バレンタイン&ホワイトデーSS 2019特設会場
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――え、いいの?
賀茂 たまき(CL2000994)は、工藤・奏空(CL2000955)が差し出したスティック状のチョコレートクッキーをあっさりと口にした。そればかりか、チョコレートクッキーの反対側を奏空が口にしやすいように顔を斜め上に向けてきた。目を閉じ、胸の前で指を組み合わせながら。
無理です、恥ずかしい。そういって、彼女が照れながら困る顔を見てみたいと思った。両端から少しずつかじり合いながら接近遭遇、最後まで行くと……なゲームをたまきに持ちかけたのは、バレンタイン仕様のパッケージにイタズラ心を刺激されたから。でもまさか、応じてもらえるなんて。
「あ……、じ、じゃあゲームを始めるよ」
できる限りさりげなく。奏空はたまきの肩に両手を置くと、チョコレートクッキーの端をくわえた。
奏空さんの顔がだんだんと近づいてくる。 目を閉じていても、間近に奏空さんの体温を感じる。
たまきは胸がキュンとなった。頬も耳たぶも、ううん、全身が熱い。手をぎゅっと握り合わせているから、薬指にはめた指輪の存在を強く感じる。ピンクアクアマリンで四葉のクローバーを模した指輪は去年、彼がプレゼントしてくれたものだ。
(「もしかしたら、このまま……」)
胸のときめきが最高潮に達した瞬間、熱い:唇が重なった。柔らかくて、甘い……キス。
目を開けるとすぐ前に、真っ赤になって照れる奏空の顔があった。きっと、自分も同じぐらい赤い顔をしているに違いない。
たまきはお菓子の箱を手に取った。中から残りの一本を取り出して、顔の前に立てる。
「引き分けですね。あの……、もう一度やりませんか?
指にひらいた四葉のクローバーが、キラリと光った。
――え、いいの?
賀茂 たまき(CL2000994)は、工藤・奏空(CL2000955)が差し出したスティック状のチョコレートクッキーをあっさりと口にした。そればかりか、チョコレートクッキーの反対側を奏空が口にしやすいように顔を斜め上に向けてきた。目を閉じ、胸の前で指を組み合わせながら。
無理です、恥ずかしい。そういって、彼女が照れながら困る顔を見てみたいと思った。両端から少しずつかじり合いながら接近遭遇、最後まで行くと……なゲームをたまきに持ちかけたのは、バレンタイン仕様のパッケージにイタズラ心を刺激されたから。でもまさか、応じてもらえるなんて。
「あ……、じ、じゃあゲームを始めるよ」
できる限りさりげなく。奏空はたまきの肩に両手を置くと、チョコレートクッキーの端をくわえた。
奏空さんの顔がだんだんと近づいてくる。 目を閉じていても、間近に奏空さんの体温を感じる。
たまきは胸がキュンとなった。頬も耳たぶも、ううん、全身が熱い。手をぎゅっと握り合わせているから、薬指にはめた指輪の存在を強く感じる。ピンクアクアマリンで四葉のクローバーを模した指輪は去年、彼がプレゼントしてくれたものだ。
(「もしかしたら、このまま……」)
胸のときめきが最高潮に達した瞬間、熱い:唇が重なった。柔らかくて、甘い……キス。
目を開けるとすぐ前に、真っ赤になって照れる奏空の顔があった。きっと、自分も同じぐらい赤い顔をしているに違いない。
たまきはお菓子の箱を手に取った。中から残りの一本を取り出して、顔の前に立てる。
「引き分けですね。あの……、もう一度やりませんか?
指にひらいた四葉のクローバーが、キラリと光った。
