クリスマスSS 2016
照明の落ちたリビング。明かりはテーブルの上のキャンドルと、クリスマスツリーのイルミネーションだけ。白いクリスマスモールが壁に浮かんでいる。
香月家が招いた今宵のお客様は、神楽坂 椿花ただ一人。
「お待たせ。さあ、食べよう。でも、その前に」
苺の乗ったクリスマスケーキのキャンドルを、二人でふ~っと吹き消した。
「メリークリスマスだぞ」
「メリークリスマス、椿花」
香月 凜音は朝から時間をかけて作ったケーキにナイフを入れた。
大きく切り取って、ホークを手にして待つ椿花の前の皿へ。やや小さく切り分けたものを自分の前に置かれた皿に乗せた。
「凜音ちゃん、凄く美味しいんだぞ!」
「こらこら、落ち着いて食え」
凜音は微笑みながら指を伸ばし、椿花の頬についたクリームを取った。
お世辞でもなんでもなく、本当に美味しそうに食べてくれる。
椿花の皿からケーキがあっという間に消えてしまった。
「へへっ。凜音ちゃん、おかわり」
「しょうがないな。そんな調子で食べているとお腹壊すぞ」
椿花は、またも大きく切り分けられたケーキに目を輝かせながら笑った。
「大丈夫だぞ。痛くなっても凜音ちゃんが看病してくれるから」
「おいおい……あ、また。落ち着いて食えって」
椿花の頬についた今度の塊は、指のひとすくいで取れそうにない。
凜音は呆れながらも笑い、テーブルナプキンを手に取った。
香月家が招いた今宵のお客様は、神楽坂 椿花ただ一人。
「お待たせ。さあ、食べよう。でも、その前に」
苺の乗ったクリスマスケーキのキャンドルを、二人でふ~っと吹き消した。
「メリークリスマスだぞ」
「メリークリスマス、椿花」
香月 凜音は朝から時間をかけて作ったケーキにナイフを入れた。
大きく切り取って、ホークを手にして待つ椿花の前の皿へ。やや小さく切り分けたものを自分の前に置かれた皿に乗せた。
「凜音ちゃん、凄く美味しいんだぞ!」
「こらこら、落ち着いて食え」
凜音は微笑みながら指を伸ばし、椿花の頬についたクリームを取った。
お世辞でもなんでもなく、本当に美味しそうに食べてくれる。
椿花の皿からケーキがあっという間に消えてしまった。
「へへっ。凜音ちゃん、おかわり」
「しょうがないな。そんな調子で食べているとお腹壊すぞ」
椿花は、またも大きく切り分けられたケーキに目を輝かせながら笑った。
「大丈夫だぞ。痛くなっても凜音ちゃんが看病してくれるから」
「おいおい……あ、また。落ち着いて食えって」
椿花の頬についた今度の塊は、指のひとすくいで取れそうにない。
凜音は呆れながらも笑い、テーブルナプキンを手に取った。
