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「――と言う事ですが、ご了承願いますか?」

 やってきた政府の使者――アズマコウジの言葉を要約するとこうだ。
『大妖によって滅ぼされたAAAの代わりとして公的な秩序を守る組織となって欲しい。政府はその為のバックアップをする』――と。

「……軽々には決めかねます。少なくとも今すぐという訳には」
「ふむ。貴方の決定がすべてかと思っていましたが」

 アズマコウジの言葉に、まさか、と手を振る中。中の立場はあくまで司令塔だ。全体を見て、状況を整理するだけに過ぎない。実際にどう戦うかを決めるのは現場の覚者達に一任している。
 さてどうしたものか。中はコーヒーを口に含み、思案する。
 まず元AAA職員や施設などを吸収できる。単純な組織力増強として利点だろう。FiVEの経済事情を鑑みれば労せず施設が増えることは大きい。
 しかし『公的な』と言う立場が発生するのも事実。これには様々な制約が出てくる可能性は無いとは言えない。

「了承いただければ晴れて政府お墨付きの組織。これにより解決する組織としての一面も少なからずあるはず。決して悪い話では無いと思いますが……」
「確かに。だがそれだけで決められるものでは無いという事は貴方も理解されているのでは」
「ふむ」
「少し時間を頂きたい」
「分かりました。……ですがこの瞬間にも妖の犠牲は増えています。AAAを失い、不安に震える民衆が新たな盾(救い)を求めている事をゆめゆめお忘れにならぬよう」

 置き土産、とばかりに言葉を重ねるアズマコウジ。こちらを調べてきているな、と中は苦笑した。この言葉を覚者達が聞いた時の反応が目に浮かぶ。本当に善意で言っているのか、この話を断らせないように念押しをしているのか。表情からは読み取れなかった。
 全てが納得できる訳ではない。だがAAAが崩壊した今、日本の衰弱は必至。
 新たに秩序を守る組織としてその存在を公表した時からいずれはこういう日が来ることも予想していなかったわけではない。

「……改めて皆の意見を聞く必要があるな」


 こうしてFiVEの今後を大きく左右する決議が始まった。


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