嬉しい報告


 

『一の何か』との戦いから数年後、八重霞 頼蔵(CL2000693)と天堂・フィオナ(CL2001421)の二人は他に誰もいない教会に居た。
 山奥にある忘れられた教会の跡地。空から降り注ぐ陽光がステンドグラスに当たり、教会内を彩っていた。電気求められているため、照明らしい明かりは職台の上にある蝋燭のみ。風もなく、灯はゆらゆらと二人を照らしていた。
 ゆっくりと道を歩くフィオナと頼蔵。フィオナは血のように朱いドレスを身に纏い、青い髪を後ろで縛っている。その瞳にあるのは未来に対する決意と、そして僅かな緊張。
 頼蔵もモーニングコートを身に纏い、僅かにほほ笑んで道を歩く。そこにあるのは不敵な考えか、あるいは未来への羨望か。
 結婚式。永遠を誓い合う儀式。
 神父の言葉など要らない。華やかなピアノの調べも要らない。祝ってくれる友も要らない。この教会を選んだのも、ただ目に着いたという程度。それで構わない。
 二人が二人の意志で永遠を誓い合う。大事なのはその一点。
 赤い絨毯を歩ききった二人は、そのまま向かい合う。
 頼蔵はフィオナの青い瞳を覗き込んだ。澄んだ青い瞳。出会ったころから変わらない真っ直ぐな騎士の瞳。
 フィオナは頼蔵の顔を見る。事件に巻き込まれて記憶を失い、身元調査を頼んだ探偵。あれからどれだけ一緒にいるだろうか。
 二人はどちらからともなく、愛する者と口づけを交わす――

「――これで永久に私の、『モノ』、だ」

●発注キャラクター●
八重霞 頼蔵
天堂・フィオナ

担当ST:どくどく
イラスト:文子

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