≪初夢語≫幻想交響曲
≪初夢語≫幻想交響曲



 ここは獏の作った夢の国。
 人間や幻想的な生き物たちなどが、共に暮らす不思議な世界。
 剣と魔法の幻想的な異世界。
 ある日、平和な世に暗雲が立ちこめる。
 世界征服をたくらむ魔王に、王国のお姫様が攫われてしまったのだ。
 王は嘆き悲しみ、国中に檄を飛ばす。
 どうか魔王を倒し、姫を救って欲しい、と。

 世界の平和を守るため。
 魔王を倒すため。
 そして、姫を救うため。

 今、運命の旅が始まる。 
 どのような結末を迎えるかは、夢を見ているあなた達次第。
 この夢の世界で、どんな役を務めるかは自由だ。
 さあ、初夢に相応しい。
 夢のような冒険へ出かけよう。


■シナリオ詳細
種別:イベント
難易度:楽
担当ST:睦月師走
■成功条件
1.どんな形でも良いので皆でハッピーエンドを迎えて下さい
2.なし
3.なし
 今回は初夢依頼のシナリオとなります。

■夢の世界
 典型的なファンタジー世界です。
 魔王に姫がさらわれたので、勇者が旅立つところから始まります。基本的には、魔王と姫のいる魔王城を目指し、姫を救うというストーリーになります。
 が、好きに変えてもらっても構いません。
 コメディになるか、シリアスになるかは参加者次第。
 ただ、どんな形でも良いのでハッピーエンドを目指してください。

■配役
『勇者』=魔王を倒し、姫を助けようとする者
『姫』=魔王に攫われた者
『魔王』=姫を攫い、世界征服を目論む
 
 基本的な配役は、この三つですが他の役を作って、やるのも自由です。
 例えば勇者に姫を救うのを依頼する王様とか、実は魔王とつながっている黒幕の大臣とか、勇者に倒されて仲間になる中ボスとか、ファンタジーらしくドラゴンとか、勇者を助ける村人とか。あるいは全員が勇者や魔王や姫というのも、ありです。
 複数の役をやるのもOKです。
 勇者、姫、魔王の設定も自由にいじって構いません。
 役同士の関係性も現実世界と関係なく、盛り上がるように設定して下さい。

■初夢依頼について
 この依頼は参加者全員が見ている同じ夢の中での出来事となります。
 その為世界観に沿わない設定、起こりえない情況での依頼となっている可能性がありますが全て夢ですので情況を楽しんでしまいしょう。
 またこの依頼での出来事は全て夢のため、現実世界には一切染み出す事はありません。

※要約すると一夜限りの夢の出来事なので思いっきり楽しんじゃえ!です。

■イベントシナリオのルール
・参加料金は50LPです。
・予約期間はありません。参加ボタンを押した時点で参加が確定します。
・獲得リソースは通常依頼難易度普通の33%です。
・特定の誰かと行動をしたい場合は『御崎 衣緒(nCL2000001)』といった風にIDと名前を全て表記するようにして下さい。又、グループでの参加の場合、参加者全員が【グループ名】というタグをプレイングに記載する事で個別のフルネームをIDつきで書く必要がなくなります。
・NPCの場合も同様となりますがIDとフルネームは必要なく、名前のみでOKです。
・イベントシナリオでは参加キャラクター全員の描写が行なわれない可能性があります。
・内容を絞ったほうが良い描写が行われる可能性が高くなります。
状態
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:0枚 銅:1枚
(2モルげっと♪)
相談日数
6日
参加費
50LP
参加人数
15/∞
公開日
2017年01月15日

■メイン参加者 15人■

『ちみっこ』
皐月 奈南(CL2001483)
『ハルモニアの幻想旗衛』
守衛野 鈴鳴(CL2000222)
『居待ち月』
天野 澄香(CL2000194)
『影を断つ刃』
御影・きせき(CL2001110)
『探偵見習い』
賀茂・奏空(CL2000955)
『聖夜のパティシエール』
菊坂 結鹿(CL2000432)
『花屋の装甲擲弾兵』
田場 義高(CL2001151)
『田中と書いてシャイニングと読む』
ゆかり・シャイニング(CL2001288)


「ふぉっふぉっふぉ~。このものがたりはのう~」
 暗がりから一人のおばーさん。
 語り部役のククル ミラノ(CL2001142)が笑顔を作る。椎名・昴(CL2001549) が幕を上げた。
「むかしむかしの~、まおうのしろからはじまる~」


「アタシは、魔王役……。お城に、お姫様を閉じ込めて……毎日、手下たちとパーティーしてるよ……。ずっと続く楽しい日々……お姫様、逃げたりしないよね……?」
「我こそは魔王! さぁ、倒してみるがいい! って事で今回は魔王役!」
 明石 ミュエル(CL2000172)と工藤・奏空(CL2000955)は魔王で。
 御影・きせき(CL2001110)と天野 澄香(CL2000194)はミュエルの趣味でメイド服姿だ。
「僕達たちは魔王の手下の姉弟!」
「弟と一緒に魔王様にお仕えして幾年月。またもや勇者がお城にやってくるとの事。ならば張り切っておもてなしをせねばなりませんね」
 目覚めるとそんな知らない景色。
「ここは……魔王のお城? あっ、他にも誰かいる! 私はいばら。貴女も攫われたの? 早く誰か、迎えに来てくれるといいねっ」
 赤鈴 いばら(CL2000793)は、他にも攫われた姫がいることに気付いた。
「うん、魔王城に! ゆかり姫が!! きたーーっ!!!」
 ゆかり・シャイニング(CL2001288) ピエロのコスチュームで、白塗りと赤鼻。その隣には……姫というミスキャスに絶望する田場 義高(CL2001151)。
「おいっ! 獏っ!! これはミスキャストだろ!? 交換を要求する!!」
 魔王城のパーティーは、こんな感じで騒がしい。


「魔王に姫が攫われてしまって困っているんです。どうか姫を助けてくれませんか?」
「任せて!」
 村娘Aこと如月・彩吹(CL2001525)の依頼を受けたのは、皐月 奈南(CL2001483)と魔法使い守衛野 鈴鳴(CL2000222)。ぺットのドラゴン(ポチ)の背に乗せてもらう。
「ナナンは勇者! 旅の途中で同じ勇者の血を引く子や他の仲間とも出会いながらドラゴンちゃんの背に乗って空の旅!」
「あっ、ナナンさん。あの人も勇者みたいですよっ」
 途中で寄ったのは、空に浮かぶ島。
 そこで出会ったのは大辻・想良(CL2001476)だ。
「ファンタジーだから……。ええと、わたしは、……翼人の一族、とか? ……そのままな気もしますけど。あ、職業は、……勇者その2、とか?」 
「皆さんで協力して、世界に平和を取り戻しましょうね」
「夢だし、皆で勇者になるのもいいかもです」
「あれ……私、前にもこんな状況を見たような……」
 竜と一緒に翼で飛ぶ鈴鳴は、ふと首を傾げた。


「何だか可愛い魔王達だなぁ♪ ホントに悪い事する子達なのかな? 一緒に遊んでくれないかな〜。ねぇねぇ! 逃げたりしないから、このお城探検しちゃダメ?」
 勇者達が冒険している一方。
 捕らわれの姫、いばらは何故か大変快適だった。
「探検はダメだけど、お茶をどうぞ♪」
 玉座に踏ん反り返って奏空はワイングラスをぐるぐるやっていたら、うっかり中身のジュースを豪華な絨毯にこぼし。慌ててお掃除し出したらあちこちが気になって……お掃除にハマり。
 汗水流して魔王城を綺麗綺麗。
 そのままの勢いで仲間や攫ったお姫様達に紅茶と手作りのお菓子を振る舞っていた。
 ……執事か。


「魔王様が直々に手を汚す必要はありません。この者たちの相手などわたしで十分です」
 魔王の配下の菊坂 結鹿(CL2000432)が気取って前に出る。
 勇者達は、敵群に囲まれていた。
「わたしの名は結鹿、フフフ……怖いか」
 かっこつけるけど。
 実際は可愛い声でいってるので、ほほえましい。
「……ええと、なんで旅立ったのかなあ。定番は、だれかいなくなった人を探しに、とか?? それで、魔王側とかお姫様とかに似た人がいたりして、魔王を倒す旅になったり……。あっちに似た人がいたよとか言われて、騙されて窮地に陥ったりとか……。最後は、平和になったけど結局見つからなくて、旅は続くとかになったり、するかも……?」
「脱線しそうになっています。こうしている間にも、魔王は世界を蝕んでいるんですから」
 ぶつぶつと呟きながらも想良が、魔王の手下達を倒していく。鈴鳴は魔法弾を撃ったり回復したりしてサポートだ。
「魔王城まであと少しだから、落ちないように気を付けて」
 鋭刃脚でモブを蹴飛ばして。
 出されたカンペを読みつつ……彩吹は荒っぽく竜を操縦して中央突破する。
「お弁当はやっぱり空弁だよねぇ! もぐもぐしてたら魔王城へ到着!」
 テンションが上がった奈南は、思わず唐揚げを落としていた。


「この間手に入れた魔法少女のコスチューム。色違いで二着あるので、きせきくん? これ着ましょ? 戦闘服にはピッタリだと思うのですよ、これ」
「……お姉ちゃん、本当にこれ着なきゃダメ?? うー、恥ずかしいよー! 僕、男の子なんだよ?もっとかっこいい服とか……」
「着てなきゃダメです! だって、こんなに可愛いんですもの。ねえ、写真撮ってもいいでしょうか」
 魔王城の通路。
 澄香が手にしたお揃いコスチュームに、きせきは顔をしかめていた。
 そこに 奈南達勇者一行が颯爽と現れる。
「唐揚げを食べ損ねてションボリだけどお姫様を助ける為に魔王とその手下の人達とは正々堂々勝負だよ! 負けないんだからぁ!」
「うっとりしてたら勇者ご一行? もうっ! 邪魔しないでくださいな! 私の幸せな時間を邪魔する人は排除します」
「って、勇者たちに見られてた!? こんな恥ずかしい格好見られたからには、言いふらされる前にやっつけなきゃ!」
 きせきは派手な光の魔法をドーン。
 連携して、澄香は風の魔王を「ドン!」と放つ。
「……危ない」
「凄い威力ですね」
 間一髪で躱した想良と鈴鳴のすぐ横では、大きな穴が空いてしまっていた。


「説明したくもねぇんだが、しねぇとなんで騒いでるかわかんねえだろうから、一応説明しとく」
 激しい戦いのすぐ近く。
 閉じこもった義高はひたすらに憂鬱だった。
「今の俺の格好は、フリフリのヒラヒラのドレスにティアラなんだが。あのな、スキンヘッドで筋肉隆々、凶悪面な俺がだ、こんな格好してどうするよ!? 一昔前のニューハーフじゃねぇんだぞ。ドレスはいつはじけるかわかんねぇし、ティアラは髪がねぇんだ、頭に食い込んでるよっ。もし、奥さんや娘の夢と繋がったらどうすんだよ」
 この姿は誰にも見せられない。
 決心は固い。


 決着は意外なところでつく。
「ここ通してあげるから、この格好のことはみんなには秘密だよ!」
「竜巻で吹っ飛ばし……壁も吹っ飛んじゃいました、どうしましょう。魔王様に叱られます……」
 きせきは衣装の裾が気になって、隙ができて負けちゃって。澄香は壁の修理の事で頭がいっぱいだったからだ。
 最奥の間では……魔王や姫達が楽しくパーティーをしていた。
「邪魔な勇者……お姫様を、連れ戻しに来たんだね……?」 
「どうしてこんな事を。私たちは、きっと手を取り合える筈です!」
 平和的に事を収めたいと鈴鳴が叫ぶが、その声は届かない。
 魔王ミュエルが目を光らせる。その傍らには、外から追いついた結鹿もプンとして控えていた。
「友達が勇者だとしてもやっぱり負けたくはないです。だって悔しいですもん」
「分かり合えないなら……平和の為に戦います!」 


 結鹿の氷が舞い。
 それを想良が避けて。
「このままでは世界が終わってしまいます!!」
「頑張れ、勇者様ーっ!」
「今応援中で忙しいんだから」
 観戦する姫達の声援が木霊する。
 ゆかりやいばらが賑やかに合いの手を入れ。後方待機中の彩吹も加わった。
「ええい、勇者どもも召し上がれー!」
 ちなみにもう一人の魔王。
 奏空は和気あいあいとお茶してる所へ勇者一行が来て、そこで我に返り自分は魔王だったって思い出したが、手には紅茶とお菓子の乗ったトレー。
 って事で。
「あ、おいしい」
「はーっはっは!」
 手作りのお菓子を食べて貰って満足していた。
 

「許さないよ……。勇者も仲間たちも、この部屋から逃がさない……!」
「おぉっと魔王さんチーム強い! 強いです!」 
 ミュエルの闇の魔法。
 目眩ましして勇者たちを捕まえて……蜘蛛の糸で操り人形にして……踊らせちゃう……。ゆかりはジャグリングで心を和ませてエールを送った。
「ほわぁ!? 何故か急にピンチだよぉ!」
 身体の自由が効かない。
 ここまでか……と勇者達が思った瞬間。
「ふっ、直向きに進む姿は人を勇気づけるものっ。その姿に心打たれて微力ながらお手伝いですよっ」
 三人目の勇者。
 月歌 浅葱(CL2000915)が、派手な光と音と共に現れ。輝きが闇の魔法の呪縛を打ち破る。
「ふっ、『勇者』なのですよっ。勇者は何人いても良いものですっ。今夜は貴方と私でダブル勇者とか、三位一体トリプル勇者とかっ」
 高いシャンデリアから元気にくるくると飛び降り。
「行きますよっ」
「はい」
「一緒に!」
 奈南、想良、浅葱が息を合わせ。
「勇者いけるか? いけるか? ……取ったぁぁぁ一本とったぁぁぁ!!」
 三位一体。
 トリプル勇者の一撃が魔王に決まり。同時に、鈴鳴の魔法弾が結鹿に直撃した。


「勇者に魔法使いに頼りになる仲間が一杯ですねっ」
「ナナンの勇気は百倍! ナナンの元気パワーで皆を回復だよ!」
 浅葱が笑うと、奈南が元気よく応える。
 そのパワーはお日様みたいで、本当に皆の傷が塞がっていく。
「ごめんね……アタシ、ただ寂しかっただけで……友達が欲しかっただけ、だから……お姫様は返すから……他の魔王や手下たちは、奪わないでくれる……?」
 ミュエルは、しゅんとうなだれた。
 闇の魔法で人を操って……とっても楽しい光景、だけど……なんか、悲しい……。
「ありゃりゃ? やっつけちゃった魔王ちゃん達まで回復しちゃった! という事はもうナナンの仲間だね! えへへ! 宜しくなのだ!」
「……うん」
 奈南は優しく手を差し伸べる。
 おそるおそるミュエルは、その手を取った。
「魔王を倒してハッピーエンドですよっ。ふっ、ハッピーエンドには笑顔が一番。故に魔王も殺さず制圧するのみですっ」
「……そうだ! 魔王達も一緒にお城に来ない? 悪い事は、反省したらそれで終わりっ。私、貴方達と仲良くなりたいの! ねぇ、一緒に遊ぼうよ。王様には私から言っておくからっ」
「ナナンのお家で暮らしても良いよぉ!」
 浅葱達の元へと、いばら達も寄ってきて魔王達を誘い。
 奈南もその案に大賛成だ。
「ハッピーエンドは皆が笑顔にならなくちゃね!」
「終わりよければすべてよしっ 笑顔ならば更に良しですっ」
 彩吹がお祝いにクラッカーを鳴らす。
「やったぁ! これで王様のもとに帰れる……って、スルーしないでくださいよぅ! 私姫ですよ!? どうみても姫!」
 置いてけぼりをくらったゆかりは皆を追い。
 一行は笑顔で帰路についた。
「きっと皆となら毎日笑顔だねぇ! えへへ! これで毎日平和なのだ!」
 

「こうして~せかいはへいわになりましたとさ、めでたしめでたし」
 ミラノがキリッと最後を締め。
 その幕の内。
「てか、助けに来られたら、そいつを殺して口封じか、殴って記憶を飛ばすしかねぇよ、マジで!」
 ギュスターヴを握る手に力がこもる義高が。
 次なる魔王として覚醒するのは……また別のお話である。

■シナリオ結果■

成功

■詳細■

軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし



■あとがき■

 ご参加ありがとうございました。
 初夢シナリオ、少しでも良い夢になってくれれば幸いです。
 それでは、今年もよろしくお願い致します。




 
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