クリスマスSS 2016
円形状の巨大な水槽の中をクラゲがゆらゆらと浮遊している。淡くその身を光らせながら水の中を漂う姿は幻想的で、まるで蒼い空に白い雪が舞い飛んでいるようだった。
工藤・奏空(CL2000955)は、瞳を輝かかせてクラゲの海を見上げている賀茂 たまき(CL2000994)に寄り添うと、そっとその手をとった。白く長いマフラーの端を解くと、たまきの肩にまわし――。
「わぁ……クラゲ、綺麗だね~」
「とっても、綺麗ですね……」
フロアに流れるクリスマスらしいメロディがふたりの身を包む。耳をくすぐるようなピアノの旋律にしっとりと絡みつく弦の響きが甘く、せつない。
赤や青のネオンを輝かせるクリスマスツリーと、赤いバケツをかぶったスノーマンに見守られながら、ふたりは体を寄せ合った。
互いに相手を思いながら、ほんのりと頬を赤く染めて。
奏空はたまきの指の間に指先を絡めた。
「また……来ようね」
「ええ、また一緒に……来年も、再来年も、ふたりで……」
ただよう海月は淡く光り輝きながら、未来に向かって飛ぶ恋のようで――。
貴女は誰よりも大切な人だから。
貴方は誰よりも大切な人だから。
絡めた指のぬくもりをなくさないように奏空はそっと、そっと、たまき手を握りしめた。
工藤・奏空(CL2000955)は、瞳を輝かかせてクラゲの海を見上げている賀茂 たまき(CL2000994)に寄り添うと、そっとその手をとった。白く長いマフラーの端を解くと、たまきの肩にまわし――。
「わぁ……クラゲ、綺麗だね~」
「とっても、綺麗ですね……」
フロアに流れるクリスマスらしいメロディがふたりの身を包む。耳をくすぐるようなピアノの旋律にしっとりと絡みつく弦の響きが甘く、せつない。
赤や青のネオンを輝かせるクリスマスツリーと、赤いバケツをかぶったスノーマンに見守られながら、ふたりは体を寄せ合った。
互いに相手を思いながら、ほんのりと頬を赤く染めて。
奏空はたまきの指の間に指先を絡めた。
「また……来ようね」
「ええ、また一緒に……来年も、再来年も、ふたりで……」
ただよう海月は淡く光り輝きながら、未来に向かって飛ぶ恋のようで――。
貴女は誰よりも大切な人だから。
貴方は誰よりも大切な人だから。
絡めた指のぬくもりをなくさないように奏空はそっと、そっと、たまき手を握りしめた。
