雪が降り 車足止め迷惑だ
雪が降り 車足止め迷惑だ


●とある山中の基地局前
 電波障害解決後、急ピッチで携帯電話が普及する。
 その為、これまで設立はしたが放置状態だった基地局も動き出す。とはいえ二十年前の機器だ。交換やメンテナンス等も必要になり、多くの人と荷物が行き来することになる。
 だが――
「逃げろ! 妖だ!」
「畜生! 今日中に運ばないと予定が大きく狂っちまうぞ!」
 突如発生した妖に足止めされる業者達。幸い怪我人はなかったが、そこで立ち往生してしまう。
 暴風と豪雪。それを凝縮したような冷たい竜巻のような妖。
 冷えた地面は凍り付き、風はまともに立つことすら難しいほど激しい。
 戦うことのできないメンテナンス業者達は、どうしたものか悩んでいた。

●FiVE
「という状況になるので、妖を倒してきて!」
 久方万里(nCL2000005)は集まった覚者達に元気よく告げる。時間的には、今から向かえば業者が妖に遭遇する前にたどり着けるそうだ。
「妖は自然系で、雪を纏った竜巻みたいな感じっ! 地面が冷えて滑りやすいから気を付けてねー。後は雪がない小さな竜巻のもいるから。
 風がビューって吹いてバランス崩されるかもしれないけど、皆なら大丈夫だよねっ」
 明るく妖の能力を説明する万里。能天気というのではなく、覚者達なら何とかしてくれるという信頼からくるものだ。
 無論、相手は妖だ。気を抜いて戦えば大怪我をするだろう。
 覚者達は顔を見合わせ、会議室を出た。


■シナリオ詳細
種別:通常
難易度:普通
担当ST:どくどく
■成功条件
1.妖の全討伐
2.なし
3.なし
 どくどくです。
 通信回復へのワンステップということで。

●敵情報
・雪の竜巻(×1)
 自然系妖。ランク2。白い雪を含んだ高さ2メートルほどの竜巻です。物理攻撃に強く、特殊攻撃に弱いタイプ。炎に弱いとかそういう弱点はありません。
 
 攻撃方法
 冷気の刃 物遠列 冷たい風を刃として飛ばします。
 雪の弾丸 特遠単 雪を含んだ風で敵を包みます。〔凍傷〕
 冷えた風 特遠全 荒れ狂う冷風が気力を奪います。〔Mアタック50〕

・竜巻(×4)
 自然系妖。ランク1。雪の竜巻に比べれば小さい竜巻です。物理攻撃に強く、特殊攻撃に弱いタイプ。

 攻撃方法
 暴風 物近単 近寄る物を弾き飛ばします。〔ノックB〕
 烈風 特近単 強い風で敵を切り刻みます。

●場所情報
 とある山中。基地局に向かう道路。時刻は昼。業者は戦闘開始時から三十分後に到着します。なので戦闘中には登場しません。
 地面は凍結しており、相応の装備か技能がなければ回避にマイナス修正が付きます。
 戦闘開始時、敵前衛に『竜巻(×4)』が、中衛に『雪の竜巻』がいます。覚者と敵前衛の距離は10メートルとします。
 事前付与は不可とします。

 皆様のプレイングをお待ちしています。

状態
完了
報酬モルコイン
金:0枚 銀:1枚 銅:0枚
(0モルげっと♪)
相談日数
6日
参加費
100LP[+予約50LP]
参加人数
5/8
公開日
2017年01月05日

■メイン参加者 5人■

『天を翔ぶ雷霆の龍』
成瀬 翔(CL2000063)
『緋焔姫』
焔陰 凛(CL2000119)
『Overdrive』
片桐・美久(CL2001026)


 年の瀬の山は頂上から吹く颪に冷やされて寒い。風を直接受ければ身を竦めてしまうほどだ。上空の湿度によっては雪が降っていたかもしれない。
 車を降りた覚者達はその寒さを実感する。加えて妖が凍らせた地面の影響もあって、足元から冷えるような感覚が這いあがってくる。
 覚者達を送った車で待機するFiVEのスタッフ。彼らに軽く手を振って、覚者達は基地局の入り口に向かう。倒すべき妖は目に見えている。相手もこちらの存在に気づいたのだろうか、こちらに向かってきていた。
 雪を纏った竜巻。自然系妖。
 これを排除しなければ、業者は基地局に入ることが出来ない。折角電波障害がなくなったのに、基地局が使えなければ電波が届かないのだ。
「さっむーい! でも。あいどるはいつも笑顔で。寒くても顔には出さないよ!」
 元気よく楠瀬 ことこ(CL2000498)が笑みを浮かべた。冷たい風に身を冷やされながらも、言葉通り笑顔は絶やさない。アイドルは皆に元気を与える者。例えファンが見ていなくとも、寒そうな顔をするわけにはいかなかった。
「なんで痛覚遮断オンで寒さは遮断できないんでしょうか……」
 体を震わせながら『Overdrive』片桐・美久(CL2001026)が呟く。冷えによる皮膚へのダメージは遮断できても、体温低下による震えまでは止めることが出来ない。自分を抱くようにしながら、冷気を放つ原因の妖に目を向けた。
「しっかし妖には盆暮関係ないんかいな。年の瀬も押し詰まったこの時期に出て来んでも」
 愚痴りながら『緋焔姫』焔陰 凛(CL2000119)が歩を進める。妖二人減の行事など関係ない。むしろその行事の物品が妖化して襲い掛かるケースも少なくない。全く面倒やなぁ、と呟きながらも戦意は衰えない。
「電波障害が解消してやっぱり色々と変化しているわね」
 迫る基地局を前にして三島 椿(CL2000061)が変化を感じていた。二十年ほど前に作られて放置状態だった基地局。それが稼働することでどうなるか。それは喜ばしい事でもあるが、怖くもある。それでも自分のやることは変わらない、と頷いた。
「せっかく電波障害が直ったんだしさ。早くケータイ復旧してほしーよな!」
 うんうんと頷きながら『小さなヒーロー』成瀬 翔(CL2000063)が神具を手にする。今まで使っていたスマートフォンは通信機器としては使用できなかった。非覚醒状態限定とはいえ、それが使用できるようになるのだ。
 互いの距離が迫り、戦闘圏内に入る。覚者は神具を構え、妖からは冷たい風が殺意のように吹いてくる。
 開始の合図は何だったのか。両者はそれぞれの得物をぶつけあっていた。


「行くぜ! パパッと片付けてやる!」
 真っ先に動いたのは翔だった。覚醒し、二十代の青年に変化する。『DXカクセイパッド』を手にして妖を見据えた。指を一つ立て、印を切るポーズをとる。冷えた足元にしっかりと足を踏ん張り、重心を落として妖の攻撃に備える。
 天の源素を指先に集わせ、雷光を生み出す。迸る紫電は獣となり、翔の意のままに空を走る。それは鋭き牙となり渦巻く妖に飛来する。激しい雷撃の音が響き渡り、同時に稲妻を受けた妖が縮小する。中には動きを止めた者もいた。
「流石に全部は痺れなかったか。でもいい感じだ!」
「焔陰流二十一代目焔陰凛、推して参る! 一気にカタつけるで!」
 予定やけどな、と小さく付け加えながら燃え盛る焔のような刃紋を持つ刀を手に凛が走る。鍛え抜かれた体幹は滑る足場でも問題なく立つことが出来ていた。滑るような歩法で間合いを詰め、刀の間合に妖を捕らえる。回転を続ける旋風。その中心を捕らえ、柄を握りしめた。
 自然系妖は物理攻撃に強い。それを知りながら凛は初手を刀で挑む。それは刀を使う者の誇りか意地か。踏み込みと同時に振るわれた横一線の刀。その軌跡上に居る妖を切り裂いた。斬った感覚こそ異なるが、その空気抵抗が真芯を捕らえた証だった。
「あまり聞いてへん感じやな。これやったら源素使って斬った方がええかも」
「皆は私が守るわ。攻撃に集中して」
 後ろから聞こえる凛とした椿の声。青い羽根を羽ばたかせ、僅かに宙に浮いて滑る足元の影響を逃れていた。この言葉と青の瞳に宿るのは誰かを守るという強い意志。それは椿の戦う理由。幾多の戦場においても、心の芯は変わらない。
 イメージするのは幼いころから守ってくれた兄の背中。自分が守られたように、今度は誰かを守りたい。強いイメージは良き精神集中につながり、良き集中は強い術式に繋がる。水の源素を雨のように降らし、傷ついた仲間の傷を癒していく。
「大きな竜巻ね。自然の力強さそのままな感じね。でもここは貴方達を倒させてもらうわ」
「ええ。負けませんよ。作業員さん達が安心して作業が出来るようにきちんと頑張らないとですね!」
 山吹の装飾が施された打刀と、最近FiVEの神具庫に並んだ剣。両手に一本ずつ刃を持ち、美久が前に出る。体術で攻める方が得意なのだが、相手が自然系という事で術式の集中を行う。苦手分野を克服してこその成長。そう自分に言い聞かせて。
 木の源素を活性化させ、妖の足元に蔦を這わせてその動きを封じる。妖の動きが鈍ったのを確認して、美久は別の術式を展開する。紅色に花咲く毒花。その毒素を凝縮し、妖に解き放った。風すら侵す毒牙。それが妖の体力を奪っていく。
「僕がお相手ですよ! よそ見は厳禁です!」
「ことこちゃん、いっきまーす! 真打は最後に登場するものなんだよ!」
 仲間を術式で強化し、その後に自分を強化したことこが笑みを浮かべた。翼を広げて宙を舞い、くるっとターンを決める。強化の分だけ攻撃に出遅れたが、その強化の成果は高い。雪の竜巻が与える冷えをことこの強化が防いでいた。
 真正面に妖を捕らえ、肩から生えた白い羽を動かす。楽器を手にして歌いながら、強気羽根を羽ばたかせた。羽根が叩くように空気を動かし、一本の矢となって打ち出される。それは同じ風である妖に突き刺さり、その勢いを削いでいく。
「びしばし行くよー!」
 覚者達の猛攻に応じるように、風が唸りをあげる。
 前に立つ竜巻は轟音と共に体当たりを仕掛け、時折風の刃を飛ばして前に立つ凛と美久を傷つける。体当たりでバランスを崩せば、すぐ後ろで控えていた翔が前に出てフォローに回っていた。
 そして竜巻の奥に控える雪を纏った竜巻は凍てつく風を刃と化して解き放ち、雪を圧縮して撃ち放ってくる。余りの冷たさに動きを止める覚者もいたが、ことこの強化もあってそれはわずかな回数にとどまった。
 むしろ覚者を苦しめたのは戦場全てに吹き荒ぶ冷風だった。拡散している分威力は抑えられるが、それでも冷えによる気力の低下は避けられない。自然の物ではない吹雪は、覚者の技能をもってしても影響を受けてしまう。
「くそ、ウザってー!」
 翔が吹雪を受けて仲間の気力が下がっているのを察し、回復に立ち位置を変更する。心が寄与やかになる風を放ち、仲間の気力を癒す。攻撃に回復に。仲間を護るために自らを鍛え、そして邁進する。それは翔が夢見たヒーローの理想像。
 その風を受けて、凛と美久が走る。凛は刀に炎を宿らせ、美久は二刀に毒を乗せて。妖に迫る瞬間に、二人はすら合わさずに左右に飛んで互いの立ち位置を変えた。単純なフェイント。それが功を為したのか、妖の反応が一瞬遅れる。
 緋の一閃が走る。凛の振るう『朱焔』が炎を帯びて振り払われた。それは雪解けの日の如く、冷たい風を切り裂く。炎に咲かれた旋風は何とか形状を維持しようとするがそれもかなわず、文字通り影も形もなく消え去った。
 そして美久の打刀が振るわれる。治癒能力が低いゆえに落ちこぼれ、しかしFiVEで居場所を見つけた力強い表情があった。手にした刀は蔵の隅に放置されていた打刀。それと自分のありようを重ねて持ち出した物だ。その刀もまた主と同じ気持ちなのかもしれない。
「業者さんたちも日々頑張ってるんだよ。それを邪魔したらダメだからね」
 妖を打ち倒しながら、ことこは静かにそんなことを呟く。妖は人間を襲う。善人悪人すべてを含めた人類の敵だ。だが、その発生には理由があるのかもしれない。その存在には意味があるのかもしれない。そう思うと安易に滅ぼすのに抵抗があった。それでも――
「守るべき人達を私は守る。私の力で守れる限り」
 椿がその信条を示すように口を開く。この手はまだ小さく、全てを救うには足りない。それでもこの手で守れる範囲は守りたい。命を、心を、平和を、夢を、そして未来を。その為の強さ、その為の力。翼を広げ、水の癒しを施していく。
 旋風の妖は覚者達の猛攻の前に一体、また一体と消えていく。
 残されたのは雪の竜巻。冷気を含んた白き颶風。
 あと一息。覚者達は神具を握りしめ、痛みをおして戦いに挑む。


 冷えた風が吹き、雪の矢が降り注ぐ。
 ランク2の妖の攻撃は覚者の体力を奪っていく。その威力は椿の回復量を上回っていた。
「あいたっ!」
「まだ負けませんよ!」
 ことこと美久が妖からの攻撃に膝をつき、命数を燃やして起き上がる。まだ心は居れていないことを示すように、強く神具を握りしめた。
「コイツでどうだ!」
 翔の稲妻が白の竜巻に直撃する。術式に対する防御は高くないのか、大きく風の威力が弱まっていく。『DXカクセイパッド』がホログラム投影機能で形成する立体連想陰陽陣。それを操り、様々な角度から妖を追い詰めていく。
 電波障害がなくなり、生活を支えるために奔走する基地局の業者。それを守る。誰かを助けたい。大人なら助けられるかもしれない。それが翔の因子発現のきっかけ。心は少年のまま二十代の姿になり、翔はその思いのままに妖を討つ。
(元々自然のものである雪や竜巻に、意志や感情はあるのかなぁ……)
 ことこは妖に風の弾丸を放ちながら、そんなことを考える。人に容赦なく襲い掛かる様から、知性があるとは思えない。だが知性の有無と心の有無は違う。もしかしたら妖にも意思や感情はあるのかもしれない。
 無論、人に害為す存在を放置はできない。だけどもし話し合いで解決ができるのなら、それが一番なのだ。だがそうはならない。その現実の厳しさにことこは心を痛めていた。笑顔で元気を振りまきながら、内面は現実に涙を流す少女なのだ。
「痛いのも嫌いですけど、冷たいのはもっと嫌いです!」
 寒さに体を震わせながら美久が術式を放つ。身体の震えは寒さに対することもあるが、戦闘で昂っていることもある。物事を冷静に判断する美久だが、戦いになれば感情的になる。一瞬の躊躇が大きく影響する戦場において、感情で即決した方がいい場面は多い。
 雪の弾丸に寄る冷えを振り払い、息を吐く。白い吐息が空気に溶けて消えるよりも早く、美久は木の源素を解き放っていた。緑の鞭が空を切る。音速を超える細く鋭い鞭が白い旋風を打ち据えた。雪の鎧を裂き、風の中心を打ち据える。
「もう少しよ。妖はだいぶ弱っているわ」
 風の勢いと大きさをみて、椿が仲間達に告げる。如何にランク2とはいえど、繰り返される覚者の攻撃には耐えきれないのだろう。だからと言って気は抜けない。最後の最後まで仲間を支えることが、回復役の務めだ。
 落ち着いた口調で語るのは皆を落ち着かせるため。だがその内には、必要とあらば身を呈して仲間を護る強さもあった。椿の細い体は打撃を受ければ折れてしまうだろう。だが、それでも構わない。あるのは守りたいという強い意志だ。
「この身と刃に刻まれた焔、とくと知るがええ!」
 炎を纏った刀で攻めていた凛だが、とどめは刀技で決めたいとばかりに源素の力を押さえ込む。刀を正眼に構え、果敢に攻め入った。古流剣術焔陰流。自分が今まで学んできた誇りを見せる。
 刀の柄をしっかり握りしめ、手首の力を抜く。力を入れ、しかし適度に脱力する。重要なのはそのバランス。その状態を維持したまま凛は妖に踏み込んだ。三連撃の刀の動きが妖を襲う。その紋様がきらめき、焔のような幻覚を写した。
 度重なる攻撃に追い込まれていく妖。
「そろそろ決めてやるぜ!」
 翔が指に雷を集わせ、妖に向けた。言葉と同時に放たれた稲妻の矢は真っ直ぐに妖に迫る。狙い確かに雷撃は妖を捕らえ、電流が体を焼いていく。その一撃に妖は動きを止め、爆ぜるように冷風をまき散らした。それは断末魔の叫び。消える前の灯の煌めき。
「調伏完了、ってな!」
 ガッツポーズを決める翔の声。それが戦闘終了の合図となった。


 戦いが終わって、
「折角だし、業者の車が来るのを見てみたいな」
 という翔の言葉により、覚者達はその場で待機していた。
「あ、そや。凍った道少しは溶かしとこうか」
 戦闘終了後、凛は妖の影響で凍ったアスファルトを溶かすべく塩をまき、源素の炎で地面を温める。全ての道の氷を解かすことは難しいが、車が通るのに支障がない程度には溶かすことが出来た。ふうと一息ついて汗をぬぐう。
「…………」
 ことこは妖が消滅した場所に向かい、手を合わせていた。形はどうあれ、そこにいたものを消したのだから、そういう行為は必要だろうという考えだ。手を合わせる音が静かに響く。普段のアイドル的な動きとはまた違ったことこの姿がそこにあった。
「どうせならサッカーボール持ってくりゃ良かったなー」
 あたりを走りながら翔が呟く。業者の車が来るまでの間、暇でしょうがないという顔だ。ボールがあればリフティングなりいろいろ時間を潰すことが出来る。走って体を温めではいるが、暇な事には変わりない。
 そんな覚者達の耳にエンジン音が聞こえてくる。荷物を積んだ数台のトラックがやってきたのだ。
「おお? 珍しいなこんな所に。寒くないか?」
「気をつけろよ。妖が出るかもしれないからな」
「ええ。お仕事頑張ってください」
 心配する業者の声に苦笑する覚者達。敢えて何も言わずにねぎらいの言葉をかけて手を振った。妖が出るという未来は未然に防いだ。それで十分だ。
「まずは第一歩、でしょうか! あ、雷獣さん達もよろこんでくれるかな?」
 FiVEの車の中で暖を取りながら、美久が頷く。日本を包んでいた雷獣結界は解け、電波障害は消えた。あとはああいった人たちがインフラを整備し、未来の日本を作っていくのだ。そんな未来を見て雷獣達はどう思うのだろうか。それを想像して笑みを浮かべる。
「電波障害が解決してこれからどうなっていくのかしらね」
 椿はこれからの日本を想像してみた。情報速度が増え、様々なことが変わっていく日本。それは便利さが増す値と同時に、犯罪の可能性も増えることになる。そういった怖い部分もあるけど、きっと大丈夫だと頷いた。悪い人以上に、いい人もいるのだから。

 全国の基地局メンテナンスは急ピッチで進み、新年から全国規模で携帯電話が使用できるようになった。そうした急激な変化に戸惑う世情もあったが、すぐにそうした声も消えて新たな情報社会に突入する。
 発展の影にはメンテナンス作業を行った技術者がいるのも確かだが、電波場外を解決したFiVEの働きがある。雷獣結界内の妖を討ち、日本の平和を守った者達が。
 今日も電波が情報を運ぶ。
 その日常こそが、覚者達の最大の報酬だった。


■シナリオ結果■

成功

■詳細■

MVP
なし
軽傷
なし
重傷
なし
死亡
なし
称号付与
なし
特殊成果
なし



■あとがき■

 どくどくです。
 新年最初のリプレイということで、あけましておめでとうございます。

 電波障害関係のおまけシナリオです。某STの『二〇年ぐらい前から電波障害ってことは、基地局とかどうなってるの?』あたりからアイデアを頂きました。
 このタイミングならできる……というかこのタイミングしかできないという事で、やらせていただきました。
 年末年始のお忙しい中、ご参加ありがとうございます。

 ともあれお疲れさまでした。ゆっくりと傷を癒してください。
 それではまた、五麟市で。




 
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