「はい、たまきちゃん、これが僕からのクリスマスプレゼントだよ！」
　たまきは大きな包をわたされて、キョトンとした目を奏空に向ける。
「あけてみて！」
　奏空にとってはとっておきのプレゼントだ。絶対喜んでくれるにちがいない！　そんな自信だってある。
「……わぁ」
　包を開いたたまきの顔がまるでおひさまのように輝いた。
「おおきな、くまさん、です……」
　サンタ帽子を被ったクリスマススタイルのましろいクマのぬいぐるみがたまきとご対面する。彼女は嬉しそうに雪に掲げたり、腕を動かしたり、リボンをつついたして、最後に抱きしめる。
「奏空さん……！　かわいいです。うれしい、です」
（そんなたまきちゃんのほうがかわいいよ！！）
　奏空は感極まって、くまを抱きしめるたまきごとうしろからぎゅうと抱きしめた。
「えっ、奏空さん？」
「たまきちゃんが可愛いのがわるい」
「えっ、えっ？」
　困惑するたまきのほほに我慢できなくなった奏空は口づけを落とす。困惑よりくすぐったさのほうが勝り、笑顔に顔が綻ぶ。
「奏空さん、ありがとうございます」
「どういたしまして、気に入った？」
「はい、くまさんも、奏空のチュッも、嬉しいです！」
　そんな言葉に今度は奏空の方が戸惑うことになるのだった。