それはそう遠くない未来
「パパー、ママー。見てみてー、四つ葉のクローバーだよ」
「よく見つけました」
賀茂 たまき(CL2000994)は両腕を広げ、満面の笑顔で駆け寄ってきた愛娘を抱きしめた。
父、賀茂・奏空(CL2000955)に抱かれた男の赤ちゃんは、少し何かを考えるようなしくさで、四つ年上の姉が握りしめる四つ葉のクローバーを見つめていた。葉が春の終わりの風になでられて揺れるたびに、あぷぅ、あぷぷ、と小さく声をあげる。
「ふふ、気になるのかい? お姉ちゃんが見つけてきたのはね、幸運のシンボルなんだよ。葉の一枚一枚に『希望』『誠実』『愛情』『幸福』」って意味があるんだ」
感心したように声をあげたのは母の膝に座る娘のほうだった。息子は目をきょとんとさせ、父の鼻の先を見つめている。
「パパ、すごい。ものしりさんだね。えらい!」
奏空は、ありがとう、と娘に礼をいい、息子の口の端に垂れた涎を前掛けでぬぐってやった。
「おチビちゃん、いまの話がわかったかい? きみはたまきさんに似て頭のいい子だから、僕が言うよりも前に知っていたかもね」
「パパったら、そんなことあるわけないでしょ?」
「わからないよ。この子の前世は植物学者だったのかもしれないんだし」
「あー、ずるい。じゃあわたしは? ねえねえ、パパ。わたしのぜんせは?」
たまきは優しく目を細めると、娘の頭を撫でた。
「過去も大切だけど、未来も大切よ。あなたは何者にもなれるの。いっぱい、いっぱい、キラキラと光る可能性が、あなたの中にはあるのよ。将来、なにになりたい?」
「んー、パパのお嫁さん」
娘の宣言に、二人は幸せな笑い声をあげた。
「よく見つけました」
賀茂 たまき(CL2000994)は両腕を広げ、満面の笑顔で駆け寄ってきた愛娘を抱きしめた。
父、賀茂・奏空(CL2000955)に抱かれた男の赤ちゃんは、少し何かを考えるようなしくさで、四つ年上の姉が握りしめる四つ葉のクローバーを見つめていた。葉が春の終わりの風になでられて揺れるたびに、あぷぅ、あぷぷ、と小さく声をあげる。
「ふふ、気になるのかい? お姉ちゃんが見つけてきたのはね、幸運のシンボルなんだよ。葉の一枚一枚に『希望』『誠実』『愛情』『幸福』」って意味があるんだ」
感心したように声をあげたのは母の膝に座る娘のほうだった。息子は目をきょとんとさせ、父の鼻の先を見つめている。
「パパ、すごい。ものしりさんだね。えらい!」
奏空は、ありがとう、と娘に礼をいい、息子の口の端に垂れた涎を前掛けでぬぐってやった。
「おチビちゃん、いまの話がわかったかい? きみはたまきさんに似て頭のいい子だから、僕が言うよりも前に知っていたかもね」
「パパったら、そんなことあるわけないでしょ?」
「わからないよ。この子の前世は植物学者だったのかもしれないんだし」
「あー、ずるい。じゃあわたしは? ねえねえ、パパ。わたしのぜんせは?」
たまきは優しく目を細めると、娘の頭を撫でた。
「過去も大切だけど、未来も大切よ。あなたは何者にもなれるの。いっぱい、いっぱい、キラキラと光る可能性が、あなたの中にはあるのよ。将来、なにになりたい?」
「んー、パパのお嫁さん」
娘の宣言に、二人は幸せな笑い声をあげた。
