バレンタイン&ホワイトデー2017 SS

 

 榊原 時雨が学生寮の自室の玄関扉を開けると、一気に寒風が吹きこんできた。

「うわっ、寒っ……! って、何しとるん、ことこさん!?」
 凍えるほど寒い外。
 玄関の前に立っていたのは楠瀬 ことこだった。

 ことこはぷるぷる小さく震えながら、仔犬のような目を時雨に向けている。
「ことこさん?」
「時雨ぴょんが出てくるのを待ってたの……」
 寒さのせいか、時雨が出て来て嬉しいのか、潤む目をキラキラ輝かせて、ことこは時雨に何かを差し出した。
「ハッピーバレンタイン。時雨ぴょん」
「えー!? その為に寒い中待ってたん?」
「だって……時雨ぴょんに……」
「わかった、わかった。ほんまありがと! てか、めっちゃ寒そうなんやけど……。とりあえず、部屋入る?」
「はいる! お邪魔します!」
 時雨はコクコクと頷くことこを部屋に入れ、すぐにこたつへと誘った。
 その温もりに包まれ、ほっと息をついた様子のことこ。
 冷えた体が温まって行く。

 体が温まると、瞼と瞼がくっついて……。
「はい、いらっしゃ……って寝るんかい! 何しに来てーん。けど、めっちゃ嬉しかったよ、ことこさん」

 ことこの幸せそうな寝顔を眺めながら、ことこに貰ったチョコを頬張る時雨だった。

●発注キャラクター●
榊原 時雨
楠瀬 ことこ

担当ST:mokona*
イラスト:更科 雫

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