ずっと一緒に――
一睡もせずに迎えた夜明け。廊下の端で元気な泣き声を聞いた天明 両慈(CL2000603)は、あわてて分娩室の前に駆け戻った。
「悠乃、よくがんばったな。とっても元気で美しい赤ちゃんだ」
お母さんになった天明 悠乃(CL2000231)がおっぱいを飲ませた後、ようやく両慈は赤ちゃんを抱かせてもらうことができた。陽はすっかり高くなっており、産後の個室を明るく照らしている。
優しく微笑む悠乃に見守られながら、両慈は初めて赤ちゃんに肌と肌で触れあい、喜びで胸がいっぱいになった。
湯気こそ出ていないが、生まれたてのほやほやで、泣き声は……なんといえばいいのだろう……必死になってこの世界と呼吸を合わせようとしていかのようだ。はやくしないと、はやく馴染まないと、愛してもらえない、とでも思っているかのように。
そんな風に感じた瞬間、両慈の胸に狂おしいほどの父性愛が沸きあがった。
大丈夫。
泣きながらぎゅっと握るその手には、初めから愛が渡されている。決してなくなったりはしないから。
「だから、そんなに慌てなくていいんだよ。お父さんも、お母さんも、お前を愛してる」
そういってこわごわと、両慈が赤ちゃんの額にキスをした時、悠乃の目にもうっすらと涙が浮かんだ。
大丈夫。
彼はいいお父さんになる。自分と同じ悲しい思いをこの子にさせたりはしない。きっと私たちは幸せな家族になるだろう。
悠乃の手にそっと両慈の手が重ねられる。
「『愛している』よりも 、もっと愛が伝わる言葉があればいいのに。いつかそんな言葉を見つけたなら、真っ先に悠乃に伝えたい。だから――」
うなずく悠乃を優しい目で見つめながら、両慈の口が子の名を告げる。
ずっと一緒にいてほしい。――――とともに。
「悠乃、よくがんばったな。とっても元気で美しい赤ちゃんだ」
お母さんになった天明 悠乃(CL2000231)がおっぱいを飲ませた後、ようやく両慈は赤ちゃんを抱かせてもらうことができた。陽はすっかり高くなっており、産後の個室を明るく照らしている。
優しく微笑む悠乃に見守られながら、両慈は初めて赤ちゃんに肌と肌で触れあい、喜びで胸がいっぱいになった。
湯気こそ出ていないが、生まれたてのほやほやで、泣き声は……なんといえばいいのだろう……必死になってこの世界と呼吸を合わせようとしていかのようだ。はやくしないと、はやく馴染まないと、愛してもらえない、とでも思っているかのように。
そんな風に感じた瞬間、両慈の胸に狂おしいほどの父性愛が沸きあがった。
大丈夫。
泣きながらぎゅっと握るその手には、初めから愛が渡されている。決してなくなったりはしないから。
「だから、そんなに慌てなくていいんだよ。お父さんも、お母さんも、お前を愛してる」
そういってこわごわと、両慈が赤ちゃんの額にキスをした時、悠乃の目にもうっすらと涙が浮かんだ。
大丈夫。
彼はいいお父さんになる。自分と同じ悲しい思いをこの子にさせたりはしない。きっと私たちは幸せな家族になるだろう。
悠乃の手にそっと両慈の手が重ねられる。
「『愛している』よりも 、もっと愛が伝わる言葉があればいいのに。いつかそんな言葉を見つけたなら、真っ先に悠乃に伝えたい。だから――」
うなずく悠乃を優しい目で見つめながら、両慈の口が子の名を告げる。
ずっと一緒にいてほしい。――――とともに。
