クリスマスSS 2016

 

 クリスマスパーティーと言えば、いろんな形があるだろう。
 その中で、フィオナと那由多と八重が選んだのは、家での小ぢんまりとしたパーティーだった。いや、友人同士で過ごすクリスマスパーティーだ。この位の方が、気兼ねなく楽しめるだろう。
 それに、料理の心得がある娘もいるので、装いは存外豪華なものとなった。
 ケーキを載せたこたつの上には、和洋様々な料理が並んでいる。見ると巫女見習いの那由多がいるからだろうか。ベル飾りが鈴になっていたりと、ちょいちょいアレンジが施されている。
 さしずめ、和風クリスマスパーティーと言った所か。
「鳴るまで少しドキドキしますね」
 いよいよ準備が整った、というところで那由多がクラッカーを手にする。なにせ、家族とでなく、友達と過ごす初めてのクリスマスだ。期待感と同じくらい、ちょっと緊張してしまう。
 そんな那由多の頭に、八重はサンタ帽子をかぶせた。フィオナも同じくサンタ帽子をかぶっているのを見て、那由多は顔を真っ赤にしてしまう。  八重はリラックスさせるように、いつものおっとりとした笑みで那由多に応える。
「クラッカー鳴らすときってなんだかワクワクしますね」
 一方、フィオナはと言うと、クラッカーを鳴らすタイミングを今か今かと待っている。フィオナには記憶がない。しかも、五麟で過ごすクリスマスは初めてだ。この日を友達と過ごせる事への感謝と喜びで、胸が一杯だ。
 那由多はそんな友人たちを眺め、改めてクラッカーの紐を手にする。
 そして、合図の言葉を口にした。
「はい、メリークリスマスっ」
「ふふ、メリークリスマスです」
「メリークリスマス! だぞ!」
 ぱんっ
 ぱんっ
 ぱんっ
 きれいにクラッカーの音が鳴り響く。
 3人にとって、友達と過ごす初めてのクリスマス。
 さぁ、和風クリスマスパーティーの始まりだ。

●発注キャラクター●
天堂・フィオナ
椿 那由多
十夜 八重

担当ST:KSK
イラスト:

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