司祭に問われたとき、蘇我島 恭司（CL2001015）はしっかりと彼女の瞳をみつめ、手を取って答えた。
「はい。いつ、如何なるときも彼女を守り、愛し抜くことを誓います」
　ステンドグラスの窓からさしこむ午後の日差しが壁に色模様を描き、新婦が着る白いドレスを甘やかに染める。
　誓いの言葉を返すとき、蘇我島 燐花（CL2000695）は感極まって涙ぐんだ。微笑みながら、目じりに滲んだ涙を指の先でそっと拭う。
「――誓います」
　恭司はベストマンから指輪を受け取ると、祭壇に注ぐ柔らかな光に照らされながら、燐花の指に挿した。
　あの日の思い出を形にした指輪にはめ込まれた、二十石ものメレダイヤモンドが星々のように輝く。天の川をイメージした躍動感あるウェーブラインが、燐花の指をひときわ美しく飾った。
「指輪、思った通り良く似合ってるよ」
　顔をあげ、恭司の瞳を真っ直ぐ覗き込みながら微笑む燐花。互いにみつめ合うだけで、礼拝堂内に甘い静寂が訪れた。
　ゆっくりと唇を近づけ、重ねると、心が幸福と安心感で満たされた。
　
「「おめでとう！！！」」
「「お幸せに！」」

　祝福に包まれた新郎新婦は、恥ずかしげに視線を交わし、はにかんだ。