クリスマスSS 2016
窓の向こうは、もう夜空。
クリスマスらしい装飾に飾られた室内。
開かれているパーティーが盛り上がるなか、部屋の片隅で椿と鈴鳴の二人は椅子に座っていた。
「すーすー……」
鈴鳴は、椿を抱きしめるようにもたれかかって眠っている。
滑らかな金糸の髪。
外見は実年齢よりやや幼く、ハーフアップにした髪型も可愛らしい。
まだまだ未熟な肢体を、桃色の華やかなドレスで包み飾っていて。その素直な寝顔は天使と見紛いたくなる。
「鈴鳴さん、楽しみで疲れて眠ってしまったみたいですね」
椿は黒髪を編み込みでアップにし、青のパーティードレスを身に纏っていた。
隣に座る鈴鳴を支えるようにすると、そっと微笑んで小さな相手の身体をこちらも抱きしめてみる。
柔らかくて、温かくて、今にも壊れてしまいそうで。
喧噪のクリスマスパーティーにおいて、ここだけ時計の針がゆっくり優しく動いているような。
特別な日の特別な時間。
「……」
微かな寝息が、はっきりと聞こえてくる。
どんな夢を見ているのだろう。願わくば、聖夜に相応しい幸せな夢を。
「起こすのも、可哀想ですし」
もう少し、このままで……。
二人の青の羽と、白の羽が静かに触れあい。微かに揺れた。
クリスマスらしい装飾に飾られた室内。
開かれているパーティーが盛り上がるなか、部屋の片隅で椿と鈴鳴の二人は椅子に座っていた。
「すーすー……」
鈴鳴は、椿を抱きしめるようにもたれかかって眠っている。
滑らかな金糸の髪。
外見は実年齢よりやや幼く、ハーフアップにした髪型も可愛らしい。
まだまだ未熟な肢体を、桃色の華やかなドレスで包み飾っていて。その素直な寝顔は天使と見紛いたくなる。
「鈴鳴さん、楽しみで疲れて眠ってしまったみたいですね」
椿は黒髪を編み込みでアップにし、青のパーティードレスを身に纏っていた。
隣に座る鈴鳴を支えるようにすると、そっと微笑んで小さな相手の身体をこちらも抱きしめてみる。
柔らかくて、温かくて、今にも壊れてしまいそうで。
喧噪のクリスマスパーティーにおいて、ここだけ時計の針がゆっくり優しく動いているような。
特別な日の特別な時間。
「……」
微かな寝息が、はっきりと聞こえてくる。
どんな夢を見ているのだろう。願わくば、聖夜に相応しい幸せな夢を。
「起こすのも、可哀想ですし」
もう少し、このままで……。
二人の青の羽と、白の羽が静かに触れあい。微かに揺れた。
