クリスマス2017 SS
雪が、聖夜のイルミネーションにきらめき、まるで星がふる夜のようだ。
なりたての恋人たちにとってそれはクリスマスの神様がくれた贈り物のように思う。
繋がれた手はぎこちなく、相手の動き一つ一つに意識してしまう。
「あの……今度は、抱きしめて欲しいんだ」
フィオナは意を決して、少しだけ欲張りを言ってみる。
「早速の我侭かね? フィオナ」
呼ばれた声に心臓が高鳴る。彼がそうやって誰かを親しく呼ぶことはほぼない。真っ赤な顔で何度も頷く少女が微笑ましく思え、頼蔵は言われるがままに、フィオナを優しく抱きしめた。
なぜ、告白を受け入れたのか。頼蔵は不思議に思う。手に入れたいと思った。泣かせたいと思った。他の誰にも渡したくなかった。彼女に対する感情は支配欲、愛情、加虐心、執着心。言葉にしてしまえばそういったものだろうが、覚えのない感情だ。だがしかし、自分の中に目覚めた感情を否定する要素はどこにも見つからない。
「ずっとこうしたかったんだ」
自分の胸元に顔を擦り付ける小さな少女の笑顔はとても幸せそうで、そんな彼女に、今思い立った言葉をかけるのは無粋だと思う。
「そうか」
だから一言だけぶっきらぼうに返し、少女の背に手を回すと、ぎゅっと抱きしめる。
「頼蔵さん?」
驚いたフィオナは見上げるが、彼は答えない。クリスマスのイルミネーションはそんな二人を静かに照らし出していた。
なりたての恋人たちにとってそれはクリスマスの神様がくれた贈り物のように思う。
繋がれた手はぎこちなく、相手の動き一つ一つに意識してしまう。
「あの……今度は、抱きしめて欲しいんだ」
フィオナは意を決して、少しだけ欲張りを言ってみる。
「早速の我侭かね? フィオナ」
呼ばれた声に心臓が高鳴る。彼がそうやって誰かを親しく呼ぶことはほぼない。真っ赤な顔で何度も頷く少女が微笑ましく思え、頼蔵は言われるがままに、フィオナを優しく抱きしめた。
なぜ、告白を受け入れたのか。頼蔵は不思議に思う。手に入れたいと思った。泣かせたいと思った。他の誰にも渡したくなかった。彼女に対する感情は支配欲、愛情、加虐心、執着心。言葉にしてしまえばそういったものだろうが、覚えのない感情だ。だがしかし、自分の中に目覚めた感情を否定する要素はどこにも見つからない。
「ずっとこうしたかったんだ」
自分の胸元に顔を擦り付ける小さな少女の笑顔はとても幸せそうで、そんな彼女に、今思い立った言葉をかけるのは無粋だと思う。
「そうか」
だから一言だけぶっきらぼうに返し、少女の背に手を回すと、ぎゅっと抱きしめる。
「頼蔵さん?」
驚いたフィオナは見上げるが、彼は答えない。クリスマスのイルミネーションはそんな二人を静かに照らし出していた。
