クリスマス2017 SS
テレビの向こうでは、映画がクライマックスを迎えるところだ。
「泥棒はよくない事ですが…ちょっとかわいそうな感じがします」
派手な罠にひっかかって、右往左往する泥棒に対して、燐花は同情の言葉を紡ぐ。
「まぁ、アレは痛そうだねぇ…泥棒視点だとなかなか辛い」
恭司もまた苦笑しながらそれに答える。
ソファに座る恭司の膝の上。そこは子猫にとっての最高の指定席だ。だけれども、首筋にかかる、息が少しくすぐったくて燐花は首を捩れば今度は、お髭がくすぐったくて、我慢できずにくすりと笑う。
「ん? 燐花ちゃん、いまのところなにか面白かった?」
なんとも鈍感にも、私の気持ちを気づいていないと、少しだけ自分のことは棚において思う。
「いえ、なんでもありません」
なんとなく、この年上の恋人が憎らしくなって、自分のお腹の前で組まれた大きな手を抓ってみる。
「いたいって、どうしたの?」
「なんでもないですっ!」
よくわからないけど、まあそんな恋人もかわいらしいと腕を伸ばし、テーブルのコーヒーを飲む。
「燐花ちゃんも飲むかい?」
促せば少しだけ拗ねた顔ではい、と答えた彼女は恭司の淹れたコーヒーを飲む。恭司のとは違って少しミルクの入っているコーヒーだ。やっぱり子供扱いされているのかなと思う。
見ればしっぽの先がしたんしたんと床を叩いている。すねたときの癖だ。この子猫は自分が思うほどに感情を表すことが下手ではないのだ。
恭司は愛おしさにすこしだけ、彼女を抱きしめる腕の力を強めた。
「泥棒はよくない事ですが…ちょっとかわいそうな感じがします」
派手な罠にひっかかって、右往左往する泥棒に対して、燐花は同情の言葉を紡ぐ。
「まぁ、アレは痛そうだねぇ…泥棒視点だとなかなか辛い」
恭司もまた苦笑しながらそれに答える。
ソファに座る恭司の膝の上。そこは子猫にとっての最高の指定席だ。だけれども、首筋にかかる、息が少しくすぐったくて燐花は首を捩れば今度は、お髭がくすぐったくて、我慢できずにくすりと笑う。
「ん? 燐花ちゃん、いまのところなにか面白かった?」
なんとも鈍感にも、私の気持ちを気づいていないと、少しだけ自分のことは棚において思う。
「いえ、なんでもありません」
なんとなく、この年上の恋人が憎らしくなって、自分のお腹の前で組まれた大きな手を抓ってみる。
「いたいって、どうしたの?」
「なんでもないですっ!」
よくわからないけど、まあそんな恋人もかわいらしいと腕を伸ばし、テーブルのコーヒーを飲む。
「燐花ちゃんも飲むかい?」
促せば少しだけ拗ねた顔ではい、と答えた彼女は恭司の淹れたコーヒーを飲む。恭司のとは違って少しミルクの入っているコーヒーだ。やっぱり子供扱いされているのかなと思う。
見ればしっぽの先がしたんしたんと床を叩いている。すねたときの癖だ。この子猫は自分が思うほどに感情を表すことが下手ではないのだ。
恭司は愛おしさにすこしだけ、彼女を抱きしめる腕の力を強めた。
