バレンタイン&ホワイトデーSS 2016
Vt2016?キミにも甘いサプライズ?
コツコツと。
郊外にある廃教会の中には、ゲイル・レオンハートの足音が響く。
彼の前を歩くのは、古妖の虹色羊。
その頭には、白い子猫の『桜』が乗っていた。羊毛の中に小さな白い体は半分埋まっているが、気持ちよさそうにふわっふわな毛並みを楽しんでいるようだ。
時折、虹色羊の歩みに合わせ、揺れる体から跳ねてはもふもふの毛に着地している。
虹色羊が訪れたゲイル達と向かっているのは、祭壇前にあるシスターの墓。
巻角と瞳をキラキラと極彩色に輝かせ、虹色羊は嬉しそうに、綺麗にラッピングされたチョコを咥えて運ぶ。
とことこ体を揺らして歩く後姿を眺め歩きながら、ゲイルは微笑を浮かべ、夜の廃教会を見回す。
ふと視線を感じて隣に視線を下ろせば、自分に寄り添い歩くアラスカンマラミュートの『ナハト』が、不思議そうにゲイルの背後へと視線を注いでいた。
「ああ、これか」
小声で答えて、「しぃ」と唇に人差し指をあてる。
ゲイルのもう片方の手が後ろ手に隠し持っているのは、虹色羊用にラッピングされたチョコレート。
アルカンシエルが、シスターにチョコを供え終えた後に渡すとしよう。
甘いサプライズ。
きっと飛び跳ねまわって、喜んでくれるに違いないから――。
郊外にある廃教会の中には、ゲイル・レオンハートの足音が響く。
彼の前を歩くのは、古妖の虹色羊。
その頭には、白い子猫の『桜』が乗っていた。羊毛の中に小さな白い体は半分埋まっているが、気持ちよさそうにふわっふわな毛並みを楽しんでいるようだ。
時折、虹色羊の歩みに合わせ、揺れる体から跳ねてはもふもふの毛に着地している。
虹色羊が訪れたゲイル達と向かっているのは、祭壇前にあるシスターの墓。
巻角と瞳をキラキラと極彩色に輝かせ、虹色羊は嬉しそうに、綺麗にラッピングされたチョコを咥えて運ぶ。
とことこ体を揺らして歩く後姿を眺め歩きながら、ゲイルは微笑を浮かべ、夜の廃教会を見回す。
ふと視線を感じて隣に視線を下ろせば、自分に寄り添い歩くアラスカンマラミュートの『ナハト』が、不思議そうにゲイルの背後へと視線を注いでいた。
「ああ、これか」
小声で答えて、「しぃ」と唇に人差し指をあてる。
ゲイルのもう片方の手が後ろ手に隠し持っているのは、虹色羊用にラッピングされたチョコレート。
アルカンシエルが、シスターにチョコを供え終えた後に渡すとしよう。
甘いサプライズ。
きっと飛び跳ねまわって、喜んでくれるに違いないから――。
