クリスマス2017 SS
「血、ですか?」
切裂ジャックの自室で、時任・千陽はきちんと膝を揃え座したままの状態で、目の前の相手を見つめていた。
「クリスマスってなんか貰えるらしいな」
ソワソワ、ソワソワ。
家にお邪魔した時から、何やらへんな様子だと、思ってはいた。が――。
「血、くれ!」
これはまた……。何と言うか……。
少し引き気味に見える親友に、「あれ!?」とチラリ牙を覗かせジャックが笑う。
「なんか俺変なこと言ったかな! すまないときちか! 俺、兎臭いみたいやけど人間やし!」
「でもたまに都合良く古妖力が! 古妖力がぁ! ちょっとでいいから! 水飲んでものどが渇く俺に 献血の要領で!」
――献血?
ふむ、と口元に手を遣り考えた千陽が、何やら納得顔で頷いた。
「まあ、その……献血といえば献血ですので」
袖を捲り上げ差し出した手首に、『がぶーっ』とジャックが噛みつく。
暫し見つめて、疑問を口にした。
「本当にこんなものでいいんですか? とは言え、まともなプレゼントも思いつきませんし――」
まぁ、いいでしょうか。
納得は、したものの……。
「あの……飲み過ぎじゃないですか?」
見ているだけで、一般人なら貧血を起こしそうだ。
けれども。
美味しそうに飲む様子は、何だか幸せそうで。
――お手柔らかに。
心の中でだけでそっと、呟いて。
親友の渇きが潤うのを待った。
切裂ジャックの自室で、時任・千陽はきちんと膝を揃え座したままの状態で、目の前の相手を見つめていた。
「クリスマスってなんか貰えるらしいな」
ソワソワ、ソワソワ。
家にお邪魔した時から、何やらへんな様子だと、思ってはいた。が――。
「血、くれ!」
これはまた……。何と言うか……。
少し引き気味に見える親友に、「あれ!?」とチラリ牙を覗かせジャックが笑う。
「なんか俺変なこと言ったかな! すまないときちか! 俺、兎臭いみたいやけど人間やし!」
「でもたまに都合良く古妖力が! 古妖力がぁ! ちょっとでいいから! 水飲んでものどが渇く俺に 献血の要領で!」
――献血?
ふむ、と口元に手を遣り考えた千陽が、何やら納得顔で頷いた。
「まあ、その……献血といえば献血ですので」
袖を捲り上げ差し出した手首に、『がぶーっ』とジャックが噛みつく。
暫し見つめて、疑問を口にした。
「本当にこんなものでいいんですか? とは言え、まともなプレゼントも思いつきませんし――」
まぁ、いいでしょうか。
納得は、したものの……。
「あの……飲み過ぎじゃないですか?」
見ているだけで、一般人なら貧血を起こしそうだ。
けれども。
美味しそうに飲む様子は、何だか幸せそうで。
――お手柔らかに。
心の中でだけでそっと、呟いて。
親友の渇きが潤うのを待った。
