天の川、光る
さやさやと鳴る笹飾り、風に吹き上がる七色の短冊。
夜空を見上げて、蘇我島 燐花(CL2000695)は星を探していた。光る川のほとりに佇む『星の天女』、織姫星を。
蘇我島 恭司(CL2001015)は取材で訪れたこの地で、偶然、星舞い落ちる笹の木の下に立つ燐花を見かけて足を止めた。
願い事でもしているのか、その姿はあまりにも儚げで、今にも体の輪郭がゆるりと溶けて銀河の果てへ連れ去られてしまいそうな気がした。
どうにかして彼女をここに繋ぎ止めておかなくては――。
恭司は夢中で、シャッターを切る。
どうしようもなく魂が彼女に引き寄せられた。切なさに胸が押しつぶされそうになり、息苦しさを和らげるため、 燐花の横顔に軽口を投げる。
「おや? やぁやぁ黒猫のお嬢ちゃん、困った顔して何かあったのかい?」
振り返ったところをもう一枚。
「蘇我島さん……。 あ、その、困っているというか……短冊を書いたのですが、上の方に結びたくても遠いなと思っていました」
それなら僕に任せて、と恭司は燐花に歩み寄った。
願い事が描かれた桃色の短冊を、出来るだけ高いところに結ぶ。
「これでよし。そうだ、燐ちゃん。写真を撮らせてもらっても大丈夫かな? ……と、もう何枚か撮っちゃったけど」
「私の写真ですか? 別に構いませんが……」
ふと、懐かしさに捕らわれる。
二人出会いも確か、こんなふうに始まったんだったっけ、と。
夜空を見上げて、蘇我島 燐花(CL2000695)は星を探していた。光る川のほとりに佇む『星の天女』、織姫星を。
蘇我島 恭司(CL2001015)は取材で訪れたこの地で、偶然、星舞い落ちる笹の木の下に立つ燐花を見かけて足を止めた。
願い事でもしているのか、その姿はあまりにも儚げで、今にも体の輪郭がゆるりと溶けて銀河の果てへ連れ去られてしまいそうな気がした。
どうにかして彼女をここに繋ぎ止めておかなくては――。
恭司は夢中で、シャッターを切る。
どうしようもなく魂が彼女に引き寄せられた。切なさに胸が押しつぶされそうになり、息苦しさを和らげるため、 燐花の横顔に軽口を投げる。
「おや? やぁやぁ黒猫のお嬢ちゃん、困った顔して何かあったのかい?」
振り返ったところをもう一枚。
「蘇我島さん……。 あ、その、困っているというか……短冊を書いたのですが、上の方に結びたくても遠いなと思っていました」
それなら僕に任せて、と恭司は燐花に歩み寄った。
願い事が描かれた桃色の短冊を、出来るだけ高いところに結ぶ。
「これでよし。そうだ、燐ちゃん。写真を撮らせてもらっても大丈夫かな? ……と、もう何枚か撮っちゃったけど」
「私の写真ですか? 別に構いませんが……」
ふと、懐かしさに捕らわれる。
二人出会いも確か、こんなふうに始まったんだったっけ、と。
