バレンタイン&ホワイトデーSS 2016
ガールズバンド×ピンチ×助っ人
「ヤマトさん、お疲れさまっ!」
「オレは、バンドの欠員が出たから、来たんだ。けどよぉ……」
満面の笑みで迎えたことこに反して、ヤマトは顔を赤銅色の髪よりも赤くしていた。恥ずかしくてたまらないと言うように、視線が泳ぐ。
「ガールズバンドの、なんて聞いてねぇよ!」
「大丈夫! バッチリだったし、女装してるヤマトさんも可愛いです」
ヤマトは俯きがちに、自身の格好を見た。首輪を思わせるチョーカーに、悪魔の羽根をあしらったゴシック・ロリータ調の衣装。褒められること自体に悪い気はしないが、男としてのプライドもあって、褒められれば褒められるほど複雑な心持になってしまう。
「そっか。じゃあ、オレ、そろそろ着替え……」
「はい、これ!」
ことこが、ヤマトの前に掌を見せる。その上に、ちょこんと小さな袋があった。
「えっと。これは?」
「今日のお礼です。助っ人、ありがとね」
無邪気な少女の笑みに、ヤマトは更に頬を赤くした。少女から視線をそらし、甘い香りを放つ袋を受け取った。
「さんきゅ、な」
「オレは、バンドの欠員が出たから、来たんだ。けどよぉ……」
満面の笑みで迎えたことこに反して、ヤマトは顔を赤銅色の髪よりも赤くしていた。恥ずかしくてたまらないと言うように、視線が泳ぐ。
「ガールズバンドの、なんて聞いてねぇよ!」
「大丈夫! バッチリだったし、女装してるヤマトさんも可愛いです」
ヤマトは俯きがちに、自身の格好を見た。首輪を思わせるチョーカーに、悪魔の羽根をあしらったゴシック・ロリータ調の衣装。褒められること自体に悪い気はしないが、男としてのプライドもあって、褒められれば褒められるほど複雑な心持になってしまう。
「そっか。じゃあ、オレ、そろそろ着替え……」
「はい、これ!」
ことこが、ヤマトの前に掌を見せる。その上に、ちょこんと小さな袋があった。
「えっと。これは?」
「今日のお礼です。助っ人、ありがとね」
無邪気な少女の笑みに、ヤマトは更に頬を赤くした。少女から視線をそらし、甘い香りを放つ袋を受け取った。
「さんきゅ、な」
