バレンタイン&ホワイトデー2018 SS
「ただいま」
帰宅した天明 両慈へと、パタパタと出迎えるスリッパの音が2人分。
「おかえりなさい」
微笑むのは、自分の新妻である華神 悠乃と、年齢的には『20歳』と少し大きいが、まるで自分達の娘のような神々楽 黄泉。
両手で黄泉が両慈のカバンを受け取って、リビングへと持って行く。
キッチンに入って行った悠乃に微笑んで、両慈は黄泉に続いてリビングへと入った。
「今日は、バレンタインだから」
エプロン姿の悠乃がお盆に乗せ、運んできたのは大きなチョコレートケーキ。
その大きさと見事なケーキの出来栄えに、両慈よりも先に喜んだのは、黄泉の方。
「すごい」
大きい、おいしそう、と黄泉の体全体が喜びと感動に震えている。
外見そのままの子供のように、早く食べたそうに目をキラキラと輝かせていた。
スーツの上着を脱いで掛けた両慈は、ソファへとゆっくりと座る。そうして、2人のやりとりを眺めていた。
チョコレートケーキに心奪われ感激の黄泉は、もっとよく見ようと背伸びをしている。
その頭の上で、ぴょこんぴょこんと、彼女のアホ毛が揺れていた。
まるで「どうやって作った? どうやって作ったの?」と尋ねているようだ。
ふふっ、と笑った悠乃が僅かに身を屈め、黄泉へとチョコレートケーキを見せている。
食べるのが待ちきれないと、すでに黄泉が悠乃に向ける視線は尊敬のまなざしだ。
「後でみんなで食べようね」
たくさん食べてね、と言った悠乃に、ブンブンと何度も頷いている。
ネクタイを緩めていた手を止めて、両慈は自然と微笑を浮かべる。。
こんなふうに。笑顔あふれる風景が、これからこの部屋で何度も生まれていくだろう。
――本当の家族じゃなくても、本当の家族のような。
幸せなこの瞬間を、大切にしたいと思う。
そのために、自分達はきっと、戦っている。
誰もが穏やかに、こんな幸せを噛み締められる。
そんな未来へと、繋げられるように……。
帰宅した天明 両慈へと、パタパタと出迎えるスリッパの音が2人分。
「おかえりなさい」
微笑むのは、自分の新妻である華神 悠乃と、年齢的には『20歳』と少し大きいが、まるで自分達の娘のような神々楽 黄泉。
両手で黄泉が両慈のカバンを受け取って、リビングへと持って行く。
キッチンに入って行った悠乃に微笑んで、両慈は黄泉に続いてリビングへと入った。
「今日は、バレンタインだから」
エプロン姿の悠乃がお盆に乗せ、運んできたのは大きなチョコレートケーキ。
その大きさと見事なケーキの出来栄えに、両慈よりも先に喜んだのは、黄泉の方。
「すごい」
大きい、おいしそう、と黄泉の体全体が喜びと感動に震えている。
外見そのままの子供のように、早く食べたそうに目をキラキラと輝かせていた。
スーツの上着を脱いで掛けた両慈は、ソファへとゆっくりと座る。そうして、2人のやりとりを眺めていた。
チョコレートケーキに心奪われ感激の黄泉は、もっとよく見ようと背伸びをしている。
その頭の上で、ぴょこんぴょこんと、彼女のアホ毛が揺れていた。
まるで「どうやって作った? どうやって作ったの?」と尋ねているようだ。
ふふっ、と笑った悠乃が僅かに身を屈め、黄泉へとチョコレートケーキを見せている。
食べるのが待ちきれないと、すでに黄泉が悠乃に向ける視線は尊敬のまなざしだ。
「後でみんなで食べようね」
たくさん食べてね、と言った悠乃に、ブンブンと何度も頷いている。
ネクタイを緩めていた手を止めて、両慈は自然と微笑を浮かべる。。
こんなふうに。笑顔あふれる風景が、これからこの部屋で何度も生まれていくだろう。
――本当の家族じゃなくても、本当の家族のような。
幸せなこの瞬間を、大切にしたいと思う。
そのために、自分達はきっと、戦っている。
誰もが穏やかに、こんな幸せを噛み締められる。
そんな未来へと、繋げられるように……。
