バレンタイン&ホワイトデー2018 SS
那由多の祖母が営む団子茶屋。
その店の奥にある調理場に、エプロン姿の那由多とたまきがいた。
那由多は丸く形作ったそれに、等間隔にへらで模様を入れていく。普段、祖母の手伝いをしているから、手慣れたものだった。
「これをこうして、桜の形にしていって……はい、1個完成や♪」
見事な桜のお菓子。
和菓子の手作り体験をしようという話になった時に、暦の上では春を迎えたから、春らしく桜の花にしようと決めた。
「はわわ……! 凄いです!」
鮮やかな手並みに感動するたまき。
「素敵な和菓子が、どんどん作られていきますね! 私も頑張ります……!」
2つ、3つと作っていく那由多の手元を見ながら、たまきはゆっくりと、見よう見まねで作りはじめる。
「はわ、失敗しちゃいました……」
少し不格好になった桜の花。
「大丈夫。お上手やよ」
そう言って、那由多がたまきに微笑みかける。
調理場に咲いた、何輪かの桜の花。
そこに、少し不格好な桜が1輪混じった。
その事が、なんだかとても嬉しくて。2人で顔を合わせてくすっと笑った。
1輪、また1輪と、少しずつ桜色に華やいでいく。
桜の花と2人の笑顔。
春の柔らかさがそこにあった。
その店の奥にある調理場に、エプロン姿の那由多とたまきがいた。
那由多は丸く形作ったそれに、等間隔にへらで模様を入れていく。普段、祖母の手伝いをしているから、手慣れたものだった。
「これをこうして、桜の形にしていって……はい、1個完成や♪」
見事な桜のお菓子。
和菓子の手作り体験をしようという話になった時に、暦の上では春を迎えたから、春らしく桜の花にしようと決めた。
「はわわ……! 凄いです!」
鮮やかな手並みに感動するたまき。
「素敵な和菓子が、どんどん作られていきますね! 私も頑張ります……!」
2つ、3つと作っていく那由多の手元を見ながら、たまきはゆっくりと、見よう見まねで作りはじめる。
「はわ、失敗しちゃいました……」
少し不格好になった桜の花。
「大丈夫。お上手やよ」
そう言って、那由多がたまきに微笑みかける。
調理場に咲いた、何輪かの桜の花。
そこに、少し不格好な桜が1輪混じった。
その事が、なんだかとても嬉しくて。2人で顔を合わせてくすっと笑った。
1輪、また1輪と、少しずつ桜色に華やいでいく。
桜の花と2人の笑顔。
春の柔らかさがそこにあった。
