
雨脚の音
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年が明け、数日。
覚者の三人は、黎明組織所属の暁少年を訪ねていた。
「やあ、暁」
深緋・幽霊男(CL2001229)が片手を上げて挨拶し、
「いえ、『小垣斗真』と呼んだ方が宜しいでしょうか?」
『教授』新田・成(CL2000538)が合わせて会釈をすれば、
「え、やだ、怖い、な、ななな、ぼぼぼ僕の名前どうして……いやぁぁぁ!」
暁と名乗っていた少年――もとい、『暁』小垣 斗真(nCL2000135)は目線を逸らした。
身長が、一律大体同じ高さの三人。
対して、一人だけ三人を見上げる高さの『誇り高き姫君』秋津洲 いのり(CL2000268)は、片手を高く上げて自己主張する。
「逢魔ヶ時の、紫雨にお会いしたのですわ。名前は、彼が勝手に暴露を……しておりました」
「なんだってぇ衝撃的事実!! でも……その、あのトリガーハッピーに会ったんだね……怪我は……無い? そっちのおじいさんも」
「なに、まだまだ若い者には負けませんよ。何せ、今が現役ですから」
いのりと成は、昨年末、隔者組織七星剣の幹部である逢魔ヶ時紫雨本人の過激な戯れから生還して来たばかりである。
紫雨を退かせなければ、舞台となったあの街も、この五麟市も、血雨の厄災を受けてしまうというものであったが。
『いいよ、約束する。俺は五麟に手を出さない。血雨も降らさないよう手を廻す。』
彼の言葉がどこまで嘘で無いかは知れないが、五麟に真っ赤な雨が降らずに年を超せたのは事実だ。
見事、ファイヴの覚者は役目を果たし、二つの街の血雨を回避した事は誇っていいものであろう。
更に、そこから得た成果は、まだある。
いのりは、指に挟んだ一枚の黒い札を斗真に見せた。
「これを貰いましたの。これが何なのか……教えてくれませんでした」
「これは『黒札』だね。血雨を起こしている原因でもある八尺用の呪具。もっと分かりやすく言えば、八尺にしか効かない封印具。現存してたんだ……」
「でも一枚しか、ありません」
「もっとある、絶対に、もっとあるはず。紫雨は、これを使える人を探しているんじゃないかな。これは、僕の想像だけどね」
成は、一息ついてから問う。
「これは私が入手した情報ですが、紫雨は、式神のように。自分の分身を発生させる事が可能ですか?」
「で、できるんじゃないかな……、古来、式神や使い魔は珍しくないかと」
「それと、任意の人物に姿を変えていました。例えば、貴方の姿に」
「え? 僕に? やだなぁ……。あ!! そんな神器があったような……無かったような……仮面だったか、鏡だったか」
「なんとか、思い出せませんか」
「ぼ、僕は検索すれば情報がすぐ出る程、最先端では無いから……血雨以外の事は、あまり期待しないで!」
幽霊男は、頷いた。
だがしかし、それでも彼から有益な情報は得られると確信している。故に、問うのだ。きっとそれが、今後の何かに役に立つときが来るはずだから。
「のう、斗真。お主の持っている情報もそうだが……僕達は、一度、君と話しをした方が良さそうじゃぜ」
「……うん、いいよ、僕もそう思ってた。血雨が……そろそろ降りそうな気がするんだ、なんとなく」
――それで、君達は僕に何を聞きたいんだろうか?
⇒【掲示板へのリンク】
覚者の三人は、黎明組織所属の暁少年を訪ねていた。
「やあ、暁」
深緋・幽霊男(CL2001229)が片手を上げて挨拶し、
「いえ、『小垣斗真』と呼んだ方が宜しいでしょうか?」
『教授』新田・成(CL2000538)が合わせて会釈をすれば、
「え、やだ、怖い、な、ななな、ぼぼぼ僕の名前どうして……いやぁぁぁ!」
暁と名乗っていた少年――もとい、『暁』小垣 斗真(nCL2000135)は目線を逸らした。
身長が、一律大体同じ高さの三人。
対して、一人だけ三人を見上げる高さの『誇り高き姫君』秋津洲 いのり(CL2000268)は、片手を高く上げて自己主張する。
「逢魔ヶ時の、紫雨にお会いしたのですわ。名前は、彼が勝手に暴露を……しておりました」
「なんだってぇ衝撃的事実!! でも……その、あのトリガーハッピーに会ったんだね……怪我は……無い? そっちのおじいさんも」
「なに、まだまだ若い者には負けませんよ。何せ、今が現役ですから」
いのりと成は、昨年末、隔者組織七星剣の幹部である逢魔ヶ時紫雨本人の過激な戯れから生還して来たばかりである。
紫雨を退かせなければ、舞台となったあの街も、この五麟市も、血雨の厄災を受けてしまうというものであったが。
『いいよ、約束する。俺は五麟に手を出さない。血雨も降らさないよう手を廻す。』
彼の言葉がどこまで嘘で無いかは知れないが、五麟に真っ赤な雨が降らずに年を超せたのは事実だ。
見事、ファイヴの覚者は役目を果たし、二つの街の血雨を回避した事は誇っていいものであろう。
更に、そこから得た成果は、まだある。
いのりは、指に挟んだ一枚の黒い札を斗真に見せた。
「これを貰いましたの。これが何なのか……教えてくれませんでした」
「これは『黒札』だね。血雨を起こしている原因でもある八尺用の呪具。もっと分かりやすく言えば、八尺にしか効かない封印具。現存してたんだ……」
「でも一枚しか、ありません」
「もっとある、絶対に、もっとあるはず。紫雨は、これを使える人を探しているんじゃないかな。これは、僕の想像だけどね」
成は、一息ついてから問う。
「これは私が入手した情報ですが、紫雨は、式神のように。自分の分身を発生させる事が可能ですか?」
「で、できるんじゃないかな……、古来、式神や使い魔は珍しくないかと」
「それと、任意の人物に姿を変えていました。例えば、貴方の姿に」
「え? 僕に? やだなぁ……。あ!! そんな神器があったような……無かったような……仮面だったか、鏡だったか」
「なんとか、思い出せませんか」
「ぼ、僕は検索すれば情報がすぐ出る程、最先端では無いから……血雨以外の事は、あまり期待しないで!」
幽霊男は、頷いた。
だがしかし、それでも彼から有益な情報は得られると確信している。故に、問うのだ。きっとそれが、今後の何かに役に立つときが来るはずだから。
「のう、斗真。お主の持っている情報もそうだが……僕達は、一度、君と話しをした方が良さそうじゃぜ」
「……うん、いいよ、僕もそう思ってた。血雨が……そろそろ降りそうな気がするんだ、なんとなく」
――それで、君達は僕に何を聞きたいんだろうか?
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