イルミネーションで彩られた街。クリスマス前夜。
　この時期のお店を見て回るのは結構楽しくて、明確な目的地を定めずにラーラは街を見て回る。
　パーティーグッズが置いてあるお店へも足を運んだ。
　そしてお店の一角、仮想衣装のコーナー。
　パッケージングされたサンタ服の袋を見つけ、おもむろに手に取ると、それを着た自分の姿を想像する。
　サンタらしい赤いコスチュームに、クリスマスらしい緑のアクセント。ツリーに飾り付けるオーナメントのような、きらきらの星飾り。
　ミニのフレアスカートがとても可愛らしい。
　けれど、魔女らしさも忘れずにとんがり帽子をかぶる。
「ふふっ、こういうのも可愛いかもですね」
　良い子に甘い焼き菓子を。ううん、聖夜なんだからもっと子供たちを笑顔にしてあげられるプレゼントをあげよう。
　トナカイは守護使役のペスカ。赤い鼻を付けて、角のついたサンタ帽子をかぶせてあげる。
　そりは引けないけれど、音を立てずにプレゼントを配るなら、相性バッチリな最高の相棒だ。
　想像の中だけの、聖夜の魔女。
　もう少しだけ、その可愛らしい想像に浸っていようと思った。