クリスマスSS 2016
空がよく晴れて、明るくおだやかなクリスマスの朝。
御白 小唄と御影・きせきのふたりはモコモコのイヤーマフにマフラー、ダッフルコートでしっかり身を包んで暖かくして、雪が積もった公園に出かけた。
手袋をした小唄の手に握られているのは、できあがった雪だるまに被せるサンタ帽子ひとつ。反対側の手できせきの手を握って大きく振る。楽しい、楽しいと、気持ちが大きく腕を動かす。尻尾も動く。
楽しいは伝播する。
きせきは引き上げたマフラーの下で微笑んだ。
「さあ、ついた。ふふ、早起きした甲斐があったね。僕たちが一番乗りだよ」
「やったー。でっかい雪だるまを作るぞー!」
せーの、と声を掛けあって、足跡一つない真っ白な雪で覆われた公園に入った。両手で雪をすくいあげ、手のひらで小さく丸める。
雪の上に落としてクリスマスツリーに向かって転がしながら、雪だるまの口になる枝と目になる小石を拾い集めた。
ころころ、ぐんぐん。ごろごろ、ぐんぐん。
並んで転がる雪玉がみるみるうちに大きくなっていく。
ツリーの前で止まって、ふたりで力を合わせてちいさな雪玉を大きな雪玉の上に乗せた。それからV字に枝をはめ込んで、笑う口を作った。
最後に、小唄が石の目を入れて、きせきがサンタの帽子をかぶせる。
「できたー!」
「力作だよー!」
白銀に生えた満面の笑みで飾られた、冬の想い出の1ページ――。
御白 小唄と御影・きせきのふたりはモコモコのイヤーマフにマフラー、ダッフルコートでしっかり身を包んで暖かくして、雪が積もった公園に出かけた。
手袋をした小唄の手に握られているのは、できあがった雪だるまに被せるサンタ帽子ひとつ。反対側の手できせきの手を握って大きく振る。楽しい、楽しいと、気持ちが大きく腕を動かす。尻尾も動く。
楽しいは伝播する。
きせきは引き上げたマフラーの下で微笑んだ。
「さあ、ついた。ふふ、早起きした甲斐があったね。僕たちが一番乗りだよ」
「やったー。でっかい雪だるまを作るぞー!」
せーの、と声を掛けあって、足跡一つない真っ白な雪で覆われた公園に入った。両手で雪をすくいあげ、手のひらで小さく丸める。
雪の上に落としてクリスマスツリーに向かって転がしながら、雪だるまの口になる枝と目になる小石を拾い集めた。
ころころ、ぐんぐん。ごろごろ、ぐんぐん。
並んで転がる雪玉がみるみるうちに大きくなっていく。
ツリーの前で止まって、ふたりで力を合わせてちいさな雪玉を大きな雪玉の上に乗せた。それからV字に枝をはめ込んで、笑う口を作った。
最後に、小唄が石の目を入れて、きせきがサンタの帽子をかぶせる。
「できたー!」
「力作だよー!」
白銀に生えた満面の笑みで飾られた、冬の想い出の1ページ――。
