バレンタイン&ホワイトデー2018 SS

 

 2人で訪れた、街のチョコレートフェスティバル。

 工藤・奏空と賀茂 たまきの装いも、バレンタインの飾りがなされた街に溶け込むような、チョコレート色に染まっていた。

 まるで、おとぎ話のようなチョコの国。

 2人は手を繋ぎ、時折足を止めては、其処此処を彩るチョコレートと飾りを楽しんでいた。

「どうぞ」

 貰ったチョコを、繋いでいない方の手でそれぞれ受け取って。

 瞳を見合わせ微笑みあった。

「かわいいですね」

 たまきの掌にちょこんと乗るのは、赤いリボンのウサちゃんチョコで。

「本当だね」

 奏空の掌にもにこやかに、青いリボンのクマさんチョコが乗っていた。

 動物達を、そっと寄り添わせれば、くっついた2人の手の上で仲良く並んでみせる。


 甘く幻想的なチョコの国は、来客者達をも、甘く包み込む。


 奏空は繋いだ彼女の手を、優しく引いて。

 素直にエスコートされたたまきの、ボックスプリーツのワンピースが楽しそうに揺れた。

 チュッとほっぺに贈られたのは、チョコのように、溶けてしまいそうな甘いキス。


 淡く染まる、たまきの頬に。

 奏空の微笑みも、熱を持った。



 繋がれた手は、誓いのように結ばれて。離れることなく。



 ――奏空とたまきの手の上でも。

 かわいいクマがウサギへと、とろけるようなキスを贈っていた。

●発注キャラクター●
賀茂 たまき
工藤・奏空

担当ST:巳上倖愛襟
イラスト:綾部夕貴

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