クリスマスSS 2016
冬になると陽が落ちるのも早い。あっという間に暗くなる。足元にご用心。雪のつもった屋根を飛んで渡るなら尚更のこと――
「わあっ!」
星空を見上げた途端、雪の塊が赤く丸い屋根を滑り落ちてきた。続いて大きな影が屋根を滑り落ちてくる。
和泉・鷲哉は驚きながらも、とっさに両腕を前に出していた。そうするのが当然のように。きっと予感があったのだ。一風変わった出会いの予感が。
果たしてコンマ数秒後、鷲哉は腕にずしりとした重みと温かみを感じていた。
(「サ、サンタクロース?!」)
腕に抱かれたサンタクロースの正体は月歌 浅葱だった。
「び、びっくりしたですっ! つるっと……あ、助けてくださりありがとうございますっ!」
浅葱は、滑っちゃいましたっ、と照れ笑いしながら地面に降り立つと、白く大きな布袋の口をあけて腕を突っ込んだ。中から赤いリボンでラッピングされた箱を取りだす。
「メリークリスマスですっ♪ はい、これ。プレゼントですっ!」
「あ、ああ……メリークリスマス。どうも……ありがとう」
若干、突然の展開に引き気味の鷲哉を残し、浅葱は元気に走り去っていった。
(「な、なんだったんだ?」)
クリスマスの夜、よくあるようで滅多にないサンタクロースの転げ落ち。これはこれで貴重なクリスマスの想い出になるだろう。きっと。
「わあっ!」
星空を見上げた途端、雪の塊が赤く丸い屋根を滑り落ちてきた。続いて大きな影が屋根を滑り落ちてくる。
和泉・鷲哉は驚きながらも、とっさに両腕を前に出していた。そうするのが当然のように。きっと予感があったのだ。一風変わった出会いの予感が。
果たしてコンマ数秒後、鷲哉は腕にずしりとした重みと温かみを感じていた。
(「サ、サンタクロース?!」)
腕に抱かれたサンタクロースの正体は月歌 浅葱だった。
「び、びっくりしたですっ! つるっと……あ、助けてくださりありがとうございますっ!」
浅葱は、滑っちゃいましたっ、と照れ笑いしながら地面に降り立つと、白く大きな布袋の口をあけて腕を突っ込んだ。中から赤いリボンでラッピングされた箱を取りだす。
「メリークリスマスですっ♪ はい、これ。プレゼントですっ!」
「あ、ああ……メリークリスマス。どうも……ありがとう」
若干、突然の展開に引き気味の鷲哉を残し、浅葱は元気に走り去っていった。
(「な、なんだったんだ?」)
クリスマスの夜、よくあるようで滅多にないサンタクロースの転げ落ち。これはこれで貴重なクリスマスの想い出になるだろう。きっと。
