バレンタイン&ホワイトデーSS 2016
バレンタイン・チョコは不意打ちで
親に教えてもらったこと。
この話題は休み時間にちょっとした盛り上がりを見せた。
親からサバイバル技術を習ったという葦原 赤貴と、ママにお菓子作りを教えてもらったという迷家・唯音。普通なら話がかみ合うはずもないのだが……。
「知ってる? チョコレートには興奮、覚醒作用があるテオブロミンという物質が含まれていて、兵士の士気を高めるために戦場で配られたんだよ」
唯音のトリビアに、それまで話題に消極的だった葦原 赤貴が反応した。
「チョコレート菓子か。調理の技術もサバイバルに必要だ。教えてくれ」
「いいよ。世界一のお菓子作ろうね!」
かくして二人は場所を変え、唯音を教官に赤貴の調理実習が始まった。
「絞るコツはね、力を抜くこと」
「力を抜く?」
「そうだよ。力まず一定の量を出しながら……」
赤貴は真剣な目で唯音の動きを追いながらトレースする。
「最後に力を抜いて、すっと上に引き上げる」
唯音はきれいにツノのたったカップケーキを、赤貴が作ったカップケーキの横に並べた。
出来上がりの違いは一目瞭然だ。
「む、難しいな……」
「ふふん、練習あるのみ」
「アイ、マム」
赤貴の敬礼を笑顔で止めると、唯音は自分のカップケーキを差し出した。
この話題は休み時間にちょっとした盛り上がりを見せた。
親からサバイバル技術を習ったという葦原 赤貴と、ママにお菓子作りを教えてもらったという迷家・唯音。普通なら話がかみ合うはずもないのだが……。
「知ってる? チョコレートには興奮、覚醒作用があるテオブロミンという物質が含まれていて、兵士の士気を高めるために戦場で配られたんだよ」
唯音のトリビアに、それまで話題に消極的だった葦原 赤貴が反応した。
「チョコレート菓子か。調理の技術もサバイバルに必要だ。教えてくれ」
「いいよ。世界一のお菓子作ろうね!」
かくして二人は場所を変え、唯音を教官に赤貴の調理実習が始まった。
「絞るコツはね、力を抜くこと」
「力を抜く?」
「そうだよ。力まず一定の量を出しながら……」
赤貴は真剣な目で唯音の動きを追いながらトレースする。
「最後に力を抜いて、すっと上に引き上げる」
唯音はきれいにツノのたったカップケーキを、赤貴が作ったカップケーキの横に並べた。
出来上がりの違いは一目瞭然だ。
「む、難しいな……」
「ふふん、練習あるのみ」
「アイ、マム」
赤貴の敬礼を笑顔で止めると、唯音は自分のカップケーキを差し出した。
