なの!? 死ぬの!? 私が!? だ、誰かタスケテー!」
●
F.i.V.Eには夢見三兄弟っていう世にも珍しい能力者がいることはみんな知ってるね! 覚者自体は日本に住んでる外国人くらいにさして珍しいモンじゃないけど、夢見っていうのはほんと珍しいんだ。ぶっちゃけ存在すら疑ってる人もいるくらいだよ。
でもF.i.V.Eがクソでかい組織と渡り合うにはこういう人たちをもっと沢山引き入れる必要があるんだ。なんの話をするわけじゃないけど、予言者が大量にいる組織って大抵世界を制するからね。
そういうわけでF.i.V.Eのみんなは各地に飛んで事件に巻き込まれてる夢見やなんかを助けて組織にカモナベイベーしてるんだけど、今日君が見てるのもその一件だよ。嘘じゃ無いよ。
君は今から四人の隔者に襲われている夢見を救出してなんやかんやでF.i.V.Eに連れてくる任務を託され――逃がすかぁ!
「拙者、ちくビーム侍でござる! 拙者の乳首から放たれる侍汁をくらうでござる!」
「俺の名はスネ毛のジョニー。俺のスネ毛に絡まれたやつは……逃げられないぜ!」
「よい子のみんな、全裸おじさんだよ!」
「どうも男子の服だけ溶かす触手ですがなにか」
「おう゛ぁああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
四方からおかしなバケモンに囲まれた人が地面にマーライオンスプラッシュしていた。お昼に食べたお好み焼きをリバースしていた。
どこのどういうフランチャイズか全く分からないような、しかし絶対なんかのファーストフード店の制服だろっていう服を着た人で、男なんだか女なんだか微妙に分からない顔つきをしていた。
電柱によりかかり、頭をがんがん柱に打ち付ける。
「ちっくしょおおおおおおおおお! 今日こそはちゃんとしたやつを予知したと思ったのになんだよこいつらやっぱネタ要員じゃねえかよおおおお! どうなってんだよおおおおおおおお! うわあああああああああああ!」
「つべこべ言わずに拙者の侍汁をくらでござる! くらうでござる! むさぼるように! すいつくように! 赤子のように! 甘えん坊さんのようにのう!」
右片方の乳首を露出させた侍装束の隔者が両手で肉を寄せることによって出来る疑似おっぱいを見せつけながらすり足で徐々に近づいてくる。
「すね毛はいいぞ。じょりじょりしている。そして縮れている。時折酸っぱいスメルが漂う。そんなすね毛に……埋もれてみたいと思わないか……」
タンクトップ姿のスポーツマンがすね毛だけを器用にわっさわっさ動かしながら待ってるガイルの姿勢で徐々に徐々に近づいてくる。
「おじさんは何を着ているかな? そう、何も着ていないね! さあここを見てごらん! 君のパパと同じかな!?」
天然パーマで全裸のおじさんが腰をグラインドしながら徐々に徐々に徐々に近づいてくる。
「服だけ溶かす触手を手に入れた私に敵はありません。世界中全ての男子を剥くのです。服からの解放です」
かぽんと外れた手首から粘液を纏った触手を大量にはやしてよくわかんない人が徐々に徐々に徐々に徐々に近づいてくる。
「うわー! くるなー! こんな荒唐無稽な夢絶対ウソだと思ったのになんで現実になってるの!? 馬鹿なの!? 死ぬの!? 私が!? だ、誰かタスケテー!」
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F.i.V.Eには夢見三兄弟っていう世にも珍しい能力者がいることはみんな知ってるね! 覚者自体は日本に住んでる外国人くらいにさして珍しいモンじゃないけど、夢見っていうのはほんと珍しいんだ。ぶっちゃけ存在すら疑ってる人もいるくらいだよ。
でもF.i.V.Eがクソでかい組織と渡り合うにはこういう人たちをもっと沢山引き入れる必要があるんだ。なんの話をするわけじゃないけど、予言者が大量にいる組織って大抵世界を制するからね。
そういうわけでF.i.V.Eのみんなは各地に飛んで事件に巻き込まれてる夢見やなんかを助けて組織にカモナベイベーしてるんだけど、今日君が見てるのもその一件だよ。嘘じゃ無いよ。
君は今から四人の隔者に襲われている夢見を救出してなんやかんやでF.i.V.Eに連れてくる任務を託され――逃がすかぁ!

■シナリオ詳細
■成功条件
1.夢見テイクアウツ
2.なし
3.なし
2.なし
3.なし
本領発揮だよ
●夢見
ユアワ・ナビ子。
富山県は高岡市の温泉街で生まれた湯泡家の問題児。父が人を導く高尚な子になるようにと『ナビ子』とつけて母にぶん殴られたが時既に遅し。役所はそいつを受理して変更不可。ほんとはできたんだろうけど母も母で父に鞭を打ったり蝋燭を垂らしたりする作業に忙しくてそれどころじゃなかったんだね。しょうがないね。
そんな家だから二十歳と同時にロケット噴射で家から飛び出しクッソボロいアパートで心身共におかしな連中とおかしな毎日を送っているよ。職業はハイパーアルバイターを名乗っていて特技はバイトを一ヶ月以内に辞めることだよ。
だから例の制服もどきは私服だよ。アパートのコスプレおじさんが湯川パッケージのドリキャスと交換でくれたよ。同じ者が八十八着あるよ。他の服はないよ。馬鹿なんじゃないかな。馬鹿なんだろうね。
明日のご飯は山や海に沢山あるし空は青いし海も広いからまあ生きていけんだろとばかりに毎日カオスな日常系アニメみたいな暮らしをしているよ。
もしかしたらきみは似たような人を知ってるかも知れないけど、こいつは全くの別人だしそんなことはどうでもいいよ。
え、夢見としてのスペックや状況?
それこそどうだっていいだろ!
●エネミーデータ
・ちくビーム侍
暦水行隔者。ちくびから侍汁を発射する程度の能力。
・スネ毛ジョニー
獣土行隔者。すね毛をジョリジョリさせる程度の能力。
・全裸おじさん
翼天行隔者。全裸になる程度の能力。
・服を溶かす触手
彩木行隔者。男子を剥く程度の能力。
●補足
この依頼で説得及び獲得できた夢見は、今後FiVE所属のNPCとなる可能性があります。
まじかよ。
状態
完了
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
相談日数
6日
6日
参加費
100LP[+予約50LP]
100LP[+予約50LP]
参加人数
9/9
9/9
公開日
2015年10月06日
2015年10月06日
■メイン参加者 9人■

●夢見(や)らないか
「うわー! くるなー! マニア向けの同人誌みたいにされるー! 誰か助けてー!」
ナビ子が電柱の上にしがみついて木の枝をぶんぶん振り回していた。
四方から囲んでぐーるぐーる回り始める変態四人衆。
そこへ。
「お待ちなさい!」
「はっ、助けが」
セーラー服(膝上20スカート)の『今日も元気だド変態』明智 珠輝(CL2000634)が現われた。
「どうも、愛の伝道師です! 助けに来ましたよふふふ……!」
変態が増えた。明後日の方向へメガホン構えて叫ぶナビ子。
「だれかー! 変態だよー! 五人衆だよー!」
「任せな!」
「はっ、やっと助けが」
股間の盛り上がりと腹や腕のガチムチ体型を強調したポーズで脇森・楓(CL2000322)が現われた。
「目には目を、歯には歯を、変態には変態を!」
「また増えたああああああああああああ!」
電柱のてっぺんまで高速で登っていくナビ子。
根元の所に鯨塚 百(CL2000332)がやってきてエチケット袋と水ボトルを突きだした。
「だいじょうぶ、オイラたちが助けてやるからな!」
「今更ショタ一人増えたところで現場の変態成分は薄れないんだよ!」
「そんな!」
全員あっちいけよー警察よぶぞー! と言って聞かないナビ子の頭上。というか電柱のてっぺんに天城 聖(CL2001170)がふんわり降臨した。
「こちら現場です! 見てくださいこの有様、夢見が変態に囲まれて……ぷっ、くく……あははははなにこれ本当に変態だよ変態の見本市だよ!」
「それ間違ってもオイラを含めてないよな?」
「私を含めてくれていますよね?」
「俺たちを見くびって貰っちゃこまるぜ」
「やめろ! オイラを巻き込むなよ!」
なんかもめてる眼下を無視して、聖はナビ子をがしっと羽交い締めにした。
「うわーやめろー! 私を変態怪人に改造するつもりだな! ぶっとばすぞー!」
「落ち着いて暴れないで、予知夢をもった人のお願いで助けに来たんだよ!」
「そう言って振り込みをさせる詐欺だな!?」
「どんな遠回しの詐欺なの! とにかくここから逃げよ、ねっ!」
聖は暴れるナビ子をホールドすると、そのまま上空へと離脱した。
しかし。空が安全だと思って上に逃げてしまうのは因子界隈ではよく陥る穴である。
「やあ、全裸おじさんだよ!」
身体をT字にして全裸おじさんが翼を広げて追跡してきた。ナビ子を抱えている分だけ聖のほうが不利! たちまち追いつかれてしまう。
「安心してください。はいてません」
「見ればわかるわい!」
「あっ、ちょっとあばれないで! わあっ!?」
雷を受けて墜落する聖。
地面に激突するかと思われた所で、『傭兵』しまむら ともや(CL2001077)が二人まとめてキャッチした。
「もう大丈夫だ。こいつは俺たちが相手をする」
スリングショットを取り出して構える『探偵見習い』工藤・奏空(CL2000955)。
「相談時に全裸おじさんを略したばっかりに俺まで全裸みたくなった悲しみをくらえ!」
「悲しいことがあったんだね。全裸になると、気分がとてもスッキリするよ!」
「うるせー!」
奏空は全裸おじさんの全裸おじさんジュニアをスリングショットで狙い撃ちにした。
リズミカルな腰のスイングでかわす全裸おじさん。
「どうしたんだい! さあよく見て狙うんだ! 左右に揺れているね! なぜかな!?」
「へん、そんなもの……しまむらさんの方がすごいぞ!」
「なんだって!?」
ハッとした全裸おじさんに気づいて、ともやは頭の後ろで手を組んだ。
「おっと、そんなことを言ったら俺にヘイトが向いちゃうんじゃない?」
「それはそれとしてショタ君もっとおじさんを見ようか」
「ブレねえなこいつ!」
「変態はブレない。覚えておくんだ。そしておじさんの姿も覚えておくんだ!」
全身から汗を噴出して周囲を霧に包む全裸おじさん。
狙いが全く定まらない。焦ってショットを乱射する奏空に全裸おじさんのボディアタックが炸裂した。
「触って初めてわかるものがあるね!」
「ぐわー!」
テンプレみたいな悲鳴をあげて吹き飛ぶ奏空。
無駄にブロック塀を破壊してぐったりした。
「し、しっかりしろ奏空さん!」
「うう、走馬燈が……」
奏空の脳裏に浮かぶ思い出。野原を駆ける全裸おじさん。暖炉の前で毛布を被り合う全裸おじさん。海辺でサーフボードを担ぐ全裸おじさん。
「ってそんな思い出はねえ!」
白目を剥いて叫ぶ奏空。もう彼はダメだ。ともやは彼をそっと地面に寝かせると、ネクタイを緩めながら立ち上がった。
「おや、まだ立ち上がるのかな? ところでおじさんをみてごらん? 立ち上がっているかな?」
「なるほど、素面で勝てる相手ではないか……なら!」
ともやはどういう理屈か知らんけど一発で全ての服をパージした。
「俺、全裸になります!」
しまむらともやのハンドガンがたちまち蔵王した。ともやZは激しく隆槍すると全裸おじさんへとヒヨコ歩きで突撃した。
「いいね! おじさんときみ、どっちが大きいか勝負だよ!」
同じくヒヨコ歩きで突撃する全裸おじさん。
ぶつかり合う二人のZ。
光がほとばしり、爆発する。
天をつく光の柱を、目覚めた奏空はまぶしそうに見つめた。
「あれが……」
「あ、アアアアアーッ!」
それが誰の叫びだったのか、朦朧とした奏空にはわからなかった。
一方、ナビ子や聖は別の驚異に襲われていた。
「ちーくびーが立ったでーござーるー!」
変なイントロと共に現われる片乳首の侍。
「拙者、ちくビーム侍でござる! フンッ! フゥン!」
手で肉を寄せて作る疑似おっぱいを絞るようにして侍汁を乱射してくるちくビーム侍。
聖はナビ子を抱えたまま右へ左へ回避するが、どうにもこうにも避けづらい。
そこへ刀を振り上げた『鬼籍あるいは奇跡』御影・きせき(CL2001110)が割り込んでいった。
「夢見さんを助けなさいって言われたんだー! だからやっつけるよ、ちくビーム侍!」
その頭上で鼻をくいくいさせるステーシー(犬系アテンド)。
「やめて! かぎわけないで! 侍汁なんてものをかがせないで!」
「っていうより、少年に侍汁なんて単語を連呼させないで!」
前後から挟み込むように現われる『紅戀』酒々井 数多(CL2000149)。
「そしてなんなのあなたたち! 変態連盟とかそういう組織でも存在してるの!?」
「早計でござるな。変態はいつの時代のあらゆる土地にいるもの!」
「それはそれで嫌!」
「拙者の前に立ちハダカったからには、拙者とタチあうでござる! さあ、さあ!」
乳首を押し出してすり足で寄ってくるちくビーム侍。
数多は刀を振り回して後じさりした。
「恣意的に誤字を出さないで! 私だっていつちくビーム侍を誤字って美少女らしからぬ単語を発しちゃわないか心配なんだからね! 一生ログに残るんだからね!」
「おねーさん下がってて。ここはぼくがやるよ!」
きせきは男の子らしく数多の前に出ると、ちくビーム侍へと斬撃を繰り出した。
「くらえー!」
「甘い!」
ちくビーム侍は乳首から侍汁を噴射。きせきの斬撃を水圧によって反らすと、そのままきせきを吹き飛ばした。
「うー、わかっててもやっぱり嫌だよぉ!」
「こうなったら……!」
数多は刀を水平に構えると、すり足でちくビーム侍へと接近した。
じりりと鳴るアスファルト。
鼻息荒く両手をすぼめるちくビーム侍。
噴射される侍汁。
その噴射を全身で受け止めるきせき。
高速スウェーで接近した数多は、ちくビーム侍のちくビを疾風斬りした。
「せっ!」
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
想像してほしい!
乳首から毛が生えてるときづいて、それをハサミで切ってもちょっと残っちゃうからここはひげそりかなと思って上からしたにジョリってやってしまった直後のことを!
想像できない人は数多ちゃんがちくビーム侍のハロウィンコスプレを強要されて抵抗しているピンを想像して楽しもう。
いっぽーそのころ!
「ジョニーキック!」
「ひいっ!?」
大ジャンプからのサマーソルトキックをぎりぎりの所で回避する聖。
顔面のすぐそばをギラギラに光ったすね毛が通過していく。
ブロック塀を蹴ってさらなるキックを繰り出そうとするジョニーに、百がダイビングパンチを繰り出した。
空中でスネ毛を翳し、パンチをガードするジョニー。
藤原○治声でニヒルに言った。
「少年、俺のスネ毛を破ることはできないぜ」
「うええっ、実家のとーちゃんよりじょりじょりする!」
「ハァッ!」
スネ毛を更に硬化させ、百を蹴り飛ばす。
百は道の反対側へと吹き飛び、ブロック塀を破壊して民家の庭へと転がり込んだ。
ジョニーが膝蹴りの追撃をしかけてくる。
顔をあげる百。
そこへ、『月々紅花』環 大和(CL2000477)が割り込んだ。
「これはフォローが必要だわ」
大和が手を前へ翳すと、太ももにバインドしていた護符が遠隔操作ビットのごとく次々と飛び出し、円形のシールドを形成した。
力場に阻まれびりびりと音をたてるジョニーのスネ毛。大和は指で髪をかきあげた。
「美しくないわ。今時は男性もお手入れをするものよ」
シールドを回り込む形で展開した護符がサークル型に回転しながら中央の力場から電撃を発射。たちまちジョニーをスパークが覆う。
「電撃で焼き尽くしてあげるわ」
「フフ、その程度の電撃……俺には電動ヒゲ剃りほどにも感じないぜ」
「だったら火力を増すだけだぜ!」
百はバンカーバスターを装着すると、ジョニーに突撃。大和が緊急解除したシールドを超え、杭打ちを仕掛ける。スネ毛でガードするジョニー。
だが、その毛穴に高温を帯びた鉄杭が突き刺さる。
「こ、これは……永久脱毛!」
「つるつるになっちまえ!」
「ぐあああああああああああああああああああああ!」
ジョニーは炎に包まれ、断末魔をあげた。
一方その頃と言っていいのか分からんが。
「さあ触手さん、あなたの相手はここですよ!」
珠輝が腰をリズミカルにスイングしながら踊っていた。
なびくスカート。視線を左右に振る触手の人。
「くっ、これでは男女のどちらかわからない!」
「判定ザルだなあこの人」
ナビ子と聖は色々悟ったのかパピコ二人で分けてちゅーちゅーしていた。
目をきらりと光らせる珠輝。
「あなたは彩の木行だそうですが……まさかあなたは生き別れの兄弟!」
「はっ、ということはお前は弟の!」
「はい!」
「――ということは男じゃあああああああああ!」
「しまったあああああああああ!」
触手マンの腕から触手が伸び、珠輝の服をびりびりに引き裂いた。
たちまち全ての服を喪失する珠輝Z。
「すみません。弟というのは嘘です」
「他に言うことはねえのか」
雪見だいふくをわけっこしながらぼやくナビ子と聖。
「ククク、お前はもう負けてるんだよ」
楓Zが両手を頭の後ろで組んだ状態で現われた。
「変態を倒すには……俺自身が変態になることだ」
「車になることだみたいに言われても」
「明智が剥かれる様を見るよろこび。自分が剥かれるよろこび。束縛こそがイイんだ。最初から全裸だと……楽しみがねえからな」
「あっダメだこの人ガチの人だ」
チューペットを二つに折ってわけっこするナビ子と聖。
一方で楓はたまたまそこにあったポールに足を搦めてぐるぐると周り始めた。
「そして俺たちの目的であった『アレ』も……もう完了しているぜ」
「ふふ、そう……既に触手はあなただけのものではありません」
「なに――ぐああああああ!?」
目を見開く触手マン。
次の瞬間珠輝と楓の放った触手で服をびりびりに引き裂かれた。
ポールに上下逆さに絡みついてぶら下がる珠輝。
「あなたの触手は植物性と動物性の混合体。すなわち……革製の鞭に深緑鞭を絡めた五行術式にすぎません」
ポールに向けて腰を激しく、そして荒々しくグラインドさせる楓。
「ラーニングなんて必要ねえ。ちくビーム侍の侍汁(水礫)も、ジョニーのスネ毛(蔵王)も、おじさんの全裸(演舞・清風)も、すべて俺たちが最初から再現かのうなものだったのさ!」
「いや全裸は再現したらだめだろ」
「侍汁もだめでしょ」
「というか全部だめだろ」
触手で相手をわっしょいわっしょいしながら、珠輝と楓はセルフリンボーダンスを始めた。
「俺たちは術式は典型的に使うものだと思い込んでいた。だが――!」
「因子とはそもそも自由なもの。自由な発想と表現こそが、私たちの力となるのです!」
「いい話みたくいうな」
「さあ、触手パーティーとイこうぜ!」
「「イエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエアアアアアアアアアアアーッ!」」
その後、珠輝は変態化したともやと共にサンバのリズムでオリーブオイルを浴びる祭りに興じ、楓は変態四人衆にさらなる変態行為を仕掛けて屈服させ、最後に近隣住民に通報された。
「これは映画の撮影よ。許可証がちゃんと出ているでしょう?」
「えー、そうはいいましてもねえぇ」
口をうゅうぃーってやりながら、中田○治声のお巡りさんは首を傾げた。
「どう見てもAVでしょこれ。ガチホモ向けのAVでしょ」
変態四人衆相手にやりたい放題していた楓を指さすお巡りさん。
「……」
大和は口を押さえてそっぽを向いた。
「ごめんなさい。その人たちは知らないわ」
「そうでしたかー。変態に襲われて災難でしたね。では本官は!」
びしっと敬礼して去って行くお巡りさん。
掴んだ縄の先にはちくビーム侍、全裸おじさん、スネ毛ジョニー、触手マン、珠輝、楓、あとともやがつながっていた。
「あれ!? 俺は一体なにを!? なぜ全裸に、そしてお縄に!? お巡りさんまってくれ、俺は違う、違うんだ!」
嫌がるともやたちを無理矢理詰め込んで去って行くパトカー。
それを見送って、きせきは遠い目をした。
さておき、と咳払いする奏空。ナビ子の方へと向き直った。
「えっと、同じような能力者はいないか? あと、どこに所属してるんだ?」
「私はお前の先生でもお母さんでもないぞ?」
「なんでこの人急に態度大きくしたの」
「いや、芋ずる式に楽しようとする気配がしたから反射的に」
「何の話してるの」
「私の他に百億五千万の仲間が居てね、みんな秘密結社ライブラジャーっていう組織に――」
「嘘つくな!」
「だったら聞くな!」
「逆ギレすんな!」
ウキャーといいながら取っ組み合いを始めるナビ子と奏空。数多と聖が二人を羽交い締めにして引き離すと、間に百が入った。
「ナビ子さん、だよね」
ショタ粒子(アニメとかで背景にエフェクトがかかるやつ)を放つ百。
目の中にハートを浮かべるナビ子。
「オイラたちはある組織からこのことを聞いてきたんだ。そこにはナビ子さんと同じ能力を持つ人がいてさ、力を貸してくれるなら今回みたいな変態事件も未然に防ぐことが出来るかもしれないし……一緒に来て欲しいんだ!」
ナビ子の目の中のハート様が『いでえよおおおおお! いでえよおおおおお!』とか言って暴れ出した。右目の方では別のハート様が『これが究極進化体の力……!』とか言っていた。なにこれ。
「えっ、ごめん現実逃避してた。なに?」
「聞いてなかったのかよ!」
「とにかく一緒に来て欲しいってことだよ」
「えーでもー」
両手の指をつんつんするナビ子……の首筋んところを手刀でガッとやる数多。
「うっ!」
「いいからこいっつってんでしょ!」
数多はぐったりしたナビ子を抱えると、後ろから裏声で言った。
『ワタシ、ナビ子チャン! イッショニセカイヲスクイマショ! ウフッ!』
こうして、F.i.V.Eに新たな夢見が加わった。
あと楓たちは前科一犯になった。
めでたしめでたし!
「うわー! くるなー! マニア向けの同人誌みたいにされるー! 誰か助けてー!」
ナビ子が電柱の上にしがみついて木の枝をぶんぶん振り回していた。
四方から囲んでぐーるぐーる回り始める変態四人衆。
そこへ。
「お待ちなさい!」
「はっ、助けが」
セーラー服(膝上20スカート)の『今日も元気だド変態』明智 珠輝(CL2000634)が現われた。
「どうも、愛の伝道師です! 助けに来ましたよふふふ……!」
変態が増えた。明後日の方向へメガホン構えて叫ぶナビ子。
「だれかー! 変態だよー! 五人衆だよー!」
「任せな!」
「はっ、やっと助けが」
股間の盛り上がりと腹や腕のガチムチ体型を強調したポーズで脇森・楓(CL2000322)が現われた。
「目には目を、歯には歯を、変態には変態を!」
「また増えたああああああああああああ!」
電柱のてっぺんまで高速で登っていくナビ子。
根元の所に鯨塚 百(CL2000332)がやってきてエチケット袋と水ボトルを突きだした。
「だいじょうぶ、オイラたちが助けてやるからな!」
「今更ショタ一人増えたところで現場の変態成分は薄れないんだよ!」
「そんな!」
全員あっちいけよー警察よぶぞー! と言って聞かないナビ子の頭上。というか電柱のてっぺんに天城 聖(CL2001170)がふんわり降臨した。
「こちら現場です! 見てくださいこの有様、夢見が変態に囲まれて……ぷっ、くく……あははははなにこれ本当に変態だよ変態の見本市だよ!」
「それ間違ってもオイラを含めてないよな?」
「私を含めてくれていますよね?」
「俺たちを見くびって貰っちゃこまるぜ」
「やめろ! オイラを巻き込むなよ!」
なんかもめてる眼下を無視して、聖はナビ子をがしっと羽交い締めにした。
「うわーやめろー! 私を変態怪人に改造するつもりだな! ぶっとばすぞー!」
「落ち着いて暴れないで、予知夢をもった人のお願いで助けに来たんだよ!」
「そう言って振り込みをさせる詐欺だな!?」
「どんな遠回しの詐欺なの! とにかくここから逃げよ、ねっ!」
聖は暴れるナビ子をホールドすると、そのまま上空へと離脱した。
しかし。空が安全だと思って上に逃げてしまうのは因子界隈ではよく陥る穴である。
「やあ、全裸おじさんだよ!」
身体をT字にして全裸おじさんが翼を広げて追跡してきた。ナビ子を抱えている分だけ聖のほうが不利! たちまち追いつかれてしまう。
「安心してください。はいてません」
「見ればわかるわい!」
「あっ、ちょっとあばれないで! わあっ!?」
雷を受けて墜落する聖。
地面に激突するかと思われた所で、『傭兵』しまむら ともや(CL2001077)が二人まとめてキャッチした。
「もう大丈夫だ。こいつは俺たちが相手をする」
スリングショットを取り出して構える『探偵見習い』工藤・奏空(CL2000955)。
「相談時に全裸おじさんを略したばっかりに俺まで全裸みたくなった悲しみをくらえ!」
「悲しいことがあったんだね。全裸になると、気分がとてもスッキリするよ!」
「うるせー!」
奏空は全裸おじさんの全裸おじさんジュニアをスリングショットで狙い撃ちにした。
リズミカルな腰のスイングでかわす全裸おじさん。
「どうしたんだい! さあよく見て狙うんだ! 左右に揺れているね! なぜかな!?」
「へん、そんなもの……しまむらさんの方がすごいぞ!」
「なんだって!?」
ハッとした全裸おじさんに気づいて、ともやは頭の後ろで手を組んだ。
「おっと、そんなことを言ったら俺にヘイトが向いちゃうんじゃない?」
「それはそれとしてショタ君もっとおじさんを見ようか」
「ブレねえなこいつ!」
「変態はブレない。覚えておくんだ。そしておじさんの姿も覚えておくんだ!」
全身から汗を噴出して周囲を霧に包む全裸おじさん。
狙いが全く定まらない。焦ってショットを乱射する奏空に全裸おじさんのボディアタックが炸裂した。
「触って初めてわかるものがあるね!」
「ぐわー!」
テンプレみたいな悲鳴をあげて吹き飛ぶ奏空。
無駄にブロック塀を破壊してぐったりした。
「し、しっかりしろ奏空さん!」
「うう、走馬燈が……」
奏空の脳裏に浮かぶ思い出。野原を駆ける全裸おじさん。暖炉の前で毛布を被り合う全裸おじさん。海辺でサーフボードを担ぐ全裸おじさん。
「ってそんな思い出はねえ!」
白目を剥いて叫ぶ奏空。もう彼はダメだ。ともやは彼をそっと地面に寝かせると、ネクタイを緩めながら立ち上がった。
「おや、まだ立ち上がるのかな? ところでおじさんをみてごらん? 立ち上がっているかな?」
「なるほど、素面で勝てる相手ではないか……なら!」
ともやはどういう理屈か知らんけど一発で全ての服をパージした。
「俺、全裸になります!」
しまむらともやのハンドガンがたちまち蔵王した。ともやZは激しく隆槍すると全裸おじさんへとヒヨコ歩きで突撃した。
「いいね! おじさんときみ、どっちが大きいか勝負だよ!」
同じくヒヨコ歩きで突撃する全裸おじさん。
ぶつかり合う二人のZ。
光がほとばしり、爆発する。
天をつく光の柱を、目覚めた奏空はまぶしそうに見つめた。
「あれが……」
「あ、アアアアアーッ!」
それが誰の叫びだったのか、朦朧とした奏空にはわからなかった。
一方、ナビ子や聖は別の驚異に襲われていた。
「ちーくびーが立ったでーござーるー!」
変なイントロと共に現われる片乳首の侍。
「拙者、ちくビーム侍でござる! フンッ! フゥン!」
手で肉を寄せて作る疑似おっぱいを絞るようにして侍汁を乱射してくるちくビーム侍。
聖はナビ子を抱えたまま右へ左へ回避するが、どうにもこうにも避けづらい。
そこへ刀を振り上げた『鬼籍あるいは奇跡』御影・きせき(CL2001110)が割り込んでいった。
「夢見さんを助けなさいって言われたんだー! だからやっつけるよ、ちくビーム侍!」
その頭上で鼻をくいくいさせるステーシー(犬系アテンド)。
「やめて! かぎわけないで! 侍汁なんてものをかがせないで!」
「っていうより、少年に侍汁なんて単語を連呼させないで!」
前後から挟み込むように現われる『紅戀』酒々井 数多(CL2000149)。
「そしてなんなのあなたたち! 変態連盟とかそういう組織でも存在してるの!?」
「早計でござるな。変態はいつの時代のあらゆる土地にいるもの!」
「それはそれで嫌!」
「拙者の前に立ちハダカったからには、拙者とタチあうでござる! さあ、さあ!」
乳首を押し出してすり足で寄ってくるちくビーム侍。
数多は刀を振り回して後じさりした。
「恣意的に誤字を出さないで! 私だっていつちくビーム侍を誤字って美少女らしからぬ単語を発しちゃわないか心配なんだからね! 一生ログに残るんだからね!」
「おねーさん下がってて。ここはぼくがやるよ!」
きせきは男の子らしく数多の前に出ると、ちくビーム侍へと斬撃を繰り出した。
「くらえー!」
「甘い!」
ちくビーム侍は乳首から侍汁を噴射。きせきの斬撃を水圧によって反らすと、そのままきせきを吹き飛ばした。
「うー、わかっててもやっぱり嫌だよぉ!」
「こうなったら……!」
数多は刀を水平に構えると、すり足でちくビーム侍へと接近した。
じりりと鳴るアスファルト。
鼻息荒く両手をすぼめるちくビーム侍。
噴射される侍汁。
その噴射を全身で受け止めるきせき。
高速スウェーで接近した数多は、ちくビーム侍のちくビを疾風斬りした。
「せっ!」
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
想像してほしい!
乳首から毛が生えてるときづいて、それをハサミで切ってもちょっと残っちゃうからここはひげそりかなと思って上からしたにジョリってやってしまった直後のことを!
想像できない人は数多ちゃんがちくビーム侍のハロウィンコスプレを強要されて抵抗しているピンを想像して楽しもう。
いっぽーそのころ!
「ジョニーキック!」
「ひいっ!?」
大ジャンプからのサマーソルトキックをぎりぎりの所で回避する聖。
顔面のすぐそばをギラギラに光ったすね毛が通過していく。
ブロック塀を蹴ってさらなるキックを繰り出そうとするジョニーに、百がダイビングパンチを繰り出した。
空中でスネ毛を翳し、パンチをガードするジョニー。
藤原○治声でニヒルに言った。
「少年、俺のスネ毛を破ることはできないぜ」
「うええっ、実家のとーちゃんよりじょりじょりする!」
「ハァッ!」
スネ毛を更に硬化させ、百を蹴り飛ばす。
百は道の反対側へと吹き飛び、ブロック塀を破壊して民家の庭へと転がり込んだ。
ジョニーが膝蹴りの追撃をしかけてくる。
顔をあげる百。
そこへ、『月々紅花』環 大和(CL2000477)が割り込んだ。
「これはフォローが必要だわ」
大和が手を前へ翳すと、太ももにバインドしていた護符が遠隔操作ビットのごとく次々と飛び出し、円形のシールドを形成した。
力場に阻まれびりびりと音をたてるジョニーのスネ毛。大和は指で髪をかきあげた。
「美しくないわ。今時は男性もお手入れをするものよ」
シールドを回り込む形で展開した護符がサークル型に回転しながら中央の力場から電撃を発射。たちまちジョニーをスパークが覆う。
「電撃で焼き尽くしてあげるわ」
「フフ、その程度の電撃……俺には電動ヒゲ剃りほどにも感じないぜ」
「だったら火力を増すだけだぜ!」
百はバンカーバスターを装着すると、ジョニーに突撃。大和が緊急解除したシールドを超え、杭打ちを仕掛ける。スネ毛でガードするジョニー。
だが、その毛穴に高温を帯びた鉄杭が突き刺さる。
「こ、これは……永久脱毛!」
「つるつるになっちまえ!」
「ぐあああああああああああああああああああああ!」
ジョニーは炎に包まれ、断末魔をあげた。
一方その頃と言っていいのか分からんが。
「さあ触手さん、あなたの相手はここですよ!」
珠輝が腰をリズミカルにスイングしながら踊っていた。
なびくスカート。視線を左右に振る触手の人。
「くっ、これでは男女のどちらかわからない!」
「判定ザルだなあこの人」
ナビ子と聖は色々悟ったのかパピコ二人で分けてちゅーちゅーしていた。
目をきらりと光らせる珠輝。
「あなたは彩の木行だそうですが……まさかあなたは生き別れの兄弟!」
「はっ、ということはお前は弟の!」
「はい!」
「――ということは男じゃあああああああああ!」
「しまったあああああああああ!」
触手マンの腕から触手が伸び、珠輝の服をびりびりに引き裂いた。
たちまち全ての服を喪失する珠輝Z。
「すみません。弟というのは嘘です」
「他に言うことはねえのか」
雪見だいふくをわけっこしながらぼやくナビ子と聖。
「ククク、お前はもう負けてるんだよ」
楓Zが両手を頭の後ろで組んだ状態で現われた。
「変態を倒すには……俺自身が変態になることだ」
「車になることだみたいに言われても」
「明智が剥かれる様を見るよろこび。自分が剥かれるよろこび。束縛こそがイイんだ。最初から全裸だと……楽しみがねえからな」
「あっダメだこの人ガチの人だ」
チューペットを二つに折ってわけっこするナビ子と聖。
一方で楓はたまたまそこにあったポールに足を搦めてぐるぐると周り始めた。
「そして俺たちの目的であった『アレ』も……もう完了しているぜ」
「ふふ、そう……既に触手はあなただけのものではありません」
「なに――ぐああああああ!?」
目を見開く触手マン。
次の瞬間珠輝と楓の放った触手で服をびりびりに引き裂かれた。
ポールに上下逆さに絡みついてぶら下がる珠輝。
「あなたの触手は植物性と動物性の混合体。すなわち……革製の鞭に深緑鞭を絡めた五行術式にすぎません」
ポールに向けて腰を激しく、そして荒々しくグラインドさせる楓。
「ラーニングなんて必要ねえ。ちくビーム侍の侍汁(水礫)も、ジョニーのスネ毛(蔵王)も、おじさんの全裸(演舞・清風)も、すべて俺たちが最初から再現かのうなものだったのさ!」
「いや全裸は再現したらだめだろ」
「侍汁もだめでしょ」
「というか全部だめだろ」
触手で相手をわっしょいわっしょいしながら、珠輝と楓はセルフリンボーダンスを始めた。
「俺たちは術式は典型的に使うものだと思い込んでいた。だが――!」
「因子とはそもそも自由なもの。自由な発想と表現こそが、私たちの力となるのです!」
「いい話みたくいうな」
「さあ、触手パーティーとイこうぜ!」
「「イエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエアアアアアアアアアアアーッ!」」
その後、珠輝は変態化したともやと共にサンバのリズムでオリーブオイルを浴びる祭りに興じ、楓は変態四人衆にさらなる変態行為を仕掛けて屈服させ、最後に近隣住民に通報された。
「これは映画の撮影よ。許可証がちゃんと出ているでしょう?」
「えー、そうはいいましてもねえぇ」
口をうゅうぃーってやりながら、中田○治声のお巡りさんは首を傾げた。
「どう見てもAVでしょこれ。ガチホモ向けのAVでしょ」
変態四人衆相手にやりたい放題していた楓を指さすお巡りさん。
「……」
大和は口を押さえてそっぽを向いた。
「ごめんなさい。その人たちは知らないわ」
「そうでしたかー。変態に襲われて災難でしたね。では本官は!」
びしっと敬礼して去って行くお巡りさん。
掴んだ縄の先にはちくビーム侍、全裸おじさん、スネ毛ジョニー、触手マン、珠輝、楓、あとともやがつながっていた。
「あれ!? 俺は一体なにを!? なぜ全裸に、そしてお縄に!? お巡りさんまってくれ、俺は違う、違うんだ!」
嫌がるともやたちを無理矢理詰め込んで去って行くパトカー。
それを見送って、きせきは遠い目をした。
さておき、と咳払いする奏空。ナビ子の方へと向き直った。
「えっと、同じような能力者はいないか? あと、どこに所属してるんだ?」
「私はお前の先生でもお母さんでもないぞ?」
「なんでこの人急に態度大きくしたの」
「いや、芋ずる式に楽しようとする気配がしたから反射的に」
「何の話してるの」
「私の他に百億五千万の仲間が居てね、みんな秘密結社ライブラジャーっていう組織に――」
「嘘つくな!」
「だったら聞くな!」
「逆ギレすんな!」
ウキャーといいながら取っ組み合いを始めるナビ子と奏空。数多と聖が二人を羽交い締めにして引き離すと、間に百が入った。
「ナビ子さん、だよね」
ショタ粒子(アニメとかで背景にエフェクトがかかるやつ)を放つ百。
目の中にハートを浮かべるナビ子。
「オイラたちはある組織からこのことを聞いてきたんだ。そこにはナビ子さんと同じ能力を持つ人がいてさ、力を貸してくれるなら今回みたいな変態事件も未然に防ぐことが出来るかもしれないし……一緒に来て欲しいんだ!」
ナビ子の目の中のハート様が『いでえよおおおおお! いでえよおおおおお!』とか言って暴れ出した。右目の方では別のハート様が『これが究極進化体の力……!』とか言っていた。なにこれ。
「えっ、ごめん現実逃避してた。なに?」
「聞いてなかったのかよ!」
「とにかく一緒に来て欲しいってことだよ」
「えーでもー」
両手の指をつんつんするナビ子……の首筋んところを手刀でガッとやる数多。
「うっ!」
「いいからこいっつってんでしょ!」
数多はぐったりしたナビ子を抱えると、後ろから裏声で言った。
『ワタシ、ナビ子チャン! イッショニセカイヲスクイマショ! ウフッ!』
こうして、F.i.V.Eに新たな夢見が加わった。
あと楓たちは前科一犯になった。
めでたしめでたし!
■シナリオ結果■
成功
■詳細■
MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
『全裸一犯』
取得者:明智 珠輝(CL2000634)
『ちくビームキラー』
取得者:酒々井 数多(CL2000149)
『全裸一犯』
取得者:脇森・楓(CL2000322)
『全裸一犯』
取得者:しまむら ともや(CL2001077)
取得者:明智 珠輝(CL2000634)
『ちくビームキラー』
取得者:酒々井 数多(CL2000149)
『全裸一犯』
取得者:脇森・楓(CL2000322)
『全裸一犯』
取得者:しまむら ともや(CL2001077)
特殊成果
なし
